五十肩でやってはいけないこと4選|症状を和らげるストレッチや治療法を解説
加齢とともに体のさまざまな部位に不調が生じることがあります。
なかでも、肩の関節が痛い、稼働範囲が狭くなるといった症状が現れた場合、五十肩の可能性が考えられます。
本記事では、五十肩とはどういった疾患なのか、五十肩と診断された場合にやってはいけないNG行動を挙げながら、症状を緩和するためのストレッチや治療法もあわせて解説します。
五十肩になる原因
五十肩とはその名の通り、50歳代に多く見られる肩関節の痛みです。
肩の関節部分には、骨同士をつなげる役割のある軟骨や靭帯、腱がありますが、何らかの原因によって周辺組織に炎症が起こることで痛みを発症します。
五十肩とは通称であり、正式には「肩関節周囲炎」または「凍結肩」ともよばれます。
ちなみに、肩関節周辺に起こる炎症としては、大きな負担がかかることで起こる「肩峰下滑液炎」や「腱板炎」、「上腕二頭筋長頭腱炎」、腱板にカルシウムの結晶がたまる「石灰性腱炎」などがありますが、これらは五十肩と区別されるのが一般的です。
五十肩かもしれない症状チェック項目
加齢とともに肩関節の異常が見られるようになると、「自分は五十肩かもしれない」と感じる方も多いはずです。
そこで、まずは以下のチェック項目に当てはまるかを確認してみましょう。
- 肩を動かすと激痛が走る
- 安静時でも二の腕が痛い
- 寝返りの際にひどい痛みで起きてしまう
- 腕が上まで上がらない
- 背中に手が回らない
五十肩の初期段階では、肩を動かすと軽い痛みが生じる程度ですが、徐々に痛みが強くなり、安静時でも痛みを感じるようになります。
さらに進行していくと、肩の可動域が狭くなり腕が上がらなくなったり、背中に手が回らないといった症状も出てくることがあります。
五十肩でやってはいけないこと4選
五十肩の診断を受けた、もしくは五十肩の疑いがある場合、悪化を防ぐためにもやってはいけないNG行動があります。
特に注意すべき4つの行動を紹介しましょう。
安静にして肩を動かさない
五十肩は「凍結肩」とよばれることからもわかるように、じっと安静にしていると動きの悪さがさらに悪化するおそれがあります。
痛みがあるのに無理に肩を動かすのは逆効果ですが、痛みが収まってきた段階で肩を動かさないまま安静にするのもさらなる悪化を招くためNGです。
理学療法士のいない整形外科に通う
適度に肩を動かすためには、理学療法士の指導のもとリハビリテーションを受けることがベストです。
しかし、整形外科のなかには理学療法士が不在のクリニックも多く、ステロイドやヒアルロン酸の注射で治療に加え、痛み止めや湿布、電気治療だけで治療をする整形外科も少なくありません。
このようなクリニックでは肩を動かすリハビリができないため、通院は避けたほうが良いでしょう。
マッサージを受ける
肩が上がらない、または軽い痛みを感じた場合、多くの方は真っ先に肩こりを疑うのではないでしょうか。
しかし、万が一肩こりではなく五十肩の初期症状であった場合、肩関節を強い力で揉んでしまうと炎症が悪化することがあります。
特に、肩の可動域が狭く感じるような場合には、安易にマッサージを受けるのではなく整形外科を受診しましょう。
治療をせず放置する
インターネットで「五十肩」と検索すると、時間の経過とともに自然治癒することがある、といった情報にたどり着くこともあります。
しかし、治療をせずに放置しておくと、痛みは良くなったとしても、固まった状態のままで満足のいく結果が得られない可能性もあります。
五十肩のときにロキソニンなどの痛み止めは効果がある?
一口に五十肩といっても、症状に応じて「急性期」と「回復期」、「慢性期」とよばれる時期があります。
急性期は活発な炎症が起こっている段階であり、激しい痛みが安静時にも続きます。
そのため、炎症を鎮めるという意味では痛み止めの服用は効果的で、効果も現れやすいでしょう。
急性期が終わると回復期、慢性期に移っていきますが、注意すべきなのは慢性期です。
急性期のような激しい痛みはなくなりますが、人によっては夜間や安静時に痛みが続くこともあります。
しかし、慢性期は痛み止めが効きにくいことも少なくありません。
急性期や慢性期に関わらず整形外科を受診することがおすすめです。
自宅でできる五十肩の治し方
五十肩は自宅でマッサージやストレッチをすることで症状を緩和することもできます。
マッサージの方法
鎖骨と首の境目のツボを3秒程度押さえた後、手を離して3秒キープします。
これを3回程度繰り返すことで、血行が改善され痛みを緩和できる場合があります。
また、理学療法士が在籍している整形外科では、トリガーポイントや筋膜リリースを目的としたセルフマッサージの方法を教えてもらえる場合もあるため、一度受診してみましょう。
ただし、急性期で激しい痛みがある場合には、無理にマッサージをしてしまうと症状が悪化するおそれがあるため注意が必要です。
ストレッチの方法
両手を後ろに回して左右いずれかの手首を掴み、上方向に引き上げた状態で3秒程度キープします。
肩の可動域を回復するために有効なストレッチですが、こちらも急性期で痛みが激しい場合は無理に動かさないようにしましょう。
整形外科による五十肩の検査と治療法
五十肩の痛みが激しく改善しない場合には、整形外科を受診するのがベストな方法といえます。
整形外科ではどのような検査・治療が行われるのか具体的に紹介しましょう。
検査
肩に激しい痛みや違和感がある場合、その症状だけで五十肩と判断するのは困難です。
そのため、まずはレントゲンやエコー、MRIなどを用いて検査を行い、骨折や関節の変形などの異常が見られないかを確認します。
一般的に五十肩の場合は画像検査で異常を認めることはありません。
治療法
五十肩を早期に改善するためには、急性期・回復期・慢性期に応じた適切な治療が求められます。
特に慢性期は安静にしていることで症状が悪化するおそれがあるため、無理のない範囲で関節を動かすことが重要です。
そこで、理学療法士の指導のもとでのリハビリは必須といえるでしょう。
また、ハイドロリリース(筋膜リリース注射)や体外衝撃波やロコアテープ、低周波治療による治療も有効です。
強い可動域制限がある場合にはサイレントマニピュレーションというブロック麻酔をした上で一気に可動域を元に戻す治療法もおすすめです。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは患者に合わせたオーダーメイド治療を提供
五十肩の治療のために整形外科をお探しの方は、イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックを受診ください。
年齢を重ねていくと、肩以外にもさまざまな部位に不調が現れるもの。
肩の痛みがあるからといって安易に五十肩と判断するのは危険であり、専門医による診断が不可欠です。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、レントゲンによる検査はもちろんのこと、エコーやMRIによる精密検査にも対応しており、症状に合わせた最適な治療を提供します。
再生医療や体外衝撃波、ハイドロリリースをはじめとした最新鋭の医療に加え、理学療法士も常駐しているためパーソナルリハビリの指導も可能。
自宅でもできる正しいストレッチやマッサージをアドバイスしています。
まとめ
五十肩の症状は人それぞれで、夜も眠れないほど激しい痛みが出ることもあれば、以前に比べて肩の可動範囲が狭くなったと感じる人もいます。
ただし、このような症状が出たからといって五十肩と判断することは危険であり、誤った治療やマッサージ、ストレッチなどを行ってしまうと症状を悪化させる原因にもなります。
まずは信頼できる整形外科を受診し、精密な検査と状態に合わせた最適な治療を行いましょう。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ
藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長 渡邉 順哉
経歴
●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長