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膝の裏が痛い!「ピキッ」という鋭い痛みの原因や治し方を解説

スポーツや日常生活の何気ない動作をしているときに、膝の裏に「ピキッ」とした鋭い痛みや違和感を覚えた経験はないでしょうか。

このような症状は関節に何らかの異常や疾患が生じているサインの可能性もあり、早期の検査・治療が必要となるケースがあります。

本記事では、膝の裏に痛みが走る原因や治療法について詳しく解説します。

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膝の裏を構成する組織

膝の裏にはさまざまな組織があり、これらによって膝関節のスムーズな動きと安定性を実現しています。

半月板

半月板は膝関節の内部にあるC字型の軟骨で、内側半月板と外側半月板がそれぞれ存在します。

膝にかかる衝撃を吸収し、負荷を均等に分散させる役割を果たしているほか、膝関節のスムーズな動きと安定を保つためにも欠かせない組織です。

滑膜

滑膜は関節を覆う薄い膜で、滑液とよばれる潤滑油のような体液を分泌し関節の滑らかな動きを保っています。

軟骨組織の摩擦を軽減する働きもある一方で、滑膜に炎症を引き起こすと滑液が異常分泌され、痛みや腫れの原因となります。

ハムストリングスの腱

ハムストリングスは大ももの裏に位置する筋肉群ですが、腱は膝の裏を通り、脛骨や腓骨につながっています。

ハムストリングスの腱は膝をスムーズに曲げる役割を持ち、歩行や走行時にも欠かせない組織のひとつです。

腓腹筋の腱

腓腹筋はふくらはぎの筋肉で、腱は膝の裏を通って大腿骨につながっています。

腓腹筋の腱は膝の曲げ伸ばしや、踵を上げる動作などに欠かせない組織です。

関連記事:変形性膝関節症の治し方とは|痛いのに放っておくとどうなる?

膝の裏の「ピキッ」とした痛みの原因

日常生活や運動をしていると、膝の裏に「ピキッ」とした感覚とともに痛みが現れることがあります。

このような場合、以下の疾患を発症している可能性が考えられます。

半月板損傷

膝をねじったり強い衝撃が加わった際に「ピキッ」とした痛みが走った場合には、半月板損傷の可能性が考えられます。

特に損傷部位が半月板の後方にある場合、膝の裏に鋭い痛みを感じることがあります。

半月板を損傷すると膝の痛みや腫れのほかにも、曲げ伸ばしの際に関節が引っかかるような感覚や可動域が狭くなるといった症状も現れる場合があります。

ベーカー嚢腫

ベーカー嚢腫とは、膝関節にある滑膜嚢が腫れて嚢腫を形成する疾患です。

主に膝の関節炎や半月板損傷などの疾患に伴って現れることが多く、特に膝の裏に痛みだけでなく大きな腫れが現れている場合にはベーカー嚢腫の疑いがあります。

ガングリオン

膝の関節を包んでいる関節包という袋の内圧が上がると関節包の弱い部分が膨らみ関節外にはみ出してできたものです。痛みを伴わない場合も少なくありません。

深部静脈血栓症

深部静脈血栓症とは、血管の内部に血栓とよばれる血の塊が形成される疾患です。

血栓が膝の裏の血管にできた場合、血流が阻害され「ピキッ」とした鋭い痛みや腫れが生じます。

血栓が臓器や脳にまで移動すると命に関わる危険もあるため、早急な治療が必要です。

腱の損傷

ハムストリングスや腓腹筋などの腱に大きな力や過度のストレスが加わると、腱が損傷し「ピキッ」とした鋭い痛みを感じることがあります。

運動のしすぎや急な方向転換、膝のねじれなどが原因で発症することが多く、特に強烈な痛みをもたらすことがあります。

膝の裏が「ピキッ」と痛くなった時の対処法

膝の裏に痛みを感じた場合、無理に運動を続けたり動かしてしまうと症状を悪化させる危険があるため、正しい対処法を覚えておきましょう。

安静にする

膝に鋭い痛みを感じたときには、無理をせず安静にすることが大切です。

たとえば、腱を損傷している状態で膝を無理に動かしてしまうと、腱の断裂を引き起こし歩行が困難になる可能性もあります。

膝に負担をかけないよう心がけ、検査や治療が終わるまでは安静な状態を保ちましょう。

アイシング

急性の痛みや腫れが見られる場合にはアイシングが効果的です。

アイシングは氷嚢やタオルで包んだ保冷剤を患部に当てる方法がおすすめです。

患部を冷やすことで血管が収縮し、炎症の悪化を抑え痛みを軽減できる可能性があります。

ストレッチ

軽いストレッチで筋肉を伸ばし、緊張を和らげることで痛みを緩和できる可能性もあります。

ただし、ストレッチが有効なのは筋肉や腱の緊張が原因の場合のみのため注意しましょう。

たとえば、筋肉や腱の損傷が原因の場合、ストレッチを行うことで血行が活発化し痛みや腫れが悪化するおそれもあります。

マッサージ

ストレッチと同様、筋肉や腱の緊張が原因で痛みが現れている場合には軽いマッサージも効果的です。

血行を改善することで筋肉の緊張をほぐし、痛みを軽減できる可能性があります。

テーピング・サポーターの使用

膝関節が不安定な状態で無理に動かしてしまうと、靭帯や腱の損傷が悪化するおそれがあります。

そこで、テーピングやサポーターを使って膝を固定し関節の安定性を保つことで、痛みの軽減と再発を防止できます。

整形外科の受診

膝の痛みの原因に心当たりがない場合や、適切な対処法が分からない場合、あるいは膝の痛みが長引いて症状が改善しない場合には整形外科を受診しましょう。

専門医に診てもらうことで膝の状態を正確に診断でき、適切な治療法を選択できます。

関連記事:膝の再生医療は効果なし?保険適用はいつから?

膝の裏の「ピキッ」とした痛みの治療法

膝の裏に「ピキッ」とした痛みが現れた場合、整形外科ではどういった治療法が選択されるのでしょうか。

代表的な治療法の一例をご紹介します。

保存療法

保存療法とは外科手術を行わない治療法で、主に軽度から中程度の痛みや炎症を抑えるために選択されます。

検査の結果、骨や関節、腱などの組織に大きな損傷が見られず、日常生活に支障をきたすほどの痛みではない場合の基本的な治療法といえるでしょう。

保存療法にはさまざまな治療法がありますが、鎮痛剤の処方やヒアルロン酸の関節内注射、テーピングによる関節の固定などが代表的です。

筋肉の強化や柔軟性の向上を目的とした治療法にリハビリや理学療法があります。

膝関節周りの筋肉量が落ちていると関節を支えきれず不安定になり、日常生活を送る中で再発のリスクが高まります。

リハビリと理学療法を行うことで関節を安定化させ、痛みの軽減と症状の再発を防ぎます。

具体的には理学療法士の指導を受けながらの筋力トレーニングや軽い運動、マッサージなどが代表的ですが、それ以外にも水を使ったハイドロリリース注射のほか、体外衝撃波治療や超音波治療、低周波治療などを用いた治療法があります。

外科的治療

保存療法やリハビリテーションで効果が見られない場合や、疾患がある程度進行し重症化している場合には、外科的治療が選択肢のひとつとなります。

外科手術によって損傷した組織の修復をしたり、人工関節を傷んだ自分の関節を取り替えることで、本来の機能を取り戻します。

外科的治療は優れた効果が期待できる一方で、保存療法やリハビリ、理学療法に比べると患者様にかかる身体的負担が大きく入院期間も長期にわたることが多いため、慎重に判断しなければなりません。

再生医療

再生医療とは、患者様本人から取り出した幹細胞を培養したり、あるいは血液中の血小板を、再び体内に注入し損傷した組織を再生させる治療法です。

手術を必要とせず注射のみで組織の再生が期待できることから、近年大いに注目されています。

ただし、すべてのケースにおいて再生医療が適応となるわけではなく、損傷部位の状態によっては外科手術以外に選択肢がなかったり、逆に保存療法や理学療法でも十分対応できる場合もあります。

また、再生医療は基本的に自由診療のため治療費が高額であり、最新の治療法のため対応できる整形外科も限られています。

関連記事:膝に水がたまったら自然治癒するの?放置するリスクや対処法を解説

膝の裏の「ピキッ」という痛みはイノルト整形外科まで!

スポーツを楽しんでいるときや、日常生活の何気ない動作の中で「ピキッ」という鋭い痛みを感じると、不安に感じてしまうものです。

このような症状が現れたら早めに整形外科を受診することがおすすめですが、信頼できる整形外科で診てもらいたい、あるいは幅広い治療法に対応した整形外科を受診したいとお考えの方も多いでしょう。

そのような場合には、ぜひイノルト整形外科へご相談ください。

イノルト整形外科では関節専門外来のほかに、スポーツ整形外科や再生医療専門外来を設置しており、一般の患者様はもちろんのことプロのアスリートからもご支持いただいています。

鋭い強烈な痛みが続いて症状が良くならない方はもちろん、一瞬「ピキッ」とした痛みを感じ、その後痛みは引いたものの、関節に異常がないか検査をしてほしい方もお気軽にイノルト整形外科へご相談ください。

まとめ

膝の裏に「ピキッ」とした鋭い痛みが走った場合、靭帯や半月板、腱の損傷をはじめとしてさまざまな原因が考えられます。

一時的に症状が改善したとしても、関節に何らかの異常が発生していると再発したり、さらに重篤な症状を引き起こす可能性も考えられます。

そのため、できるだけ早めに整形外科を受診し詳しい検査と適切な治療を受けることが大切です。

膝関節の治療にはさまざまな方法がありますが、イノルト整形外科では保存療法のほか、外科手術や最新の再生医療まで幅広く対応しています。

膝関節に不安を抱えている方は、ぜひお気軽にイノルト整形外科までご相談ください。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

変形性膝関節症の治し方とは|痛いのに放っておくとどうなる?

加齢や運動不足、あるいは運動のしすぎなどによって、膝に違和感や痛みを感じ始めることがあります。

このような症状が慢性的に現れた場合には、変形性膝関節症かもしれません。

本記事では、多くの患者様が悩みを抱える変形性膝関節症とは何か、主な症状や有効な治療、重症化や発症を予防するための方法などを解説します。

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変形性膝関節症とは

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨の一部が削れたり損傷することで、炎症を起こし痛みや炎症を引き起こす疾患です。

膝関節には軟骨組織があり、これによって関節で骨同士が直接接触しないような仕組みになっています。

しかし、加齢や肥満、激しいスポーツや膝を酷使する仕事などが原因で、膝関節の軟骨が徐々にもしくは急激にすり減っていくと痛みや炎症といった症状が現れるようになります。

変形性膝関節症を放置しておくと、徐々に痛みや炎症が強くなっていくだけでなく、腫れや可動域の制限、さらには膝関節そのものが変形することもあります。

重症化すると日常生活に支障をきたすこともあるため、早い段階で検査および治療を受けることが大切です。

変形性膝関節症の主な治療法

変形性膝関節症にはいくつかの治療法があり、症状の程度や進行度に応じて選択する必要があります。

主な治療法と、どういった場合に選択されることが多いのかをご紹介しましょう。

保存療法

変形性膝関節症での保存療法は、理学療法士によるリハビリテーション、物理療法、薬物療法などを指します。保存療法は手術を必要としないため通院での治療になります。

変形性膝関節症を放置しておくと時間の経過とともに痛みが増し、膝をかばい運動する機会が減り筋力が低下したり、肥満になりやすくなります。

膝の筋力が低下したり肥満になるとさらに関節に負担がかかり、重症化するといった悪循環に陥ることも多いため、薬物療法によって痛みを緩和しながら、リハビリテーションや生活習慣の改善を行うことは重要な治療法のひとつです。

外科療法

保存療法を行っても症状が緩和できなかったり、中程度から重度の変形性膝関節症が見られる場合には、手術による外科療法も検討されます。

主な手術の方法は以下の通りです。

関節鏡視下手術

関節内に異物がある場合には除去し、軟骨が欠損した部位に穴を空けて軟骨組織を再生させるドリリングなどの処置を行います。

切開の範囲が小さく患者様への負担も少ないため、数日程度の入院期間で済む場合が多いです。

高位脛骨骨切り術

骨の一部を切除し、O脚やX脚を修正することにより膝関節への負担を軽減します。

関節組織の内側(もしくは外側)の変形がある程度進行している場合でも外側(もしくは内側)の軟骨が残っていれば適応となり、人工関節置換術を避けたい場合に有効な手術法といえます。

人工膝関節置換術

損傷した膝関節を人工の関節に置き換える手術です。重度の変形性膝関節症の場合に選択され、入院期間は2週間~4週間程度になります。

再生医療

保存療法を続けてみたものの効果がなく、外科手術も避けたいという場合には以下のような再生医療も治療の選択肢となります。

幹細胞治療

幹細胞はさまざまな細胞に変化できる特殊な細胞で、これを患者本人の組織を採取し、そこに含まれている幹細胞を分離し培養したものを患部に注射することで、炎症や損傷した膝関節の軟骨を修復することで痛みを大幅に改善できる可能性があります。

PRP(多血小板血漿)療法・成長因子療法

多血小板血漿療法ともよばれ、患者本人の血液から血漿とよばれる成分を抽出し、膝関節に注入します。血漿には成長因子が含まれているため、組織の修復と再生を促進します。

自家培養軟骨移植

患者様本人から軟骨組織の一部を取り出し、培養したものを膝関節に移植します。

移植には手術が必要で比較的大きな手術になり、まだまだ一部の大学病院などごく一部の医療機関でしか受けられない治療法になり、手術の適応も限られてきます。

関連記事:PRP(多血小板血漿)療法とは?効果や費用について解説

変形性膝関節症の予防や重症化させないためのポイント

変形性膝関節症の重症化を防いだり、発症そのものを予防するためには以下の2点を心がける必要があります。

適正体重の維持

肥満による体重の増加は膝関節に大きな負担をかけ、軟骨組織の摩耗を早める可能性があります。そのため、適正体重の維持は変形性膝関節症予防の基本といえます。

バランスのとれた食事を心がけ、過剰なカロリー摂取を避けることを心がけましょう。

特に食物繊維やタンパク質は積極的に摂取し、脂肪や糖分の摂りすぎには注意が必要です。

自力で体重コントロールが難しい場合は管理栄養士の栄養指導を継続的に受けるのはとても効果的です。

運動と膝周りの筋力強化

適正体重を維持するためはもちろんですが、膝周りの筋力を強化する意味でも適度な運動が大切です。

膝周りの筋力が強化されることで、関節が安定し膝への負担を軽減することができます。

長時間のウォーキングやジョギングなどは膝への負担を増大させる可能性もあるため、はじめのうちは水泳やサイクリングなど膝への負荷がかかりにくい運動がおすすめです。

関連記事:変形性股関節症の治し方はある?やってはいけないことや負担をかけない寝方を紹介

変形性膝関節症でしてはいけない運動とは?

変形性膝関節症を発症したとき、あるいは発症が疑われる場合、膝の動かし方や運動の強度によっては症状を悪化させることがあります。

どういった運動が危険なのか、やってはいけない行為をご紹介します。

強度の高い運動

体重管理や筋力強化のために運動を行う際には、自分自身の体力や筋力と相談しながら徐々に負荷を上げていくことが大切です。

先述の通り、運動の習慣がない方がいきなり長時間のウォーキングやジョギングをすると、膝関節に過度な負担がかかり症状を悪化させる可能性があります。

深い屈伸運動

下半身の筋力トレーニングとして、スクワットやランジは自宅でも手軽にできるメニューです。

しかし、膝を深く曲げすぎてしまうと膝軟骨に大きな負荷がかかり、痛みや炎症を悪化させる原因となります。

膝を曲げたときに痛みを感じる場合には、無理をせず太ももが水平になるくらいの

浅い屈伸からスタートしましょう。

頻繁なジャンプ動作

バスケットボールやバレーボールなどのスポーツでは、頻繁にジャンプ動作を繰り返すため膝へ大きな負担がかかります。

また、これらの激しいスポーツでは方向転換などの際に瞬間的に大きな負荷がかかることも多いため、変形性膝関節症を悪化させる原因にもなりかねません。

頻繁な階段昇降

変形性膝関節症の初期段階では、階段や段差の上り下りの際に膝に痛みや違和感を感じることがあります。

これは膝関節に負担がかかっている証拠であり、頻繁に繰り返すと症状を悪化させる可能性があります。

変形性膝関節症を放っておくとどうなる?

初期の変形性膝関節症では膝の違和感や軽い痛みが現れることが多く、日常生活に大きな支障をきたすことが少ないため治療を後回しにする患者様も少なくありません。

しかし、治療をしないまま放置しておくと膝の痛みが徐々に増していき、症状が悪化する悪循環に陥ることがあります。

膝の痛みが強くなると、自然と膝をかばうようになり運動そのものを避けるようになります。

運動量が低下していくと膝周辺の筋力も低下していき、膝関節を支える力も弱まり、膝にかかる負担がさらに増大することになります。

また、運動量が減ることで体重増加にもつながり、さらに膝関節にかかる負担は大きくなるでしょう。

このような悪循環を断てないままでいると、気付いたときには変形性膝関節症が重症化し、歩行そのものが困難になるなど日常生活に大きな支障をきたす可能性もあります。

関連記事:再生医療とは?適応となる整形疾患や費用について

変形性膝関節症ならイノルト整形外科までご相談を

変形性膝関節症の治療にあたっては、再生医療も含めてさまざまな治療法に対応したクリニックを選ぶことがおすすめです。

特に再生医療は最新の治療法であり、対応できるクリニックも限られています。

イノルト整形外科では関節専門外来や再生医療外来を設置しており、初期の変形性膝関節症から外科手術が必要な重度の変形性膝関節症まで幅広く対応することができます。

患者様の年齢や膝関節の状態などによっても最適な治療法は異なりますが、イノルト整形外科では数多くの変形性膝関節症の治療実績があるため安心して診察を受けられます。

まとめ

変形性膝関節症の重症化を防ぐためには、適正体重の維持や筋力強化といった基本的な対策はもちろんですが、早い段階で治療をスタートすることも重要です。

整形外科を受診する患者様の中には、歩行や階段の上り下りが困難になるほど重症化してから来院する方も多く、外科手術以外に治療の選択肢がないケースもあります。

早い段階で治療をスタートすることでさまざまな治療法を選択でき、患者様への負担も少なくて済みます。

膝関節に違和感や痛みがあり、変形性膝関節症かもしれないと感じた方は、まずは一度イノルト整形外科までお気軽にご相談ください。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

半月板損傷が軽度なケースについて|手術しないで治すことは可能?

膝の違和感や痛みが感じられる場合、さまざまな症状が疑われますが、中でも代表的なのが半月板損傷です。

半月板損傷の進行度や損傷の程度によっても症状はさまざまですが、初期段階の軽度の症状としてはどのようなものがあるのでしょうか。

また、その場合の治療方法や悪化を防ぐポイントもご紹介します。

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半月板損傷とは

半月板とは膝関節の一部を形成するC字型の軟骨組織で、膝の内側と外側にそれぞれ存在し関節を安定化させる役割を果たしています。

また、半月板は大腿骨と脛骨の間に位置することで、ウォーキングやランニング、ジャンプなどの際に膝関節にかかる衝撃を吸収する重要な役割もあります。

半月板損傷とは、加齢や外部からの衝撃、膝関節にかかる過度な負担などが原因で半月板の一部が損傷する疾患です。

激しいスポーツや事故などによって瞬間的に大きな負担がかかったときに発症するケースもあれば、年齢に伴いもろくなり立ち上がる動作だけで損傷してしまうケースもあります。

半月板損傷が軽度の場合の症状

半月板損傷は進行度によっても現れる症状が異なります。軽度の場合にはどういった症状が現れることが多いのでしょうか。

膝の痛み

軽度の半月板損傷では、半月板が位置している膝の内側または外側に軽い痛みを感じることがあります。

直立や椅子に座っているときには痛みがなくても、立ち上がりやしゃがむといった動作をとるときに痛みが強く現れることがあります。

膝の腫れ

半月板損傷が軽度であっても、膝関節の内部に炎症が起こると、腫れが現れることがあります。

膝が抜けるような感

半月板は膝関節そのものを固定する役割も担っていることから、損傷すると膝関節が不安定に感じることがあります。

特に、歩いているときや走っている最中に膝関節が「抜ける」ような感覚を覚えた場合、半月板損傷の可能性があるでしょう。

膝が引っ掛かる感覚

不安定感と同時に、膝が特定の位置で引っかかるような感覚や、稀にロックされたように膝の曲げ伸ばしができなくなる症状が現れることもあります。

膝の可動域が狭くなる

膝関節内部に生じた炎症や腫れが原因で、膝の曲げ伸ばしがしにくくなることもあります。

このような症状は中等度の症状として現れることが多いですが、軽度の場合でも完全な可動域を保つのが難しくなることもあります。

膝に水が溜まる

半月板損傷に伴う炎症によって、膝関節内に液体が溜まることがあります。

これにより、膝が圧迫されているような感覚を覚えたり、曲げ伸ばしがしにくいと感じるケースも少なくありません。

関連記事:膝の皿の上が痛い場合の原因となる疾患や治し方について解説

半月板損傷が軽度の場合の治療

半月板損傷は症状の程度に応じてさまざまな治療法が検討されます。軽度の場合には、主に保存療法と再生医療の2つが有力な候補となります。

保存療法

保存療法とは、外科手術以外の治療法全般を指します。整形外科クリニックにおいて用いられることの多い保存療法は以下の3つです。

理学療法士によるリハビリテーション

一般的にリハビリともよばれ、国家資格の理学療法士の指導のもと、可動域の改善、ストレッチや筋力強化のエクササイズを行います。

これにより、膝の筋力を回復させ関節の可動域を改善できるほか、膝関節の安定性も高めることで再発を防ぐ効果も期待できます。保存療法の中では最も大事な治療法になります。

薬物療法

主に痛みや炎症を緩和するために用いられるのが薬物療法です。

湿布や内服の鎮痛薬などを処方されるケースが多いほか、場合によってはヒアルロン酸注射が選択されることもあります。

また、薬物療法だけでは完治が難しい場合も多いため、その他の治療法と合わせて選択されるケースが多いです。

物理療法

物理療法は機械を用いた治療法で、有効なものとして体外衝撃波治療、超音波治療、低周波治療などがあります。

対して、温熱療法として昔から用いられているマイクロ波やホットパックなどはほとんど効果は得にくいです。

再生医療

再生医療とは、ヒトから取り出した特殊な細胞や成長因子を利用して、損傷した組織の修復や再生をする新しい治療法です。

再生医療にもさまざまな種類がありますが、半月板損傷で用いられることの多いのが以下の2つです。

幹細胞療法

患者様自身の骨髄や脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、損傷部位に注入する方法です。

幹細胞とはさまざまな細胞に変化する性質のある特殊な細胞で、これを培養したものを膝関節に注射することにより、半月板の再生を促します。

PRP(多血小板血漿)療法

患者様自身の血液を採取し、そこから血小板を濃縮した血漿とよばれる成分を膝関節内に注入します。

血漿には組織の修復を促す成長因子が含まれており、この働きによって損傷した半月板の再生を助け、回復を早める効果が期待できます。

成長因子療法

PRPに含まれている血小板には多くの成長因子が含まれているため、その成長因子のみを抽出して膝関節に注入する成長因子療法という治療法があります。

細胞成分を除去しているため正確には再生医療の定義からは外れますが、PRP療法の同等程度の効果を得られる可能性があります。

関連記事:股関節が痛いのは何が原因?痛い時にやってはいけないこととは

半月板損傷が軽度の場合の全治期間

半月板損傷は症状が悪化するほど長期の治療期間を要するため、早めに診断および治療を開始することが大切です。

ただし、膝関節がロックしてしまうような重症な場合や、保存治療を継続しても症状が緩和されなかったり、さらに状態が悪化するような場合には外科手術も含めて検討する必要があるでしょう。

この場合、術後のリハビリも含めると半年程度の期間を要します。

半月板損傷の悪化を防ぐポイント

万が一半月板損傷を発症したり、発症が疑われるような症状が現れた場合、それ以上悪化させないために注意しておきたいポイントがあります。

過度な負荷をかけない

半月板損傷を発症した際に特に重要なのは、膝関節に過度な負担をかけないことです。

たとえば、膝を酷使する激しい運動はもちろんですが、深い屈伸運動や重い物を持ち上げる動作、階段の上り下りなどの動作には注意が必要です。

膝を動かしたときに違和感や痛みなどがある場合には、無理をせず膝を休ませましょう。

理学療法士のリハビリテーション

半月板損傷を患うと、痛みのために膝をかばい本来の日常生活動作が行なえなくなり、筋力が低下したり、歩き方においてかばう癖がついてしまうことが多くなります。

そこで、理学療法士のリハビリテーションを行うことは最も重要です。

誤った方法での筋力トレーニングは症状を悪化させる原因にもなりうるため、理学療法士の指導のもと、正しい方法で筋力強化やストレッチ運動を行うことが大切です。

また、自宅でトレーニングを行う場合でも、運動のメニューや強度は理学療法士に相談しながら状況に応じて調整し、無理のない範囲で継続することを心がけましょう。

半月板損傷ならイノルト整形外科まで

半月板損傷の程度や症状は人によっても異なり、状態に合わせて適切な治療法を選択することが大切です。

また、半月板損傷の状態を把握するためにはMRI検査が必須になるため、他の医療機関に依頼しながらでもMRI検査を積極的に行なっている医療機関を受診することも重要といえるでしょう。

イノルト整形外科では関節専門外来と再生医療外来を設置しており、半月板損傷の症状や程度に合わせてさまざまな治療法を選択できます。

特に再生医療に対応している医療機関は限られており、治療実績や知見が豊富なクリニック選びに苦労することも多いでしょう。

イノルト整形外科では無料のカウンセリングを行ったうえで、再生医療も含めたさまざまな治療方法のご提案をさせていただくため、リスクやデメリットなども含め納得したうえで治療方針を決めることができます。

膝の違和感や痛みがあり、半月板損傷かもしれないと不安に感じている方は、ぜひ一度イノルト整形外科へご相談ください。

関連記事:再生医療とは?適応となる整形疾患や費用について

まとめ

半月板損傷を発症すると、初期の段階では膝の違和感や痛み、腫れなどが現れることが多く、やがて歩行が困難になるほど重症化するケースもあります。

このような事態を防ぐためにも、早期の段階で検査および治療に取り組むことが重要です。

近年では保存療法や外科手術以外にも、再生医療という新たな治療法も確立されてきているため、手術はどうしても避けたいという患者様の悩みにも対応できる可能性があります。

まずは信頼できる整形外科クリニックを受診し、検査結果をもとに最適な治療方法を医師に相談してみましょう。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

PRP(多血小板血漿)療法とは?効果や費用について解説

医療技術の進歩により、これまでは外科手術でしか治療が難しかった疾患も、患者様の負担を最小限に抑えた新たな治療法が登場しています。

PRP療法はその代表例といえますが、具体的にどういった効果が期待できるのでしょうか。また、気になる治療費やデメリットなどもあわせて解説します。

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PRP(多血小板血漿)・成長因子療法とは?

PRP療法とは再生医療の一種で、多血小板血漿療法ともよばれます。

ヒトの血液には血小板とよばれる成分が含まれており、出血した際に血を固め、止血する働きをもっています。

また、血小板にはタンパク質の一種である成長因子も含まれており、これによってさまざまな組織の再生や修復も担っています。

PRP療法は患者自身の血液を採取した後、血小板を濃縮した成分である「血漿」を抽出し患部に注入する治療方法です。

成長因子療法はPRPの中に含まれている組織を修復する物質である成長因子だけをPRPから抽出して患部に注射する方法です。

薬物療法では患者様の体質によってアレルギー反応が起こるリスクがありますが、PRP療法や成長因子療法では患者本人の血液を使用するためこのようなリスクが低く、安全性にも優れた治療法とされています。

 

PRP(多血小板血漿)・成長因子療法の効果

PRP療法は血小板に含まれる成長因子を活用した治療法といえますが、実は成長因子は一つではなく複数の種類があり、それぞれ期待される効果も異なります。

成長因子名 期待される効果
FGF (Fibroblast Growth Factor)線維芽細胞増殖因子 傷を治す力(自己治癒力)を高める線維芽細胞(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の生成を担う細胞)を増殖させる
TGF-β (Transforming Growth Factor Beta)形質転換増殖因子ベータ 傷を治す力(自己治癒力)を高めるコラーゲンの生成を促進する
EGF (Epidermal Growth Factor)上皮成長因子 傷を治す力(自己治癒力)を高める皮膚・粘膜の成長を促進する
IGF (Insulin-like Growth Factor)インスリン様成長因子 骨の成長を促進するコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を生成する
PDGF (Platelet-Derived Growth Factor)血小板由来増殖因子 線維芽細胞(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の生成を担う細胞)を増殖させる血管の生成を促進する
VEGF (Vascular Endothelial Growth Factor)血管内皮増殖因子 血管の生成を促進する
bFGF (basic Fibroblast Growth Factor)塩基性線維芽細胞増殖因子 線維芽細胞(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の生成を担う細胞)を増殖させる血管の生成を促進する

上記のように、PRPには組織の修復を促すことで傷や炎症を治す効果や、コラーゲンをはじめとした成分生成を促進する働きがあり、さまざまな症状・疾患に適応できるのです。

関連記事:膝の痛みの場所別原因まとめ|突然ズキズキ痛むのは危険?

 

PRP(多血小板血漿)・成長因子の適応となる主な疾患・症状

PRP・成長因子は医療・美容の分野において広く活用されていますが、どういった疾患・症状に役立つのでしょうか。

関節疾患

関節疾患への適応として代表的なのが変形性関節症です。膝だと半月板損傷、股関節だと股関節唇損傷も良い適応です。

これらは関節にある軟骨組織が摩耗や損傷し炎症や痛みを引き起こす疾患ですが、PRPを注射することで軟骨の主成分であるコラーゲンの生成が促進され、軟骨組織や半月板損傷の修復を促す効果が期待できます。

筋肉・腱・靱帯の損傷

腱とは筋肉と骨を、靱帯は骨と骨を繋いでいる組織のことで、軟骨と同様コラーゲンによって構成されています。

筋肉、腱、靱帯の損傷は特にスポーツ選手やスポーツ愛好家に多く見られ、ハードなトレーニングによってテニス肘やゴルフ肘、アキレス腱炎などを発症することがあります。

PRPや成長因子を注入することでコラーゲンの生成が促進され、損傷した腱の組織を修復できる可能性があります。

 

PRP(多血小板血漿)・成長因子療法のメリットとデメリット

どのような治療法であってもメリットばかりとは限らず、デメリットも存在するため、正しい理解と慎重な判断が求められます。

PRP・成長因子療法のメリットとデメリットには何が挙げられるのでしょうか。

メリット

PRP・成長因子療法のメリットは以下の3点です。

副作用のリスクが低い

PRP・成長因子療法は患者様自身の血液を使用するため、薬物療法や外科手術などに比べると拒絶反応やアレルギー反応、感染症などのリスクが低く、安全性が高い治療法とされています。

患者様への身体的負担が少ない

再生医療のひとつであるPRP・成長因子療法は、外科手術のような大掛かりな処置や入院が不要です。

通院のみで治療を受けられるため、回復までの時間も短いため患者様への身体的負担が少なくて済みます。

幅広い適応範囲

前述の通り、PRP・成長因子療法は膝や肘などの関節疾患、筋肉・腱・靱帯の損傷など、さまざまな分野において適応可能な治療法です。

デメリット

PRP・成長因子療法のデメリットとして考えられるのは以下の3点です。

効果に個人差がある

PRP・成長因子療法によって現れる効果は個人差があり、同じ治療を受けたとしても効果が実感できるまでの期間や持続時間は異なる場合があります。

複数回の治療が必要

PRP・成長因子療法は外科手術のように一度の処置で効果が長期間持続するものではありません。

多くの場合、効果を最大限に引き出すためには複数回の治療が必要となることが多く、継続的な通院が必要です。

保険適用外であることが多い

PRP・成長因子療法は基本的に保険適用外で、自由診療となるため費用が保険診療と比べると高額になる場合があります。

関連記事:歩くと股関節が痛いときの原因は?股関節をほぐすストレッチを紹介

 

PRP(多血小板血漿)・成長因子療法にかかる費用

保険適用外の自由診療と聞くと、経済的負担の大きさからPRP療法を受けることに躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。

PRP・成長因子療法の治療費は行なう治療法によって大きく変わってきます。

たとえば、PRP・成長因子療法の中でも、何回も注射を要するようなものでは一回に数万円程度ですが、1~2回で十分効果を得られるようなものは数十万円かかる場合もあります。

何回も打たないと効いてこないものの場合、トータルの治療費としては結果的に数十万円にのぼる可能性もあります。

PRP(多血小板血漿)・成長因子療法ならイノルト整形外科まで

PRP療法をはじめとした再生医療は新しい治療法であり、現在も盛んに研究が進められている分野です。

また、自由診療ということもあり対応可能な医療機関は限られています。高額な治療費を支払う以上は、信頼できる医療機関を選びたいものです。

イノルト整形外科では再生医療専門外来を設置しており、成長因子療法や再生医療などさまざまな治療法が選択できます。

また、院長である渡邉 順哉医師は、これまでPRP・成長因子療法や幹細胞治療といったさまざまな再生医療を自ら痛めた膝を治療してきた経験もあり、自らの膝の軟骨の損傷を治すことに成功しています。

イノルト整形外科における再生医療の治療実績はこれまで100件以上にのぼり、プロのアスリートからも支持されています。

自分の症状に対して再生医療は効果があるのか不安に感じている方は、まずは無料のカウンセリングをご予約いただきお気軽にご相談ください。

関連記事:再生医療とは?適応となる整形疾患や費用について

 

まとめ

PRP・成長因子療法は患者様自身の血液から採取した成分を再び体内に注入する治療法であり、外科手術のように大掛かりな処置を必要としないため安心して治療を受けることができます。

ただし、保険が適用されない自由診療であるため費用が高額であることや、効果の現れ方や持続期間などは個人差があるため、治療前には丁寧なカウンセリングが不可欠です。

PRP・成長因子療法を選択肢のひとつとして検討している方は、豊富な治療実績を誇るイノルト整形外科へお気軽にご相談ください。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

再生医療とは?適応となる整形疾患や費用について

関節の痛みや炎症、靭帯や筋肉などの損傷に対する新たな治療法として再生医療が注目されています。

ニュースなどで耳にしたことがある方も多いと思いますが、具体的にどういった治療法なのでしょうか。

今回は再生医療の概要や、どういった整形疾患に適応できるのか、気になる費用の相場なども詳しく解説します。

◆イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの関節専門外来はこちら◆

再生医療とは

再生医療とは、私たち人間がもっている自己修復力を活かし、細胞や組織などの機能を取り戻したり再生したりする治療法です。

具体的には、患者本人から未成熟な細胞を取り出し培養するか、自己の血液に含まれている成長因子を含んだ血小板を抽出して、再び患者の体内に注入します。

一部を除きほとんどの再生医療では入院する必要がなく患者への負担も最小限で済むのが特徴といえます。

ヒトの組織はつねに新陳代謝を繰り返しており、たとえば古い角質は時間の経過とともに自然と剥がれ落ちていき、新しい皮膚に生まれ変わっています。

これは皮膚に限ったことではなく、毛髪や爪、さらには骨や血液なども同様です。

このような再生する力を活かすことで、ケガや病気によって失われた組織や臓器などを取り戻せる可能性があるのです。

再生医療は医学の世界で近年注目度が高まっており、次世代を担う新たな治療法として確立されつつあります。

関連記事:膝の再生医療にかかる費用や名医の探し方|保険適用はされる?

再生医療に利用される主な細胞

再生医療では未成熟な細胞が用いられると説明しましたが、具体的にどういったものがあるのでしょうか。

幹細胞

幹細胞とは、さまざまな細胞に形を変える性質をもった特殊な細胞のことです。

ひとつの幹細胞が分裂した後、木の枝が伸びるようにさまざまな細胞に変化していくことから幹細胞とよばれます。

幹細胞にはいくつかの種類があり、それぞれ性質が異なります。

 特徴
体性幹細胞体内のさまざまな組織に存在する幹細胞

限定された種類の細胞にのみ変化

分裂回数は限定的

ES細胞胚(受精卵が分裂したあとの細胞)から作られる幹細胞

あらゆる種類の細胞に変化

無限に分裂する

iPS細胞ヒトの⽪膚から採取した細胞をもとに人工的に作られた幹細胞

あらゆる種類の細胞に変化

無限に分裂する

間葉系幹細胞

間葉系幹細胞はMSCともよばれ、骨や軟骨組織のほか、血管や心筋細胞などに変化する特徴があります。

1970年に初めて発見され、ヒトの脊髄や脂肪組織、へその緒などに存在することが分かっています。

現在では脊髄損傷などの治療を目的として、間葉系幹細胞を活用した再生医療向けの製剤が開発・製品化されています。

造血幹細胞

造血幹細胞とは、血液に不可欠な赤血球や白血球、血小板のもとになる細胞であり、骨髄内に存在しています。

がん治療などを目的として造血幹細胞を使った再生医療が用いられることもあります。

神経幹細胞

神経幹細胞とは、脳に存在する幹細胞のひとつで、脳細胞などに成熟していく細胞です。

神経幹細胞の再生医療は、事故などによる脊髄損傷やアルツハイマーなどの新たな治療法として期待されています。

再生医療の種類

再生医療は治療の目的や部位、疾患などに応じてさまざまな治療法が選択できます。

どういった種類があるのか、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

幹細胞治療

幹細胞治療は、幹細胞がもつ自己再生能力によって、損傷した組織を修復・再生する治療法です。

先述した通り、幹細胞はさまざまな細胞に変化することができるため、幅広い疾患に適用できる強みがあります。

具体的には、関節などの疾患の治療法のほか、美容でのアンチエイジングにも用いられ、再生医療の中でも注目されています。

幹細胞治療は後述のPRP療法と比べても高額であるため、他人の幹細胞を培養する過程でできる、成長因子をたくさん含む上澄み液を使ったエクソソームという治療法が普及しつつあります。

PRP(多血小板血漿)療法

PRP療法は多血小板血漿療法とよばれ、患者自身の血液から血小板を濃縮した血漿とよばれる成分を抽出し、患部に注入する治療方法です。

血小板には成長因子が多く含まれており、これが組織の修復と再生を促進します。

主にスポーツ外傷や慢性疼痛、関節疾患、美容医療など幅広い分野で利用されており、プロスポーツ選手の中にもPRP療法を受けた事例も多々あります。

自身の血液を使用するため副作用やアレルギーのリスクが低いことも大きな魅力のひとつです。

最近は、治療後の痛みの原因となりやすい血球を取り除き、成長因子だけを凝縮させたものを注入する成長因子療法が普及しつつあります。

自家培養軟骨移植

自家培養軟骨移植とは、患者自身から採取した軟骨を培養・増殖させた後、損傷した部位に移植する治療法です。

主に軟骨損傷や変形性関節症などの治療に用いられるケースが多いです。自己組織を使用するため、移植後に免疫拒絶反応などが現れるリスクが低く、優れた治療効果が期待できます。

ただし、大がかりな手術が必要になることと、ごく一部の大きな病院でしか行われておらず、普及していないのが現状です。

関連記事:膝に水が溜まるとはどういう状態?原因や症状について解説

再生医療の適応となる整形外科疾患

再生医療の実用化が進んでいる診療科目のひとつが整形外科です。

どのような疾患に対して再生医療が適応となるのか、代表的な例をご紹介します。

変形性関節症

変形性関節症はさまざまな関節に起きますが、特に下半身の膝関節や股関節の痛みで悩む方が多いです。

加齢や運動のしすぎ、急激な体重増加などによって関節に負担がかかると、関節内部にある軟骨がすり減り炎症を起こすことで、激しい痛みを引き起こすことがあります。

このような疾患を変形性関節症とよび、治療をしないまま放置しておくと関節そのものが変形する可能性もあります。

変形性関節症の治療はリハビリや痛み止めで痛みが改善しない場合は人工関節置換術などの外科手術に移行する場合が多いですが、幹細胞治療や自家培養軟骨移植などの再生医療を選択することで、損傷した軟骨の再生を促し、痛みを解消し関節の機能を回復できる可能性があります。

靭帯損傷

激しいスポーツによるケガや転倒などによって生じることの多い靭帯損傷も、幹細胞治療やPRP療法または成長因子療法の適応疾患となります。

幹細胞治療やPRP療法・成長因子療法は損傷した靭帯の修復を促し早期再生を図るほか、患部の炎症を抑え組織の修復を助ける働きが期待できます。

これにより、本来であれば数カ月以上を要する治療・リハビリ期間を短縮できる可能性があるのです。

筋損傷

筋損傷とは、肉離れや筋挫傷などのように筋肉の一部が損傷・断裂する疾患のことです。

筋損傷の治療においてなかなか良くならない場合、PRP療法または成長因子療法を行うことで早期の回復につながる場合もあります。

骨折

骨折の治療にあたっては、患部を安静にし骨の癒合を待つことが大前提となります。

しかし、部位や骨折の仕方によっては骨癒合にも時間を要するため骨折の治療は長期化する傾向があります。

そこで、幹細胞治療やPRP療法または成長因子療法によって骨の再生を促すことで、骨の癒合が早まり治療期間を短縮できる可能性があります。

再生医療のメリットとデメリット

整形外科での治療法としては、リハビリテーションや保存療法、薬物療法、外科手術などが一般的ですが、再生医療を選択することでどういったメリットが期待できるのでしょうか。

また、反対にデメリットとして考えられることも合わせて解説しましょう。

メリット

再生医療の主なメリットは以下の4点です。

痛みを改善し悪化を防いでくれる

幹細胞治療もPRP療法も関節内など患部の炎症を一旦鎮火することで中長期的な悪化を防ぐ効果が期待できる。

日帰りまたは通院での治療が可能

再生医療は細胞の抽出・培養また血液を加工して注射するといった治療法のため、外科手術のように長期間にわたる入院が必要ありません。

ほとんど傷跡が残らない

幹細胞治療は細胞を一部摘出するためわずかにメスを体にいれますが、手術のようにメスを入れることなく治療を受けられるため、完治後も手術痕が残る心配がありません。

PRP療法は採血のみなのでメスを入れる必要もありません。

アレルギー反応のリスクが少ない

PRP療法や自家培養軟骨移植では患者自身から抽出した血液・組織を培養するため、アレルギー反応のリスクが少なく安全性に優れた治療法といえます。

デメリット

デメリットとして考えられるのは主に以下の3点です。

対応可能な医療機関が限られる

再生医療には高度な知識や技術の他、施設の国の認可も求められることから、一部の医療機関でしか対応できない治療法となります。

自由診療のため治療費が高額

再生医療は一部を除き基本的に自由診療となっており、ごく一部の再生医療の手術を除き健康保険が適応できません。

治療内容や治療する部位、治療方法などによっても費用は変わりますが、保険適応になっている治療法に比べると治療費が高額になりやすい治療となります。

効果の現れ方や持続期間には個人差がある

再生医療は決して万能な治療法ではなく、患者本人の健康状態や損傷部位の範囲・程度などに応じて効果の現れ方が異なります。

そのため、まずは医師の診察を受けたうえで慎重に判断することが大切です。

再生医療にかかる費用はどのくらい?

再生医療を検討するうえで多くの方が気になるのが費用の問題ではないでしょうか。

先述した通り、再生医療の多くは自由診療となっていますが、整形外科の治療にかかる費用相場をいくつかご紹介します。

まず、関節の痛みや炎症といった軽度の疾患に対応するPRP療法の場合、かなり安価で提供している医療機関もありますが、何回も治療を繰り返す必要が生じたりして、安かろう悪かろうの可能性ものあります。

手足などの小さい関節の治療には15〜20万円程度、膝や股関節といった大きな関節の場合は30万円以上の費用がかかるところが現実的な治療費としては妥当かと考えます。

また、変形性関節症など欠損した部位の治療に有効な幹細胞治療の場合は、1回あたりの注射で数百万円の費用をが掛かる病院もあります。

関連記事:変形性股関節症は手術せずに治せる?再生医療とはどんな治療なのか

再生医療ならイノルト整形外科へお気軽にご相談ください

膝や股関節、肩など、さまざまな関節の痛みに悩まされており、再生医療を含めた治療を考えている方はイノルト整形外科へご相談ください。

当院では再生医療専門外来を設置しており、患者様一人ひとりと向き合い丁寧にカウンセリングを行ったうえで、疾患の状態や範囲に合わせて最適な治療法をご提案します。

また、治療後も患部に異常が見られないかを定期的にモニタリングし、異常や症状の変化が見られた場合には速やかに相談や再治療を受けることもでき安心です。

再生医療は対応可能なクリニックが限られているからこそ、本当に信頼できるところを選びたいもの。

イノルト整形外科には再生医療に関する知見が豊富な専門医が在籍しているため、安心して治療を受けることができます。

まとめ

痛みや長期間にわたるリハビリが不安という方にとって、再生医療はまさに理想的な治療法といえるでしょう。

しかし、再生医療は近年注目されはじめたばかりの新しい治療法であり、対応可能なクリニックも限られています。

また、疾患の種類や患部の状態によっては再生医療以外の治療が適している可能性もあることから、信頼性の高い整形外科クリニックを受診することが大切です。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ




この記事の監修医師



藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉


■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。


経歴


●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長



股関節が痛いのは何が原因?痛い時にやってはいけないこととは

股関節周辺はデリケートな部位であることから、痛みや違和感などがあっても他人に相談しにくいものです。

しかし、長期間にわたって放置しておくと症状が進行していき、日常生活にも支障をきたすケースがあります

股関節の痛みは何が原因となって引き起こされるのか、疾患の種類や痛みを緩和するためのケアなどを中心にご紹介します。

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股関節が痛いときに考えられる原因・疾患とは?

股関節に痛みを伴う疾患にはさまざまなものがあります。考えられる疾患と、何が原因で痛みを引き起こすのかを詳しく解説しましょう。

股関節唇損傷

股関節唇損傷とは、大腿骨の付け根と骨盤を取り囲む股関節唇(こかんせつしん)という軟骨組織が損傷し痛みを引き起こす疾患です。

股関節唇は股関節の安定性を保つ役割を果たしていますが、多くは加齢に伴いもろくなり、日常生活できっかけなく痛めてしまうケースが多いです。

それ以外には、股関節を横に深く曲げるスポーツなどをよくする方もしばしば起こります。

股関節周囲の痛み以外にも、不安定感やカクつき感などが見られることもあります。

治療をせず放置しておくと悪化し、変形性股関節症などにつながるケースも少なくありません

変形性股関節症

変形性股関節症とは、股関節の軟骨が摩耗し関節の形状そのものが変化する疾患です。

生まれつき臼蓋形成不全といって股関節の骨盤側の屋根が小さいために、股関節唇が損傷しやすくなり、さらに加齢に伴って発症するケースが多いです。

それ以外にも肥満や過度の負荷、運動不足などによって引き起こされるケースがあります。

股関節周囲の痛み以外にも、腫れやこわばり、歩行時の違和感なども症状として現れます。

すり減りが進行していくと、痛みが悪化し、最終的には人工関節置換術という手術が必要になります

鼠径部痛症候群

鼠径部痛症候群はグロインペイン症候群とも呼ばれ、太ももの付け根部分にあたる鼠径部や下腹部などに痛みを生じる疾患です。

安静時や日常動作には支障がないものの、スポーツなど激しい運動や特定の動作を行った際に痛みが現れることが多くあります。

特にスポーツによってケガをした際、治りきっていないのに無理にトレーニングをしたり、骨盤に無理な力が加わることで発症することが多いとされています。

股関節の問題、筋肉や腱の損傷、神経の圧迫、内臓の疾患などが関与することがあります。

大腿骨頭壊死

大腿骨頭壊死とは、骨盤との接続部分である大腿骨の頭部に血流が不足することで、骨組織が壊死する疾患です。

股関節の強烈な痛みのほか、腰痛や歩行時の不安定感などが主な症状として現れますが、人によっては痛みを感じないまま進行するケースもあります。

重症化すると、股関節が変形していき、人工股関節置換術の手術が必要になる場合もあります

大腿骨壊死の発症原因は明確に分かっていませんが、アルコールの摂取やステロイドの使用などが一因として考えられています。

大腿骨近位部骨折(頚部・転子部骨折)

大腿骨近位部骨折とは、大腿骨の付け根の部分が折れる疾患です。

主に高齢者や重度の骨粗鬆症患者が転倒することにより発症することがほとんどで、激痛により自力で立ち上がることすらできなくなります。

ほとんどの場合が、救急搬送されて緊急入院から手術を余儀なくされます

ペルテス病に

ペルテス病は、主に成長期の子どもに見られる大腿骨の成長障害で、大腿骨の付け根部分が血流不全によって壊死し、股関節の痛みや不快感を引き起こします

痛みは股関節から腰部、膝関節にまで広がり、歩行時に悪化することがあります。

ペルテス病の発症原因は明確に分かっていませんが、外傷や一時的な炎症が悪化した結果発症に至るケースもあるようです。

単純性股関節炎

単純性股関節炎も、10歳以下の子どもに多く発症する疾患です。

股関節や太ももに痛みが生じるほか、関節の可動域も制限されるため片足を引きずって歩いたりする症状が見られます

短期間で自然と軽快するのであまり心配はいりません。

▶股関節の疾患一覧はこちら

年齢別|股関節痛の特徴と対策

一口に股関節痛といってもさまざまな疾患が考えられ、年齢によっても傾向が異なります。

成人での股関節痛​​

社会人もしくは中高年世代の方で股関節に痛みがある場合には、股関節唇損傷や変形性股関節症、大腿骨壊死、大腿骨近位部骨折などさまざまな疾患が考えられます

特に、股関節唇損傷は将来的な変形性股関節症にも繋がりやすく、レントゲンには異常として映らず、最初は見逃されやすいものです。

少しでも痛みや違和感がある場合には早めに整形外科を受診しましょう。

中学生、高校生での股関節痛​​

中学生や高校生の場合は、体育の授業や部活、スポーツクラブなどで体を動かす機会が多いことから、鼠径部痛症候群に悩まされるケースが少なくありません

特に長距離のランニングやサッカーなどで蹴り上げる動作を行う場合、下腹部や骨盤のあたりに無理な力が加わり股関節の痛みを発症することがあります。

股関節に痛みや違和感を感じた場合には、無理に運動を続けることは厳禁です

また、予防のためにもウォームアップのストレッチやマッサージが重要です。

痛みが長時間続く場合には、早めに整形外科を受診してください。特にスポーツ整形外科をうたっているクリニックが理想的です。

小児の股関節痛​​

小学生や幼児が発症する股関節痛は、ペルテス病や単純性股関節炎に起因しているケースが多くあります

特にペルテス病は男児に発症する傾向が高く、股関節から腰、膝のあたりまで広範囲に痛みが現れることもあり見逃されやすいので要注意です。

痛みを訴えたり不自然な歩き方が見られる場合には、早めに小児に詳しい整形外科を受診し治療を行いましょう。

関連記事:股関節が外れるような感覚やずれる原因は?|直し方や治療法を解説

股関節が痛いときに自宅でできるセルフケア

股関節に痛みがあるものの、時間帯やタイミングによってはすぐに整形外科を受診できないケースもあるでしょう。

そのような場合に、自宅で簡単にできるセルフケアをご紹介します。

トリガーポイント(ツボ)押し

一時的に痛みを緩和したい場合には、股関節に効くツボ押しがおすすめです。

骨盤周辺には多くのトリガーポイントが集中しているため、横向きに寝た状態で骨盤に沿って心地良いと感じる部分を押してみましょう

代表的なツボとして、骨盤の外側、Vラインと腰の際のあたりがあります。

股関節の痛みに効くストレッチ​​

以下のようなストレッチを行い、股関節周辺の筋肉をほぐすことで痛みを軽減できる場合もあります。

  1. 椅子に座り左右いずれかの足を曲げて片方の太ももの上に乗せる
  2. 上半身をゆっくり前方に倒し20秒ほど静止する
  3. 左右の足を入れ替えて1〜2を行う

股関節を温める、適度に身体を動かす​​

血行不良や筋肉の緊張などが原因で痛みを発症している場合には、関節を温めることで緩和できることもあります。

ぬるめのお湯を浴槽に張り、じっくりと温めることで血行が緩和され痛みも低減されます

また、上記で紹介したストレッチや軽めのウォーキング、筋力トレーニングなどを行い体を動かすことで、股関節の柔軟性が高まり痛みが緩和できるケースもあります。

ただし、いきなりハードな運動は避け、強い痛みを感じたら無理をせず安静にすることも大切です。

股関節の右/左だけ痛いときの治し方

股関節の痛みは左右対称に現れるケースもあれば、左右のいずれかに痛みが現れるケースも少なくありません。

特に、上記で紹介した変形性股関節症や股関節唇損傷などの疾患にかかっている場合、片方にだけ痛みが現れるケースは珍しくありません。

トリガーポイントやストレッチ、マッサージなどで一時的に痛みを和らげることはできるかもしれません。

しかし、これらは根本的な解決にはならないため、早めに整形外科を受診することが大切です

関連記事:変形性股関節症の治し方はある?やってはいけないことや負担をかけない寝方を紹介

股関節が痛い時にやってはいけないことは?

股関節に痛みがあるとき、必要以上に負担をかけてしまうと症状を悪化させることがあります。特に、以下の動作は避けるようにしましょう。

重い物を持ち上げる

重い物を持ち上げる動作は、腰や股関節に大きなストレスをかけることになります。

特に股関節に痛みがある場合には、無理に負担をかけないようにすることが重要です。

激しい運動

激しい運動や高負荷の運動も避けるべきです。

特にジョギングやバスケットボールなどは股関節に大きな負担をかけるため、痛みを悪化させる可能性があります

股関節の痛みを和らげるためには、軽めのウォーキングや筋力トレーニング、水泳(平泳ぎ以外)など、低負荷の運動がおすすめです。

急な動作

急な動作や方向転換は、瞬間的に大きな負荷をかけることがあります。股関節が痛い場合、急な動作を控えることで痛みを軽減できます。

たとえば、階段の上り下りや急な坂道を上る際は、ゆっくりとした動きを心がけることが重要です

誤ったストレッチ方法

股関節の痛みを和らげるためにストレッチを行うことは有効ですが、誤ったストレッチ方法を使うと逆に痛みを悪化させる可能性があります。

ストレッチを行う際は、痛みを感じない心地良いと感じる範囲で行うことが大切です

また、理学療法士や作業療法士などの指導を受けることで、安全かつ効果的なストレッチ方法を学ぶことができます。

関連記事:股関節の左や右だけが痛むのはなぜ?痛みがおこる場所と原因を解説

股関節の痛みのご相談ならイノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックまで

股関節に痛みを発症する原因はさまざまで、中には深刻な疾患を発症しているケースも少なくありません。

治療を受けず放置していたり、誤った認識のままストレッチや運動を行うと、症状が悪化し重篤な状態に陥る可能性もあるでしょう。

痛みの程度や感じ方、症状が現れている部位だけで判断することは難しいため、できるだけ早めに専門のクリニックを受診することが大切です

イノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックでは、関節専門外来を設置しており、股関節の痛みやさまざまな疾患の治療に対応できます。

また、理学療法士によるリハビリ、ストレッチの指導を受けたり、症状が進行している場合には外科手術による治療も受けられます。

股関節の痛みを早期に緩和したい方は、ぜひ一度イノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください。

まとめ

股関節の痛みは股関節唇損傷や変形性股関節症、鼠径部痛症候群などさまざまな疾患が考えられます。

治療をしないまま放置しておくと関節が変形し本来の機能を果たせなくなる可能性もあります。

トリガーポイントやストレッチ、マッサージなどで痛みを一時的に緩和することは可能ですが、根本的な解決にはなりません。

症状が重篤化する前に、早めに整形外科を受診し治療に取り掛かりましょう。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長