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股関節が痛い原因と病気の特徴|悪化を招くやってはいけないことも解説

※本記事は、整形外科専門医・イノルト整形外科 統括院長 渡邉順哉医師の監修のもと執筆しています。

股関節が痛い原因と病気の特徴|悪化を招くやってはいけないことも解説

階段の上り下りや立ち上がるとき、股関節に「ズキッ」とした痛みを感じることはありませんか?

股関節の痛みの原因は、単なる筋肉の疲れから、放っておくと歩行困難につながる深刻な病気まで多岐にわたります。

「そのうち治るだろう」と自己判断で放置したり、間違った対処法を続けたりすると、症状を悪化させてしまう恐れがあります。

この記事では、股関節が痛むときに考えられる原因と病気の特徴、そして悪化を防ぐために「絶対にやってはいけないこと」を分かりやすくお伝えします。

股関節が痛い原因として考えられる病気

股関節の痛みは、関節そのものに問題がある場合と、それ以外の部位が影響している場合に分けられます。

軟骨や関節唇の損傷など関節そのもののトラブル

もっとも頻度が高く、放置すると日常生活に大きな支障をきたす可能性があるものです。

  • 変形性股関節症:
    股関節の軟骨がすり減り、骨同士がぶつかることで痛みが生じます。日本人の場合、生まれつき受け皿が浅い「臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)」が背景にあり、加齢とともに進行するケースが大半です。
  • 股関節唇(こかんせつしん)損傷:
    関節の縁にある軟骨のクッション(関節唇)が裂ける病気です。スポーツや、あぐらをかくような深い屈曲動作で「引っかかり感」や鋭い痛みが出ます。
  • 股関節インピンジメント(FAI):
    大腿骨や受け皿の骨の形状により、動かすたびに骨同士が衝突(インピンジ)して組織を傷つける状態です。

関連記事:変形性股関節症の原因と治し方|初期症状や日常生活でできる予防策も解説

関連記事:変形性股関節症は手術せずに治せる?再生医療とはどんな治療なのか

骨の重大な病気

レントゲンだけでは見落とされることもあり、精密な検査(MRIなど)が必要な疾患です。

  • 特発性大腿骨頭壊死症:
    大腿骨の先端に血が通わなくなり、骨が死んで潰れてしまう指定難病です。ある日突然、強い痛みが出るのが特徴です。
  • 大腿骨近位部骨折:
    骨粗鬆症が原因で、転倒などのきっかけがなくても、いつの間にか付け根にひびが入ることがあります。「痛くて立てない」場合は早急な受診が必要です。

筋肉や腱など関節周囲の炎症

筋肉や腱など、関節周囲に炎症が起きている場合、次のような疾患が考えられます

  • 股関節周囲炎・滑液包炎:
    関節を支える筋肉の腱や、摩擦を軽減する袋(滑液包)に炎症が起きる状態です。使いすぎや筋力低下が原因で、お尻や太ももの外側に痛みが出やすいのが特徴です。
  • 弾発股(だんぱつこ):
    足の付け根を動かすときに「ポキッ」「ゴリッ」と音がして痛む状態です。腱が骨の出っ張りを乗り越える際に炎症を起こします。

他の部位からの影響によるもの

「股関節そのもの」に異常がなくても、他の部位の不調が原因で股関節周りに痛みを感じるケースがあります。

  • 腰椎疾患(坐骨神経痛など):
    腰の神経が圧迫されることで、股関節周辺に痛みやしびれを感じることがあります。
  • 関節リウマチ:
    自己免疫の異常で全身の関節に炎症が起きる病気です。股関節にも強い破壊が生じることがあります。

関連記事:股関節が硬くなる原因とは?セルフチェック方法や自宅でできるストレッチを紹介

股関節が痛いときにやってはいけないこと

良かれと思ってやっている習慣が、実は股関節にダメージを与えているかもしれません。

痛みがある中での「無理なウォーキング」

「足腰を鍛えれば治る」と思い込み、痛みを我慢してまで歩くことは控えましょう。

股関節には歩行時に体重の約3~4倍もの負荷がかかるため、炎症がある状態で無理をしてしまうと、摩耗を早めて逆効果になる恐れがあります。

股関節を深く曲げる動作

股関節を深く曲げたり捻ったりする動作は、関節の縁にある「股関節唇」を挟み込み、損傷を悪化させる原因になります。

特に、以下の動作には注意が必要です。

【症状の悪化につながる動作の例】

あぐら横座り和式トイレ低めの椅子での立ち・座り

急激な体重の増加

体重が1kg増えると、股関節への負担は3~4kg増えるといわれています。

肥満は物理的な負荷を増やすだけでなく、脂肪細胞から分泌される物質が関節の炎症を促進させる可能性も指摘されています。

重たい物を持ち運びする

重い荷物を持つことは、股関節への「瞬間的な高負荷」を招きます。

買い物ではカートを利用したり、荷物を小分けにしたりして、負荷を分散させる工夫が大切です。

力任せにストレッチを行う

「身体が硬いから痛むのかもしれない」と誤解し、無理に股関節を広げるのは危険です。

特に「股関節唇損傷」や「インピンジメント(FAI)」の場合、無理な可動域の拡大は組織をさらに傷つけ、鋭い激痛を招く恐れがあります。

関連記事:股関節唇損傷とは?やってはいけないことやおすすめストレッチを紹介

関連記事:股関節が痛いのは何が原因?痛い時にやってはいけないこととは

股関節が痛いときの正しい対処法

股関節に痛みを感じたとき、焦って自己流の運動を始めたり、放置したりするのは禁物です。

まずは痛みの種類や状況に合わせて、自宅でできる以下のステップを実践してみましょう。

【最優先】無理に動かさず「安静」にする

まずは痛みが引くまで活動を抑え、股関節を休ませることが基本です。

痛みを引き起こす動作を特定し、それを避けるように生活しましょう。

急な痛みや熱感があるなら「冷却(アイシング)」

急な動作でズキズキと痛み、患部が熱を持っている場合は、氷嚢などで15~20分冷やします。

慢性的な鈍痛の場合は温めた方が良いケースもあるため、判断に迷う場合は専門医へご相談ください。

市販の痛み止めは「一時的な緩和」と割り切る

ロキソプロフェンなどの消炎鎮痛剤(市販薬含む)は、一時的な苦痛を和らげるには有効ですが、根本的な原因を解決するものではありません

薬で痛みが消えたからといって無理に動くと、かえって損傷を悪化させてしまうことがあります。

数日経っても改善しない場合は「整形外科」へ

安静にしても痛みが変わらない、あるいは悪化している場合は、関節内部で深刻なダメージが進行している場合があります。

以下に当てはまる場合は、早めに専門医の診察を受けましょう。

  • 2〜3日安静にしても痛みが引かない
  • 足を地面につくだけで激痛が走る
  • 股関節が固まって動かしにくい

関連記事:股関節回りの筋肉が痛む原因と治し方|考えられる疾患や病院に行くべき目安を解説

関連記事:変形性股関節症の治し方はある?やってはいけないことや負担をかけない寝方を紹介

股関節の痛むときはイノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックまでご相談ください

「どこに相談すれば良いか分からない」「手術はしたくないけれど、痛みから解放されたい」といった不安を抱えていませんか?

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、精密な検査に基づき、あなたの痛みの原因を特定します

保存療法やリハビリはもちろん、必要に応じて再生医療や体外衝撃波治療などの選択肢もご提案し、「できるだけ手術を避けたい」というご希望にも全力で寄り添います。

また、当院ではお忙しい方でもスムーズにご相談いただけるよう、公式LINEでのお問い合わせやご予約を受け付けております

股関節の痛みは早めの対応が鍵となるため、些細な違和感でも、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

股関節が痛い原因は、軟骨のすり減りから、難病や骨折まで多岐にわたります。

まずは「やってはいけないこと」を避けて安静にし、症状が続く場合は早めに専門医を受診することが大切です。

患者様が「一生自分の足で歩く未来」を手に入れるために、イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックが全力でサポートさせていただきます。

まずは痛みや治療内容、金額面での不安など、どんなお悩みでもお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修医師

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長
渡邉 順哉

経歴

  • 平成16年 鎌倉学園高等学校卒
  • 平成23年 東邦大学 医学部卒
  • 平成23年 横浜医療センター 初期臨床研修
  • 平成25年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
  • 平成26年 神奈川県立汐見台病院 整形外科
  • 平成28年 平成横浜病院 整形外科医長
  • 平成30年 渡辺整形外科 副院長
  • 令和元年 藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
  • 令和6年  イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 統括院長