モートン病とは?セルフチェックやマッサージの方法を紹介
足の甲から付け根のあたりに痛みが感じられる、または痺れが現れることが多いという場合、さまざまな疾患が考えられます。
なかでも可能性のひとつとして挙げられるのが「モートン病」です。
モートン病とはどういった病気なのか、症状や治療法、自分でできるセルフチェックやストレッチの方法などもあわせてご紹介します。
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モートン病とは
モートン病は、足の親指の付け根に痛みが発生する神経障害の一つです。
足の甲のあたりから指先にかけては神経が通っていますが、この部分が何らかの理由で強い圧迫を受けたとき、炎症や強い痛みが生じます。
特に40代から60代の女性に症状が現れやすく、長時間にわたって歩くことが多い、あるいは立ち仕事に従事している方ほど発症しやすい傾向です。
また、サイズが小さすぎる靴やハイヒールなどを履いていると、物理的に足の神経が圧迫されるためモートン病を発症する原因になることもあります。
モートン病の症状
モートン病を発症すると、どのような症状が現れるのでしょうか。 痛みが現れる部位や状態に合わせた症状の変化などもご紹介します。痛みの種類
モートン病を発症したときに現れる痛みは、個人によっても症状に差が見られます。 打撲を負ったときのようなジンジンとした痛みや、針に刺されたような鋭い痛み、あるいは皮膚が焼けるようなヒリヒリとした痛みを感じることもあるようです。痛みが現れる部位
痛みが現れやすい部位としては、足の中指と薬指の間、あるいは人差し指と中指の間が多いです。 また、足の親指の付け根に痛みが現れ、その後ほかの指に広がっていくというケースもあるようです。症状の変化
初期の症状としては痛みを感じるケースが多いですが、状態が悪化していくと痺れを感じたり、痛みの範囲が足の甲や脛のあたりまで広がっていったりすることもあります。 ただし、こちらも個人差があり、比較的初期段階にもかかわらず痛みが広範囲に現れることも少なくありません。関連記事:関節リウマチかもしれない初期症状や変形性関節症との違いを解説!
モートン病のセルフチェック方法
足の指に痛みが現れた場合、正確な診断を受けるためには専門医による検査や診察を受ける必要があります。
しかし、医療機関を受診する前にモートン病であるかを自分自身で簡単にチェックできる方法もあります。
以下の1または2の方法で試してみましょう。
- 左右いずれかの足の内側と外側を手で挟み込むようにぐっと握った際に、痛みまたは痺れを感じるか
- 足の指の間4箇所を手の指で押した際に、痛みまたは痺れを感じるか
モートン病の治療方法
モートン病と診断された場合、どのような治療が行われるのでしょうか。
体外衝撃波治療
体外衝撃波治療とは、医療用に出力が調整された衝撃波を患部に照射する治療法です。 神経内で痛みを伝える物質を減少させる効果があるほか、神経細胞に直接刺激を与えることで損傷した組織の修復効果も期待できます。 モートン病ではとても高い効果を期待することが可能です。運動療法
モートン病を発症すると痛みを避けるために運動量が自然と低下し、足の筋力が落ちることがあります。 筋力が低下すると、土踏まずを形成するアーチが下がってくるため、ストレッチや筋力トレーニングなどの運動療法を行い機能回復を図ります。適切な靴を履く
足に負担のかかる靴を履いている場合には、できるだけ負担のかからない適切なサイズのものに履き替えます。 これに加えて、革靴のようなソール固い靴ではなく軟らかくクッション性のあるスニーカーを選んだり、ヒールの低い靴を履いたりすることも大切です。中敷きの作成
痛みが見られる部位に負担がかからないよう、足底挿板(中敷き)を作成します。 中敷きを敷くことで足にかかる負担が軽減され、足の付け根部分にかかる圧力も分散されます。薬物療法
痛みや痺れを軽減すると同時に、ダメージを受けた神経細胞を修復するために薬物療法が用いられます。 痛み止めの内服薬や湿布のほか、神経障害性疼痛治療薬などが処方されることが多いです。 その他、神経細胞の修復に有効なビタミンB12などの内服薬を処方される場合もありますが、高い効果は期待できません。局所神経ブロック注射
上記の治療を行っても痛みが緩和されない、あるいは強烈な痛みを伴う場合には、局所神経ブロック注射(局所麻酔薬の注射)が用いられることもあります。 また、神経にピンポイントで注射するこの方法は、モートン病の診断を確定する際にも用いられることがあります。関連記事:体外衝撃波は治療効果がない人はいる?適切な治療回数や痛みについて
モートン病を放置するとどうなる?
モートン病を発症後、治療をせず放置しておくと症状が進行し、痛みや痺れの範囲が拡大していくことがあります。 また、初期の段階では歩いたときや立ち上がったときに軽い痛み・痺れが現れる程度ですが、やがて歩行が困難になるほどの強い痛みが現れるケースも少なくありません。 安静時にも痛みが持続するようになると、薬物療法や運動療法などでは治療ができず、手術以外の選択肢がなくなることもあるでしょう。 そのため、足の指の付け根に痛みが続くようであれば早い段階で診察を受けることが大切です。
モートン病に有効なストレッチ
モートン病の悪化や発症を予防するために、自宅で手軽にできるストレッチをご紹介します。- 足の指を床に押し付けるイメージで、土踏まずを引き上げる
- 5秒程度力を入れた後に元の状態に戻す
- 1〜2を5回程度繰り返す
モートン病に似た症状の病気とは?
足の指や関節部分に痛みが現れる病気はモートン病以外にもさまざまなものがあります。
似た症状が現れ、モートン病と混同しやすい病気をご紹介しましょう。
- 足底筋膜炎 土踏まずのアーチを支える足底筋膜が炎症を起こす疾患で、足の痛みや足底の張りが生じる
- 中足骨疲労骨折 中足部(足の甲)の骨に生じる疲労骨折で、足の甲から指の付け根にかけて痛みが現れる
- 足根管症候群 足底神経が圧迫されることで起こる神経障害で、足裏や足首、足の甲に痛みや痺れが現れる
- 腰椎椎間板ヘルニア 腰椎が圧迫を受けることで起こる神経障害で、腰から足にかけて痛みや痺れが現れる
足の痛みや痺れならイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックにご相談ください
足に痛みや痺れを感じる場合、さまざまな疾患の可能性が考えられることから、できるだけ早めに信頼できる医療機関で診察を受けることが大切です。 しかし、「どの病院を選べば良いのか分からない」、「整形外科を受診するのが初めてで不安がある」という方も多いのではないでしょうか。 そのような場合には、一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください! 当院では関節専門外来を設置しており、膝や股関節、肘、そして足にいたるまで、さまざまな疾患の治療に対応することができます。 今回ご紹介したモートン病の診療も可能であり、レントゲンや超音波、MRIなどの検査機器を用いながら痛みや痺れの原因を突き止め、より正確に診断することが可能です。 また、体外衝撃波治療などの最新治療法から薬物療法や運動療法など、まで多様な治療にも対応しているため、治療に不安がある方にもとても安心です。
まとめ
足の指の付け根に痛みや痺れを感じる場合、モートン病を発症している可能性が考えられます。 はじめのうちは軽い痛みを感じる程度ですが、進行していくにつれて痛みの程度は範囲は拡大し、強烈な痛みによって歩行が困難になることもあります。 このような事態を防ぐためにも、できるだけ早めに医療機関を受診し検査と治療を受けるようにしましょう。 信頼性が高いクリニックを探している、あるいはさまざまな選択肢から治療法を検討したいという方は、ぜひ一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください。かかとが痛いのは何が原因?考えられる疾患や対処法を解説!

立ち上がったときや運動したとき、あるいは安静にしている状態など、かかとに痛みを感じることはないでしょうか。
大きな負担がかかりやすい部位だからこそ、痛みが現れる原因はさまざまです。
本記事では、かかとの痛みを感じる場合に考えられる原因や疾患、正しい対処法をご紹介します。
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かかとの痛みの主な原因|考えられる病気や疾患

かかとに痛みを覚える場合にはさまざまな原因が考えられ、場合によっては何らかの病気や疾患を発症していることもあります。
足底筋膜炎
ベッドや椅子から立ち上がったときや、歩き出したときなどに痛みが現れる場合、足底筋膜炎の可能性があります。
足底腱膜とは土踏まずの形を維持している組織です。
かかとから指の付け根のあたりにかけて腱がつながっています。
ウォーキングやランニング、ジャンプなどで足の裏に大きな負荷がかかり続けると足底筋膜を引っ張る力が強くなり、かかとに炎症や痛みが現れるようになります。
炎症が長期化すると、踵骨棘という踵の骨の足底筋膜が付いている部位が棘のように変化してしまうことがありますが、必ずしも痛みが生じるわけではありません。
アキレス腱炎
歩いたり走ったりしたときに、アキレス腱からかかとにかけて痛みが現れる場合には、アキレス腱炎の可能性があります。
初期は軽い痛みや違和感を覚える程度ですが、日常的にアキレス腱に負荷がかかると症状が進行し、痛みの程度も強くなっていきます。
変形性足関節症
足関節炎とはその名の通り、足首の関節に炎症が起こる疾患のことです。
足首は体重を支える部位のため、大きな負荷がかかることで炎症や痛みを発症しやすく、重症化すると立っていられなくなるほど強い痛みを生じることもあります。
かかとに生じる痛みの特徴としては、ベッドや椅子から立ち上がったときや歩き始めのときに痛みを感じやすいです。
足根管症候群
足根管症候群とは、かかとの内側にある神経(後脛骨神経)が圧迫されることで発症する神経症です。
立ち上がったときや、歩いたり走ったりしたときに足の一部が痛み、ときには痺れを感じることもあります。
一般的には足首や足の指、甲などに痛みを感じることが多いですが、かかとや足の裏にかけて痛みを感じるケースも少なくありません。
適切でない靴の着用
靴のサイズや形状が合っていないことも可能性として考えられます。
靴の内部は土踏まずをサポートするように適度な膨らみがありますが、この部分の高さが足りないと土踏まずをサポートできません。
すると負担がかかってしまい、足底筋膜炎などを発症させることもあります。
過体重
足底筋膜炎やアキレス腱炎、足関節炎などの炎症は、体重の増加が原因で発症することが多くあります。
特に食べ過ぎや運動不足などによって急激に体重が増加すると、筋力だけでは支えきれなくなり、関節や腱などの組織に強烈な痛みを感じることがあります。
過度な運動(オーバーユース)
運動のしすぎによってかかとに負担がかかり、痛みの原因になることもあります。
特にバスケットボールやバレーボールなど、ジャンプと着地を頻繁に繰り返す運動や、長距離を走るマラソンなどは足にかかる負担も大きくなりがちです。
関連記事:アキレス腱が痛いのは病気?マッサージや対処法を紹介
痛風でかかとが痛くなることがある?
痛風とは、結晶化した尿酸が体内に留まり、さまざまな部位に痛みを生じさせる病気のことです。
その名の通り「風が吹くだけでも痛い」と感じるほど強烈な痛みが現れることもあり、尿酸値が高くなると痛風の発作が起こりやすくなります。
一般的に痛風と聞くと、足の親指の付け根が腫れ強く痛むというイメージがありますが、これ以外にも以下の部位などにも痛みが現れる場合があります。
- 足首
- 足の甲
- くるぶし
- 膝
- 手
- かかと
そのため、もともと痛風の持病がある方、もしくは健康診断で尿酸値が高いと指摘があった方などは、かかとが痛む場合に痛風の発作が起こっている可能性も否定できません。 
かかとの痛みと更年期の関係

40代から50代の更年期にさしかかると、かかとの痛みが現れることも少なくありません。
痛みの直接的な原因は、足底筋膜炎を発症しているケースが多いのですが、特に更年期の女性はホルモンバランスの変化によって骨格のバランスが崩れることがあります。
これによって体重を支える足の裏に負担がかかり、足底筋膜炎を発症する可能性が高くなるのです。
また、女性ホルモンの減少によって筋肉の量も減っていき、関節を安定させる力も弱くなってしまいます。
その結果、特に負担のかかる足の骨格に歪みや変形が生じ、かかとが痛む原因にもなります。
関連記事:膝の下が痛い人必見!原因や痛みやすい人の特徴や治療法を解説
かかとの後ろが痛いときの原因は?
かかとの後ろの部分に痛みを感じる場合には、アキレス腱炎を発症している可能性が考えられるでしょう。
アキレス腱は、腓腹筋やヒラメ筋などから伸びる複数の腱で構成されており、かかとの骨につながっています。
運動のしすぎや無理な力がアキレス腱に加わると炎症を引き起こし、かかとの後ろからふくらはぎの下部分にかけて痛みが生じることがあります。
アキレス腱が炎症している状態で無理に運動を続けると、最悪の場合アキレス腱が断裂し歩行ができなくなるケースもあるため無理は禁物です。
かかとの痛みへの対処法

かかとの痛みが現れた場合、症状を和らげるためにはどういったことが大切なのでしょうか。
正しい対処法をご紹介します。
休息
かかとに痛みが現れる場合、骨や軟骨、腱などの組織に炎症が起こっているケースがほとんどです。
この状態で痛みを我慢しながら無理に足を動かしたり、大きな負荷をかけたりするとさらに状態を悪化させる可能性があるため、まずは安静にすることが大切です。
ストレッチ
かかとの痛みを防止するためには、運動の前にストレッチを行うことが大切です。
特に、かかとに繋がっているアキレス腱は急に動かすと断裂する危険もあるため、入念なストレッチは欠かせません。
また、日常的にストレッチを行うことで筋力も強化され、関節を安定的に保護することにもつながります。
足に合った靴を履く
極端に大きい、あるいは小さすぎる靴を履いていると、体重を支える足のバランスが崩れ過度な負担がかかります。
また、ソールの薄い靴やクッション性の低い靴も、かかとに負担が集中し痛みの原因になることがあります。
適切なサイズの靴を選ぶことはもちろんですが、長距離を移動する際には土踏まずをサポートしてくれるアーチサポートのソールや、クッション性の高い靴を選ぶことも重要といえるでしょう。
体重管理
体重が増加すると足への負担も増大し、かかとを痛める原因になります。
バランスの良い食生活で摂取カロリーのコントロールに気を付け、適度な運動も継続しながら体重をコントロールしましょう。
ただし、かかとを痛めている状態で長距離のウォーキングやランニングを行うと状態を悪化させるため、足に負担のかからない筋力トレーニングや水泳などからはじめてみるのもおすすめです。
整形外科での治療
かかとの痛みの根本原因を解消するためには、整形外科で治療を受けることがもっとも有効で確実な方法といえるでしょう。
クリニックによっても対応している治療法はさまざまです。
- アーチサポートインソールのような装具療法
- 痛み止めの飲み薬
- 湿布といった薬物療法
これらを行いながらリハビリを繰り返していくケースが多いでしょう。
また、より高い効果が見込める治療法として「体外衝撃波治療」があります。
これは、医療用に調節された特殊な衝撃波を患部に照射することで、痛みを伝える神経物質を減らし、同時に炎症した組織の再生を促し慢性的な痛みを緩和するというものです。
体外衝撃波治療には拡散型と集束型の2種類がありますが、集束型の方がより高い効果を期待することができます。
足底筋膜炎に効くマッサージ

かかとの痛みを引き起こすことの多い足底筋膜炎を予防したり、痛みを緩和したりするために自宅で手軽にできるマッサージもあります。
- 椅子または床に座った状態で左右いずれかの膝を曲げる
- 足の指を手でつかみ、手前側に反らす
- 反対側の手で足の裏を1分ほどマッサージする
足の指を反らすときには力を入れすぎず、土踏まずの腱が伸びた状態をキープしてください。
また、かかとに痛みがある場合には、無理に強い力で揉まないように注意してください。
かかとの痛みならイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください
かかとに痛みを感じる場合、考えられる原因はさまざまで簡単に判断できるものではありません。
早い段階で症状を緩和するためには、治療実績が豊富で多様な治療法に対応している整形外科クリニックを選ぶことが大切です。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、今回ご紹介した足底筋膜炎やアキレス腱炎などさまざまな疾患の治療に対応しています。
薬物療法やリハビリテーションはもちろんのこと、体外衝撃波治療の設備も集束型も拡散型も両方取り揃えております。
患者様の状態を見ながら、最適な治療法をご提案することができます。
まとめ
かかとの痛みを放置しておくと炎症が重症化しさらに強い痛みが現れたり、痛みの範囲が拡大していく可能性もあります。
また、痛みを感じた場合には無理に動かしたり負担をかけたりするのは禁物で、安静にすることも心がけましょう。
かかとの痛みが気になっているものの、原因がはっきりと分からず不安に感じているという方は、ぜひ一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください。
膝の再生医療は効果なし?保険適用はいつから?

膝に強い痛みがあり、歩いたり走ったりするのが辛い場合、膝関節の内部に炎症が生じている可能性があります。
これを治療するためにはさまざまな方法がありますが、日常生活に支障をきたす心配がないのが「再生医療」です。
再生医療について調べてみるとネガティブな意見を目にすることもありますが、それは本当なのでしょうか。
気になる再生医療の費用や保険適用の可否についても詳しくご紹介します。
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膝の再生医療とは?

再生医療とは、患者様自身から取り出した細胞や人工的に培養した細胞などを利用し、病気やケガによって損傷した組織の再生を促す治療法です。
たとえば、採取した組織から幹細胞を抽出し、それを培養したものや血液から血小板を抽出したものを再び体内に注射するといった治療法があります。
このような治療方法は、外科手術に比べて、患者様にかかる負担を大幅に低減できます。
膝の代表的な疾患である変形性膝関節症においても、再生医療は有効な治療法です。
抽出・培養した、自らの血小板や幹細胞を患部に注射することで、痛みを緩和します。
変形性膝関節症の治療は、比較的症状が軽度の場合には、運動療法や食事療法による体重コントロール、リハビリなどが選択されるケースが多いです。
しかし、症状が進行し膝関節の変形が見られる場合には、外科手術や再生医療が用いられるケースが多いのです。
関連記事:膝の痛みの場所別原因まとめ|突然ズキズキ痛むのは危険?
膝の再生医療の種類

一口に再生医療といってもさまざまな種類があります。
膝の再生医療において選択肢となる再生医療の種類は以下の通りです。
- PRP(多血小板血漿)療法
- APS(自己タンパク質溶液)療法
- 成長因子療法
- 幹細胞治療
- 骨軟骨柱移植術
- 自家培養軟骨移植術
各治療法についてご紹介しましょう。
PRP(多血小板血漿)療法
PRPとは 多血小板血漿 ともよばれ、私たちの血液のなかに含まれる血小板を濃縮させた体液です。
患者様本人から少量の血液を採取し、遠心分離によって多くの血小板を抽出し、PRPとして膝関節内に注入することで、炎症が緩和し痛みの改善が期待されます。
通常、何度も治療が必要になります。
白血球の量で、部位による使い分けられる場合もあります。
APS(自己タンパク質溶液)療法
APS療法も、患者様自身から採取した血液を使用する再生医療です。
従来のPRP療法を、より高濃度に濃縮させ関節向けに特化した治療法です。
これを膝関節内に注入することで、炎症を引き起こす原因物質のバランスを整え、症状を軽減できます。
PRP療法の中でも一度で十分に効果が期待できるのが大きな特徴です。
成長因子療法
PRPの血小板の殻を取り除き、細胞成分を取り除いて、APSでも大きな効果を発揮する血小板に含まれる成長因子のみ高濃度で抽出し、関節に注射する治療法です。
APSと同様に1回の治療で十分に効果を期待できますが、細胞成分を取り除いているため、PRP療法のように注射後の痛みや腫れといった副作用がほとんどないのが大きな特徴です。
まとめて2回分など一気に注射をすることも可能です。
幹細胞治療
幹細胞治療は、体内から少量の脂肪や滑膜を取り出し、そこの組織に含まれる幹細胞を数個から数千万~1億個程度まで培養し、膝関節内に注入する治療法です。
主に腹部から脂肪を取り出すことが多く、幹細胞を注入することで損傷した膝軟骨を再生させたり、病気の進行を抑える効果が期待できます。
幹細胞治療は再生医療のなかでも代表的な治療法のひとつです。
骨軟骨柱移植術
骨軟骨柱移植術は、自分の膝の正常な骨と軟骨組織を細い円柱状に何本もくり抜き、膝関節内の軟骨が損傷した部分に移植する治療法です。
正常な骨を物理的に移植するため高い効果が期待できますが、医学的なリスクの観点から大きな骨をくり抜くことはできません。
また、前述までの治療法とは異なり、関節鏡手術で皮膚を切る範囲は狭いものの、入院し全身麻酔で手術が必要になります。
やや治療のハードルが高くなるのと、技術的に優れた整形外科医を見つけるのに苦労します。
また、広範囲の軟骨損傷には不向きな治療法です。
自家培養軟骨移植術
自家培養軟骨移植術とは、患者様自身から少量の軟骨組織を採取し、それを培養してシート状にしたものを、膝関節内に移植して縫いつける治療法です。
シート状の移植なので、欠損が比較的大きい場合でも治療に対応できる可能性があります。
しかし、こちらも骨軟骨柱移植術以上に、技術的に信頼のおける整形外科医を探して手術を受けるのはかなり大変です。
入院期間も長く、手術でも皮膚を大きく切るといったように、再生医療の中でも最も大掛かりな治療法といえます。
膝の再生医療のメリット

変形性膝関節症をはじめとした膝関節の疾患は、再生医療以外にも、外科手術や保存療法などさまざまな治療法があります。
そのなかで、再生医療を選ぶことでどういったメリットがあるのでしょうか。
- 拒否反応が起こりにくい
- 日帰りで処置を受けられる
- 治療直後から普段通り生活できる
- 治療痕が残りにくい
再生医療のメリットを詳しく紹介しましょう。
拒絶反応が起こりにくい
薬物療法や外科手術の場合、治療後に重篤な副反応が出たり、後遺症が残ったりといったリスクを伴います。
しかし、再生医療では自分自身の血液や組織、あるいは骨・軟骨の一部を採取して活用するため、上記のような拒絶反応が起こりにくく安全性が高いというメリットがあります。
日帰りで処置を受けられる
PRP療法やAPS療法、成長因子療法、幹細胞治療など手術を伴わない再生医療は、自分の血液や組織を取り出し、再び注射をするという治療法のため負担が少ないです。
入院せずに最短で1~2回の通院で治療を受けることができます。
仕事などで忙しく長期間の休暇が取得しにくい方や、入院が難しい状況の方でも、安心して選択できる治療法といえるでしょう。
治療直後から普段通り生活できる
移植手術以外の再生医療では入院が一切必要なく、注射を打った後は普段通りの生活に戻ることができます。
仕事が忙しく休暇が取得できない方はもちろん、家族に負担をかけたくないという方にとってもメリットの大きい治療法といえるでしょう。
治療痕が残りにくい
PRP療法やAPS療法、成長因子療法、幹細胞治療は注射をするだけで処置が完了するため、大きな治療痕が残らず目立ちません。
関連記事:膝の痛みで悩んでいる人必見|症状別にわけた原因と治療方法を解説
膝の再生医療の費用相場

膝の再生医療を受ける場合、気になるのは費用の問題です。
クリニックによっても費用は異なる場合がありますが、どの程度の相場なのでしょうか。
今回はPRP療法とAPS療法、成長因子療法、幹細胞治療の費用相場をご紹介します。
PRP療法:1回あたり3万円~
PRP療法は健康保険が適用とはならず全額負担の自由診療です。
1回の治療にかかる費用は片側の膝で3万円程度、両膝の場合は5万円程度が相場となっており、4週間程度のスパンを空けて3回程度治療を受ける必要があります。
そのため、少なくとも9万円から15万円程度の費用がかかります。
しかし、膝の状態によっては治療の回数が増える可能性もあるでしょう。
APS療法・成長因子療法
APS療法や成長因子療法もPRP療法と同様、健康保険が適用されず自由診療です。
治療にかかる費用は30~40万円程度が相場となっており、両膝を治療する場合にはその倍の治療費がかかります。
ただし、PRP療法とは異なり1回の治療で済むため、通院の回数は少なくて済みます。
幹細胞治療
幹細胞治療では細胞を実際に取り出し、1カ月間掛けて数個の幹細胞を最大1億個くらいまで培養して関節に戻すため、200~400万円程度の費用がかかります。
これは、手術を伴う再生医療である、自家培養軟骨移植術と同等程度になっています。
関連記事:膝の下が痛い人必見!原因や痛みやすい人の特徴や治療法を解説
膝の再生医療の保険適用はいつから?

膝の再生医療には数十万円単位の高額な費用がかかることから、今後健康保険の適用対象になる見込みはないのか疑問に感じる方も多いでしょう。
上記でも紹介した通り、PRP療法、APS療法、成長因子療法、幹細胞治療など手術を伴わない再生医療は現時点では自由診療となっており、いつ頃保険が適用されるかは未定の状態です。
医療費を抑制したい国の狙いからすると、今後もこれらの再生医療が保険適応になる可能性は限りなく低いと予想しております。
膝の再生医療は効果なし?デメリットは?
膝の再生医療について調べてみると、特にPRP療法とAPS療法は入院することなく手軽に受けられる反面、「効果はない」といったネガティブな意見を目にすることもあります。
また、メリットばかりではなくデメリットがあることも事実です。
- 自由診療のため治療費が高め
- 安定した効果を得られない場合がある
- 持続的な治療が必要
入院を必要としない再生医療を選択するにあたって、覚えておきたい注意点を詳しくご紹介しましょう。
自由診療のため治療費が高め
上記でも紹介した通り、PRP療法とAPS療法、成長因子療法、幹細胞治療は、健康保険が適用されず自由診療となります。
全額自己負担のため、少なくとも数万円から数百万円と、保険診療と比べると高額な治療費がかかり、経済的な面で治療を躊躇する方も少なくありません。
しかし、安かろう悪かろうという言葉があるように、安い治療にはそれなりの訳があります。
保険診療には、何十年も前に保険診療として認められてから、何も進歩していない整形外科医療ばかりが残っています。
ここ20年以内に整形外科医療として国内に入ってきた治療法は、痛み止めなどの薬剤を除いてほとんどが保険適応されていないのが現状です。
歯科医療で自費治療を受けないと、たいして新しい良い治療法が受けられないのと同じで、整形外科についても同じような状況になってきたと思います。
安定した効果を得られない場合がある
人工関節手術などに比べると、再生医療は効果の現れ方に、やや個人差が現れやすい傾向にあります。
治療後比較的早い段階で効果を実感できる方もいれば、しばらく時間が経過してから徐々に効果が現れる方、効果が現れたものの短期間でもとの状態に戻ってしまうという方もいます。
すべての方が十分に満足できる効果が見込めるとは限らない点は、十分理解しておく必要があるでしょう。
継続的な治療が必要
PRP療法は、少なくとも4週間程度のスパンを空けながら3回以上の治療が必要です。
APS療法、成長因子療法、幹細胞治療も基本的に一度の治療で済みますが、もとの状態に戻ってしまったときには再び治療を行わなければなりません。
しかし、これは人工関節手術などでも数%は再手術のリスクもありますし、術後のリハビリはかなり努力が必要になります。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの再生医療外来
膝の再生医療にはさまざまな治療法があり、患者様の状態に応じて最適な治療法を選択する必要があります。
そのためには、膝関節の治療実績が豊富で、多様な治療法に対応しているクリニックを選ぶことが重要といえるでしょう。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、今回ご紹介したPRP療法やAPS療法についても実績があります。
現在は成長因子療法と集束型体外衝撃波治療を組み合わせた、「関節回復APS-FSW療法」という独自の治療法も開発して提案させて頂いています。
成長因子療法療法と集束型体外衝撃波を組み合わせることで、即効性と長期持続効果が期待できます。
膝の強い痛みが持続している方は、再生医療外来のあるイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックに一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
膝関節は日常生活において負担がかかりやすい部位であり、加齢や体重の増加、立ち仕事、スポーツなどが原因で負傷することがあります。
多くの場合、膝関節の内部にある軟骨がすり減り、骨同士が接触することで強い痛みを生じさせ、さらに悪化すると関節そのものが変形し、歩行が困難になることもあります。
このような状態になる前に、膝に慢性的な違和感や痛みを感じた場合には、できるだけ早めにクリニックを受診しましょう。
今回ご紹介した再生医療は、手術をすることなく日帰りで治療を受けられるものも多いため、治療に不安を感じている方にもおすすめの方法といえます。
骨粗鬆症で食べてはいけないものとは?骨を強くする食べ物や飲み物を紹介

骨が脆くなり骨折のリスクが高まる骨粗鬆症は、閉経後の女性に多く発症しやすい疾患のひとつです。
骨粗鬆症の発症を完全に抑えることは難しいですが、発症や重症化のリスクを少しでも低減するためには食事が重要なポイントとなります。
今回は、骨粗鬆症で食べてはいけないもの、反対に食べたほうが良いものを詳しくご紹介します。
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骨粗鬆症の原因

私たちの骨は、体内で少しずつ古い骨が削られると同時に新しい骨が生成され、新陳代謝を繰り返しています。
通常は古い骨が取り壊される「骨吸収」と、新しい骨が作られる「骨形成」がバランスよく保たれています。
しかし、さまざまな原因によってこのバランスが崩れることがあります。
その結果、骨の量が減ったり、質が悪くなったりすることで、骨が脆くなってしまう「骨粗鬆症」という疾患が発症します。
骨の新陳代謝のバランスが崩れる原因はさまざまですが、特に代表的なのが「エストロゲン」とよばれるホルモン物質の減少です。
エストロゲンは女性ホルモンのひとつであり、骨吸収を抑える役割も果たしています。
しかし、年齢を重ねるとエストロゲンの分泌量が減少し、骨吸収のスピードが速くなってしまうのです。
そのため、骨粗鬆症は閉経を迎えた更年期以降の女性が最も発症しやすくなります。
骨粗鬆症の予防には食事が大切

エストロゲンの分泌量が減少するのは自然なことであり、それ自体を防ぐことは難しいものです。
しかし、毎日の食事に気をつけることで、骨粗鬆症の予防や進行を抑えることにつながる可能性はあります。
特に、カルシウムが不足していたり、栄養バランスそのものが偏った食生活を送っていると、骨に必要な栄養が不足し骨が作られにくくなってしまいます。
丈夫な骨をつくるにはカルシウムが必要というのは事実ですが、だからといってカルシウムばかりに栄養が偏ってしまうのも問題なのです。
ビタミンやミネラル、たんぱく質など特に不足しがちな栄養を意識しながら毎日の食生活を見直してみましょう。
関連記事:骨粗鬆症の診断基準について|どんな検査をする?費用についても解説
骨粗鬆症で食べてはいけないものとは?

骨粗鬆症の予防や重症化を防ぐという観点では、摂取すべきではない食品があります。
リン酸化合物を多く含むもの
リンという物質はカルシウムと同様に骨を形成する成分であり、欠かせない栄養素のひとつです。
しかし同時に、リンを摂取しすぎるとカルシウムと結合しを体外に排出する性質もあり、せっかく摂取した栄養素が無駄になってしまいます。
リンの化合物であるリン酸塩はさまざまな食品に含まれている成分ですが、過剰に摂取してしまうと骨粗鬆症を発症・悪化させる原因となります。
リン酸塩が特に多く含まれている、ハムやソーセージなどの加工肉やインスタント食品などは摂取しすぎないよう注意しましょう。
食塩を多く含むもの
濃い味付けのものには食塩が多く含まれています。
私たちの体内では塩分濃度を一定に保つために、食塩を摂りすぎると血圧が上がり高血圧症が発症したり悪化しやすくなるのです。
高血圧は骨吸収を促進してしまい骨が脆くなってしまう報告もされていたり、腎機能が悪くなることで、ビタミンDの活性が悪くなり、骨粗鬆症に繋がりやすくなります。
従って、塩分の多い食事に偏らないように注意しましょう。
アルコール類
アルコールは骨を作る細胞を破壊してしまうため、骨が作られにくくなってしまうことに加え、酸化ストレスも増大させるために骨が脆くなってしまいます。
そのため、日常的にアルコールを摂取している方や、一度の飲酒で大量のアルコールを摂取する方は特に注意が必要です。
一切アルコールを摂取すべきではない、ということではありませんが、飲み過ぎには注意が必要です。
厚生労働省では、女性の場合は1日平均で20g程度のアルコール摂取量に抑えることを推奨しており、これはビールの場合約500ml、日本酒であれば1合にあたります。
カフェインを多く含むもの
利尿作用を及ぼす食品はアルコール以外にもカフェインが挙げられます。
特に、朝起きた後や仕事の合間などに毎日コーヒーを飲む方の場合、カフェインの摂りすぎによって尿と一緒にカルシウムが排泄されやすくなります。
骨粗鬆症の予防や重症化を防ぐのであれば、コーヒーは1日あたり3杯程度までに抑えたり、余分にカルシウムを食事から補充するようにしておきましょう。
また、コンビニやドラッグストア、自動販売機などでもさまざまなエナジードリンクが販売されていますが、大量のカフェインが含まれているため飲み過ぎには注意が必要です。
関連記事:骨粗鬆症の初期症状は気づきにくい?骨粗鬆症の原因も解説
骨を強くする食べ物や飲み物

上記とは反対に、骨粗鬆症予防のために積極的に摂取すべき食べ物は何があるのでしょうか。
カルシウムを多く含むもの
まずは骨形成にもっとも重要なカルシウムです。
カルシウムは骨や歯を形成するために欠かせない栄養素であると同時に、尿と一緒に排出されやすい性質ももっているため、積極的に摂りたい栄養素のひとつです。
1日の摂取量目安およびカルシウムを多く含む食品には以下のものがあります。
- 18歳以上の1日の摂取量目安:800mg
- 食品:牛乳、小魚、チーズ、ヨーグルト、ひじき など
- カルシウムのサプリ、カルシウムを多く含有させた健康食品など
コップ1杯あたりの牛乳に含まれるカルシウム量は約230mgのため、朝・昼・夜にそれぞれ牛乳を飲む習慣を心がけるのもおすすめです。
また、骨粗鬆症の治療中はカルシウムの1日摂取量が1200㎎程度必要になるとも言われており、普段以上に積極的にカルシウムと補う必要があります。
ビタミンDを多く含むもの
ビタミンDは腸管からカルシウムを吸収した後、それを血液とともに骨まで届ける栄養素です。
ビタミンDとカルシウムを一緒に摂取することで、効率よくカルシウムが体内に吸収されます。
- 18歳以上の女性1日の摂取量目安:10〜20μg
- 食品:鮭、イワシ、サンマ、シラスなど
- ビタミンDのサプリ
ビタミンDは特に魚類に多く含まれているため、肉だけでなく魚をメニューに一品取り入れるだけでもおすすめです。
ビタミンKを多く含むもの
ビタミンKは骨吸収を抑制するとともに、質の良い骨が作られるために必要な栄養素です。
ビタミンKが足りないと骨が作られるときに、折れやすい質の悪い骨ができやすくなります。
- 18歳以上の女性1日の摂取量目安:250〜300μg
- 食品:納豆、小松菜、モロヘイヤ、ブロッコリー など
ビタミンKは野菜類に多く含まれています。
スーパーで手軽に購入できる品目が多いほか、サラダやおひたし、炒めものなど調理の方法も多様です。
ビタミンB6・B12・葉酸を多く含むもの
ビタミンB6やB12、葉酸は丈夫で良質な骨を形成するために必要なコラーゲンの材料になる栄養素です。
- 18歳以上の女性1日の摂取量目安
ビタミンB6:1.1mg
B12:2.4μg
葉酸:240μg
- 食品
ビタミンB6:まぐろ、鮭、豚肉、玄米、バナナ など
B12:サンマ、牡蠣、牛レバー など
葉酸:ホタテ、鶏レバー、イチゴ など
たんぱく質を多く含むもの
骨の30%はたんぱく質の一種のコラーゲンでできています。
筋力を増やすことで骨を安定的にサポートし、骨折やケガの予防にもなります。
- 18歳以上の女性1日の摂取量目安:50g
- 食品:鶏肉、大豆、チーズ、ブロッコリー など
参考記事:【高齢者に多い骨折】骨粗しょう症とは?薬を飲みたくない人向けの予防法や治療法はある?|西春内科・在宅クリニック
骨粗鬆症予防におすすめの食事メニュー

上記の食材を使用した、骨粗鬆症予防におすすめのメニューをご紹介します。
スピード朝食(スムージー・チーズトースト・ヨーグルト和え)
忙しい朝でも短時間で作れ、カルシウムはもちろんビタミンKや葉酸、ビタミンB6、たんぱく質などの栄養も満点な骨粗鬆症予防朝食メニューです。
今回は洋風のメニューですが、鮭や玄米、シラスなどを組み合わせた和朝食もおすすめです。
【材料】
- スムージー
小松菜、モロヘイヤ、バナナ、はちみつ、水
- チーズトースト
食パン、チーズ、マヨネーズ、ブラックペッパー
- ヨーグルト和え
ヨーグルト、イチゴ、バナナ、はちみつ、レモン汁
【作り方】
- スムージー
- 小松菜、モロヘイヤ、バナナをミキサーに入れやすいサイズにカットする
- カットした材料をはちみつ、水と一緒にミキサーにかける
- チーズトースト
- 食パンにマヨネーズを塗る
- 食パンにチーズを乗せてトースターで焼く
- お好みでブラックペッパーを振りかける
- ヨーグルト和え
- ヨーグルトにはちみつ、レモン汁を入れて混ぜておく
- フルーツを食べやすい大きさにカットし、ヨーグルトソースと和える
クリームシチュー
カルシウムが豊富な牛乳をたっぷり使った定番メニューです。
ブロッコリーやほうれん草など、青物野菜をたっぷり使うことでビタミンKとビタミンB6、葉酸、たんぱく質が摂取できます。
【材料】(4人分)
- 鶏むね肉 200g
- ブロッコリー 1/2株
- ほうれん草 1/2束
- じゃがいも 1個
- 人参 1/2本
- 牛乳 150ml
- 水 450ml
- シチューの素
【作り方】
- 鶏むね肉、ブロッコリー、じゃがいも、人参、ほうれん草を食べやすい大きさにカット
- 大きめの鍋に材料を入れて炒める
- 焼き目が付いたら水を入れ、柔らかくなるまで煮込む
- シチューの素を入れ、とろみがついたら牛乳を入れて5分ほど煮込む
骨粗鬆症の予防には運動もおすすめ
骨粗鬆症の予防にあたっては、食事の内容だけでなく運動も欠かせません。
運動をすることで骨に適度な負荷・刺激が加わり、骨を作る、骨細胞が活性化し骨密度が増すとされているためです。
物理的な負荷が大きいほど骨の強度も高まっていきますが、いきなり無理をすると転倒して骨折やケガのリスクを増大させるため、徐々に運動の強度を上げていくことが大切です。
特に初心者におすすめなのは、ウォーキングやジョギング、縄跳び(縄なしで飛んでもOK)です。
その際に、500gから1kg程度の軽めのダンベルを持った状態でトレーニングをすることで、適度な負荷がかかり効果が高まる可能性があります。
関連記事:骨粗しょう症にかかりやすい人の特徴や早期発見のメリットについて
まとめ
骨粗鬆症の発症を少しでも抑えるためには、加工食品やインスタント食品をなるべく控え、アルコールや塩分、カフェインなどの過剰摂取にも注意が必要です。
一方、カルシウムは体外に排出されやすく吸収されにくい栄養分でもあるため、丈夫な骨をつくるためにも積極的に摂取したほうが良いでしょう。
それ以外にもビタミン類や葉酸、たんぱく質などもバランスよく摂取することで、カルシウムの吸収効率が上がり骨粗鬆症の予防につながります。
適度な運動も心がけ、骨粗鬆症にかからないよう生活習慣を見直していきましょう。
関節リウマチの原因はストレス?なりやすい性格がある?

30代以降の女性に多く発症する関節リウマチは、関節の痛みや腫れなどが現れ、やがて重症化すると関節が変形したり曲げ伸ばしが困難になったりすることもある病気です。
関節リウマチは「ストレスに弱い人ほどなりやすい」、「慢性的なストレスが原因で発症する」といった内容を耳にすることがありますが、果たしてこれは本当なのでしょうか。
本記事では、関節リウマチを発症する原因とストレスとの関連性を解説します。
個人の性格によって発症リスクは左右されるのか、痛み以外で現れやすい症状についても紹介します。
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関節リウマチの原因は?

関節リウマチという病気は現在も研究が進められています。
しかし、どういった人が罹患するのかはっきりとしたことは分かっていないのが現状です。
そのなかで、なぜ関節リウマチが発症するのか、基本的なメカニズムや原因として考えられていることを解説しましょう。
関節リウマチは自己免疫性疾患
関節リウマチとは、手指や肘、肩、膝など、身体のさまざまな関節に腫れと痛みが現れる病気のことをいいます。
ヒトの関節内部には滑膜とよばれる組織があり、関節液を分泌することで軟骨へ栄養を供給し関節の動きをスムーズにする役割を果たしています。
しかし、この滑膜に炎症が起こると徐々に腫れていき、やがて関節の骨や軟骨組織までもが破壊され関節そのものが変形することがあるのです。
近年の研究で、滑膜の炎症は私たちの体内に本来備わっている免疫という仕組みに異常をきたしたときに引き起こされることが分かってきました。
すなわち、関節リウマチは自己免疫性疾患(自分の免疫が自分の関節を破壊してしまう病気)の一種といえるのです。
関連記事:関節リウマチかもしれない初期症状や変形性関節症との違いを解説
ストレスが直接的な原因ではない
関節リウマチに悩む人は数多く、特に30〜50代の女性に発症しやすい傾向が見られます。
また、これまで関節リウマチは「ストレスが主な発症原因である」といわれることが少なくありませんでした。
しかし、関節リウマチの直接の発症原因はあくまでも免疫異常であり、ストレスそのものが直接的な引き金になることはないとされています。
すなわち、関節リウマチの発症には免疫に関連する遺伝的な要因に喫煙、歯周病などの環境因子が深く関係し、そこにストレスが間接的に関係しているのです。
ただし、慢性的なストレス要素が加わることで免疫機能が弱まり、関節リウマチを発症するリスクが高まることが分かっています。
同時に血流の低下も招き、栄養や酸素を体内に運んだり、老廃物を体外に排出する力も弱くなります。
その結果、自律神経が乱れ活性酸素やサイトカインとよばれる物質が体内で大量に発生し、正常であるはずの細胞組織を破壊することもあるのです。
そういった意味では、ストレスという要素が間接的な発症原因になる可能性は十分考えられます。
すでに関節リウマチを発症している場合には、重症化するおそれもあるのです。
そのため、関節リウマチを発症・重症化させないためには、ストレスとうまく付き合っていくことが大切といえます。
参考記事:関節リウマチのしてはいけない10項目とは|リウマチになりやすい性格がある?|西春内科・在宅クリニック
関節リウマチになりやすい性格とは?

大前提として、個人の性格が直接的な原因となって関節リウマチを発症することはありません。
ただし、上記でも紹介した通りストレスが間接的な要因になる可能性は十分あります。
特に、以下に該当する性格の人は要注意といえるでしょう。
ストレス耐性が低い人
ストレスを感じる事象や程度は人によっても異なります。
たとえば、仕事で些細なミスをしたとき、必要以上に落ち込む人もいれば楽観的に考える人もいます。
前者は良く言えば「責任感が強い人」ともいえますが、見方を変えれば「ストレス耐性が低い人」ともいえるでしょう。
ストレス耐性が低い人ほど、他人から投げかけられた些細な一言や何気ない行動で落ち込み、自分でストレスを抱え込む傾向が見られます。
日常的にこのようなストレスがかかり続けていると、免疫力の低下を招き関節リウマチをはじめとしたさまざまな病気の発症リスクが高まるでしょう。
神経症的傾向がある人も要注意
神経症とは、主にストレスが原因で精神の不安や不調をきたす精神疾患で、かつてはノイローゼともよばれていました。
神経症的傾向は神経症そのものではありませんが、感情的になりやすく繊細で、悪い言い方をすれば情緒不安定な傾向が見られる性格を指します。
また、神経症的傾向が高い人ほどネガティブで悲観的な感情を抱きやすく、ストレスを抱え込む傾向も見られます。
実際に関節リウマチの患者を対象にした心理状況の調査を見ても、40~70%の患者に神経症的傾向が見られたとの報告があります。
このような性格の人は一定の発症リスクがあるといえるでしょう。
我慢強い人は重症化のリスクがある
体調の変化や身体の一部に痛みや違和感があっても、「そのうち治るだろう」と気にせず放置する人も少なくありません。
また、もともと痛みに強い人や我慢強い性格の人は、多少の痛みがあっても病院を受診せず我慢するケースもあります。
関節リウマチを発症して間もない頃は、見た目にほとんど変化が見られず深刻に捉えないことも多いです。
しかし、一度発症すると関節リウマチは日々進行していき、治療を行わないでいると重症化し関節組織の破壊や関節そのものが変形するリスクも高まります。
そのため、我慢強い性格の人ほど重症化しやすく、病院を受診した頃にはすでに関節が破壊されているなど状態が悪化しているケースが少なくありません。
関連記事:関節リウマチは治るの?検査から診断基準、治療までの流れをご紹介
関節リウマチのしびれの原因

関節リウマチを発症すると、関節の腫れや痛みだけでなく手足などの末端にしびれが生じたり、思うように力が入らないなどの症状が現れることもあります。
関節リウマチによって起こるしびれは、関節部分の骨の変形や脱臼などによって周辺の神経を圧迫した結果現れる症状です。
ただし、手足のしびれは必ずしも関節リウマチだけが原因とは限りません。
ほかの理由によって神経が圧迫されているケースや、血流そのものの流れが悪化して生じている可能性も考えられます。
まずは医療機関を受診し原因を特定することが大切です。
場合によっては手術をしなければならないこともあるため、できるだけ早めに診てもらいましょう。
関節リウマチの発熱の原因

一口に関節リウマチといっても人によって現れる症状や程度はさまざまです。
関節の痛みや炎症とあわせて多いのが、風邪のような発熱の症状です。
炎症が強いと微熱が出る場合がある
関節リウマチの初期症状として、37℃程度の微熱が見られることがあります。
これは免疫システムに異常をきたした結果、自分自身の組織を敵と見なして攻撃するために現れる症状です。
特に関節の炎症が強い場合に微熱が現れることが多く、あわせて全身の倦怠感や食欲の低下なども見られます。
はじめのうちは風邪と混同する患者様も少なくありません。
風邪薬を飲んでも微熱が収まらず、さらに関節の腫れや痛みが強く現れてきた場合には関節リウマチの可能性が考えられます。
早めに医療機関を受診してください。
高熱は要注意!合併症の危険が
関節リウマチによって現れるのはあくまでも37℃前後の微熱であり、それ以上の極端な高熱が現れることはありません。
もし、38℃台やそれ以上の発熱が見られる場合には、関節リウマチとは別の合併症を引き起こしている可能性が考えられます。
関節リウマチの治療中は免疫力を下げる薬を処方されることがあり、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかるリスクが増大。
急な高熱が出たにもかかわらず、そのまま免疫力を下げる薬を飲み続けているとさらに重症化するおそれがあります。
早急に医療機関を受診することが大切です。
まとめ
関節リウマチは自己免疫性疾患であり、免疫の異常が直接的な原因で発症します。
ストレスは免疫力と密接な関係があり、慢性的なストレスが間接的な要因となって関節リウマチの発症リスクや重症化リスクを高める可能性は十分あります。
また、神経症的傾向やストレス耐性が低いなど個人の性格も影響することもあるのです。
微熱や倦怠感、関節の痛みなど関節リウマチの初期症状が見られた場合には、できるだけ早めに医療機関を受診し治療をスタートさせましょう。
テニス肘を放置するとどうなる?症状や原因、重症化について解説

テニスやバドミントンなどをプレーする機会が多い方や、腕や指を酷使する仕事に従事している方のなかには、テニス肘に悩まされている方も少なくないのではないでしょうか?
なんとなく腕に痛みがあると感じていても、それがテニス肘であると認識しないまま放置していると重症化し、日常生活にさまざまな支障をきたすおそれがあるのです。
本記事では、テニス肘の症状や発症する原因のほか、治療をせず放置するとどうなるのかについても詳しく解説します。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)とは?

テニス肘とは正式名称「上腕骨外側上顆炎」といい、その名の通り外側上腕骨上顆という部位に炎症が起こる疾患です。
主にテニスやバドミントンなどのプレーヤーが発症することが多く、腕の外側部分に痛みが生じることが特徴です。
この痛みによって、日常生活におけるさまざまな動作が困難になることもあります。
なお、テニス肘は日常的にスポーツを行っているアスリートはもちろんのこと、スポーツ経験のない一般の方に発症するケースも少なくありません。
上腕骨外側上顆とは

上腕骨外側上顆とは、肩から肘に掛けての上腕骨の外側にある部位のことで、ここには指を曲げ伸ばしするための複数の筋肉の腱が複雑に絡み合っています。
このうち、「短橈側手根伸筋」とよばれる筋肉と関節をつなぐ腱の部分に炎症が起こることでテニス肘が発症します。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)になる原因

そもそもなぜテニス肘が発症するのでしょうか。考えられる代表的な原因をいくつかご紹介します。
筋肉や腱への過度な負荷
テニスやバドミントンなどのプレー中は、常にラケットを握ったり振ったりすることで腕に負荷がかかっています。
また、アスリートだけでなく、鍋やフライパンを振る調理師や工具を扱う工事現場の職人なども腕に負荷がかかりやすいです。
肘から先の動きで重いものを扱うことによって腕の外側の筋肉や腱などに過度な負荷がかかり、炎症や痛みを生じさせることが多いです。
加齢
スポーツや日常生活の動き以外にも、加齢が原因でテニス肘を発症することがあります。
年齢を重ねると筋力が低下とともに腱も脆くなりますが、その状態で無理な負荷がかかると炎症を引き起こしやすく、痛みも生じやすくなります。
姿勢や技術の問題
テニスやバドミントンなどをプレーする際、正しい姿勢が維持できなかったりフォームが崩れたりすることも腕に無理な負荷をかけてしまうケースに繋がります。
また、テニスではボールを打ち返す際にラケットに衝撃が加わり、腕の筋力がそれに耐えきれずテニス肘を発症する場合も少なくありません。
関連記事:スポーツ整形外科に多い疾患は?名医の特徴や整形外科との違いを解説
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の症状と経過

テニス肘を発症すると腕に痛みを覚えますが、具体的にどのような経過をたどり、どのような影響があるかご紹介します。
痛みの現れ方
テニス肘と一括りにしても、人によって痛みの現れ方が異なります。
たとえば、テニスのプレー中にいきなり強い痛みを感じることもあれば、日常生活のなかで徐々に痛みが強くなってくるというパターンも少なくありません。
痛みが現れる場所
テニス肘を発症すると、肘の外側の骨が一番出っ張っているあたりを中心に痛みが生じます。
日常生活への影響
テニス肘では手首を手の甲の側に反らせたり、指を伸ばしたりしたときに痛みを感じやすくなります。
具体的には、以下のような日常生活の動作によって痛みを発症することがあります。
- ドアノブを回す
- 雑巾を絞る
- キーボードやマウスを操作する
- 物を掴んで持ち上げる
これらの動作に共通しているのは、腕の曲げ伸ばしだけでなく指にも力を入れる動作であり、これが繰り返されることで腱が炎症を起こし、やがて痛みが生じるようになるメカニズムです。
テニス肘の初期段階においては安静にしていれば痛みを感じることは少ないですが、症状が悪化していくと安静時でもジンジンとした痛みが続くこともあります。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)を放置するとどうなる?
テニス肘は無理な負荷を加えることなく安静にしていれば痛みが引き、症状が収まることもあります。しかし、すべての人がそうとは限らず、治療をせず放置しておくと悪化して日常生活に大きな支障をきたすリスクもあります。
テニス肘を放置するとどうなるのか、具体的な症状をいくつかご紹介しましょう。
物を掴むだけで痛みを感じるようになる
軽度のテニス肘であれば、物を掴んだ状態で腕に力を入れて持ち上げたときなどに痛みが走ります。
しかし、適切な治療をせず放置しておくと指を曲げて物を掴んだだけで痛みを感じるようになり、日常生活の些細な動作であっても苦痛に感じてしまいます。
また、腕の曲げ伸ばし動作だけでも強烈な痛みを感じる場合もあるようです。
安静時にも痛みを感じるようになる
上記でも簡単に説明したように、テニス肘の初期段階では安静時に痛みを感じることは少なく、腕や手首に負荷がかかったときだけ痛みを覚えます。
しかし悪化すると腱や筋肉の炎症が悪化していき、安静時にも痛みが感じられるようになります。
ひどい場合には、腕の痛みで夜も眠れないほど重症化することもあるでしょう。
関連記事:膝に突っ張りを感じる原因や疾患|解消するストレッチ方法を解説
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)になりやすい人は?

テニス肘はどのような人が発症しやすいのでしょうか。代表的なケースをいくつかご紹介します。
アスリート
テニスやバドミントンなど、ラケットを使用するスポーツを日常的に行っている人は、ラケットを持つ側の腕に過度な負荷がかかり、テニス肘を発症しやすくなります。
テニス経験者の発症率は3〜5割程度ともいわれており、テニス未経験者に比べると発症率はかなり高くなるかと思います。
腕や指を酷使する人
日常生活や仕事で、腕や指を過度に使う職業の方はテニス肘を発症しやすくなります。
たとえば、引越し作業員や左官職人、建築作業員といった力仕事はもちろんのこと、プログラマーやライターなどキーボードを操作する機会が多い方もテニス肘の発症リスクは高いといえるでしょう。
中高年層
テニス肘は長年にわたる腕の酷使や筋力の低下、腱の脆さも発症要因となることから、中高年層にも大きなリスクがあるといえます。
スポーツや力仕事の経験がなかったとしても、長年にわたる身体への負荷が原因となって徐々に痛みが増し、気づいたときにはテニス肘を発症していたというケースもあるので注意が必要です。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の治療について
テニス肘を放置しておくと重症化するおそれがあることから、腕の痛みを感じたら早めに整形外科を受診し治療をスタートすることが大切です。
テニス肘の治療にはさまざまな方法があり、症状の程度や状態によって最適な治療法は異なります。
たとえば、比較的軽度なテニス肘であれば痛み止めや湿布などの薬物療法が選択されることが多いですが、痛みが強い場合や長引いている場合は、様々な治療法を併用しながら痛みを軽減していきます。
様々な治療法として、以下なども選択肢のひとつとなります。
- 「体外衝撃波治療」物理療法である超音波治療よりも数十倍のエネルギー波である体外衝撃波を皮膚の上から照射し痛みを軽減する
- 「再生医療」血液から再生させる物質を抽出した後再び体内に注入し痛んだ部位の修復を促す
- 「装具療法」サポーターを装着しながら関節を安定させ、日常生活の動作をサポートする
テニス肘の具体的な治療法については、以下の記事でも詳しく解説しているため、ぜひこちらも参考にしてみてください。
関連記事:テニス肘の治し方!自分で治す方法は?整形外科での治療法を解説
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)でお悩みの方はイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください
テニス肘を改善するためにはさまざまな治療法があり、症状の程度や状態に合わせて適切に判断しなければなりません。
しかし、整形外科によっても治療に必要な設備は異なり、たとえば体外衝撃波治療や再生医療といった最新の治療法には対応できないケースもあります。
そのため、テニス肘を早期に治療するためには、できるだけ多くの治療法に対応している整形外科を受診することが大切です。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、上記で紹介したテニス肘の治療法に対応しており、専門医のアドバイスを受けながら幅広い選択肢の中から自分に合った治療法を選択できます。
また、院長の渡邉 順哉医師は現役の空手選手でもあり、スポーツドクターや大会救護ドクターとして活躍しています。
当院を訪れるプロのアスリートも多く、さまざまな疾患や身体の悩みを解決しています。
テニス肘はもちろんのこと、アスリートならではの疾患や障害を改善したいと考える方は、ぜひ一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください。
まとめ
テニス肘は一度発症すると痛みが引いた後も再発するリスクがあり、治療をせず放置すると重症化し長期化・難治化するケースも少なくありません。
そのため、特にテニスプレーヤーや腕を酷使する仕事に従事している方は、肘の外側の痛みを感じたら早めに整形外科を受診することが大切です。
また、テニス肘にはさまざまな治療法がありますが、すべての整形外科で最新の治療法に対応できるとは限りません。
自分に合った最適な治療法を選択するためにも、近いというだけで整形外科を選ばずに、最新治療が受けることのできる信頼性の高い整形外科を選択しましょう。
関節リウマチかもしれない初期症状や変形性関節症との違いを解説!

起床時に関節がこわばって動かしにくい状態が1〜2時間続いたり、手足の指、手首や膝などの関節がぶよぶよと腫れ、痛みが見られる場合、関節リウマチの初期症状である可能性があります。
関節リウマチという言葉は聞いたことがあっても、どのような症状が現れるのか、進行していくとどうなるのか知らないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、関節リウマチの基礎知識や,リウマチ以外の関節に現れる疾患との違い、治療法や予防法などについても詳しく解説します。
関連記事:関節リウマチは治るの?検査から診断基準、治療までの流れをご紹介
関節リウマチかもしれない初期症状

関節リウマチは30〜50代の特に女性に多く発症する自己免疫疾患です。
しかし、発症経験のない方にとってはどういった病気なのか分かりづらいものでしょう。
関節リウマチの初期段階に多く見られる症状は以下などが挙げられます。
- 関節の痛み・腫れ・変形
- 手足のこわばり・むくみ
- 微熱・倦怠感・リンパ節の腫れ
それぞれの症状について解説しましょう。
関節の痛み・腫れ・変形
関節リウマチを発症した際に多く見られるのが関節の痛みや腫れです。
特に手足の指や肘、膝などに多く見られ、痛む箇所も日によって違うことがあります。
治療せずに放置しておくと、痛みや腫れが悪化していき関節部分が変形することも少なくありません。
手足のこわばり・むくみ
朝起きたときに手のこわばりが見られたり、人によってはむくんでいるように感じることもあります。
特に手に違和感を覚える方が多いですが、足にもむくみが現れるケースが少なくありません。
微熱・倦怠感・リンパ節の腫れ
微熱や倦怠感、リンパ節の腫れといった症状が出ることもあります。
これらは風邪の症状と似ていることから当初は関節リウマチと認識しづらいです。
風邪薬を飲んで安静にしていても症状が改善しない場合には関節リウマチを発症している可能性もあります。
参考記事:更年期の関節痛とリウマチの違いとは?起床時や冬の症状に注目|西春内科・在宅クリニック
関節リウマチが重症化するとどうなる?

一口に関節リウマチといっても症状はさまざまで、疾患の進行の程度にも個人差があります。
上記で紹介した内容は比較的初期段階に現れることの多い症状ですが、仮に関節リウマチの治療を行わず重症化した場合、どのような症状が現れるのでしょうか。
具体的な症状として以下などが挙げられます。
- 関節の変形
- 骨粗鬆症
- 骨強直
これらの症状について詳しく解説していきます。
関節の変形
上記でも簡単に紹介しましたが、関節の腫れが悪化していくと関節そのものが変形してくることがあります。
関節が変形すると、内部に水が溜まって曲げ伸ばしの際に激痛が走ったり、本来の動きができなくなることもあります。
関節の状態によっても治療法はさまざまです。
基本的にはリウマチの薬をしっかり飲むことで症状が改善し、変形の進行を抑えることができます。
変形が高度な場合には、機能の回復のために手術治療が選択されることもあります。
骨粗鬆症
関節リウマチによって関節が思うように動かなくなると、骨や軟骨組織の強度も低下していき、やがて骨粗鬆症を発症することがあります。
脆くなった骨はわずかな刺激によって折れやすくなり、日常生活にも大きな支障をきたすリスクがあるでしょう。
骨強直
骨強直とは、関節内部で骨同士が結びついてしまい、曲げ伸ばしができなくなる状態のことを指します。
強い関節の炎症を放置した場合、骨強直が生じることがあります。
関連記事:骨粗鬆症の診断基準について|どんな検査をする?費用についても解説
関連記事:骨粗鬆症が治った人はいる?原因・症状・治療・予防を簡単解説
関連記事:骨粗鬆症の初期症状は気づきにくい?|骨粗鬆症の原因も解説
変形性関節症との違い
関節リウマチとよく似た疾患として変形性関節症があります。
この2つの疾患にはどのような違いがあるのでしょうか。
変形性関節症とは、膝をはじめとした負荷がかかりやすい部位に痛みが生じ、関節の炎症や腫れ、関節軟骨の摩耗に伴い変形を引き起こす疾患です。
関節リウマチも関節の痛みや腫れが起こるという面では共通しています。
しかし、変形性関節症のように負荷がかかりやすい部位だけでなく、手足の指や手首など小さな関節にも症状が現れやすく、安静にしていても強い関節痛がある点は異なる点です。
また、関節リウマチでは関節内で滑膜炎という炎症を生じるため、関節がぶよぶよした腫れを伴うケースが多く見られます。
関連記事:膝を曲げると突然痛い!原因と治し方を外側・内側別に徹底解説
関節リウマチになりやすい人の特徴

関節リウマチと聞くと、中高年層に発症しやすい疾患というイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。
関節リウマチに悩む人はどのような人が多いのか、主な特徴は以下などです。
- 中高年女性
- 喫煙者
- 遺伝的要素
ここではそれぞれの特徴をご紹介しましょう。
中高年女性
関節リウマチは男性よりも女性のほうが発症リスクが3〜4倍高いとされています。
なぜ性別によって発症率が異なるのか明確な理由は分かっていません。
しかし、出産や加齢によってホルモンバランスの変化が1つの要因として考えられています。
また、年齢別に見ると30〜50代の発症率が高い傾向が見られますが、10〜20代や60代以降の方でも発症することがあります。
喫煙者
たばこを吸う習慣がある人とそうでない人を比較したとき、喫煙者のほうが関節リウマチを発症する割合が高いことが分かっています。
これまでの研究によれば、喫煙は最も関節リウマチの発症との関連が深いとされている環境的な発症因子とされています。
遺伝的要素
3親等以内の家族や親族に関節リウマチを発症した方がいる場合も発症リスクが高まることが報告されています。
ただし、関節リウマチは遺伝的要素のみで発症が確定するわけではなく、これ以外にも生活習慣などが大きく関係してきます。
関節リウマチで早期発見・早期治療が大切な理由
関節リウマチの初期症状は手のこわばりやむくみなど、わずかな違和感から始まることが多いため、病院を受診せず様子を見るという方が少なくありません。
しかし、上記でも紹介した通り、関節リウマチが進行していくと関節の痛みや腫れ、変形など重症化につながり、最悪の場合関節の曲げ伸ばしができなくなることもあります。
関節リウマチを発症してから半年から1年程度がもっとも進行が早く、気づいたときには手遅れの状態になっている可能性もあります。
そのため、関節リウマチの発症が疑われる場合には、できるだけ早めに病院を受診し早期治療に取り組むことが重要です。
関節リウマチによる関節破壊が進行しないための予防対策

関節リウマチが発症する原因は分かっていないことも多いほか、遺伝的要素も含まれるため発症を予防することは難しいとされています。
しかし、進行を遅らせたり、重篤な状態になる前に防ぐことはできます。
そのためにどのような対策が有効なのか具体的な例は以下の通りです。
- 定期的な検査
- 生活習慣の改善
- 適度な運動
ここでは対策の具体例を詳しくご紹介しましょう。
定期的な検査
関節リウマチの発症を完全に防ぐことはできませんが、症状の進行を遅らせるためには早期発見と早期治療が不可欠です。
上記でも紹介しましたが、朝起きたときに手のこわばりやむくみが現れたときには、早めに医師の診察を受けましょう。
また、定期的な検査を受けることで関節リウマチの発症に気づける可能性もあります。
生活習慣の改善
関節リウマチは免疫機能の不全によって引き起こされるケースもあります。
免疫機能の低下を防ぐためには、十分な睡眠とバランスのとれた食事が基本であり、これまでの生活習慣を見直すことが大切です。
また、喫煙は関節リウマチの発症リスクを高める可能性があることから、禁煙に取り組むことも有効な予防対策となります。
適度な運動
ウォーキングやストレッチなど、適度な運動は関節リウマチのリハビリでも行われることが多いです。
激しい運動は関節を痛める原因になるため、まずは上記のような軽めの運動を日課にしてみましょう。
適度な運動を心がけることで、関節を支える筋力が向上し関節の変形を予防することにもつながります。
関節リウマチでお悩みの方はイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください
関節リウマチの発症が疑われる場合には、整形外科を受診し検査と治療を受ける必要があります。
しかし、一口に整形外科といってもクリニックによって治療法は異なり、特に最新の治療法は限られたクリニックでしか受けられないこともあります。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、リハビリテーションや薬物療法といった関節リウマチの基礎的な治療法のほかに、再生医療や体外衝撃波治療、ハイドロリリース注射、外科手術といった高度な治療法にも対応可能です。
特に、再生医療や体外衝撃波治療は、メスを入れることなく関節の痛みや炎症を抑える効果が期待でき、近年大いに注目されています。
リハビリや薬物療法だけでは効果が実感できない方にとっては、有効な治療の選択肢となるでしょう。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、患者様にとってどの治療法が適しているのか、専門医と相談しながら治療の方針やプランを策定できます。
関節リウマチに悩む多くの方の治療実績もあるため、ぜひ一度ご来院ください。
まとめ
関節リウマチは多くの方に発症リスクがあり、特に30代以上の女性はいつ発症してもおかしくない疾患のひとつです。
関節リウマチの発症には遺伝的要因も関わっているため、完全に予防することは難しく、早期発見と早期治療が何よりも大切です。
初期症状としては手のこわばりやむくみが多く、関節リウマチであると自覚できないケースも少なくありません。
そのため、少しでも違和感や気になる症状がある場合には信頼できる整形外科を受診しましょう。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、関節リウマチに悩む多くの患者様を診察・治療してきた実績があり、多様な治療法を選択できます。
肩腱板断裂の症状とは?原因や痛みを和らげる方法についても解説!

肩に違和感や痛みがある場合、四十肩や五十肩を連想しがちです。
しかし、必ずしもそれだけが原因ではなく、関節組織の一部が断裂しているケースもあります。
本記事では、特に40代以上の方が発症しやすい「肩腱板断裂」の症状と、発症する原因や痛みを和らげる方法などを詳しく解説します。
肩腱板断裂とは?

肩腱板断裂とは、肩を挙げる腱が切れることにより痛みを伴う病気、腱板損傷ともいいます。
肩には肩甲骨から上腕骨に繋がる筋肉と腱がありますが、何らかの理由で腱が上腕骨にくっつく近くで断裂することがあります。
肩の痛みと聞くと、真っ先に五十肩(四十肩)などを連想する方も多いと思いますが、整形外科で検査を受けてみると肩腱板断裂であったことが発覚するパターンは少なくありません。
五十肩は肩を上部に痛みで途中までしか挙げられないのが特徴です。
しかし、肩腱板断裂は肩に力が入りづらくなったり、どちらかというと肩を上げたり下げる途中や就寝後の夜間の痛みを訴える方が多いものです。
また、肩腱板断裂では肩の痛みが数週間以上経過しても引かず、時間の経過とともに断裂が悪化し痛みしていく場合もあります。
そのため、肩腱板断裂と診断された場合には適切な治療に取り組むことが大切です。
関連記事:ぎっくり腰になる原因とは?症状のチェック項目と合わせて解説!
肩腱板断裂になる原因
肩腱板断裂はさまざまな要因によって腱が切れることで発症します。
具体的にはどういった原因が考えられるのでしょうか。
急性断裂
急性断裂とは、瞬間的に大きな負荷や衝撃が加わったときに腱が断裂することをいいます。
たとえば、重いものを持ち上げたときや、肩をぶつけたとき、転倒して肩を強く打ったときなどに腱が断裂することが多いです。
変性断裂
変性断裂とは、加齢に伴い、腱が脆くなってくることに加え、肩を使い続けてきた事で腱が損傷を起こすことです。
脆くなっているため、わずかな衝撃や圧力などによって部分的または完全に断裂することもあります。
関連記事:五十肩でやってはいけないこと4選|症状を和らげるストレッチや治療法を解説
肩腱板断裂の症状

肩腱板断裂を発症すると、どのような症状が見られるのでしょうか。
人によっても症状の内容や程度はさまざまですが、多くの方に見られるのは以下の症状です。
- 肩を動かしたときに引っ掛かり感やゴリゴリとした音がする
- 肩を動かしたりしたときや夜間に痛みが強く現れる
- 自力で腕を上げようとすると痛む(反対に、痛い方の腕を反対の手で掴んで強制的に持ち上げたりすると痛みがない)
- 転んで手をつくなど腕に強い衝撃や圧力が加わった(急性断裂の場合)
- 破裂音のような音がして強い痛みを感じた(急性断裂の場合)
変性断裂の場合は徐々に症状が悪化していく傾向にありますが、急性断裂の場合は強い破裂音がして激痛が走ります。
上記のような症状が現れた場合は肩腱板断裂の疑いがあるため、できるだけ早めに整形外科を受診しましょう。
関連記事:関節リウマチは治るの?検査から診断基準、治療までの流れをご紹介
肩腱板断裂になりやすい人の特徴

肩腱板断裂を発症しやすいのはどのような人なのでしょうか。
50歳以上の中高年世代
加齢によって組織の老化は進んでいき、肩の腱も切れやすくなります。
特に40代以上の中高年はリスクが高まり、変形断裂を引き起こすケースが珍しくありません。
スポーツ選手・アスリート
冒頭でも紹介した通り、肩腱板断裂は肩を酷使する人ほど発症リスクが高まります。
特に肩を酷使する激しい運動を日常的に行っている人は、長年の疲労が蓄積され変性断裂を引き起こす可能性があるでしょう。
また、激しい動きをしていると転倒や強い衝撃が加わることもあり、それが原因で急性断裂を引き起こすリスクもあります。
現場作業者
肩を酷使するという意味では、スポーツ選手だけでなく現場作業に従事する大工さんや塗装工、引越し作業員なども同じことがいえます。
特に高い位置から低い位置へと腕を上下する動きが多い場合、肩にかかる負担も増えて変性断裂につながるリスクがあります。
肩腱板断裂の痛みを和らげる方法

肩腱板断裂を発症すると強烈な痛みを伴います。
症状を緩和するにはどういった方法が効果的なのでしょうか。
肩甲骨・胸郭のトレーニング
肩甲骨の周辺にはさまざまな筋肉が集中しており、年齢とともに固くなってきやすいため、これらの筋肉をほぐすことで痛みの緩和につながることがあります。
これらは正しいトレーニングが必要になるため、理学療法士のリハビリを受けることがとても大事です。
- 肩の上下運動
肩の力を抜いてリラックスした状態から、両肩を上げてすくめるような姿勢を作った後、ゆっくりと肩を下ろします。
このとき、呼吸は止めないようにしましょう。
- 胸郭のトレーニング
肩甲骨を後方に、胸を前方に張るようなイメージで、左右の肩を背骨に近づけていきます。
その後、両肩を前方にゆっくり持っていき、背骨を丸くする姿勢を作ります。
肩関節の可動域トレーニング
肩腱板断裂を発症して時間が経過してくると、肩関節が固まって可動域が制限され、上下左右の運動がしづらく感じることがあります。
以下のトレーニングを行うことで、可動域を広げ、肩関節の本来の機能を取り戻せる可能性があります。
- タオルを使用したトレーニング
テーブルの上にタオルを置き、座った状態でトレーニングを行います。
左右いずれかの手をタオルに置き、そのまま前方に滑らすように移動します。
また、前後だけでなく左右に動かすトレーニングも並行して行いましょう。
肩腱板断裂の治し方

肩腱板断裂によって重度の痛みや腫れなどがある場合、どのような治療が効果的なのでしょうか。
代表的な治療法をご紹介します。
保存治療
保存療法とは、一言でいえば手術以外の治療法を指します。
整形外科で行われる保存療法には、理学療法士の指導のもとで行われるリハビリやヒアルロン酸注射、体外衝撃波治療、再生医療などがあります。
特に、体外衝撃波治療は1回あたりの治療時間が数分から10分程度と短く、疼痛緩和に即効性が期待できます。
しかし、集束型体外衝撃波は接骨院や整体院などで治療を受けることはできません。
また、設備の整った整形外科も限られています。
再生医療は患者本人から採取した血液の一部を加工したり、幹細胞を培養して、完成したものを注射する治療法です。
これにより、断裂した腱の機能の回復が期待できます。
そのため、手術に比べて負担が少なく、日帰りでの治療が可能というメリットがあります。
手術
保存療法を行っても痛みがとれなかったり、運動障害が残ったりする場合には手術療法が選択されることがあります。
肩腱板断裂の手術は主に関節鏡視下手術によって行われますが、あまりにも大きな断裂の場合は患部を切開し直視下で行う通常手術が選択されることもあります。
関節鏡視下手術のほうが術後の痛みは少ないですが、どちらの手術も1カ月程度の入院と半年間程度の通院でのリハビリが必要です。
肩腱板断裂はどのくらいで治る?
肩腱板断裂にはさまざまな治療法があり、それぞれ治療期間は異なります。
保存療法の場合、ヒアルロン酸注射や体外衝撃波治療、再生医療や投薬などですぐに痛みを緩和することが期待できます。
一方、手術の場合は術後4〜6週間の装具固定と6カ月程度のリハビリを要するため、トータルで7カ月以上が目安となるでしょう。
肩腱板断裂でお悩みの方はイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください
肩腱板断裂はさまざまな治療法があり、整形外科によっても設備は異なるため、上記で紹介したすべての治療法に対応できるとは限りません。
特に手術の場合は装具固定とリハビリで長い期間の治療が必要となるため、まずは保存療法に取り組み、治療の効果を見極めることが重要です。
多用な保存療法に対応できる整形外科を受診することで、治療法の選択肢が増え、早期に回復できる可能性が高まることも期待できます。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、理学療法士によるリハビリはもちろんのこと、ヒアルロン酸注射や体外衝撃波治療、再生医療、投薬治療などさまざまな保存療法に対応しています。
また、これらの治療法で効果が現れなかった場合には信頼のある肩専門外科医のいる医療機関を紹介してすることが可能です。
肩に痛みがあり、しばらく様子を見ても症状が緩和されない場合には、ぜひ一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください。
まとめ
年齢を重ねると体のさまざまな部位に痛みが生じたり、違和感を覚えたりすることも珍しくありません。
特に肩の痛みは「五十肩なのではないか」と考えがちですが、肩腱板断裂を発症しているケースも意外と多いものです。
肩の痛みを和らげる方法としては、今回紹介したトレーニングが有効です。
しかし、それでも症状が緩和しない、慢性的に痛みが続くという場合には、整形外科を受診し治療に専念するようにしましょう。
ぎっくり腰になる原因とは?症状のチェック項目と合わせて解説!

ぎっくり腰の正式名称は「急性腰痛」とよばれるもので、その名の通り激しい腰痛が急に発症します。
ときにはその場から起き上がることすらできないほど激しい痛みに襲われることも…。
本記事では、なぜぎっくり腰を発症するのか、主な原因や病院へ行く際の目安、治療法や予防法なども詳しく解説します。
ぎっくり腰になる原因

ぎっくり腰は重い荷物を持ったときに発症するイメージがありますが、実はそれ以外にもさまざまな原因があります。
悪い姿勢
ひとつ目の原因は、悪い姿勢に伴う筋肉の慢性的なストレスです。
ぎっくり腰はある日突然発症するものというイメージがありますが、実際には腰周りの筋肉へのストレスが徐々に蓄積していき、ある許容量を超えた場合に痛みとして現れる可能性があります。
柔軟性の低下
腰は上半身の体重を支える重要な役割を果たしていますが、日頃からストレッチを怠り同じ姿勢を維持していると筋肉が硬直し徐々に柔軟性が失われます。
柔軟性が失われた筋肉は体重を支えることが難しくなり、腰の周辺の筋肉にまで負荷をかけてしまいます。
その結果、ぎっくり腰を発症するケースがあるのです。
急な過負荷
急に体勢を変えたり、高いところからジャンプをしたりしたとき、腰には瞬間的に大きな負荷がかかります。
これが原因でぎっくり腰を発症することも少なくありません。
特に、激しい運動をするアスリートや身体を酷使する肉体労働者などが多く、日常的にトレーニングや運動をしていてもぎっくり腰になるリスクは高いです。
筋力低下
ぎっくり腰は日々の生活習慣が原因で発症することも多くあります。
特にデスクワークや長期間の入院などでは運動不足に伴い体幹の筋力が低下します。
体幹の筋力は自然のコルセットの役目を果たすため筋力が落ちると、ベッドから起きがったときや椅子から立ち上がったとき、さらにはくしゃみや咳などをしたタイミングでも発症することがあります。
関連記事;関節リウマチは治るの?検査から診断基準、治療までの流れをご紹介
ぎっくり腰になるかもしれない症状のチェック項目

「運動をしているから大丈夫」、「若いから大丈夫」と思っていても、ある日突然ぎっくり腰を発症するリスクがあります。
どのような人がぎっくり腰になりやすいのか、手軽にチェックできる項目を紹介します。
- 慢性的な腰痛を抱えている
- モノを持ち上げるときに腰が痛くなる
- 咳やくしゃみをしたときに腰が痛くなる
- 前かがみになったときや椅子から立ち上がるときに腰が痛くなる
- 姿勢を変えることで腰痛が悪化または緩和する
- 腰が痛くて真っ直ぐ立てない
- デスクワークの仕事である
- 仕事で重い荷物を運ぶことが多い
- 中腰など無理な姿勢で仕事をすることが多い
- 運動の習慣がない
- 子どもを抱えて家事や外出をすることが多い
- 過去にぎっくり腰になったことがある
上記のなかで当てはまる項目が多いほどぎっくり腰を発症するリスクが高いといえるでしょう。
関連記事:肩腱板断裂の症状とは?原因や痛みを和らげる方法についても解説!
ぎっくり腰になったら病院にいくべき?受診の目安
腰痛の感じ方は人によってもさまざまで、自覚症状だけではぎっくり腰なのかどうかわからない方も多いでしょう。
また、そもそもぎっくり腰を発症した場合、すぐに病院で診察を受けるべきなのか迷う方も多いはずです。
結論からいえば、以下のいずれかの項目に当てはまる場合、できるだけ早めに病院を受診し整形外科医に診てもらう必要があります。
- 仕事や日常生活をするのに支障が出るくらい強い腰痛がある
- 数時間安静にしても腰痛が引かないか悪化している
- 痛み止めが大して効かないか、すぐまた腰痛が悪化する
ぎっくり腰ではない一時的な腰痛の場合、痛み止めを飲んだあと、数時間安静にしていれば症状が緩和されていくケースが多いです。
しかし、時間の経過とともに改善が見られなかったり、悪化していく場合には早めに整形外科を受診し検査や治療を受けることが大切です。
参考記事:ぎっくり腰になるかもしれない予兆|病院へ行くべき痛みレベルを解説|西春内科・在宅クリニック
ぎっくり腰になったらどんな治療をするの?

整形外科での診察・整形外科の結果、ぎっくり腰と診断された場合にはどういった治療が行われるのでしょうか。
症状や痛みの程度によっても変わってきますが、代表的な治療法は以下の5つがあります。
ハイドロリリース
ハイドロリリースは筋膜リリース注射ともよばれ、体内に生理食塩水という体内に入れても良い水を注射し筋膜とよばれる筋肉の表面にある薄い膜を剥がす治療法です。
注射の際には超音波検査機を用い、注射針の先端の位置を確認しながら痛みの原因となっている筋膜に寸分の狂いなく注射をします。
痛みの部位の筋膜を生理食塩水によって剥がすことで、溜まっていた痛み物質が洗い流され筋肉の本来のスムーズな動きを取り戻せるようになり、痛みが即座に消えることもよくあります。
体外衝撃波治療
体外衝撃波とは、超音波の10倍以上にあたる強いエネルギーの衝撃波を患部に照射し、痛みの原因となっている神経の一部を機能させなくしたり、炎症を抑え修復を図る治療法です。
衝撃波は痛みの伝達物質を減少させる効果が期待できるほか、体内の組織修復作用も期待でき、ぎっくり腰に有効な治療法の一つです。
薬物療法
比較的症状が軽い場合には、セレコキシブやロキソニンなどNSAIDsといった「内服の鎮痛剤」やロコアテープやロキソニンテープといった「湿布薬」などの薬物両方が一般的に用いられます。
薬局では手に入らないような鎮痛薬を使って、早期に痛みを取り除くことで仕事や日常生活が行えるようになります。
実は、安静は短期間にし、日常生活は継続できた方が腰痛は長期化しにくくなるため、積極的な薬物療法も初期は必要になります。
理学療法士のリハビリ
ぎっくり腰の痛みを緩和できたとしても、その後の悪い生活習慣や普段の姿勢などによっては再発するリスクが高くなります。
そのため、再発を防ぐためにも理学療法士によるリハビリは重要な治療法といえます。
腰に腰に負担をかけない姿勢の矯正、筋力の強化などもリハビリの一環として行われます。
一時的なコルセットの使用
ぎっくり腰の初期から痛みを取って動ける状態にしておくことも大事です。
鎮痛薬やハイドロリリースなどの治療だけでは腰痛が十分緩和しない場合は、一時的にコルセットによる装具療法が用いられます。
但し、長期間付けておくと、患者自身の体幹の筋力が落ちて、コルセットを外しにくくなったり、ぎっくり腰が再発しやすくなるため、なるべく短期間に留めておくことが大事です。
ぎっくり腰の予防法
ぎっくり腰の原因の多くは、日頃の姿勢の改善と柔軟性、体幹の筋力の向上で対策が可能です。
日頃から猫背や中腰の姿勢は避け、座っている際も左右に傾いていたり斜め横を向き続ける姿勢は避ける必要があります。
日頃から下っ腹の腹筋を締めておくことも腰回りの筋肉に負担を掛けないためにはとても大事です。
運動は毎日、ウォーキングからでも構わないので30分以上行います。
筋トレは腹筋や背筋の筋トレを翌日に軽い筋肉痛になる程度で週に2~3回行います。
柔軟性は、腰や太ももやふくらはぎのストレットを、毎日起床時と運動や筋トレの前後、就寝前には必ずやるようにしましょう。
腰痛でお悩みの方はイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください
慢性的な腰痛を抱えている方は、体幹の筋力が低下したり姿勢のバランスが崩れていることも多く、ある日突然ぎっくり腰を発症するリスクがあります。
ぎっくり腰は、強烈な痛みで身動きがとれなくなることもあります。
上記で紹介したように、運動不足の解消や柔軟性の改善などもぎっくり腰の予防にはとても重要ですが、整形外科を受診し慢性的な腰痛を治療していくことはさらに大事です。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、ハイドロリリースや体外衝撃波治療といった最先端の治療法を受けることができ、これらはぎっくり腰の治療はもちろんのこと、慢性的な腰痛の緩和にもおすすめです。
また、ぎっくり腰や腰痛を再発させないためにも、専門の理学療法士によるリハビリやトレーニング指導を受けることも大事です。
まとめ
ぎっくり腰は腰回りの筋肉の低下や慢性的な疲労や急な過負荷、運動不足などさまざまな原因によって発症します。
適度な運動の継続やストレッチや柔軟性や姿勢の改善など、ぎっくり腰を予防するための対策はたくさんあります。
また、発症した場合はしばらく安静にしていれば、症状が緩和してくるケースは多いですが、痛みがなかなか引かない場合や、日常生活や仕事に支障が出るような痛みがある場合は整形外科を受診し治療を受けるようにしましょう。
半月板損傷とはどんな状態?原因や症状、治療について詳しく解説!

スポーツのしすぎや加齢などによって、膝の曲げ伸ばし時に痛みが生じることがあります。
痛みが発生するメカニズムはさまざまなパターンが考えられますが、なかでも多いのが半月板損傷です。
半月板損傷とはどういった状態を指すのか、その原因や主な症状、有効な治療法なども詳しく解説します。
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半月板損傷とはどんな状態?

半月板損傷とは、膝関節にある半月板とよばれる部位が損傷した状態を指します。
半月板は、一言でいえば膝関節にかかる衝撃を緩和するクッションのような役割を果たしており、アルファベットの「C」のような形をしています。
膝関節には内側と外側のそれぞれに半月板が存在し、2つの半月板があることで関節が安定化します。
しかし、激しい運動や肥満による過体重による負荷、長年にわたる膝の酷使などによって半月板が切れてしまうことが珍しくありません。
このような状態を半月板損傷とよびます。
関連記事:膝を曲げると突然痛い!原因と治し方を外側・内側別に徹底解説
半月板損傷になる原因

半月板は中高年になると加齢に伴い脆くなるために立ち上がり動作など軽い外力でも損傷してしまう場合もあります。
一方で、スポーツ競技などで膝へ大きな負荷がかかることが原因で生じることも少なくありません。
具体的にはどういったことが挙げられるのでしょうか。
上記でも簡単に紹介した3つの原因を詳しく解説しましょう。
加齢
年齢を重ねると身体のさまざまな組織も衰えていきますが、膝関節も例外ではありません。
長年にわたって酷使し続けてきた膝関節の中にある半月板は劣化して脆くなっていくため、わずかな衝撃や圧力によっても損傷しやすくなっており、わずかに膝を捻っただけで半月板損傷を起こすことがあります。
激しいスポーツ
膝を深く曲げ伸ばしたり、ジャンプや捻りなどの動作が頻繁に行うスポーツで膝を酷使すると、膝関節に強い衝撃がかかり半月板損傷に至るケースがあります。
また、ウォーキングやランニングのように負荷はそれほど大きくなくても、加齢に伴う半月板の劣化により軽度の負荷だけで半月板が損傷することも少なくありません。
太り過ぎによる膝への圧迫
直立した状態や歩行時、階段の登り降りなどの際に、膝関節には体重の数倍の負荷が加わります。
当然のことながら、急激に体重が増加すると体重に見合った筋力がついてこないため、膝関節を筋力で支えきれず、強い負荷が半月板には加わりやすくなります。
結果として激しい運動をし続けた場合と同等の負荷がかかり、半月板損傷に至るケースも少なくありません。
特に、体重がかかった状態で無理に膝を捻ると半月板損傷を起こしやすくなります。
関連記事:半月板損傷でやってはいけないこととは?早く治す方法も解説!
半月板損傷の主な症状
半月板損傷に陥った場合、どのような症状が現れるのでしょうか。
代表的な症状のパターンは以下の通りです。
- 膝の屈伸動作や階段の上り下りなど体重が掛かった際に痛みを感じる
- 膝の曲げ伸ばし時に、関節が引っ掛かって曲げ伸ばししにく状態になることがある
- 強烈な膝の痛みによって膝のほとんど曲げ伸ばしができない
- 歩行中に膝に力が入らず崩れ落ちてしまう
- 膝の曲げ伸ばし時にパキっとするような音が鳴る
- 膝に水がたまり、腫れる
半月板損傷は人によって症状の程度はさまざまで、初期段階では膝関節の違和感や音が鳴る程度で痛みとして出ない場合もあります。
しかし、損傷の範囲が徐々に広がり症状が悪化していくと、強烈な痛みによって膝の曲げ伸ばしができなくなり、歩行そのものが困難になることもあります。
また、半月板損傷に伴い慢性的な膝関節の炎症が起こり、膝に水(関節液)がたまりやすくなり、定期的に水を抜かなければならない場合もあります。
関連記事:膝の裏が歩くと痛いのはなぜ?痛みの目安やストレッチ方法も紹介
半月板損傷になりやすい人の特徴

半月板損傷はどのような人に発症しやすいのでしょうか。
特に発症しやすい人の特徴を4つご紹介します。
体重が重い方
身長に対して、標準体重という適切な体重があります。
そこからもっと体重が増えれば増えるほど、関節の面積あたりに掛かる負荷は増えていきます。
負荷が増えるとより半月板損傷を起こしやすくなってきます。
40歳以上の人
加齢とともに体内の組織は徐々に老化していき、わずかな衝撃や圧力がくわわっただけでもケガをしやすくなります。
特に40代以降は30代までと比べても半月板が徐々に脆くなっていき、軽い外力でも損傷しやすくなってきます。
激しいスポーツをする機会が多い人
ジャンプや急な方向転換、ダッシュとストップなど膝の半月板損傷を起こしやすい繰り返す激しいスポーツをする人も半月板損傷になりやすいです。
具体的にはバスケットボールやサッカー、テニス、バドミントンなどさまざまな競技が該当します。
趣味程度にスポーツを楽しんでいる人であっても、準備運動を怠ってしまうと半月板を損傷する危険もあります。
膝を酷使する仕事に従事している人
重い荷物を運んだり、階段の登り降りを頻繁に行ったりと、日常的に膝を酷使する仕事に従事している人は、膝関節に大きな負担がかかるため半月板損傷に陥りやすいと言えます。
特に、中腰のまま荷物を運ぶなど無理な姿勢を強いられる肉体労働では、腰や膝への負担が大きいため注意が必要です。
半月板損傷の主な検査と治療の方法

半月板損傷は自然治癒が難しいため、発症した場合には各種検査と適切な治療を受ける必要があります。
具体的にどういった検査や治療法があるのか、代表的なものを4つ紹介しましょう。
半月板損傷の検査方法
問診・徒手検査
最も大事な検査の一つです。
膝と言っても細かくは様々な部位による違いがあります。
患者様のお話を十分に聞き、痛みの部位を触ったり、徒手検査をすることで、大まかにどこに痛みがどう起きているかは膝に詳しい整形外科専門医であれば容易に判断でき、いくつかの病気に絞り込むことができます。
この病気の絞り込みがその後の画像検査においてとても重要になってきます。
というのも、画像検査は無症状の方でも異常を認める場合があるのは日常茶飯事でして、異常が出た場合でも症状と一致しない部位だった場合誤診に繋がります。
実は、レントゲンだけで膝の状態を診断をしようとする整形外科医の多くは誤診している現状があるからです。
レントゲン検査
立った状態で検査ができるのがレントゲンの特徴です。
直接半月板を評価することはできませんが、膝周囲の大腿骨や脛骨がO脚あるいはX脚になっているのかを判別したり、膝関節の隙間を調べることができるため、より詳しい検査であるMRI検査を受けるべきかの判断材料にもなります。
超音波検査
すぐにMRI検査ができないことが多い整形外科外来でも、骨の状態しか判別することしかできないレントゲン検査にこの超音波検査を加えることで、膝に水が溜まっているのかどうかや、どこに炎症が起きているのかがMRI検査を行わずとも判別できるのが強みです。
弱点としては超音波が届く表層部分しか評価ができず、半月板損傷を正確に診断することはほぼ困難といってよいかと思います。
MRI検査
半月板損傷を診断する上で必須な検査となります。
MRI検査は、巨大な検査機でトンネルのような所に全身が丸ごと入り30分くらい掛けて行います。
横になってじっとしていれば終わる検査で、半月板損傷の他、靭帯損傷やヘルニア、脊柱菅狭窄症などを画像診断する上で無くてはならない検査になっています。
ただし難点としては、とても大きな音がしてうるさいこと、狭いトンネルに長時間いるため閉所恐怖症の方には難しいこと、強い磁力を発生する装置のためペースメーカーや数十年前に脳クリップなど金属を入れる一部の手術を受けられた方は検査が受けられない場合があります。
閉所恐怖症については、脳外科クリニックなどでしばしば導入されているトンネル型になっていないオープン型のMRIなら大丈夫という方もいらっしゃいますので、検査前にこれらの相談を主治医に予めしておきましょう。
半月板損傷の治療法
半月板損傷の治療方法には主に手術以外の保存療法と手術療法の2つに分かれます。
保存療法
保存療法とは、手術以外で痛みを取っていく治療法でいくつか治療法があります。
物理療法
治療機を当てることによって痛みを取っていく治療法です。
超音波治療や低周波治療、マイクロ波治療、ホットパック治療などがありますが、超音波治療や低周波治療を除き気休めの効果しか得られにくい昭和の時代から未だに多くの整形外科や整骨院で続けられている維持療法です。
超音波治療や低周波治療は正しい箇所に当てられていれば、一回の効果は弱いものの繰り返し継続することである程度の除痛効果を得ることが可能です。
理学療法士のリハビリテーション
理学療法士とのマンツーマンのリハビリは半月板損傷に限らず、変形性関節症、腰痛、五十肩、肩こりなど、日本人が最も困っている人が多い痛みの原因ランキング上位すべてに必要となる治療法です。
半月板損傷においても最も大事な治療法の一つであり、半月板損傷にとってほぼ必須の治療法と思って頂いて間違いない治療法です。
半月板損傷において、痛みでかばうことにより半月板損傷を起こした側の膝周囲の筋肉が衰えたり、そもそも半月板損傷を起こしやすい無意識の悪い癖が原因としてあり、その習慣をリハビリで改善しないとなかなか痛みが良くならないどころか再発したりより痛みが悪化する場合も少なくありません。
未だに理学療法士とのマンツーマンのリハビリを十分に受けることができる整形外科がまだまだ少ないのが現状ですが、まずは大前提としてこれが受けることができない整形外科は半月板損傷など理学療法士のリハビリが必須の病気を本気で治したいと思っていないと思って間違いないと確信します。
基本的には保険適応になる治療法のため、どなたでも受けやすい治療になるかと思いますが、当院では保険適応のリハビリよりも、さらに効果的な自費のオリジナルリハビリもご用意しています。
薬物療法
症状に応じて内服薬や外用薬なども用いられます。
昔は内服の痛み止めといえばロキソニンやボルタレンといった非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)が主流でしたが、長期使用で胃潰瘍や腎機能障害の副作用の問題が指摘されてきました。
しかし、最近ではデュロキセチンやトラマドールなど新しい長期安全性も除痛効果の高い痛み止めが次々と開発されて薬物療法の選択肢の幅もとても広くなっています。
外用薬は、昔から湿布や塗り薬もたくさん種類がありますが、痛みや炎症が強いときはどれも気休め程度の効果しかありませんでした。
ただ、外用薬も最近は内服のNSAIDsと同等の効果を得ることができるロコアテープという製剤も出てきており、当院では積極的な使用を推奨していますが、かぶれやすいのとたまに胃が痛くなる副作用があるのが難点です。
また、関節内へのヒアルロン酸注射も昔からありますが、最近では1か月に1回で十分除痛が得られるというNSAIDsが含まれているヒアルロン酸注射も発売されていますが、発売後調査でアナフィラキシーショックで死亡例も出ていて安全性が担保できないため当院では未だに採用しておりません。
昔ながらの安全性の高いヒアルロン酸注射も繰り返し注射することで痛みが徐々に楽になってくるケースは珍しくないので受けてみる価値はあります。
再生医療
再生医療とは、人間にもともと備わっている組織の修復機能をサポートし、自己修復を促す治療法のことです。
再生医療にもさまざまな方法がありますが、たとえば多血小板血漿治療では、患者自身の血液から血小板という組織を抽出し、半月板損傷のあたりへ注射することにより痛みが緩和されます。
血液には炎症を抑えるタンパク質と、軟骨組織を守る成長因子が含まれており、これらを抽出することによって症状の悪化を防ぎ、損傷した半月板の修復にも効果が期待できます。
さらに強力な再生医療として、幹細胞治療がありますが、こちらは皮下脂肪などを一部採取してそこにわずかに存在する幹細胞を体外で数千万倍まで培養して増やして膝関節に注入することで関節内の半月板損傷の修復を強力にサポートしてくれます。
集束型体外衝撃波治療
集束型体外衝撃波治療とは、超音波よりもはるかに強力な振動エネルギーを患部に当てる治療法です。
振動エネルギーを照射することにより痛みの原因となる神経を破壊してくれるため施術中から痛みが現象することに加え、再生医療でも活用されている組織を修復するための物質を体外衝撃波を当てた部位に呼び寄せることで損傷して治りにくかった部位が長期的に修復効果も十分期待することができます。
体外衝撃波治療はもともとは尿結石を体外から破砕するために用いられてきた治療法ですが、衝撃波の出力をある程度抑えることで疼痛や骨折などに効果が認められるようになりました。
1回あたりの治療時間は数分から10分程度で、1クール3〜5回程度の治療で完了します。
治療中の痛みは炎症の起きている患部を狙って当てるので、痛みを多少伴いますが、より出力を上げた方が1回での治療効果が高く望めるため、痛みが我慢できる範囲で最大出力で治療を行うことを勧めております。
手術
保存療法や再生医療、集束型体外衝撃波治療では改善効果が見込めない場合には、手術が行われる場合もあります。
特に、膝の痛みが強烈で曲げ伸ばしが不能な状態の場合には、膝関節に細い関節鏡と言われる細い内視鏡のカメラを挿入する手術で切れてしまった半月板の一部切除したり縫合する必要が出てきます。
半月板損傷のリハビリ方法

半月板損傷の治療や外科手術後はリハビリが必要です。
損傷を悪化させないためにもリハビリは専門の理学療法士の指導のもとで行われますが、具体的にどのような内容なのでしょうか。
関節可動域訓練
関節可動域訓練とは、関節の可動域を広げていくための訓練です。
膝関節のリハビリにおいては、膝の曲げ伸ばし角度を徐々に拡大していき、正常化することが目的となります。
ふくらはぎを伸ばすストレッチや、太ももの前後の筋肉を伸ばすストレッチなどが行われます。
筋力トレーニング
膝関節を支える周辺の筋力をアップさせるためのトレーニングです。
関節可動域訓練と同時または後に行われることが多く、仰向けの状態で膝を立て、そこから膝を伸ばすトレーニングや、膝関節の状態に応じてスクワットなどのトレーニングも取り入れられます。
バランストレーニング
バランストレーニングとは、その名の通りバランス感覚を鍛えるためのトレーニングです。
不安定なバランスパッドなどの上に立って行われることが多いですが、危険を伴うため理学療法士のサポートしながら転倒防止などの対策が不可欠です。
アスレチックリハビリテーション
アスレチックリハビリテーションとは、リハビリの仕上げ段階ともいえる実践的なトレーニングでスポーツへの復帰が目的となります。
軽いジョギングをしながら膝の状態を確認したり、ジャンプやラダートレーニングの他、その患者様それぞれの競技に合わせた動作のトレーニングを実践していきます。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは膝の痛みに特化した治療が可能
半月板損傷の治療にあたっては、信頼性が高い専門のクリニックを受診することが何よりも大切です。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは、膝の痛みに特化した高度な検査・治療が可能であり、今回紹介した保存療法や再生医療、集束型体外衝撃波治療のほか、ハイドロリリースや薬物療法などに対応しています。
また、いずれの治療法でも十分な効果が現れなかった場合には、外科手術による治療も可能です。
特に外科手術は身体的・心理的負担も大きく、リハビリにも多くの時間を要することから、なるべくそれ以外の治療法を選択したいという人がほとんどでしょう。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、最新の治療法を含むさまざまなプランが選択できるため、治療にあたっての不安や悩みの解消にも役立ちます。
まとめ
半月板損傷は激しいスポーツによる怪我や体重増加、加齢などさまざまな理由によって発症することが多く、症状が悪化すると激しい痛みによって歩行が不能になったり、膝の曲げ伸ばしが困難になったりすることもあります。
このような状態に陥らないようにするためにも、膝に痛みや違和感がある場合にはなるべく早めに専門のクリニックを受診しましょう。

