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膝に水が溜まるとはどういう状態?原因や症状について解説

加齢や体重の増加、膝の酷使などによって、膝に水が溜まり激しい痛みを伴うことがあります。

このような症状は決して珍しいものではなく、一度は耳にしたことがある方も多いと思います。

しかし、これを放置しておくと重症化し日常生活に支障をきたす危険もあるのです。

本記事では、膝に水が溜まるとはどういった状態なのか、症状や原因について詳しく解説します。

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膝に水が溜まるとはどういうこと?

そもそも、膝に水が溜まるとはどのようなことなのでしょうか。仕組みや水が溜まるメカニズムについて簡単に解説しましょう。

私たちの関節の内部には関節液とよばれる液体が存在しており、関節をスムーズに動かす役割を果たしています。

関節液を分泌しているのは滑膜とよばれる組織であり、滑膜は古くなった関節液を吸収・排泄する役割も果たしています。

しかし、何らかの理由によって滑膜に炎症が生じると、関節液の分泌と吸収のバランスが崩れてしまいます

「膝に水が溜まる」とは、関節液が過剰に分泌された状態のことであり、痛みや腫れなどの症状をもたらします

膝関節に存在する関節液は通常1〜3ml程度ですが、最大で100ml以上も膝に水が溜まる場合もあります。

膝に水がたまる原因

膝に水が溜まるのは、滑膜に炎症が生じ関節液の分泌と吸収のバランスが崩れるためです。

では、その引き金になる原因としてどういった疾患が考えられるのでしょうか。

変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、膝関節にある軟骨や半月板といった組織が摩耗する疾患です。

膝関節が本来の機能を発揮できなくなり、滑膜に物理的なダメージが加わって炎症を引き起こします

変形性膝関節症を発症する原因は、半月板損傷や軟骨損傷、加齢や筋力の低下、体重過多、膝の酷使などさまざまなものが考えられます。

半月板損傷

半月板損傷は、膝の関節内にある半月板という組織が損傷する疾患です。

膝に大きな負担がかかる動きやスポーツのしすぎ、無理な体重移動だけでなく、加齢に伴い日常生活の動作だけで発症するケースも少なくありません。

滑膜の炎症も併発し、膝に水が溜まることがあります。

関節内遊離体(関節ねずみ)​​

関節内遊離体とは、関節の内部に軟骨や半月板のかけらが浮遊して動き回ることで様々な症状を引き起こす疾患です。

かけらの位置によって関節が固まったり、激痛が走ることもあれば、時間が経過すると痛みが消え去ることもあります。

欠片が滑膜に刺激を与えることで炎症が起こり、膝に水が溜まる原因になるケースも少なくありません。

痛風と偽痛風​​

尿酸の異常な蓄積によって起こる痛風や、関節内のピロリン酸カルシウムの結晶によって起こる偽痛風も滑膜の炎症の引き金となり、関節液が溜まります。

関節リウマチ

関節リウマチは免疫の異常によって、関節の痛みや腫れなどを引き起こす疾患です。

本来、自分の体の一部の滑膜にまで免疫細胞が攻撃してしまうことで炎症を引き起こし、膝に水が溜まる引き金になります。

前十字靭帯損傷​​

前十字靭帯損傷は、膝の安定性を維持するために重要な役割を果たす、前十字靭帯が損傷する疾患です。

スポーツ中に急激な方向転換や膝への外傷が原因で損傷することが多く、放置すると不安定性から膝に水が溜まる原因になります。

関連記事:膝の痛みの場所別原因まとめ|突然ズキズキ痛むのは危険?

膝の水が溜まったときの症状

膝関節の疾患にはさまざまなものがあり、現れる症状はそれぞれ異なります。膝に水が溜まった場合、どういった症状が現れるのでしょうか。

​膝の腫れや張り

特に多く見られる症状が膝関節の腫れや張りです。膝の形が通常よりも膨らんで見え、触れると柔らかく弾力があります

また、腫れや張りがある部分に触れると、熱っぽさを感じることもあります。

違和感や異物感

膝の水がたまると、膝の内部に違和感や異物感を覚えることもあります。

まるで膝の内部に何かが詰まっているような感覚があります。

動作時の痛み

膝を動かしたり、負荷をかけたりすると、水が溜まった膝関節に痛みを感じることがあります。

特に、階段の昇り降りや椅子から立ち上がるとき、走ったときなどに症状が現れることが多く、痛みの程度も個人差があります。

安静時に痛みが出ることも

滑膜炎が悪化すると、水が溜まって腫れたり、動作時だけでなく安静時にも痛みが感じることがあります。

椅子に座っているときやベッドに横になっているときなど、つねに痛みが感じられ寝付けなくなるケースも少なくありません

関節可動域の制限

膝に水が溜まると膝の可動域が制限され、膝を曲げたり伸ばしたりする際に、普段よりも動かしにくいと感じるようになります。

たとえば、膝を折り曲げる正座やしゃがむ姿勢ができなくなったり、さらに症状が悪化すると平坦な場所を歩行するのも困難になるケースもあるでしょう。

関連記事:関節リウマチの症状は膝に出ることもある?変形性膝関節症との違いとは

膝に水が溜まったときの治療法

膝に水が溜まり症状が悪化すると日常生活にも支障をきたす場合があることから、早めの治療が不可欠です。

どういった治療法があるのか、代表的な4つの方法をご紹介しましょう。

水を抜く

痛みや腫れを軽減し、関節の可動域を改善するための応急処置として関節液を抜く方法があります。

膝関節内に針を刺し、採血の時のように関節液を抜きます。

短時間で処置は完了しますが、水を抜いただけでは関節液が溜まる原因は解決しません。

水を抜くのは根本的な治療にはつながらないため、あくまでも応急的な処置といえます。

注射

滑膜の炎症を抑えるために、関節内にヒアルロン酸やステロイド注射を打つことがあります。

水を抜くだけではなく、注射を打つことで炎症の緩和や関節の機能改善が期待されます。

ただ、ステロイドは炎症を落ち着かせてくれる代わりに、関節内の正常の組織も脆くさせてしまうリスクがあります。

そのため、最近はあまり使用することが推奨されていません。

再生医療のPRPや成長因子療法やエクソソームなどの治療法は、ステロイドのような副作用がなく強力に滑膜の炎症を抑え、関節液の溜まりを防ぐ効果が期待されます。

手術

変形性膝関節症や半月板損傷などが重症化し、他の治療法では効果が見込めないと医師が判断した場合には、外科手術が検討されることもあります。

手術の方法は、さまざまです。

変形性膝関節症や関節リウマチに対しては、人工関節置換術などを行います。

半月板損傷に対しては関節鏡を使った縫合術や切除術、前十字靭帯損傷に対しては再建手術などがあります。

再生医療・体外衝撃波

再生医療とは、患者様自身から抽出した細胞を培養し、損傷した組織を修復する最新の治療法です。

基本的には自由診療となるため保険は適用できませんが、外科手術に比べるとメスを入れる必要がないため患者様の負担は少なくて済みます。

また、体外衝撃波も再生医療と同様に、最新の治療法のひとつです。

体外衝撃波は、高エネルギーの特殊な衝撃波を照射して慢性的な炎症を改善し、組織の修復を図ることができます。

ただし、すべての患者様に再生医療や体外衝撃波は適用できるとは限らず、症状の進行度合いや状態に応じて見極めが必須です。

リハビリ

水を抜いた後や他の治療法と併用して、リハビリテーションが行われることがあります。

リハビリでは、筋力や関節の可動域を回復し、膝の機能を改善するために筋力トレーニングやストレッチが行われます。

関連記事:【膝の違和感】膝を伸ばしたときに出る痛み以外の症状と原因について解説

太りすぎで膝に水が溜まる?

「膝に水が溜まるのは太り過ぎが原因である」ということを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

上記でも紹介した通り、膝に水が溜まる原因はさまざまですが、そのひとつに体重過多も含まれています。

体重がわずか1kg増えただけでも、膝にかかる負担は3〜7倍にまで増えるといわれています。

そのため、短期間に体重が3kg、5kg増えただけでも膝は負荷に耐えきれなくなります

そして軟骨や半月板が損傷したりして炎症を起こし、関節に水が溜まることもあるのです。

膝に水がたまったときの自然治癒までの期間は?

「膝に水が溜まったとしても、時間の経過とともに自然治癒するのではないか?」と考える方もいます。

これまでもご紹介した通り、膝に水が溜まるのは滑膜の炎症が原因であるため、炎症そのものが治らないと膝の水も自然治癒することはありません

たとえば、「膝の水を抜くとクセになる」という口コミを耳にしたことがある方も多いと思いますが、これは炎症の根本原因を治療せず応急処置を繰り返しているためです。

根本原因を治療せず水抜きを繰り返しているだけでは、一向に膝に水が溜まるのは改善しないです。

膝に違和感や痛み、腫れなどがあり、水が溜まっている可能性がある場合には、できるだけ早めに整形外科を受診し治療をスタートさせることが大切です。

関連記事:PRP療法の注射が膝や股関節に効果的な理由とは?副作用はある?

膝に水が溜まったらイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください

膝に水が溜まるという症状は決して珍しいものではなく、多くの整形外科で診察や治療が可能です。

しかし、治療法にはさまざまな種類があり、特に外科手術や再生医療、体外衝撃波などは対応できる整形外科クリニックも限られています。

膝関節の状態を正確に診断し、最適な治療法を選択するためにも、できるだけ多くの治療法に対応しているクリニックを選ぶことがおすすめです。

イノルト整形外科では関節専門外来を設置しており、変形性膝関節症や半月板損傷、前十字靭帯損傷​​、関節リウマチなどさまざまな疾患の治療に対応しています

また、再生医療や体外衝撃波治療など最新の治療法も選択できるため、膝関節の痛みや違和感を感じている方はお気軽にご相談ください。

まとめ

膝に水が溜まるのは関節内部に炎症が生じているのが直接的な原因であり、炎症を抑えることが根本的な治療につながります。

水を抜くことで一時的に痛みは低減しますが、根本的な解決にはならず再発するおそれもあります。

長年にわたって膝関節の痛みに悩まされている方や、膝に水が溜まる症状を繰り返している方は、症状が悪化し日常生活に支障をきたすかもしれません。

できるだけ早めに信頼できる整形外科を受診し、治療を始めましょう。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

歩くと股関節が痛いときの原因は?股関節をほぐすストレッチを紹介

椅子に座っているときや安静にしている状態では痛みを感じないものの、歩いたときに股関節が痛く感じることはないでしょうか。

股関節に痛みを生じさせる疾患はさまざまなものがあり、原因も一つではありません。

今回は、歩くと股関節が痛む場合に考えられる原因と、痛みを緩和するためのストレッチなどもご紹介します。

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股関節の痛みの基礎知識

はじめに、股関節の痛みはどういったメカニズムで生じるのか簡単に解説します。

股関節とは、太ももを支える大腿骨と、胴体を支えている骨盤の接続部分のことを指します。

大腿骨の先端部分は球体のように丸みを帯びており、骨盤にはそれを受け止める窪みがあり、すっぽりとはまるような構造になっています。

骨盤の窪みには大腿骨をスムーズに動かしたり、クッションの役割を果たす軟骨があります。

しかし、股関節に過度な負担や大きな力が加わると徐々に軟骨がすり減っていきます

そして、骨同士が擦れ合うようになり炎症を引き起こし、これが股関節の痛みの原因となるのです。

軟骨が摩耗する主な要因としては、加齢や体重増加、ハードな運動の繰り返しなどが挙げられます。

歩くと股関節が痛い原因

股関節の痛みはさまざまなタイミングで現れることがありますが、なかでも多いのが歩いたり走ったりと股関節を動かしたときに現れる痛みです。

このような症状が現れる場合、以下の疾患を発症している可能性が考えられます。

股関節唇損傷

股関節唇損傷とは、上記で紹介した股関節のパッキンの役割を果たす軟骨組織「股関節唇(こかんせつしん)」が傷む疾患です。

主に急な方向転換を繰り返す動作や、事故などが直接的な引き金となって発症することがあります。

股関節の痛みは代表的な症状のひとつですが、それ以外にも初期症状としては股関節の不安定感や歩くたびにカクつき感なども見られることがあります。

「違和感はあるものの痛みを感じない」「痛みが軽度である」といって治療をせず放置しておくと、変形性股関節症などを発症し、重症化するケースも少なくありません。

変形性股関節症

変形性股関節症とは、股関節の軟骨がすり減ったり、形状そのものが変化する疾患です。

長年にわたって股関節に負荷がかかり続け、加齢に伴って発症するケースが多いですが、肥満や運動のしすぎによっても引き起こされます。

軽度の変形性股関節症は、歩行の際に軽い痛みを感じる程度です。

しかし、悪化すると激痛によって自力での歩行が困難になり、人工関節置換術しか治療の術がなくなることもあります

大腿骨頭壊死

大腿骨頭壊死とは、骨盤との接続部分にあたる大腿骨頭部への血流不足により、骨そのものが壊死する疾患です。

正確な発症原因は明らかになっていませんが、アルコールの摂取やステロイドの使用などが発症リスクを高めると考えられています。

初期段階では歩く際に股関節の不安定感を覚えたり、軽い痛みが現れるケースが多いですが、人によっては痛みを感じないこともあります。

単純性股関節炎

単純性股関節炎は、何らかの理由によって股関節が炎症し関節液が溜まることにより、股関節や太もも、膝にかけて痛みを発症する疾患です。

また、関節の可動域も制限されるため片足を引きずったり、歩行そのものが困難になることもあります

主に10歳以下の子どもに発症しやすい疾患です。

鼠径部痛症候群(グロインペイン)

鼠径部痛症候群はグロインペインともよばれ、鼠径部(太ももの付け根部分)から下腹部にかけて痛みを伴う疾患です。

安静時には症状が見られなくても、ランニングやキックなど特定の動作を行った際に痛みが強く現れます

体育や部活動などで体を動かすことの多い中高生や、怪我が治りきっていない状態で無理にトレーニングをした場合などに発症することが多いといわれています。

関連記事:股関節が痛いのは何が原因?痛い時にやってはいけないこととは

歩くと股関節が痛いのは運動不足が原因?

ウォーキングや通勤・通学など、歩行をしているときだけ股関節が痛むという場合には、さまざまな原因が考えられます。

普段から運動の習慣がない場合には、運動不足が影響している可能性は高いでしょう。

股関節に限らず、私たちの関節は骨や軟骨、腱、筋肉などが複雑に作用しながら動いています。

しかし、体を動かす頻度が少ないと関節の組織そのものが凝り固まってしまい、歩いたり走ったりしたときに過度な負担がかかり痛みを発症します

運動不足を自覚している方は、まずは少しずつでも良いのでウォーキングや筋力トレーニングを継続していきましょう。

関連記事:変形性股関節症の治し方はある?やってはいけないことや負担をかけない寝方を紹介

20代なのに歩くと股関節が痛いのは危険?

股関節の痛みと聞くと、一般的には体力の衰えた高齢者が発症しやすいものというイメージがあります。

そのため、たとえば20代や30代の若い世代の方にとっては、歩いたときに股関節が痛むのは危険なのではないかと捉えがちです。

しかし「単純性股関節炎」や「鼠径部痛症候群」など、子どもや若い世代でも発症する股関節の疾患は存在します

また、長時間のウォーキングや運動によって股関節が痛むのは当たり前のことでもあります。

その他にも、生まれつきの骨格や肥満傾向にある方など、その人の体格によっては年齢を問わず股関節に痛みが現れるケースがあります。

特に注意すべきなのは「昨日までは正常だったのに、今日になって突然痛みを感じ始めた」など突発的に現れる痛みです

このような場合、何らかの疾患を発症したサインである可能性もあるため、早めに整形外科を受診することが大切です。

歩くと股関節が痛い場合に有効なストレッチ

今すぐに股関節の痛みを軽減したい場合には、ストレッチを行うことで一時的に緩和できる可能性があります。

歩いたときに股関節に痛みが現れた場合、おすすめのストレッチを2つご紹介しましょう。

ニーアップストレッチ

ニーアップストレッチは、運動が苦手な方や体が固い方でも簡単にできるストレッチです。

  1. 仰向けに寝る
  2. 左右いずれかの膝を両手で持ち上げる
  3. 持ち上げた膝をゆっくりと胸元に近づける
  4. 20秒ほど姿勢をキープする
  5. 片方の膝も2〜4の動作を行う

股関節に痛みを感じたときはもちろん、お風呂上がりや就寝前のタイミングで毎日ストレッチをすることで、股関節の柔軟性が向上し痛みを軽減できます

ツイストストレッチ

ツイストストレッチも仰向けの状態でできる簡単なストレッチです。

  1. 仰向けに寝る
  2. 両手を左右に真っ直ぐに伸ばす
  3. 左右の膝をくっつけた状態で立てる
  4. 両膝をゆっくりと左右いずれかの方向に倒す
  5. 20秒ほど姿勢をキープする
  6. 両膝を3の状態に戻し、4と反対方向に倒し20秒ほどキープする

ツイストストレッチのコツは、上半身は動かさず固定し下半身のみを捻るイメージで行うことです。

こちらもお風呂上がりや就寝前のタイミングで継続することで、股関節の柔軟性が向上し痛みを軽減できます

関連記事:PRP療法の注射が膝や股関節に効果的な理由とは?副作用はある?

歩くと股関節が痛い場合はイノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談を

股関節が痛くなるタイミングは人によっても異なり、痛みの程度や範囲も同じではありません。

痛みの程度が軽く我慢できる範囲であったとしても、治療をせず放置しておくと悪化し自力での歩行が困難になることもあります。

このような状態にならないようにするためにも、信頼性の高い整形外科を早めに受診し適切な治療を受けることが大切です。

イノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックでは、関節専門外来を設置しています

そのため、今回ご紹介した股関節唇損傷や変形性股関節症、大腿骨頭壊死などさまざまな疾患の治療に対応できます

比較的症状が軽い初期段階の疾患に対しては「薬物療法や理学療法士によるリハビリテーション治療」

重度の疾患を抱える患者様に対しては外科手術など、幅広い治療法をご用意しています。

「歩くと股関節が痛い」という症状を放置しておくと、やがては日常生活にも支障をきたすリスクも考えられるため、できるだけ早めにご相談ください。

歩くと股関節が痛い場合のまとめ

股関節の痛みは高齢者はもちろんのこと、10歳以下の子どもや中高生、さらには20代、30代といった若い世代でも発症することがあります。

特に「歩くと股関節が痛い」という症状は、今回ご紹介したさまざまな疾患を発症している可能性もあるため、若いからといってリスクがゼロというわけではありません。

他の疾患を併発したり、重症化によって日常生活へ支障をきたすことを防ぐためにも、できるだけ早めに整形外科を受診し検査・治療を行いましょう。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

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経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

股関節が痛いのは何が原因?痛い時にやってはいけないこととは

股関節周辺はデリケートな部位であることから、痛みや違和感などがあっても他人に相談しにくいものです。

しかし、長期間にわたって放置しておくと症状が進行していき、日常生活にも支障をきたすケースがあります

股関節の痛みは何が原因となって引き起こされるのか、疾患の種類や痛みを緩和するためのケアなどを中心にご紹介します。

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股関節が痛いときに考えられる原因・疾患とは?

股関節に痛みを伴う疾患にはさまざまなものがあります。考えられる疾患と、何が原因で痛みを引き起こすのかを詳しく解説しましょう。

股関節唇損傷

股関節唇損傷とは、大腿骨の付け根と骨盤を取り囲む股関節唇(こかんせつしん)という軟骨組織が損傷し痛みを引き起こす疾患です。

股関節唇は股関節の安定性を保つ役割を果たしていますが、多くは加齢に伴いもろくなり、日常生活できっかけなく痛めてしまうケースが多いです。

それ以外には、股関節を横に深く曲げるスポーツなどをよくする方もしばしば起こります。

股関節周囲の痛み以外にも、不安定感やカクつき感などが見られることもあります。

治療をせず放置しておくと悪化し、変形性股関節症などにつながるケースも少なくありません

変形性股関節症

変形性股関節症とは、股関節の軟骨が摩耗し関節の形状そのものが変化する疾患です。

生まれつき臼蓋形成不全といって股関節の骨盤側の屋根が小さいために、股関節唇が損傷しやすくなり、さらに加齢に伴って発症するケースが多いです。

それ以外にも肥満や過度の負荷、運動不足などによって引き起こされるケースがあります。

股関節周囲の痛み以外にも、腫れやこわばり、歩行時の違和感なども症状として現れます。

すり減りが進行していくと、痛みが悪化し、最終的には人工関節置換術という手術が必要になります

鼠径部痛症候群

鼠径部痛症候群はグロインペイン症候群とも呼ばれ、太ももの付け根部分にあたる鼠径部や下腹部などに痛みを生じる疾患です。

安静時や日常動作には支障がないものの、スポーツなど激しい運動や特定の動作を行った際に痛みが現れることが多くあります。

特にスポーツによってケガをした際、治りきっていないのに無理にトレーニングをしたり、骨盤に無理な力が加わることで発症することが多いとされています。

股関節の問題、筋肉や腱の損傷、神経の圧迫、内臓の疾患などが関与することがあります。

大腿骨頭壊死

大腿骨頭壊死とは、骨盤との接続部分である大腿骨の頭部に血流が不足することで、骨組織が壊死する疾患です。

股関節の強烈な痛みのほか、腰痛や歩行時の不安定感などが主な症状として現れますが、人によっては痛みを感じないまま進行するケースもあります。

重症化すると、股関節が変形していき、人工股関節置換術の手術が必要になる場合もあります

大腿骨壊死の発症原因は明確に分かっていませんが、アルコールの摂取やステロイドの使用などが一因として考えられています。

大腿骨近位部骨折(頚部・転子部骨折)

大腿骨近位部骨折とは、大腿骨の付け根の部分が折れる疾患です。

主に高齢者や重度の骨粗鬆症患者が転倒することにより発症することがほとんどで、激痛により自力で立ち上がることすらできなくなります。

ほとんどの場合が、救急搬送されて緊急入院から手術を余儀なくされます

ペルテス病に

ペルテス病は、主に成長期の子どもに見られる大腿骨の成長障害で、大腿骨の付け根部分が血流不全によって壊死し、股関節の痛みや不快感を引き起こします

痛みは股関節から腰部、膝関節にまで広がり、歩行時に悪化することがあります。

ペルテス病の発症原因は明確に分かっていませんが、外傷や一時的な炎症が悪化した結果発症に至るケースもあるようです。

単純性股関節炎

単純性股関節炎も、10歳以下の子どもに多く発症する疾患です。

股関節や太ももに痛みが生じるほか、関節の可動域も制限されるため片足を引きずって歩いたりする症状が見られます

短期間で自然と軽快するのであまり心配はいりません。

▶股関節の疾患一覧はこちら

年齢別|股関節痛の特徴と対策

一口に股関節痛といってもさまざまな疾患が考えられ、年齢によっても傾向が異なります。

成人での股関節痛​​

社会人もしくは中高年世代の方で股関節に痛みがある場合には、股関節唇損傷や変形性股関節症、大腿骨壊死、大腿骨近位部骨折などさまざまな疾患が考えられます

特に、股関節唇損傷は将来的な変形性股関節症にも繋がりやすく、レントゲンには異常として映らず、最初は見逃されやすいものです。

少しでも痛みや違和感がある場合には早めに整形外科を受診しましょう。

中学生、高校生での股関節痛​​

中学生や高校生の場合は、体育の授業や部活、スポーツクラブなどで体を動かす機会が多いことから、鼠径部痛症候群に悩まされるケースが少なくありません

特に長距離のランニングやサッカーなどで蹴り上げる動作を行う場合、下腹部や骨盤のあたりに無理な力が加わり股関節の痛みを発症することがあります。

股関節に痛みや違和感を感じた場合には、無理に運動を続けることは厳禁です

また、予防のためにもウォームアップのストレッチやマッサージが重要です。

痛みが長時間続く場合には、早めに整形外科を受診してください。特にスポーツ整形外科をうたっているクリニックが理想的です。

小児の股関節痛​​

小学生や幼児が発症する股関節痛は、ペルテス病や単純性股関節炎に起因しているケースが多くあります

特にペルテス病は男児に発症する傾向が高く、股関節から腰、膝のあたりまで広範囲に痛みが現れることもあり見逃されやすいので要注意です。

痛みを訴えたり不自然な歩き方が見られる場合には、早めに小児に詳しい整形外科を受診し治療を行いましょう。

関連記事:股関節が外れるような感覚やずれる原因は?|直し方や治療法を解説

股関節が痛いときに自宅でできるセルフケア

股関節に痛みがあるものの、時間帯やタイミングによってはすぐに整形外科を受診できないケースもあるでしょう。

そのような場合に、自宅で簡単にできるセルフケアをご紹介します。

トリガーポイント(ツボ)押し

一時的に痛みを緩和したい場合には、股関節に効くツボ押しがおすすめです。

骨盤周辺には多くのトリガーポイントが集中しているため、横向きに寝た状態で骨盤に沿って心地良いと感じる部分を押してみましょう

代表的なツボとして、骨盤の外側、Vラインと腰の際のあたりがあります。

股関節の痛みに効くストレッチ​​

以下のようなストレッチを行い、股関節周辺の筋肉をほぐすことで痛みを軽減できる場合もあります。

  1. 椅子に座り左右いずれかの足を曲げて片方の太ももの上に乗せる
  2. 上半身をゆっくり前方に倒し20秒ほど静止する
  3. 左右の足を入れ替えて1〜2を行う

股関節を温める、適度に身体を動かす​​

血行不良や筋肉の緊張などが原因で痛みを発症している場合には、関節を温めることで緩和できることもあります。

ぬるめのお湯を浴槽に張り、じっくりと温めることで血行が緩和され痛みも低減されます

また、上記で紹介したストレッチや軽めのウォーキング、筋力トレーニングなどを行い体を動かすことで、股関節の柔軟性が高まり痛みが緩和できるケースもあります。

ただし、いきなりハードな運動は避け、強い痛みを感じたら無理をせず安静にすることも大切です。

股関節の右/左だけ痛いときの治し方

股関節の痛みは左右対称に現れるケースもあれば、左右のいずれかに痛みが現れるケースも少なくありません。

特に、上記で紹介した変形性股関節症や股関節唇損傷などの疾患にかかっている場合、片方にだけ痛みが現れるケースは珍しくありません。

トリガーポイントやストレッチ、マッサージなどで一時的に痛みを和らげることはできるかもしれません。

しかし、これらは根本的な解決にはならないため、早めに整形外科を受診することが大切です

関連記事:変形性股関節症の治し方はある?やってはいけないことや負担をかけない寝方を紹介

股関節が痛い時にやってはいけないことは?

股関節に痛みがあるとき、必要以上に負担をかけてしまうと症状を悪化させることがあります。特に、以下の動作は避けるようにしましょう。

重い物を持ち上げる

重い物を持ち上げる動作は、腰や股関節に大きなストレスをかけることになります。

特に股関節に痛みがある場合には、無理に負担をかけないようにすることが重要です。

激しい運動

激しい運動や高負荷の運動も避けるべきです。

特にジョギングやバスケットボールなどは股関節に大きな負担をかけるため、痛みを悪化させる可能性があります

股関節の痛みを和らげるためには、軽めのウォーキングや筋力トレーニング、水泳(平泳ぎ以外)など、低負荷の運動がおすすめです。

急な動作

急な動作や方向転換は、瞬間的に大きな負荷をかけることがあります。股関節が痛い場合、急な動作を控えることで痛みを軽減できます。

たとえば、階段の上り下りや急な坂道を上る際は、ゆっくりとした動きを心がけることが重要です

誤ったストレッチ方法

股関節の痛みを和らげるためにストレッチを行うことは有効ですが、誤ったストレッチ方法を使うと逆に痛みを悪化させる可能性があります。

ストレッチを行う際は、痛みを感じない心地良いと感じる範囲で行うことが大切です

また、理学療法士や作業療法士などの指導を受けることで、安全かつ効果的なストレッチ方法を学ぶことができます。

関連記事:股関節の左や右だけが痛むのはなぜ?痛みがおこる場所と原因を解説

股関節の痛みのご相談ならイノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックまで

股関節に痛みを発症する原因はさまざまで、中には深刻な疾患を発症しているケースも少なくありません。

治療を受けず放置していたり、誤った認識のままストレッチや運動を行うと、症状が悪化し重篤な状態に陥る可能性もあるでしょう。

痛みの程度や感じ方、症状が現れている部位だけで判断することは難しいため、できるだけ早めに専門のクリニックを受診することが大切です

イノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックでは、関節専門外来を設置しており、股関節の痛みやさまざまな疾患の治療に対応できます。

また、理学療法士によるリハビリ、ストレッチの指導を受けたり、症状が進行している場合には外科手術による治療も受けられます。

股関節の痛みを早期に緩和したい方は、ぜひ一度イノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください。

まとめ

股関節の痛みは股関節唇損傷や変形性股関節症、鼠径部痛症候群などさまざまな疾患が考えられます。

治療をしないまま放置しておくと関節が変形し本来の機能を果たせなくなる可能性もあります。

トリガーポイントやストレッチ、マッサージなどで痛みを一時的に緩和することは可能ですが、根本的な解決にはなりません。

症状が重篤化する前に、早めに整形外科を受診し治療に取り掛かりましょう。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

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関節リウマチの症状は膝に出ることもある?変形性膝関節症との違いとは

30代から50代頃にかけて発症することの多い関節リウマチは、体の節々に炎症が生じ、痛みや腫れなどを引き起こす疾患です

発症する部位は人によってもさまざまです。

関節リウマチの好発部位は手や指の関節ですが、実は膝関節のような大きな部位に現れるケースがあることをご存知でしょうか。

本記事では、関節リウマチによる膝関節症の主な症状や変形性膝関節症との違い、治療法や対処法などを詳しく解説します。

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関節リウマチによる膝関節症とは?

関節リウマチとは免疫疾患の一種であり、正常であるはずの体の関節を免疫細胞が攻撃し炎症を引き起こす疾患です

関節リウマチを発症すると、関節内部にある滑膜とよばれる組織が攻撃され、関節液が過剰に分泌されます。

本来、関節液は関節の動きをスムーズにする役割を果たしているのですが、関節リウマチによって過剰に分泌されると神経を圧迫し、腫れや痛みなどの症状を引き起こします。

やがて重症化すると、滑膜が異常に増殖し、膝関節の軟骨や骨、靱帯など関節の構造を破壊し、関節機能を損なうケースも少なくありません

関節リウマチ以外にも膝の痛みや腫れを引き起こす疾患は多く、特に「変形性膝関節症」が有名です。

関節リウマチと変形性膝関節症の症状は似ていますが、違いがあります。

関節リウマチは、膝に限らず体のさまざまな関節部位に症状が現れるのに対し、変形性膝関節症は膝関節のみなど一部だけに現れることが多いです。

また、関節リウマチは関節の痛みだけでなく、微熱や貧血、全身の倦怠感といった症状も現れることが多くあります。

関節リウマチが疑われた場合、採血検査や関節エコー検査により編家姓膝関節症と鑑別することが可能であり、速やかに関節リウマチの治療に移行することが出来ます

関連記事:関節リウマチの原因はストレス?なりやすい性格がある?

関節リウマチによる膝関節症の症状

関節リウマチは体のさまざまな部位に症状が現れますが、膝関節に現れる症状はどういったものなのでしょうか。代表的な症状を3つご紹介します。

膝の痛みと腫れ

関節リウマチによって膝関節に炎症が続くと、関節液が過剰に分泌され圧迫感や痛みを覚えます。

さらに進行していくと軟骨がすり減っていき、クッションの役割を果たす組織がなくなります。

その結果、骨同士が接触し激しい痛みや腫れを伴います

関節の変形

関節リウマチの初期段階で感じる違和感や痛みを放置しておくと、関節内部のダメージはさらに進行していきます。

やがて関節組織そのものが破壊され、本来の形を維持できなくなり大きく変形することがあります。

関節リウマチが進行した患者様の膝をレントゲンで撮影すると、膝の骨の一部が欠損していたり、膝が内側に折れ曲がったような形状になっているケースも少なくありません

歩行困難

関節が変形するほど病気の進行を放置しておくと、最悪の場合、歩行そのものが困難になることもあります。

ここまで状態が悪化すると薬物療法やリハビリなどによる治療は困難となり、人工関節置換術でしか改善の見込みがなくなるケースも考えられます

関連記事:関節リウマチは治るの?検査から診断基準、治療までの流れをご紹介

関節リウマチによる膝関節症の初期症状

関節リウマチと聞くと、手や足の指、手首など比較的小さな関節から症状が現れはじめるというイメージをもつ方も多いでしょう。

しかし、実際には膝や股関節など大きな部位から初期症状が現れ始め、徐々に末端の関節まで広がっていくケースも多いのです

そのため、膝関節に以下のような症状が現れた場合、関節リウマチの初期症状の可能性が考えられます。

・膝全体が腫れ上がる

・膝に圧迫感を覚える

・階段の昇り降りや椅子から立ち上がるときに膝が痛む

上記の症状は、膝関節の内部にある滑膜とよばれる組織に炎症が起こり、水が溜まることで現れます。

滑膜の炎症はさまざまな要因によって引き起こされますが、そのひとつに免疫細胞の異常である関節リウマチも含まれるのです。

上記の初期症状が進行していくと、平坦な場所を歩行するときにも痛みが感じられるようになるため、早めの治療が必要です

関連記事:関節リウマチかもしれない初期症状や変形性関節症との違いを解説!

関節リウマチによる膝関節症の治療方法

関節リウマチによって膝関節に異常が発生した場合、どのような治療法が考えられるのでしょうか。代表的な3つの方法をご紹介します。

薬物療法

関節リウマチと診断された場合、まず薬物療法を行います。

「メトトレキサート」という薬が現在、関節リウマチに対する第一選択薬として広く使われています。

免疫異常を抑え、炎症を止める効果にすぐれたお薬です

病気の程度や合併症によっては、メトトレキサート以外の抗リウマチ薬を使用したり、組み合わせて服用したりすることもあります。

1~3か月ごとに病気の活動性をチェックし、効果が不十分な場合は、生物学的製剤と呼ばれる、より強力な抗リウマチ薬(注射製剤)の追加を検討します。

これは、単独で使われることもあります。

近年では、内服薬でも生物学的製剤と同等かそれ以上の効果が期待できるJAK阻害薬という薬も開発されています。

手術

上記でもご紹介した通り、関節リウマチによって膝関節の変形や歩行困難などのリスクが顕在化した場合には、外科手術によって人工関節を埋め込む治療が選択されるケースもあります

また、関節リウマチそのものが初期段階であったとしても、加齢やその他の疾患によって関節の変形が認められる場合には、外科手術が適用される場合もあります。

リハビリテーション

長期間にわたって関節を動かさない状態が続くと本来の機能が失われ、関節そのものが固くなったり、最悪の場合、関節が変形し動かなくなることもあります。

これを防ぐためには、痛みがあったとしても少しずつトレーニングを続けていくことが重要です

専門知識をもった理学療法士や作業療法士によるリハビリテーションはもちろんのこと、自宅で手軽にできる体操やストレッチなども関節リウマチの立派な治療方法です。

関節リウマチで膝が痛いときはどうする?

膝関節に痛みがあり、関節リウマチが疑われる場合にはどういった対処が求められるのでしょうか。

早めに医療機関で診察を受けることは大前提として、自宅でできる対処法をご紹介します。

微熱・倦怠感があるとき

膝関節の痛みに加えて、37℃程度の微熱や全身の倦怠感がある場合には、無理に動かずに安静を心がけてください

特に、痛みのある膝関節に大きな負荷をかけることは厳禁です。

痛みや微熱が落ち着いたとき

痛みや微熱が落ち着いてきたら、無理のない範囲で少しずつ体を動かしていきます

急に大きな負荷をかけてしまうと状態を悪化させてしまうため、深呼吸をしながら慎重に膝の曲げ伸ばしを行ってください。

筋肉や腱は体が温まることで伸びやすくなるため、入浴後のトレーニングがおすすめです。

また、膝の状態によっても正しいトレーニングの方法は異なるため、必ず医療機関でリハビリや運動の方法を聞いたうえで実践するようにしましょう。

関節リウマチによる膝関節症のご相談はイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックまで

膝関節の痛みは、関節リウマチ以外にもさまざまな原因によって発症するため、まずは専門の医療機関で診察を受けることが大切です

関節リウマチは多くの整形外科で診療が可能ですが、対応可能な治療方法は医療機関によっても異なります。

また、変形性膝関節症や半月板損傷など症状が似た疾患もあるため、信頼性の高いクリニックを選ぶことも重要といえるでしょう。

関節リウマチによる膝関節症にお悩みの方は、イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックまでご相談ください。

当院では関節専門外来を設置しており、関節リウマチをはじめとしたさまざまな疾患の検査・治療が可能です

また、薬物療法はもちろんのこと、理学療法士や作業療法士によるリハビリテーション、さらに進行が進んだ患者様に向けて人工関節置換術にも対応できます。

関節リウマチによる膝関痛についてのまとめ

免疫疾患のひとつである関節リウマチを発症すると、関節に炎症が生じ痛みや腫れ、さらには関節の変形などを引き起こすリスクがあります。

膝関節のように大きな部位から発症するケースもあることから、痛みや違和感などを感じたら早めの検査・治療が必要です。

重症化すると人工関節置換術という外科手術でしか完治できなくなるケースもあり、その場合は対応できる医療機関も限られてしまいます。

信頼性が高くさまざまな治療法に対応している整形外科をお探しの方は、イノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

アキレス腱が痛いのは病気?マッサージや対処法を紹介

徒歩やランニング、ジャンプなどの足の曲げ伸ばしを行うとき、アキレス腱に大きな負荷がかかっています。

アキレス腱は、足を動かすために重要な組織であり、痛めると歩行が困難になることも珍しくありません。

しかし、アキレス腱が痛む原因はさまざまで、場合によっては病気の症状として現れている可能性もあるのです。

本記事では、アキレス腱が痛む原因や考えられる病気、痛みを緩和するためのマッサージや正しい対処法をご紹介します。

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アキレス腱の構造

アキレス腱とは、かかとの上部からふくらはぎにかけて繋がっている腱のことを指します

ふくらはぎには腓腹筋やヒラメ筋などから構成される下腿三頭筋とよばれる筋肉がありますが、これらの腱膜が複合してアキレス腱は構成されています。

アキレス腱は別名「踵骨腱(しょうこつけん)」ともよばれ、私たちの体のなかでもっとも大きな腱です。

それだけに、約1トンもの力にも耐えられる強固な構造となっています。

歩いたり走ったりするとき、あるいは椅子から立ち上がる際など、日常生活のあらゆる場面でアキレス腱は動いており、足の曲げ伸ばしに欠かせない組織でもあるのです。

関連記事:かかとが痛いのは何が原因?考えられる疾患や対処法を解説!

アキレス腱が痛いのは病気?考えられる原因とは

かかとの上部からふくらはぎにつながる部分に痛みを感じる場合、アキレス腱に何らかの異常が発生している可能性が考えられます。

具体的にどういった原因・病気が考えられるのか、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

アキレス腱炎

アキレス腱炎とはその名の通り、アキレス腱に炎症が生じる疾患です

初期段階では軽い痛みや違和感が感じられ、ランニングの際に痛みが増すことが多いです。

また、痛みは感じないものの、朝起きたときにアキレス腱が固くなっていると感じるケースもあり、日中になると徐々に改善していくという方も少なくありません。

合わない靴を履いている

足のサイズや形状に合わない靴を履き続けていると、アキレス腱に負担がかかり痛みを感じることがあります。

たとえば、極端にソールが薄い靴やクッション性が低い靴、大きすぎる靴や小さすぎる靴を履いた状態でウォーキングや激しい運動を繰り返すと、アキレス腱を痛めやすくなります。

柔軟性や強度の低下

私たちの体の組織は加齢にともない弱くなり、徐々に機能が衰えていき、身体も固くなってきやすくなります。

アキレス腱も例外ではなく、脆弱になった組織に無理な負荷を与えてしまうと炎症や断裂を引き起こす原因にもなります

足の構造的な問題

足の裏は内側が緩やかなアーチ状になっており、土踏まずを形成しています。

土踏まずは、歩行やジャンプなどをした際に、足にかかる衝撃を吸収する役割を果たしています。

しかし、体重過多や運動不足などさまざまな理由によってアーチ構造が維持できなくなると、アキレス腱にかかる負荷が増加し、痛みを感じることがあります

「押すと痛い」「伸ばすと痛い」のはなぜ?

椅子に座ったりベッドに横になっている状態であれば痛みを感じないものの、歩いたときや走ったとき、かかとの上のあたりを押したときに痛みを感じる方も少なくありません。

これはなぜなのでしょうか。

冒頭でも解説した通り、アキレス腱は足を曲げ伸ばしたときに腱が伸び、それ以外の状態では緩んだ状態にあります。

アキレス腱炎を発症した場合、アキレス腱そのものは炎症を起こしてはいるものの、足の関節が安静の状態ではアキレス腱は伸びておらず、ほとんど痛みを感じることはないのです

しかし、アキレス腱を押したり伸ばしたりといった動作を行うと、外力が加わり痛みを誘発しやすくなります。

関連記事:体外衝撃波は治療効果がない人はいる?適切な治療回数や痛みについて

アキレス腱の痛みに効くマッサージ方法

アキレス腱に痛みが現れた場合、正しい方法でマッサージを行うことで痛みを緩和できる可能性があります。

自宅でも手軽にできるマッサージの方法をいくつかご紹介しましょう。

お尻のストレッチ

アキレス腱のマッサージは、お尻の筋肉から揉みほぐしていくと効果的です

足を伸ばした状態で床に座り、片方の足をクロスさせて膝を手で支え、お尻から太ももにかけての筋肉を伸ばしていきます。

足をクロスさせた後は、30秒程度キープしてから離してください。

ふくらはぎのマッサージ

アキレス腱はふくらはぎの筋肉に繋がっていることから、腓腹筋やヒラメ筋をほぐすことでアキレス腱にかかる負荷が分散され、痛みの緩和につながります

あぐらをかいた状態で内側のふくらはぎを両手で30回ほど揉みほぐし、その後外側のふくらはぎを30回、最後に膝を立てた状態で脛の脇にある筋肉を30回マッサージします。

アキレス腱を指圧し血行促進

あぐらのような状態で左右いずれかの足を正面に置き、アキレス腱の部分を両手の親指で指圧します。

指で押す・離す動作を30回ほど繰り返すことで徐々に血行が促進し、痛みが緩和できる可能性があります

足の指先をストレッチ

最後に、足のつま先を伸ばしたり縮めたりする動きを繰り返します

これはアキレス腱を伸ばすために有効なストレッチで、お尻の筋肉やふくらはぎの筋肉を揉みほぐし、指圧によって血行を促進してから行うことで、アキレス腱の柔軟性が高まります。

足を伸ばした状態で床に座り、足首からつま先にかけて手前と奥に動かす運動を10回程度繰り返してください。

アキレス腱の痛みで正しい湿布の貼り方は?

マッサージをしてもアキレス腱の痛みが緩和されない、あるいは無理に動かすと強い痛みがある場合には、湿布を貼って安静にすることが大切です。

ただし、アキレス腱は日常生活のなかでよく動く部分のため、普通に貼ると剝がれやすいものです。

湿布を貼る際には以下の手順を参考にしてみてください。

  1. 湿布を縦に二つ折りの状態にする(フィルムは剥がさない)
  2. 下から3〜4cm程度のところにハサミで2cm程度の切込みを入れる
  3. フィルムをとり、切れ目を入れた部分が踵に来るよう、ふくらはぎから湿布を貼っていく
  4. 土踏まずの半分程度が湿布で隠れるように貼る

押さえておくべきポイントとしては、踵の部分が露出するように湿布に切り込みを入れることと、アキレス腱から足の裏までをまたぐように貼ることです

さらに、その上からサポーターを着用することで安定性が高まり、剥がれる心配もないでしょう。

アキレス腱の痛みならイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックにご相談ください

アキレス腱の痛みといっても症状の程度はさまざまで、歩いた時に軽い痛みが感じられるものもあれば、歩けないほどの強烈な痛みが走ることもあります。

また、痛みの原因もさまざまで、加齢にともないアキレス腱の組織が脆くなることで炎症が現れるケースや、激しい運動を行うことで何の前触れもなくアキレス腱が断裂することも珍しくありません

特に痛みが強い、あるいは慢性的な痛みが続いている場合には、専門のクリニックで診察を受け適切な治療を行うことが大切です。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、アキレス腱炎からアキレス腱の断裂まで、体外衝撃波治療や再生医療のほか、理学療法士のリハビリなど痛みを緩和するさまざまな治療に対応しています

また、当院ではスポーツ整形外科を設置し、アスリートの治療も数多く手掛けてきた実績もあります。

自力で対処していてもなかなかアキレス腱の痛みがとれない場合には、一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックにご相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

アキレス腱はヒトの体のなかでも最大の腱であり、大きな力に耐えられるような構造となっています。

しかし、加齢や外部からの力が加わったりすると炎症が起こったり、最悪の場合アキレス腱が断裂して歩行が困難になることもあります。

すこしでも違和感や痛みが現れた場合には、まずはマッサージや湿布などで痛みを緩和し、それでも症状の改善が見られないときにはイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックを受診してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

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経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

 

変形性股関節症の治し方はある?やってはいけないことや負担をかけない寝方を紹介

立ち上がったときや歩き始めたとき、階段の昇り降りをしたときなどに股関節が痛い場合、「変形性股関節症」の可能性が考えられます。

重症化すると日常生活にも大きな影響が出ることから、早期の検査と治療が求められます。

本記事では、変形性股関節症とはどういった病気なのか、主な症状や治療の方法、症状を悪化させないための注意点もご紹介します。

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変形性股関節症とは

変形性股関節症とは、股関節の軟骨が摩耗することで関節の痛みや炎症、変形が生じる疾患です

股関節は、腰の部分にある骨盤に太ももの大腿骨で形成されており、丸みを帯びた大腿骨の先端部分が骨盤に繋がっています。

正常な股関節は骨盤側に軟骨があり、大腿骨のスムーズな動きをサポートしていますが、体重過多や長時間の立ち仕事などによって軟骨がすり減ることがあります。

これにより、大腿骨と骨盤の骨同士が軟骨を介さずに擦れ合うことで、炎症や痛みを生じさせます。

変形性股関節症は特に女性の発症リスクが高く、なかでも40歳から50歳代にかけて加齢とともに症状が現れるケースが多い傾向が見られます。

ただし、骨盤の形状には個人差があり、もともと大腿骨の先端部分をカバーする範囲が狭いと股関節が不安定となり、性別や年齢を問わず発症するリスクが高まります。

変形性股関節症の症状

変形性股関節症を発症すると、どのような症状が現れるのでしょうか。

初期の状態に見られるのは、椅子やベッドなどから立ち上がったとき、あるいは歩き始めたときに感じる鼠径部(足の付け根部分)の痛みです。

さらに悪化していくと、安静にしている状態でも痛みが続き、夜間に寝られないほどの痛みが生じるケースもあります

また、股関節の痛みを抑えるために足を動かさないでいると、股関節周辺の筋力も低下していき、さらに不安定な状態になります。

その結果、股関節そのものの可動域も徐々に狭くなり、日常生活にもさまざまな影響が出ることも少なくありません。

たとえば、座った状態や立った状態で一人で靴下を履くことができない、長時間の立ち仕事や歩行が困難になる、階段の昇り降りの際に手すりにつかまらなければ歩行ができないといった症状が典型的です。

関連記事:股関節の痛みで悩んでいる人必見|変形性股関節症の注意点を解説

変形性股関節症の治療法

変形性股関節症の症状が進行している場合、根治させるためには基本的に人工股関節置換術とよばれる外科手術を医師から勧められることが一般的です。

ただし、痛みを軽減するという意味においては、初期段階ではそれ以外の手術も選択肢として考えられます。

股関節唇縫合術 + 臼蓋形成術

変形性股関節症になる前に、股関節が脱臼せずに安定化させるために寄与している股関節唇が損傷したことがきっかけで、徐々に変形性股関節症に進行していく場合が多く見受けられます。

そこで、変形性股関節症に進行していく前に、まず関節唇を縫合します

そして、関節唇が痛む原因となっている異常な骨の出っ張りや、生まれつき小さい股関節の受け皿(臼蓋)に、骨盤の骨を一部取って移植する臼蓋形成術が行われるようになってきました

回転骨切り手術

回転骨切り手術とは、その名の通り骨盤の一部をくり抜いて回転させて固定する手術のことです

骨盤の一部をくり抜くということは、骨盤側の股関節の受け皿が大腿骨をカバーできる範囲を増やすことも意味します。

これにより、股関節にかかる負担を軽減し痛みを緩和できます。

基本的には股関節の受け皿側が狭く、変形性股関節症の初期の頃に用いられる手術法のため、適応になることは少なくなっています。

さらには、臼蓋形成術と比べ骨盤の骨を大きくくり抜くため、術後の股関節痛は強くなりがちで、手術の難易度も比較的高いものになっています

人工股関節置換術

人工股関節置換術とは、損傷した股関節を人工の股関節に置き換え、正常な機能を取り戻す手術で、変形性股関節症で最も一般的に行われている手術です

人工股関節は主に金属や特殊な樹脂でできており、これを外科手術によって置き換えることで痛みの根本原因を解消できます。

全身麻酔による手術でリハビリが必要ということもあり、特に症状が進行し日常生活に影響が見られる場合に行われることが多い治療法です。

手術後の痛みや、術後の感染症のトラブル、人工関節のインプラントの耐用年数の課題があります

変形性股関節症を手術しないで治すことはできる?

変形性股関節症により痛みを感じるものの、外科手術はハードルが高く感じられる方も多いでしょう。

手術以外の方法で痛みを緩和するには、主に保存療法や再生医療などの方法があります。

保存療法

保存療法とは、外科手術を行わない治療法のことです。

具体的には、再生医療や体外衝撃波治療のほか、運動療法や薬物療法、温熱療法、さらには体重コントロールも含まれます

たとえば、運動療法やリハビリを行うことで股関節の可動域が徐々に広がったり、体重コントロールによって股関節にかかる負荷を軽減することにもつながるでしょう。

ただし、すべてのケースにおいて保存療法が安全とは限らず、間違った運動療法によって状態を悪化させるリスクがないかなど、慎重に見極める必要があります。

再生医療

再生医療とは、ヒトが本来もっている自己修復力を活用し、損傷した組織の機能を取り戻す治療法です

主に、自己の血液を用いたものと、幹細胞を用いたものの2つに分類されます。

変形性股関節症に対しては、患者様自身の血液から多血小板血漿(PRP)とよばれる成分を抽出し、さらに成長因子のみ抽出し濃縮したものを股関節内に注射する方法があります。

これにより、股関節内に生じている炎症と痛みを長期的に緩和でき、長期的な進行を予防してくれることが期待できます。

体外衝撃波治療

体外衝撃波治療とは、医療用に用いられる低出力の衝撃波を患部に照射する治療法です

痛みを伝える神経内の伝達物質を減少させ、これによって痛みを緩和する効果が見込めます。

また、これと同時に細胞に対して刺激を与えることで組織修復効果も見込め、継続的に治療を行うことで炎症を鎮められる効果も期待できます。

体外衝撃波には、拡散型(正しくは圧力波)と集束型の2種類がありますが、拡散型は出力も弱く股関節の深さまで十分に効果を発揮できませんが、集束型が深部まで効果を発揮してくれます。

関連記事:股関節の左や右だけが痛むのはなぜ?痛みがおこる場所と原因を解説

変形性股関節症を悪化させるNG行為

変形性股関節症を発症した場合、股関節に無理な負担をかけてしまうと症状を悪化させる原因になります。

やってはいけないNG行為をいくつかご紹介しましょう。

重量物を扱う

重いものを持ち上げたり、運んだりといった重量物を扱う行為は避けましょう。

腰から股関節にかけての負担が増大し、症状を悪化させるリスクが高まります。

股関節に負荷のかかる激しい運動

走ったり止まったりを繰り返す、または急な方向転換をすることの多いサッカーやバスケットボールなどの運動も股関節に大きな負担をかけるため避けましょう。

また、重量物を扱うのと同様の理由で、無理な筋力トレーニングも禁物です。

体重を過度に増やす

体を動かすことなく室内にこもってばかりいると、体重が増えて股関節に負担をかけてしまいます。

食事の内容を見直すなど適切な体重管理を行い、体重が増えないよう注意しましょう。

禁忌肢位をとる

禁忌肢位とは、絶対にやってはいけない体勢や姿勢、動きのことです。

変形性股関節症における禁忌肢位とは股関節に負担をかける動作全般のことであり、具体的には以下の3つが挙げられます。

  • しゃがむ
  • 正座
  • あぐら

股関節に負担をかけない寝方とは?

ベッドに横になって安静にしているにもかかわらず、股関節に痛みを感じることもあります。

これは本人も気づかないまま股関節に負担がかかっているためであり、負担をかけない寝方を心がけることが大切です。

仰向けの場合

仰向けで寝ると、股関節が伸びた状態になることで痛みを感じやすくなります。

このような場合には、股関節の前側を緩めることで股関節の痛みを緩和できます

軽く足を曲げると腰や股関節が楽に感じる方も多いはずです。

そこで、この姿勢を維持するために、膝の裏にクッションを入れておく方法がおすすめです

クッションを入れて固定することで、眠りに入ってからも同じ姿勢を維持でき、痛みで目が覚めるといったこともなくなるでしょう。

横向きの場合

横向きの状態で寝たときには、上に位置する足の外側が引っ張られ、股関節の外側が伸びた状態になることで痛みを感じやすくなります。

これを改善するためには、両膝でクッションを挟み込むような姿勢を維持することが大切です

クッションがあることで股関節の外側が緩み、痛みも緩和されます。

変形性股関節症ならイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックまでご相談ください

股関節に慢性的な痛みを抱え、今回ご紹介した変形性股関節症が疑われる場合には、一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談してみてはいかがでしょうか。

当院では関節専門外来を設置しており、膝や肩、股関節などに生じるさまざまな疾患を治療することができます。

変形性股関節症に悩む方に対しては、症状に応じて再生医療や体外衝撃波治療といった最新の治療法から、理学療法士のリハビリなどを行いながら痛みを緩和できます。

重症化している場合には外科手術を行い、希望があれば連携病院での手術および当院での術後リハビリが可能です。

「手術に不安を感じるものの、少しでも痛みを緩和したい」「日常生活に支障をきたすほど痛みが強く、すぐにでもなんとかしたい」という方は、一度当院へのご相談をお勧めします。

まとめ

立ち上がったときや歩くときに股関節が痛む、股関節の可動域が狭くなり日常生活に支障をきたすようになったという方は、変形性股関節症の可能性が考えられます。

特に40歳以降の女性は発症リスクが高い傾向が見られますが、性別や年齢を問わず発症する可能性があることから、まずは専門のクリニックで検査を受け適切な治療を行うことが大切です。

また、変形性股関節症が疑われる場合、無理に股関節を動かしたり負荷を与えたりすると悪化するおそれがあります。

重いものを持ち上げる行為や激しい運動は避け、安静に過ごすことを心がけましょう。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

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●東邦大学 医学部 卒業
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モートン病とは?セルフチェックやマッサージの方法を紹介

足の甲から付け根のあたりに痛みが感じられる、または痺れが現れることが多いという場合、さまざまな疾患が考えられます。

なかでも可能性のひとつとして挙げられるのが「モートン病」です。

モートン病とはどういった病気なのか、症状や治療法、自分でできるセルフチェックやストレッチの方法などもあわせてご紹介します。

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モートン病とは

モートン病は、足の親指の付け根に痛みが発生する神経障害の一つです

足の甲のあたりから指先にかけては神経が通っていますが、この部分が何らかの理由で強い圧迫を受けたとき、炎症や強い痛みが生じます。

特に40代から60代の女性に症状が現れやすく、長時間にわたって歩くことが多い、あるいは立ち仕事に従事している方ほど発症しやすい傾向が見られます

また、サイズが小さすぎる靴やハイヒールなどを履いていると、物理的に足の神経が圧迫されるためモートン病を発症する原因になることもあります。

モートン病の症状

モートン病を発症すると、どのような症状が現れるのでしょうか。痛みが現れる部位や状態に合わせた症状の変化などもご紹介します。

痛みの種類

モートン病を発症したときに現れる痛みは、個人によっても症状に差が見られます。

打撲を負ったときのようなジンジンとした痛みや、針に刺されたような鋭い痛み、あるいは皮膚が焼けるようなヒリヒリとした痛みを感じることもあるようです

痛みが現れる部位

痛みが現れやすい部位としては、足の中指と薬指の間、あるいは人差し指と中指の間が多いです

また、足の親指の付け根に痛みが現れ、その後ほかの指に広がっていくというケースもあるようです。

症状の変化

初期の症状としては痛みを感じるケースが多いですが、状態が悪化していくと痺れを感じたり、痛みの範囲が足の甲や脛のあたりまで広がっていったりすることもあります

ただし、こちらも個人差があり、比較的初期段階にもかかわらず痛みが広範囲に現れることも少なくありません。

関連記事:関節リウマチかもしれない初期症状や変形性関節症との違いを解説!

モートン病のセルフチェック方法

足の指に痛みが現れた場合、正確な診断を受けるためには専門医による検査や診察を受ける必要があります。

しかし、医療機関を受診する前にモートン病であるかを自分自身で簡単にチェックできる方法もあります。

以下の1または2の方法で試してみましょう。

  1. 左右いずれかの足の内側と外側を手で挟み込むようにぐっと握った際に、痛みまたは痺れを感じるか
  2. 足の指の間4箇所を手の指で押した際に、痛みまたは痺れを感じるか

上記いずれかの方法で痛みや痺れを感じた場合には、モートン病の可能性が考えられるため早めに信頼できる整形外科を受診しましょう

モートン病の治療方法

モートン病と診断された場合、どのような治療が行われるのでしょうか。

体外衝撃波治療

体外衝撃波治療とは、医療用に出力が調整された衝撃波を患部に照射する治療法です。

神経内で痛みを伝える物質を減少させる効果があるほか、神経細胞に直接刺激を与えることで損傷した組織の修復効果も期待できます

モートン病ではとても高い効果を期待することが可能です。

運動療法

モートン病を発症すると痛みを避けるために運動量が自然と低下し、足の筋力が落ちることがあります。

筋力が低下すると、土踏まずを形成するアーチが下がってくるため、ストレッチや筋力トレーニングなどの運動療法を行い機能回復を図ります。

適切な靴を履く

足に負担のかかる靴を履いている場合には、できるだけ負担のかからない適切なサイズのものに履き替えます。

これに加えて、革靴のようなソール固い靴ではなく軟らかくクッション性のあるスニーカーを選んだり、ヒールの低い靴を履いたりすることも大切です

中敷きの作成

痛みが見られる部位に負担がかからないよう、足底挿板(中敷き)を作成します。

中敷きを敷くことで足にかかる負担が軽減され、足の付け根部分にかかる圧力も分散されます。

薬物療法

痛みや痺れを軽減すると同時に、ダメージを受けた神経細胞を修復するために薬物療法が用いられます。

痛み止めの内服薬や湿布のほか、神経障害性疼痛治療薬などが処方されることが多いです。

その他、神経細胞の修復に有効なビタミンB12などの内服薬を処方される場合もありますが、高い効果は期待できません。

局所神経ブロック注射

上記の治療を行っても痛みが緩和されない、あるいは強烈な痛みを伴う場合には、局所神経ブロック注射(局所麻酔薬の注射)が用いられることもあります

また、神経にピンポイントで注射するこの方法は、モートン病の診断を確定する際にも用いられることがあります。

関連記事:体外衝撃波は治療効果がない人はいる?適切な治療回数や痛みについて

モートン病を放置するとどうなる?

モートン病を発症後、治療をせず放置しておくと症状が進行し、痛みや痺れの範囲が拡大していくことがあります。

また、初期の段階では歩いたときや立ち上がったときに軽い痛み・痺れが現れる程度ですが、やがて歩行が困難になるほどの強い痛みが現れるケースも少なくありません

安静時にも痛みが持続するようになると、薬物療法や運動療法などでは治療ができず、手術以外の選択肢がなくなることもあるでしょう。

そのため、足の指の付け根に痛みが続くようであれば早い段階で診察を受けることが大切です。

モートン病に有効なストレッチ

モートン病の悪化や発症を予防するために、自宅で手軽にできるストレッチをご紹介します。

  1. 足の指を床に押し付けるイメージで、土踏まずを引き上げる
  2. 5秒程度力を入れた後に元の状態に戻す
  3. 1〜2を5回程度繰り返す

上記のストレッチのポイントは、足の指は曲げるのではなく床に押し付けるようなイメージで行うことです。このとき、土踏まずのアーチが引き上がるように意識しましょう。

モートン病に似た症状の病気とは?

足の指や関節部分に痛みが現れる病気はモートン病以外にもさまざまなものがあります。似た症状が現れ、モートン病と混同しやすい病気をご紹介しましょう。

  • 足底筋膜炎:土踏まずのアーチを支える足底筋膜が炎症を起こす疾患で、足の痛みや足底の張りが生じる
  • 中足骨疲労骨折:中足部(足の甲)の骨に生じる疲労骨折で、足の甲から指の付け根にかけて痛みが現れる
  • 足根管症候群:足底神経が圧迫されることで起こる神経障害で、足裏や足首、足の甲に痛みや痺れが現れる
  • 腰椎椎間板ヘルニア:腰椎が圧迫を受けることで起こる神経障害で、腰から足にかけて痛みや痺れが現れる

上記の疾患は、いずれも足あるいは足関節部の神経が圧迫・損傷することで痛みや痺れが現れる疾患です

自覚症状だけではモートン病と区別がつかないことも多いため、医療機関で検査を受ける必要があります。

 

足の痛みや痺れならイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックにご相談ください

足に痛みや痺れを感じる場合、さまざまな疾患の可能性が考えられることから、できるだけ早めに信頼できる医療機関で診察を受けることが大切です。

しかし、「どの病院を選べば良いのか分からない」、「整形外科を受診するのが初めてで不安がある」という方も多いのではないでしょうか。

そのような場合には、一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談してみてはいかがでしょうか。

当院では関節専門外来を設置しており、膝や股関節、肘、そして足にいたるまで、さまざまな疾患の治療に対応することができます。

今回ご紹介したモートン病の診療も可能であり、レントゲンや超音波、MRIなどの検査機器を用いながら痛みや痺れの原因を突き止め、より正確に診断することが可能です。

また、体外衝撃波治療などの最新治療法から薬物療法や運動療法など、まで多様な治療にも対応しているため、治療に不安がある方にとても安心です

まとめ

足の指の付け根に痛みや痺れを感じる場合、モートン病を発症している可能性が考えられます。

はじめのうちは軽い痛みを感じる程度ですが、進行していくにつれて痛みの程度は範囲は拡大し、強烈な痛みによって歩行が困難になることもあります。

このような事態を防ぐためにも、できるだけ早めに医療機関を受診し検査と治療を受けるようにしましょう。

信頼性が高いクリニックを探している、あるいはさまざまな選択肢から治療法を検討したいという方は、ぜひ一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

 

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

かかとが痛いのは何が原因?考えられる疾患や対処法を解説!

立ち上がったときや運動したとき、あるいは安静にしている状態など、かかとに痛みを感じることはないでしょうか。

大きな負担がかかりやすい部位だからこそ、痛みが現れる原因はさまざまです。

本記事では、かかとの痛みを感じる場合に考えられる原因や疾患、正しい対処法をご紹介します。

◆イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの関節専門外来はこちら◆

かかとの痛みの主な原因|考えられる病気や疾患

かかとに痛みを覚える場合にはさまざまな原因が考えられ、場合によっては何らかの病気や疾患を発症していることもあります。

足底筋膜炎

ベッドや椅子から立ち上がったときや、歩き出したときなどに痛みが現れる場合、足底筋膜炎の可能性があります。

足底腱膜とは土踏まずの形を維持している組織であり、かかとから指の付け根のあたりにかけて腱がつながっています。

ウォーキングやランニング、ジャンプなどで足の裏に大きな負荷がかかり続けると足底筋膜を引っ張る力が強くなり、かかとに炎症や痛みが現れるようになります

炎症が長期化すると、踵骨棘という踵の骨の足底筋膜が付いている部位が棘のように変化してしまうことがありますが、必ずしも痛みが生じるわけではありません。

アキレス腱炎

歩いたり走ったりしたときに、アキレス腱からかかとにかけて痛みが現れる場合には、アキレス腱炎の可能性があります。

初期は軽い痛みや違和感を覚える程度ですが、日常的にアキレス腱に負荷がかかると症状が進行し、痛みの程度も強くなっていきます。

変形性足関節症

足関節炎とはその名の通り、足首の関節に炎症が起こる疾患のことです。

足首は体重を支える部位のため、大きな負荷がかかることで炎症や痛みを発症しやすく、重症化すると立っていられなくなるほど強い痛みを生じることもあります

かかとに生じる痛みの特徴としては、ベッドや椅子から立ち上がったときや歩き始めのときに痛みを感じやすいです。

足根管症候群

足根管症候群とは、かかとの内側にある神経(後脛骨神経)が圧迫されることで発症する神経症です。

立ち上がったときや、歩いたり走ったりしたときに足の一部が痛み、ときには痺れを感じることもあります。

一般的には足首や足の指、甲などに痛みを感じることが多いですが、かかとや足の裏にかけて痛みを感じるケースも少なくありません。

適切でない靴の着用

靴のサイズや形状が合っていないことも可能性として考えられます。

靴の内部は土踏まずをサポートするように適度な膨らみがありますが、この部分の高さが足りないと土踏まずをサポートできません。

すると負担がかかってしまい、足底筋膜炎などを発症させることもあります。

過体重

足底筋膜炎やアキレス腱炎、足関節炎などの炎症は、体重の増加が原因で発症することが多くあります。

特に食べ過ぎや運動不足などによって急激に体重が増加すると、筋力だけでは支えきれなくなり、関節や腱などの組織に強烈な痛みを感じることがあるのです。

過度な運動(オーバーユース)

運動のしすぎによってかかとに負担がかかり、痛みの原因になることもあります。

特にバスケットボールやバレーボールなど、ジャンプと着地を頻繁に繰り返す運動や、長距離を走るマラソンなどは足にかかる負担も大きくなりがちです。

関連記事:アキレス腱が痛いのは病気?マッサージや対処法を紹介

痛風でかかとが痛くなることがある?

痛風とは、結晶化した尿酸が体内に留まり、さまざまな部位に痛みを生じさせる病気のことです

その名の通り「風が吹くだけでも痛い」と感じるほど強烈な痛みが現れることもあり、尿酸値が高くなると痛風の発作が起こりやすくなります。

一般的に痛風と聞くと、足の親指の付け根が腫れ強く痛むというイメージがありますが、これ以外にも足首や足の甲、くるぶし、膝、手、そしてかかとにも痛みが現れる場合があります。

そのため、もともと痛風の持病がある方、もしくは健康診断で尿酸値が高いと指摘があった方などは、かかとが痛む場合に痛風の発作が起こっている可能性も否定できないのです。

かかとの痛みと更年期の関係

40代から50代の更年期にさしかかると、かかとの痛みが現れることも少なくありません。

痛みの直接的な原因は、足底筋膜炎を発症しているケースが多いのですが、特に更年期の女性はホルモンバランスの変化によって骨格のバランスが崩れることがあります

これによって体重を支える足の裏に負担がかかり、足底筋膜炎を発症する可能性が高くなるのです。

また、女性ホルモンの減少によって筋肉の量も減っていき、関節を安定させる力も弱くなってしまいます。

その結果、特に負担のかかる足の骨格に歪みや変形が生じ、かかとが痛む原因にもなります。

関連記事:膝の下が痛い人必見!原因や痛みやすい人の特徴や治療法を解説

かかとの後ろが痛いときの原因は?

かかとの後ろの部分に痛みを感じる場合には、アキレス腱炎を発症している可能性が考えられるでしょう。

アキレス腱は、腓腹筋やヒラメ筋などから伸びる複数の腱で構成されており、かかとの骨につながっています。

運動のしすぎや無理な力がアキレス腱に加わると炎症を引き起こし、かかとの後ろからふくらはぎの下部分にかけて痛みが生じることがあります。

アキレス腱が炎症している状態で無理に運動を続けると、最悪の場合アキレス腱が断裂し歩行ができなくなるケースもあるため無理は禁物です

かかとの痛みへの対処法

かかとの痛みが現れた場合、症状を和らげるためにはどういったことが大切なのでしょうか。正しい対処法をご紹介します。

休息

かかとに痛みが現れる場合、骨や軟骨、腱などの組織に炎症が起こっているケースがほとんどです。

この状態で痛みを我慢しながら無理に足を動かしたり、大きな負荷をかけたりするとさらに状態を悪化させる可能性があるため、まずは安静にすることが大切です。

ストレッチ

かかとの痛みを防止するためには、運動の前にストレッチを行うことが大切です。

特に、かかとに繋がっているアキレス腱は急に動かすと断裂する危険もあるため、入念なストレッチは欠かせません

また、日常的にストレッチを行うことで筋力も強化され、関節を安定的に保護することにもつながります。

足に合った靴を履く

極端に大きい、あるいは小さすぎる靴を履いていると、体重を支える足のバランスが崩れ過度な負担がかかります。

また、ソールの薄い靴やクッション性の低い靴も、かかとに負担が集中し痛みの原因になることがあります。

適切なサイズの靴を選ぶことはもちろんですが、長距離を移動する際には土踏まずをサポートしてくれるアーチサポートのソールや、クッション性の高い靴を選ぶことも重要といえるでしょう

体重管理

体重が増加すると足への負担も増大し、かかとを痛める原因になります。

バランスの良い食生活で摂取カロリーのコントロールに気を付け、適度な運動も継続しながら体重をコントロールしましょう。

ただし、かかとを痛めている状態で長距離のウォーキングやランニングを行うと状態を悪化させるため、足に負担のかからない筋力トレーニングや水泳などからはじめてみるのもおすすめです

整形外科での治療

かかとの痛みの根本原因を解消するためには、整形外科で治療を受けることがもっとも有効で確実な方法といえるでしょう。

クリニックによっても対応している治療法はさまざまです。

・アーチサポートインソールのような装具療法

・痛み止めの飲み薬

・湿布といった薬物療法

これらを行いながらリハビリを繰り返していくケースが多いでしょう。

また、より高い効果が見込める治療法として「体外衝撃波治療」があります。

これは、医療用に調節された特殊な衝撃波を患部に照射することで、痛みを伝える神経物質を減らし、同時に炎症した組織の再生を促し慢性的な痛みを緩和するというものです

体外衝撃波治療には拡散型と集束型の2種類がありますが、集束型の方がより高い効果を期待することができます。

足底筋膜炎に効くマッサージ

かかとの痛みを引き起こすことの多い足底筋膜炎を予防したり、痛みを緩和したりするために自宅で手軽にできるマッサージもあります。

  1. 椅子または床に座った状態で左右いずれかの膝を曲げる
  2. 足の指を手でつかみ、手前側に反らす
  3. 反対側の手で足の裏を1分ほどマッサージする

足の指を反らすときには力を入れすぎず、土踏まずの腱が伸びた状態をキープしてください

また、かかとに痛みがある場合には、無理に強い力で揉まないように注意してください。

かかとの痛みならイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください

かかとに痛みを感じる場合、考えられる原因はさまざまで簡単に判断できるものではありません。

早い段階で症状を緩和するためには、治療実績が豊富で多様な治療法に対応している整形外科クリニックを選ぶことが大切です

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、今回ご紹介した足底筋膜炎やアキレス腱炎などさまざまな疾患の治療に対応しています。

薬物療法やリハビリテーションはもちろんのこと、体外衝撃波治療の設備も集束型も拡散型も両方取り揃えております。

患者様の状態を見ながら、最適な治療法をご提案することができます。

まとめ

かかとの痛みを放置しておくと炎症が重症化しさらに強い痛みが現れたり、痛みの範囲が拡大していく可能性もあります。

また、痛みを感じた場合には無理に動かしたり負担をかけたりするのは禁物で、安静にすることも心がけましょう。

かかとの痛みが気になっているものの、原因がはっきりと分からず不安に感じているという方は、ぜひ一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

 

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

膝の再生医療は効果なし?保険適用はいつから?

膝に強い痛みがあり、歩いたり走ったりするのが辛い場合、膝関節の内部に炎症が生じている可能性があります

これを治療するためにはさまざまな方法がありますが、日常生活に支障をきたす心配がないのが「再生医療」です。

再生医療について調べてみるとネガティブな意見を目にすることもありますが、それは本当なのでしょうか。

気になる費用や保険適用の可否についても詳しくご紹介します。

◆イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの関節専門外来はこちら◆

膝の再生医療とは?

再生医療とは、患者様自身から取り出した細胞や人工的に培養した細胞などを利用し、病気やケガによって損傷した組織の再生を促す治療法です

たとえば、採取した組織から幹細胞を抽出し、それを培養したものや血液から血小板を抽出したものを再び体内に注射するといった治療法があります。

それは、外科手術に比べて、患者様にかかる負担を大幅に低減できます

膝の代表的な疾患である変形性膝関節症においても、再生医療は有効な治療法です。

抽出・培養した、自らの血小板や幹細胞を患部に注射することで、痛みを緩和します。

変形性膝関節症の治療は、比較的症状が軽度の場合には、運動療法や食事療法による体重コントロール、リハビリなどが選択されるケースが多いです。

しかし、症状が進行し膝関節の変形が見られる場合には、外科手術や再生医療が用いられるケースが多いのです。

関連記事:膝の痛みの場所別原因まとめ|突然ズキズキ痛むのは危険?

膝の再生医療の種類

一口に再生医療といってもさまざまな種類があります。膝の再生医療において選択肢となる再生医療の種類をご紹介しましょう。

PRP(多血小板血漿)療法

PRPとは 多血小板血漿 (たけっしょうばんけっしょう) ともよばれ、私たちの血液のなかに含まれる血小板を濃縮させた体液です。

患者様本人から少量の血液を採取し、遠心分離によって多くの血小板を抽出し、PRPとして膝関節内に注入することで、炎症が緩和し痛みの改善が期待されます。

通常、何度も治療が必要になります。白血球の量で、部位による使い分けられる場合もあります。

APS(自己タンパク質溶液)療法

APS療法も、患者様自身から採取した血液を使用する再生医療です。

従来のPRP療法を、より高濃度に濃縮させ関節向けに特化した治療法です。

これを膝関節内に注入することで、炎症を引き起こす原因物質のバランスを整え、症状を軽減できます。

PRP療法の中でも一度で十分に効果が期待できるのが大きな特徴です

成長因子療法

PRPの血小板の殻を取り除き、細胞成分を取り除いて、APSでも大きな効果を発揮する血小板に含まれる成長因子のみ高濃度で抽出し、関節に注射する治療法です。

APSと同様に1回の治療で十分に効果を期待できますが、細胞成分を取り除いているため、PRP療法のように注射後の痛みや腫れといった副作用がほとんどないのが大きな特徴です

まとめて2回分など一気に注射をすることも可能です。

幹細胞治療

幹細胞治療は、体内から少量の脂肪や滑膜を取り出し、そこの組織に含まれる幹細胞を数個から数千万~1億個程度まで培養し、膝関節内に注入する治療法です。

主に腹部から脂肪を取り出すことが多く、幹細胞を注入することで損傷した膝軟骨を再生させたり、病気の進行を抑える効果が期待できます。

幹細胞治療は再生医療のなかでも代表的な治療法のひとつです。

骨軟骨柱移植術

骨軟骨柱移植術(こつなんこつちゅういしょくじゅつ)は、自分の膝の正常な骨と軟骨組織を細い円柱状に何本もくり抜き、膝関節内の軟骨が損傷した部分に移植する治療法です。

正常な骨を物理的に移植するため高い効果が期待できますが、医学的なリスクの観点から大きな骨をくり抜くことはできません。

また、前述までの治療法とは異なり、関節鏡手術で皮膚を切る範囲は狭いものの、入院し全身麻酔で手術が必要になります

やや治療のハードルが高くなるのと、技術的に優れた整形外科医を見つけるのに苦労します。

また、広範囲の軟骨損傷には不向きな治療法です。

自家培養軟骨移植術

自家培養軟骨移植術とは、患者様自身から少量の軟骨組織を採取し、それを培養してシート状にしたものを、膝関節内に移植して縫いつける治療法です。

シート状の移植なので、欠損が比較的大きい場合でも治療に対応できる可能性があります

しかし、こちらも骨軟骨柱移植術以上に、技術的に信頼のおける整形外科医を探して手術を受けるのはかなり大変です。

入院期間も長く、手術でも皮膚を大きく切るといったように、再生医療の中でも最も大掛かりな治療法といえます

膝の再生医療のメリット

変形性膝関節症をはじめとした膝関節の疾患は、再生医療以外にも、外科手術や保存療法などさまざまな治療法があります。

そのなかで、再生医療を選ぶことでどういったメリットがあるのでしょうか。

拒絶反応が起こりにくい

薬物療法や外科手術の場合、治療後に重篤な副反応が出たり、後遺症が残ったりといったリスクを伴います

しかし、再生医療では自分自身の血液や組織、あるいは骨・軟骨の一部を採取して活用するため、上記のような拒絶反応が起こりにくく安全性が高いというメリットがあります

日帰りで処置を受けられる

PRP療法やAPS療法、成長因子療法、幹細胞治療など手術を伴わない再生医療は、自分の血液や組織を取り出し、再び注射をするという治療法のため負担が少ないです。

入院せずに最短で1~2回の通院で治療を受けることができます

仕事などで忙しく長期間の休暇が取得しにくい方や、入院が難しい状況の方でも、安心して選択できる治療法といえるでしょう。

治療直後から普段通り生活できる

移植手術以外の再生医療では入院が一切必要なく、注射を打った後は普段通りの生活に戻ることができます。

仕事が忙しく休暇が取得できない方はもちろん、家族に負担をかけたくないという方にとってもメリットの大きい治療法といえるでしょう。

治療痕が残りにくい

PRP療法やAPS療法、成長因子療法、幹細胞治療は注射をするだけで処置が完了するため、大きな治療痕が残らず目立ちません。

 

関連記事:膝の痛みで悩んでいる人必見|症状別にわけた原因と治療方法を解説

膝の再生医療の費用相場

膝の再生医療を受ける場合、気になるのは費用の問題です。クリニックによっても費用は異なる場合がありますが、どの程度の相場なのでしょうか。

今回はPRP療法とAPS療法、成長因子療法、幹細胞治療の費用相場をご紹介します。

PRP療法:1回あたり3万円~

PRP療法は健康保険が適用とはならず全額負担の自由診療です。

1回の治療にかかる費用は片側の膝で3万円程度、両膝の場合は5万円程度が相場となっており、4週間程度のスパンを空けて3回程度治療を受ける必要があります。

そのため、少なくとも9万円から15万円程度の費用がかかりますが、膝の状態によっては治療の回数が増える可能性もあるでしょう。

APS療法・成長因子療法

APS療法や成長因子療法もPRP療法と同様、健康保険が適用されず自由診療となります。

治療にかかる費用は30~40万円程度が相場となっており、両膝を治療する場合にはその倍の治療費がかかります。

ただし、PRP療法とは異なり1回の治療で済むため、通院の回数は少なくて済みます

幹細胞治療

幹細胞治療では細胞を実際に取り出し、1カ月間掛けて数個の幹細胞を最大1億個くらいまで培養して関節に戻すため、200~400万円程度の費用がかかります。

これは、手術を伴う再生医療である、自家培養軟骨移植術と同等程度になっています。

関連記事:膝の下が痛い人必見!原因や痛みやすい人の特徴や治療法を解説

膝の再生医療の保険適用はいつから?

膝の再生医療には数十万円単位の高額な費用がかかることから、今後健康保険の適用対象になる見込みはないのか疑問に感じる方も多いでしょう。

上記でも紹介した通り、PRP療法、APS療法、成長因子療法、幹細胞治療など手術を伴わない再生医療は現時点では自由診療となっており、いつ頃保険が適用されるかは未定の状態です

医療費を抑制したい国の狙いからすると、今後もこれらの再生医療が保険適応になる可能性は限りなく低いと予想しております。

膝の再生医療は効果なし?デメリットは?

膝の再生医療について調べてみると、特にPRP療法とAPS療法は入院することなく手軽に受けられる反面、「効果はない」といったネガティブな意見を目にすることもあります。

また、メリットばかりではなくデメリットがあることも事実です。

入院を必要としない再生医療を選択するにあたって、覚えておきたい注意点をご紹介しましょう。

自由診療のため治療費が高め

上記でも紹介した通り、PRP療法とAPS療法、成長因子療法、幹細胞治療は、健康保険が適用されず自由診療となります。

全額自己負担のため、少なくとも数万円から数百万円と、保険診療と比べると高額な治療費がかかり、経済的な面で治療を躊躇する方も少なくありません。

しかし、安かろう悪かろうという言葉があるように、安い治療にはそれなりの訳があります。

保険診療には、何十年も前に保険診療として認められてから、何も進歩していない整形外科医療ばかりが残っています

ここ20年以内に整形外科医療として国内に入ってきた治療法は、痛み止めなどの薬剤を除いてほとんどが保険適応されていないのが現状です。

歯科医療で自費治療を受けないと、たいして新しい良い治療法が受けられないのと同じで、整形外科についても同じような状況になってきたと思います。

安定した効果を得られない場合がある

人工関節手術などに比べると、再生医療は効果の現れ方に、やや個人差が現れやすい傾向にあります。

治療後比較的早い段階で効果を実感できる方もいれば、しばらく時間が経過してから徐々に効果が現れる方、効果が現れたものの短期間でもとの状態に戻ってしまうという方もいます。

すべての方が十分に満足できる効果が見込めるとは限らない点は、十分理解しておく必要があるでしょう。

継続的な治療が必要

PRP療法は、少なくとも4週間程度のスパンを空けながら3回以上の治療が必要です。

APS療法、成長因子療法、幹細胞治療も基本的に一度の治療で済みますが、もとの状態に戻ってしまったときには再び治療を行わなければなりません。

しかし、これは人工関節手術などでも数%は再手術のリスクもありますし、術後のリハビリはかなり努力が必要になります。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの再生医療外来

膝の再生医療にはさまざまな治療法があり、患者様の状態に応じて最適な治療法を選択する必要があります。

そのためには、膝関節の治療実績が豊富で、多様な治療法に対応しているクリニックを選ぶことが重要といえるでしょう。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、今回ご紹介したPRP療法やAPS療法についても実績があります。

現在は成長因子療法と集束型体外衝撃波治療を組み合わせた、「関節回復APS-FSW療法」という独自の治療法も開発して提案させて頂いています。

成長因子療法療法と集束型体外衝撃波を組み合わせることで、即効性と長期持続効果が期待できます。

膝の強い痛みが持続している方は、再生医療外来のあるイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックに一度ご相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

膝関節は日常生活において負担がかかりやすい部位であり、加齢や体重の増加、立ち仕事、スポーツなどが原因で負傷することがあります。

多くの場合、膝関節の内部にある軟骨がすり減り、骨同士が接触することで強い痛みを生じさせ、さらに悪化すると関節そのものが変形し、歩行が困難になることもあります。

このような状態になる前に、膝に慢性的な違和感や痛みを感じた場合には、できるだけ早めにクリニックを受診しましょう。

今回ご紹介した再生医療は、手術をすることなく日帰りで治療を受けられるものも多いため、治療に不安を感じている方にもおすすめの方法といえます。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

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●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長

骨粗鬆症で食べてはいけないものとは?骨を強くする食べ物や飲み物を紹介

骨が脆くなり骨折のリスクが高まる骨粗鬆症は、閉経後の女性に多く発症しやすい疾患のひとつです。

骨粗鬆症の発症を完全に抑えることは難しいですが、発症や重症化のリスクを少しでも低減するためには食事が重要なポイントとなります。

今回は、骨粗鬆症で食べてはいけないもの、反対に食べたほうが良いものを詳しくご紹介します。

▶︎イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの関節専門外来はこちら

骨粗鬆症の原因

私たちの骨は、体内で少しずつ古い骨が削られると同時に新しい骨が生成され、新陳代謝を繰り返しています。

通常は古い骨が取り壊される「骨吸収」と、新しい骨が作られる「骨形成」がバランスよく保たれています

しかし、さまざまな原因によってこのバランスが崩れることがあります。

その結果、骨の量が減ったり、質が悪くなったりすることで、骨が脆くなってしまう「骨粗鬆症」という疾患が発症します。

骨の新陳代謝のバランスが崩れる原因はさまざまですが、特に代表的なのが「エストロゲン」とよばれるホルモン物質の減少です。

エストロゲンは女性ホルモンのひとつであり、骨吸収を抑える役割も果たしています。

しかし、年齢を重ねるとエストロゲンの分泌量が減少し、骨吸収のスピードが速くなってしまうのです。

そのため、骨粗鬆症は閉経を迎えた更年期以降の女性が最も発症しやすくなります

骨粗鬆症の予防には食事が大切

エストロゲンの分泌量が減少するのは自然なことであり、それ自体を防ぐことは難しいものです。

しかし、毎日の食事に気をつけることで、骨粗鬆症の予防や進行を抑えることにつながる可能性はあります。

特に、カルシウムが不足していたり、栄養バランスそのものが偏った食生活を送っていると、骨に必要な栄養が不足し骨が作られにくくなってしまいます

丈夫な骨をつくるにはカルシウムが必要というのは事実ですが、だからといってカルシウムばかりに栄養が偏ってしまうのも問題なのです。

ビタミンやミネラル、たんぱく質など特に不足しがちな栄養を意識しながら毎日の食生活を見直してみましょう

▶骨粗鬆症の診断基準について|どんな検査をする?費用についても解説

骨粗鬆症で食べてはいけないものとは?

骨粗鬆症の予防や重症化を防ぐという観点では、摂取すべきではない食品があります。

リン酸化合物を多く含むもの

リンという物質はカルシウムと同様に骨を形成する成分であり、欠かせない栄養素のひとつです。

しかし同時に、リンを摂取しすぎるとカルシウムと結合しを体外に排出する性質もあり、せっかく摂取した栄養素が無駄になってしまいます

リンの化合物であるリン酸塩はさまざまな食品に含まれている成分ですが、過剰に摂取してしまうと骨粗鬆症を発症・悪化させる原因となります。

リン酸塩が特に多く含まれている、ハムやソーセージなどの加工肉やインスタント食品などは摂取しすぎないよう注意しましょう。

食塩を多く含むもの

濃い味付けのものには食塩が多く含まれています。

私たちの体内では塩分濃度を一定に保つために、食塩を摂りすぎると血圧が上がり高血圧症が発症したり悪化しやすくなります。

高血圧は骨吸収を促進してしまい骨が脆くなってしまう報告もされていたり、腎機能が悪くなることで、ビタミンDの活性が悪くなり、骨粗鬆症に繋がりやすくなります

従って、塩分の多い食事に偏らないように注意しましょう。

アルコール類

アルコールは骨を作る細胞を破壊してしまうため、骨が作られにくくなってしまうことに加え、酸化ストレスも増大させるために骨が脆くなってしまいます

そのため、日常的にアルコールを摂取している方や、一度の飲酒で大量のアルコールを摂取する方は特に注意が必要です。

一切アルコールを摂取すべきではない、ということではありませんが、飲み過ぎには注意が必要です。

厚生労働省では、女性の場合は1日平均で20g程度のアルコール摂取量に抑えることを推奨しており、これはビールの場合約500ml、日本酒であれば1合にあたります。

カフェインを多く含むもの

利尿作用を及ぼす食品はアルコール以外にもカフェインが挙げられます。

特に、朝起きた後や仕事の合間などに毎日コーヒーを飲む方の場合、カフェインの摂りすぎによって尿と一緒にカルシウムが排泄されやすくなります。

骨粗鬆症の予防や重症化を防ぐのであれば、コーヒーは1日あたり3杯程度までに抑えたり、余分にカルシウムを食事から補充するようにしておきましょう

また、コンビニやドラッグストア、自動販売機などでもさまざまなエナジードリンクが販売されていますが、大量のカフェインが含まれているため飲み過ぎには注意が必要です。

▶骨粗鬆症の初期症状は気づきにくい?骨粗鬆症の原因も解説

骨を強くする食べ物や飲み物

上記とは反対に、骨粗鬆症予防のために積極的に摂取すべき食べ物は何があるのでしょうか。

カルシウムを多く含むもの

まずは骨形成にもっとも重要なカルシウムです。

カルシウムは骨や歯を形成するために欠かせない栄養素であると同時に、尿と一緒に排出されやすい性質ももっているため、積極的に摂りたい栄養素のひとつです。

1日の摂取量目安およびカルシウムを多く含む食品には以下のものがあります。

 

  • 18歳以上の1日の摂取量目安:800mg
  • 食品:牛乳、小魚、チーズ、ヨーグルト、ひじき など
  • カルシウムのサプリ、カルシウムを多く含有させた健康食品など

 

コップ1杯あたりの牛乳に含まれるカルシウム量は約230mgのため、朝・昼・夜にそれぞれ牛乳を飲む習慣を心がけるのもおすすめです。

また、骨粗鬆症の治療中はカルシウムの1日摂取量が1200㎎程度必要になるとも言われており、普段以上に積極的にカルシウムと補う必要があります。

ビタミンDを多く含むもの

ビタミンDは腸管からカルシウムを吸収した後、それを血液とともに骨まで届ける栄養素です。

ビタミンDとカルシウムを一緒に摂取することで、効率よくカルシウムが体内に吸収されます

 

  • 18歳以上の女性1日の摂取量目安:10〜20μg
  • 食品:鮭、イワシ、サンマ、シラスなど
  • ビタミンDのサプリ

 

ビタミンDは特に魚類に多く含まれているため、肉だけでなく魚をメニューに一品取り入れるだけでもおすすめです。

ビタミンKを多く含むもの

ビタミンKは骨吸収を抑制するとともに、質の良い骨が作られるために必要な栄養素です。

ビタミンKが足りないと骨が作られるときに、折れやすい質の悪い骨ができやすくなります

 

  • 18歳以上の女性1日の摂取量目安:250〜300μg
  • 食品:納豆、小松菜、モロヘイヤ、ブロッコリー など

 

ビタミンKは野菜類に多く含まれています。スーパーで手軽に購入できる品目が多いほか、サラダやおひたし、炒めものなど調理の方法も多様です。

ビタミンB6・B12・葉酸を多く含むもの

ビタミンB6やB12、葉酸は丈夫で良質な骨を形成するために必要なコラーゲンの材料になる栄養素です。

 

  • 18歳以上の女性1日の摂取量目安

ビタミンB6:1.1mg

B12:2.4μg

葉酸:240μg

  • 食品

ビタミンB6:まぐろ、鮭、豚肉、玄米、バナナ など

B12:サンマ、牡蠣、牛レバー など

葉酸:ホタテ、鶏レバー、イチゴ など

たんぱく質を多く含むもの

骨の30%はたんぱく質の一種のコラーゲンでできています。

筋力を増やすことで骨を安定的にサポートし、骨折やケガの予防にもなります

 

  • 18歳以上の女性1日の摂取量目安:50g
  • 食品:鶏肉、大豆、チーズ、ブロッコリー など

骨粗鬆症予防におすすめの食事メニュー

上記の食材を使用した、骨粗鬆症予防におすすめのメニューをご紹介します。

スピード朝食(スムージー・チーズトースト・ヨーグルト和え)

忙しい朝でも短時間で作れ、カルシウムはもちろんビタミンKや葉酸、ビタミンB6、たんぱく質などの栄養も満点な骨粗鬆症予防朝食メニューです。

今回は洋風のメニューですが、鮭や玄米、シラスなどを組み合わせた和朝食もおすすめです。

 

【材料】

  • スムージー

小松菜、モロヘイヤ、バナナ、はちみつ、水

  • チーズトースト

食パン、チーズ、マヨネーズ、ブラックペッパー

  • ヨーグルト和え

ヨーグルト、イチゴ、バナナ、はちみつ、レモン汁

 

【作り方】

スムージー

  1. 小松菜、モロヘイヤ、バナナをミキサーに入れやすいサイズにカットする
  2. カットした材料をはちみつ、水と一緒にミキサーにかける

 

チーズトースト

  1. 食パンにマヨネーズを塗る
  2. 食パンにチーズを乗せてトースターで焼く
  3. お好みでブラックペッパーを振りかける

 

ヨーグルト和え

  1. ヨーグルトにはちみつ、レモン汁を入れて混ぜておく
  2. フルーツを食べやすい大きさにカットし、ヨーグルトソースと和える

クリームシチュー

カルシウムが豊富な牛乳をたっぷり使った定番メニューです。

ブロッコリーやほうれん草など、青物野菜をたっぷり使うことでビタミンKとビタミンB6、葉酸、たんぱく質が摂取できます。

 

【材料】(4人分)

  • 鶏むね肉 200g
  • ブロッコリー 1/2株
  • ほうれん草 1/2束
  • じゃがいも 1個
  • 人参 1/2本
  • 牛乳 150ml
  • 水 450ml
  • シチューの素

 

【作り方】

  1. 鶏むね肉、ブロッコリー、じゃがいも、人参、ほうれん草を食べやすい大きさにカット
  2. 大きめの鍋に材料を入れて炒める
  3. 焼き目が付いたら水を入れ、柔らかくなるまで煮込む
  4. シチューの素を入れ、とろみがついたら牛乳を入れて5分ほど煮込む

骨粗鬆症の予防には運動もおすすめ

骨粗鬆症の予防にあたっては、食事の内容だけでなく運動も欠かせません。

運動をすることで骨に適度な負荷・刺激が加わり、骨を作る、骨細胞が活性化し骨密度が増すとされているためです。

物理的な負荷が大きいほど骨の強度も高まっていきますが、いきなり無理をすると転倒して骨折やケガのリスクを増大させるため、徐々に運動の強度を上げていくことが大切です。

特に初心者におすすめなのは、ウォーキングやジョギング、縄跳び(縄なしで飛んでもOK)です。

その際に、500gから1kg程度の軽めのダンベルを持った状態でトレーニングをすることで、適度な負荷がかかり効果が高まる可能性があります。

▶骨粗しょう症にかかりやすい人の特徴や早期発見のメリットについて

まとめ

骨粗鬆症の発症を少しでも抑えるためには、加工食品やインスタント食品をなるべく控え、アルコールや塩分、カフェインなどの過剰摂取にも注意が必要です。

一方、カルシウムは体外に排出されやすく吸収されにくい栄養分でもあるため、丈夫な骨をつくるためにも積極的に摂取したほうが良いでしょう。

それ以外にもビタミン類や葉酸、たんぱく質などもバランスよく摂取することで、カルシウムの吸収効率が上がり骨粗鬆症の予防につながります。

適度な運動も心がけ、骨粗鬆症にかからないよう生活習慣を見直していきましょう。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

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経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長