変形性膝関節症の運動療法|痛みを和らげるトレーニング法と続け方のポイント

変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減って関節に負担がかかり、痛みや違和感が現れる疾患です。
運動療法によって膝周囲の筋力を高めることで、関節の安定性を保ち、痛みの軽減が期待されます。
痛みを和らげるためのトレーニング
膝への負担を減らしながら筋力をつけるためには、「ウォーミングアップ」・「筋力トレーニング」・「有酸素運動」の3つを組み合わせることが大切です。
また、運動療法を始める際は、医師や理学療法士に相談し、自分の状態に合った方法を確認してから行いましょう。
ウォーミングアップ(準備運動)
ウォーミングアップは、痛みを感じない範囲で無理せず行いましょう。
膝の曲げ伸ばし(寝て行う方法)

- 仰向けに寝て、片方の膝を立てる。
- もう片方の脚は伸ばしたまま、ゆっくりと膝を曲げ、かかとをお尻に近づける。
- 痛みを感じないところまで曲げたら、ゆっくりと元に戻し、左右それぞれ10回程度繰り返します。
ベッドなど滑りやすい場所で行うと、急激に膝が動いてしまうため注意が必要です。
太ももの前の筋肉の活性化

- 仰向けに寝るか、椅子に座って脚を伸ばす。
- 膝の下に丸めたタオルを入れる。(なくてもOK)
- 膝の裏を下に押し付けるように太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)に力を入れ、膝のお皿を太ももの方に引き上げるように意識し、膝の裏やタオルを床に押し付ける。
- 5秒〜10秒キープし、ゆっくりと力を抜く。
- これを10回程度繰り返す。
太ももの裏側(ハムストリングス)のストレッチ

- 椅子に座り、片足を前に伸ばしてかかとを床につける。
- 背筋を伸ばし、股関節から体をゆっくりと前に倒す。
- 太ももの裏に軽い伸びを感じる位置で、20〜30秒キープ。
- これを左右とも行う。
膝の痛みが強い場合は無理をせず、痛みのない範囲で行うか、もしくはこのストレッチは飛ばして早めに整形外科専門医に診察してもらいましょう。
太ももの前側のストレッチ

- 壁や椅子に手をついて立つ。
- 片方の足首を手でつかみ、かかとをお尻に近づけるようにゆっくりと引き寄せる。
- 太ももの前側に軽い伸びを感じる位置で、20〜30秒キープ。
- これを左右とも行う。
バランスを崩しやすい場合や、痛みが強い場合はこのストレッチを避けましょう。
関連記事:変形性膝関節症の治し方|手術や薬と筋力トレーニング・再生医療も解説
太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えるトレーニング
大腿四頭筋セッティング(クアドセッティング)

- 仰向けに寝るか、床に座って両脚を伸ばす。
- 膝の下(膝の裏)に、丸めたタオルやクッションを置く。
- 太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)にギュッと力を入れ、
タオルを床に押しつけるように膝を伸ばす。 - 太ももの前が硬くなっていることを確認し、その状態を5秒〜10秒キープ。
- ゆっくりと力を抜く。
- 10~20回を1セットとして、無理のない範囲で2~3セット行う。
痛みが強い場合にもできるトレーニングです。
膝のお皿を、太ももの付け根に向かって引き上げるイメージで行うと効果的です。
膝伸ばし運動(レッグエクステンション・座って行う)

- 椅子に深く腰かけ、背筋を伸ばします。(手は椅子の座面や肘掛けに添えて安定させる。)
- 片方の脚を、膝がまっすぐになるまでゆっくりと持ち上げて伸ばす。
- 太ももの前が緊張しているのを感じながら、その状態を5秒〜10秒キープ。
- ゆっくりと元の位置に戻す。
- 左右それぞれ10~15回を1セットとし、無理のない範囲で2~3セット行う。
椅子に座って行うため、膝に体重をかけず安全に大腿四頭筋を鍛えられます。
膝にやさしい有酸素トレーニング
有酸素トレーニングは、やり方やレベルを間違えるとかえって膝へ負担がかかります。
医師や理学療法士のアドバイスのもと、適切な方法で行いましょう。
エアロバイク(フィットネスバイク/自転車)
【エアロバイクを行うときのポイント】
- 痛みがあるときは5分くらいがよい
- 痛みが出ないことを確認しながら行う
- 慣れてきたら10分~15分ほど行う
- 負荷は最も軽く設定し、会話ができる程度の余裕のあるペースでゆっくりこぐ
エアロバイクは、膝に負担をかけにくい運動の一つとしてよく用いられます。
水中ウォーキングまたは水泳
【水中ウォーキングのポイント】
- 水深は一般的に、胸から腰程度の水深で行うと、適切な負荷と浮力が得られる
- 背筋を伸ばし、ゆっくりとしたペースで歩くこと
【水泳をする場合のポイント】
- クロールや背泳ぎなど、膝を大きく曲げ伸ばししない泳法がおすすめ
- 膝への負担が少ない浮力を使う運動(ビート板など)を選ぶとよい
- 膝を使う平泳ぎは避ける
水中で行う運動は、体重による負荷を軽減できるため、膝の痛みがある方でも比較的取り組みやすい運動方法です。
関連記事:変形性膝関節症の症状|痛みの特徴など初期症状のセルフチェック
変形性膝関節症の方がトレーニングを続けるためのポイント
トレーニングは「たくさん行えば効果が出る」と思われがちですが、変形性膝関節症の方は、適切なタイミングと運動量を守ることが大切です。
以下のポイントを踏まえ、症状が悪化しないように注意しながら行いましょう。
痛みの有無を基準にして無理をしないこと
第一に、痛みの有無を目安にし、無理をしないことが大切です。
トレーニング中や運動後に鋭い痛みが出た場合は、すぐに中止するか、内容を見直して膝への負荷を減らさなければなりません。
痛みを我慢して続けると、膝への負担が増え、症状が悪化するおそれがあります。
専門家の指導のもとで低負荷で続けること
運動は独断で始めず、医師や理学療法士などの専門家へ相談し、自分に合った負荷や回数を決めてもらいましょう。
指導を受けた低負荷の運動から始めることで、膝への過剰な負担を避け、安全に筋力や柔軟性を高められます。
徐々に慣れてきた段階で、専門家の指導を受けながら、徐々に運動量を増やしていくとよいでしょう。
完璧を目指さず習慣化していくこと
効果を焦って急に運動量を増やすのではなく、無理のない範囲で少しずつ習慣化していくことが重要です。
週に数回、1日10分など短い時間から継続することを目標に、休む日を取り入れながら運動を生活の一部にしていきましょう。
関連記事:膝の痛みで病院に行くタイミングとは?治療と再発予防のポイントを解説
変形性膝関節症でお悩みの方はイノルト整形外科まで
膝の痛みや違和感は、生活の質に大きく影響します。
「年齢のせい」と諦めず、気になる症状がある場合は早めに専門医に相談することが大切です。
イノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックでは、保存療法をはじめ、運動療法や再生医療まで幅広い治療法を用意しています。
医師や理学療法士の指導のもとで運動を行うことで、安心して取り組むことができます。
院内の診察はもちろん、電話やWEBフォーム、LINEなどからも簡単に予約や相談が可能です。
専門医と一緒に自分の膝に合った運動プランや治療法を見つけ、無理なく日常生活を取り戻しましょう。
まとめ
変形性膝関節症の運動療法は、膝への負担を軽減しながら、筋力を徐々に高めていくことが目的です。
「ウォーミングアップ」・「筋力トレーニング」・「有酸素運動」を無理なく継続し、痛みが強い場合は、無理せず運動を中断し、必要に応じて専門家に相談しましょう。
専門家の指導のもとで運動を習慣化し、膝の安定性や生活の質改善を目指しましょう。
変形性膝関節症の症状|痛みの特徴など初期症状のセルフチェック

膝の痛みや違和感は、年齢や運動不足のせいだと思われがちですが、実は変形性膝関節症が原因となっている場合もあります。
早期に気づいて適切な対策をとることで、進行を抑え、日常生活の負担を軽くすることが期待されます。
本記事では変形性膝関節症の初期症状や痛みの特徴、進行した場合に現れる症状などを詳しく解説します。
変形性膝関節症の初期の痛みの特徴
変形性膝関節症の初期段階では、痛みは比較的軽度ですが、特定の動作やタイミングで痛みが出やすいという特徴があります。
動作開始時痛
長時間座った後や朝起きた直後など、膝を動かし始める最初の瞬間に痛みを感じることがあります。
膝をしばらく動かしているうちに痛みが和らぎ、最初の数分だけ不快に感じるケースがほとんどです。
荷重・特定動作時痛
階段の昇り降りや椅子から立ち上がるときなど、膝に体重がかかる動作でも痛みが出やすくなります。
平地での歩行はまだ痛みを感じない、もしくは軽度にとどまるケースが多いです。
軽度で持続時間が短い
初期の痛みは短時間で治まることが多く、強い痛みが長く続くことは少ない傾向にあります。
また、鋭い痛みというよりは、「重だるい感じ」や「違和感」として自覚されることが多いです。
特に痛む部位はどこ?
多くの場合、O脚変形を伴うことで膝の内側に痛みを感じやすくなります。
関連記事:変形性膝関節症の治し方|手術や薬と筋力トレーニング・再生医療も解説
自分は変形性膝関節症なのかセルフチェック
次の項目のうち3つ以上に当てはまる場合は、変形性膝関節症の可能性があります。
気になる症状がある場合は、早めに整形外科で相談することをおすすめします。
- 朝起きたとき、膝がこわばる感じがある
- 階段の上り下りで膝が痛む
- 正座やしゃがむ動作がつらくなった
- 膝の内側がピリッと痛む
- 膝のまわりが腫れぼったい
- 歩き始めに違和感や痛みがある
- 天気や冷えで膝が痛む
- 立ち上がるときに「ギシッ」「ポキッ」と音がする
- 長く歩くと膝がだるい
- 同じ姿勢を続けると膝が痛くなる

症状が進行している場合の痛みの特徴
症状が進行すると、日常生活に支障をきたすレベルの痛みが現れます。
以下のような症状がある場合は、早めに整形外科で相談することをおすすめします。
安静時や夜間にも痛みが続くようになる
安静時にも痛みが出る場合は、炎症が続いている可能性があり、睡眠や生活に支障をきたすことがあります。
膝のO脚変形が目立つようになる
関節の隙間が狭くなり、骨の変形が進むと、鏡で見たときにO脚だとすぐに判断できるほど脚が曲がって見えます。
荷重のかかる部分には痛みが集中しやすいため、O脚が顕著になればなるほど注意が必要です。
関節に水が溜まる(関節水腫)
炎症が強くなると、膝関節に水が溜まることがあります。
腫れや熱感、膝の動かしにくさなどと同様に、進行した状態のサインです。
関連記事:両ひざの変形性膝関節症の特徴|診断基準や進行を防ぐためのポイントとは?
変形性膝関節症以外の原因
膝の痛みは、変形性膝関節症だけが原因とは限りません。
以下のような疾患が関係している場合もあるため、整形外科での診察を早期に受けましょう。
- 半月板損傷(スポーツや加齢で起こる)
- 関節リウマチ(免疫異常による炎症)
- 大腿四頭筋腱炎、膝蓋腱炎(体が固くなることによって起こる)
- 痛風・偽痛風(結晶が関節にたまる)
関連記事:立ち上がるときに膝が痛い原因とは?痛みの軽減方法と受診目安を解説
膝の痛みでお悩みの方はイノルト整形外科まで
変形性膝関節症は、早期に適切な治療を行うことで、進行を抑え、生活の質の維持が期待されます。
イノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックでは、保存療法から再生医療まで幅広い選択肢を用意し、一人ひとりの症状に合わせた治療を提供しています。
膝の痛みでお悩みの方は、イノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックまでご相談ください。
膝の痛みでのご相談や予約は、電話・WEBフォーム・LINEから受け付けています。

まとめ
変形性膝関節症は、初期段階でも痛みや違和感が現れる場合があります。
セルフチェックによって早期に異変に気付き、必要に応じて専門医に相談することが大切です。
両ひざの変形性膝関節症の特徴|診断基準や進行を防ぐためのポイントとは?

立ち上がるときや歩き出すときに膝の痛みを感じる場合、その背景には「変形性膝関節症」などの疾患が隠れていることがあります。
初期であればセルフケアやストレッチで痛みを軽減できるケースもありますが、痛みが続く場合は医療機関を受診しなければなりません。
本記事では両ひざに起こる変形性膝関節症の特徴をはじめ、診断基準や進行を防ぐ方法についてご紹介します。
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両ひざに起こる変形性膝関節症の特徴
両ひざに起こる変形性膝関節症には、片ひざのみの場合と比べて特徴的な点が挙げられます。
原因
両ひざの変形性膝関節症の原因として考えられるものは以下の通りです。
- 加齢による関節軟骨のすり減り
- 肥満による膝への負担
- 立ち仕事や重いものを持つといった日常生活に伴う負担
- 遺伝的要因や骨格の特徴
特に症状が両ひざに出る場合、全身の加齢に伴う変化や生活習慣による影響が大きいと考えられます。
症状と影響
両ひざの変形性膝関節症では、以下のような症状が見られます。
- 歩き始めや立ち上がり時の痛み
- 正座や階段昇降がしにくくなる
- 膝の腫れや熱感
- 動かしにくさ
両ひざに症状がある場合、歩行や立位が不安定になりやすく、転倒リスクが高まります。
進行の特徴

変形性膝関節症は、進行するとともに関節の可動域が狭くなり、O脚(内反膝)や歩行障害が目立つようになります。
両ひざが同時に進行することで、日常生活の自立度が下がりやすいため、早めに対応することが大切です。
関連記事:変形性膝関節症の原因とは?初期症状や進行度についても解説
両ひざの変形性膝関節症の診断方法
両ひざの症状を適切に把握するためには、専門的な検査が欠かせません。
検査方法
- レントゲン:関節の隙間や骨の変形を確認
- エコー検査:炎症や関節液の貯留を確認
- MRI:半月板や靭帯の損傷を確認
診断基準
変形性膝関節症の診断は、
- 膝の痛みの持続
- 関節の隙間や骨棘の形成度合い
- 歩行や日常生活への支障
などを総合的に判断して行われます。
関連記事:立ち上がるときに膝が痛い原因とは?痛みの軽減方法と受診目安を解説
両ひざの変形性膝関節症の治療法
変形性膝関節症の治療は、症状の進行度によって選択されます。
両ひざに症状がある場合は、片ひざだけの場合に比べ、全身の生活習慣改善と並行して治療を進めることが大切です。
軽度の治療法
- 内服薬や外用薬による痛みの緩和
- 理学療法士による運動療法やストレッチ
- 膝への負担を減らすための生活指導
中程度の治療法
- 内服薬や外用薬による痛みの緩和
- 理学療法士による運動療法やストレッチ
- 体外衝撃波治療
- 再生医療(幹細胞治療やPRPなど)
- 手術(関節鏡手術や骨切り術)
- サポーターや杖の使用
重度の治療法
- 内服薬や外用薬による痛みの緩和
- 理学療法士による運動療法やストレッチ
- 体外衝撃波治療
- 手術(人工関節置換術)
上記に加え、施術後のリハビリや生活動作への影響も考慮したうえで治療計画が立てられます。
両ひざの変形性膝関節症の進行を防ぐ方法
専門医による治療と並行し、日常生活におけるセルフケアが症状の進行を防ぐことにつながります。
膝への負担軽減
- 体重管理で膝への負担を軽減する
- 長時間の立ち仕事や重い荷物を持つ仕事を避ける
- 歩行時は歩きやすい靴を選ぶ
運動とストレッチ

- スクワットやランジなど、太ももを鍛えるトレーニングを行う
- 水中歩行や自転車など膝に負担がかかりにくい運動を選ぶ
- ストレッチを並行して行い関節の柔軟性を保つ
食事と生活習慣
- バランスのよい食事で骨や筋肉のはたらきをサポート
- 十分な睡眠をとる
- 身体を冷やさず、膝周囲を温めて血行を促す
関連記事:変形性膝関節症の症状と対処法|進行を防ぐために知っておきたいこと
両ひざの変形性膝関節症でお悩みの方はイノルト整形外科まで
両ひざの痛みは、生活の質を大きく左右します。
イノルト整形外科では関節診療を行い、変形性膝関節症をはじめとする関節のトラブルに幅広く対応しています。
- 最新の検査機器を用いた正確な診断
- 理学療法士によるオーダーメイドのリハビリメニュー
- 体外衝撃波や再生治療など先進的な治療法を完備
- 症状やライフスタイルに合わせた治療計画の提案
特に両ひざの症状は、将来的な歩行や生活自立度に直結します。
早期からの専門的ケアを受けるためにも、お気軽にイノルト整形外科までご相談ください。
まとめ
両ひざに起こる変形性膝関節症は、片ひざの場合に比べて生活に大きな影響を及ぼします。
放置することで歩行が困難になるリスクもあるため、軽度の違和感や痛みを覚えた段階で整形外科専門医へ相談することが大切です。
立ち上がるときに膝が痛い原因とは?痛みの軽減方法と受診目安を解説

床や椅子から立ち上がるときに膝が痛くなるのは、単なる老化ではなく疾患が隠れている可能性があります。
セルフケアやストレッチで痛みを軽減できることもありますが、症状が続く場合は専門医へ相談することが大切です。
本記事では立ち上がるときに膝が痛む原因をはじめ、日常生活の中でできる痛みの軽減方法や、受診すべき症状の判断方法まで解説します。
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立ち上がる時に膝が痛い原因となる疾患
立ち上がるときに膝が痛む背景には、膝関節に負担がかかる疾患が隠れていることがあります。
変形性膝関節症

中高年に多い疾患であり、膝の軟骨がすり減って関節が変形し、痛みや腫れが生じるものです。
立ち上がりや歩き始めに強い痛みを感じやすく、進行すると階段の昇降や長時間の歩行が困難になります。
半月板損傷

半月板は膝への圧力を分散させるクッションの役割を担う組織です。
スポーツや転倒などで半月板が損傷すると、立ち上がるときやしゃがんだときに鋭い痛みが生じます。
場合によっては、膝が「ロッキング」し、思うように動かなくなる可能性もあります。
膝蓋腱炎

膝のお皿部分(膝蓋骨)とすねの骨をつなぐ腱が、炎症を起こして痛みを生じさせる疾患です。
ジャンプや屈伸動作を繰り返すスポーツ選手の他、年齢とともに身体が固くなってくるとよく見られ、日常生活でも痛みが出る場合があります。
関節リウマチ

免疫の異常によって関節に炎症が起こる疾患です。
朝起きると関節がこわばったり腫れたりすることが多く、立ち上がるときに強い痛みを生じます。
進行すると関節そのものが破壊されてしまうため、早期の診断と治療が必要です。
筋力低下や加齢性変化

太ももやお尻の筋肉が弱まることで、膝への負担が増し、立ち上がり時の痛みにつながることがあります。
特に太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)の衰えは、膝の不安定感につながり、関節の炎症を引き起こします。
関連記事:膝の痛みで病院に行くタイミングとは?治療と再発予防のポイントを解説
立ち上がる時の膝の痛みを軽減する方法
痛みが軽度であれば、日常生活の工夫やセルフケアによって改善を目指せます。
- 太もも周りの筋トレ:スクワットやレッグエクステンションなど
- ストレッチ:太もも前後の筋肉をほぐす
- 温熱療法:入浴やマッサージで血流を促進し痛みを和らげる
- 体重管理:身長と体重から計算される「適正体重」を目指す
- サポーターの使用:立ち上がりや歩行を補助し、関節への負担を軽減
特に体重管理は、膝の痛みはもちろん、さまざまな疾患を防ぐことにつながります。
体重が1kg増えると膝への負担が3kg増えるといわれているため、運動量や食事内容を見直すことが大切です。
立ち上がるときの膝の痛みで受診すべき目安の症状
次のような症状がある場合は、整形外科の受診を検討しましょう。
- 膝の痛みが2週間以上続く
- 膝が腫れて熱をもっている
- 動かすとゴリゴリといった音が鳴る
- 膝がひっかかって動かしにくい(ロッキング)
- 夜間も痛みで眠れない
- 階段の昇降や立ち上がり動作が困難
早めに整形外科専門医へ相談することで、進行を抑え、適切な治療を受けられる可能性が高まります。
関連記事:膝が痛い時の対処法は?やってはいけないことや受診のポイントを解説
膝の痛みを軽減するための治療法
膝の痛みを軽減するためには、状態に合った治療法を選択することが重要です。
薬物療法
鎮痛薬や消炎鎮痛剤で炎症・痛みを抑えます。湿布や塗り薬といった外用薬も併用されることがあります。
注射療法
関節の潤滑を改善したり炎症を抑えたりする目的で、ヒアルロン酸注射やステロイド注射が用いられます。
理学療法士の施術
リハビリの専門家の指導のもと、筋力トレーニングや関節可動域の訓練を行うことで、膝関節の安定性が高まります。
ハイドロリリース
生理食塩水などを注射して筋膜や靭帯の癒着を剥がし、痛みを和らげる治療法です。
体外衝撃波治療
衝撃波を患部に与え、血流改善や組織修復を促す治療法です。スポーツ障害や慢性的な膝痛に有効とされています。
再生医療
自己由来の培養した幹細胞や血液中の血小板を利用し、損傷した組織の修復を促す治療です。
従来の治療で効果が不十分な場合の新たな選択肢として注目されています。
手術療法
保存療法で改善が見込めない場合は、関節鏡手術や骨切り術・人工膝関節置換術が検討されます。
近年は最小限の切開に留める「低侵襲手術」に対応する医療機関も増えています。
関連記事:年代別に膝の痛みの症状をチェック|考えられる疾患や受診の目安は?
変形性膝関節症でお悩みの方はイノルト整形外科まで
膝の痛みの原因として多くの方がお悩みの変形性膝関節症。
イノルト整形外科では関節診療を行っており、患者様一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた治療を行っています。
薬物療法や注射だけでなく、理学療法士による運動指導・再生医療など幅広い選択肢が揃っています。
また、最新の医療機器を用いた診断により、症状の原因を正確に把握し、オーダーメイドの治療計画を提案してくれる点も大きな特徴です。
保存療法も多く取り入れており、手術を避けたい方にも安心です。
膝の痛みは生活に大きな支障をきたす疾患です。
決して我慢することなく、まずはイノルト整形外科で専門医の診断を受けましょう。
まとめ
立ち上がるときの膝の痛みは、放置すると進行し、手術が必要となる場合もあります。
気になる痛みや違和感がある方は、早めの対応で快適な生活を維持することが重要です。
年代別に膝の痛みの症状をチェック|考えられる疾患や受診の目安は?

膝の痛みは、年齢によって原因や症状の出方が異なります。
正しい対処をするためには、自分の年代に合った特徴や疾患を知ることが大切です。
本記事では膝が痛むときのチェックポイントから考えられる原因、受診の目安まで分かりやすく解説します。
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膝が痛いと感じたとき最初にチェックしたいポイント
まずは自身の膝の状態を把握し、痛みの原因を正しく探ることが大切です。
膝のどこが痛いか
内側・外側・前面・裏面など、痛みの部位によって原因となる疾患が異なります。
動かしたときに痛みが生じる場合は、少し指で押したり、ゆっくりと曲げ伸ばしをしたりしながら確認しましょう。
痛みが出るタイミング
歩き始めや階段の昇り降り・長時間座った後など、痛みが現れるタイミングも重要な判断材料となります。
違和感・腫れ・不安定さ
見た目には何の変わりもない場合もあれば、腫れや熱感・ぐらつきが見られる場合もあります。
症状が日を追うごとに変化するときは、こうした症状をメモにとっておき、診察の際に医師へ伝えると安心です。
関連記事:膝の痛みで病院に行くタイミングとは?治療と再発予防のポイントを解説
10〜30代に多い膝の痛みをチェック
若年層では、スポーツや怪我による膝の痛みが多く見られます。
次の症状のうち、当てはまるものがないかチェックしましょう。
症状チェック
- スポーツや転倒などで膝をひねった経験がある
- ジャンプや急停止のあと、膝がズレた・抜けたように感じた
- 膝の中でカクッと引っかかるような違和感がある
- 屈伸動作で膝に痛みや不快感がある
- 運動後に膝が腫れたり熱を持つことがある
- 膝のお皿が外れるような不安定感がある
- 膝の下(脛の上部)が出っ張っていて押すと痛い
考えられる主な疾患
- 半月板損傷
- 有痛性分裂膝蓋骨
- 離断性骨軟骨炎
- 関節リウマチ
- 前十字靭帯損傷
- 膝蓋骨亜脱臼
- オスグッド病
- 関節内の炎症
- 捻挫
- 疲労骨折
受診や対処のポイント
- スポーツによる怪我に強い整形外科の受診を検討
- MRIなどの精密検査を積極的に受ける
- まずは安静を心掛け、アイシングやサポーターを使用
- 理学療法士のアドバイスを受けながらリハビリで筋力バランスを整える
関連記事:膝の痛みは自分で治せる?膝が痛む原因とセルフケア方法を解説
40〜50代に多い膝の痛みをチェック
中年以降は、軟骨のすり減りや姿勢の癖による慢性的な痛みが増えてきます。
症状チェック
- 階段を下りるときに膝が痛む
- 動き始めに膝がこわばる・違和感があるが、動かすと和らぐ
- 膝を曲げるときに突っ張るような感覚がある
- 膝の内側や前側がじわじわ痛む
- 膝の曲げ伸ばしでポキポキ音がする
- 座ってから立ち上がるときに痛みや不安定感がある
- 体重増加や加齢により膝に痛みを感じるようになった
考えられる主な疾患
- 変形性膝関節症
- 関節リウマチ
- 半月板損傷
- 滑膜ひだ症候群
- 鵞足炎
- 痛風
- 筋肉由来の痛み
受診や対処のポイント
- 整形外科でレントゲンやMRIを受け正しい原因を特定する
- ストレッチや筋トレで膝周りの筋肉を強化する
- 早めの治療によって進行を防ぐことが重要
60代以降に多い膝の痛みをチェック
高齢層では関節の変形や軟骨の摩耗が進行し、日常生活に支障をきたすことがあります。
症状チェック
- 膝の内側や外側に慢性的な痛みがある
- 歩くだけで膝がズキズキ痛む
- 膝が腫れていたり、水がたまっていると感じる
- 正座やしゃがむのが難しくなってきた
- 夜間や安静時にも膝が痛むことがある
- 膝の変形(O脚・X脚)が気になっている
- 体重をかけると膝がグラつく、不安定に感じる
考えられる主な疾患
- 変形性膝関節症
- 関節リウマチ
- 大腿骨内顆骨壊死
- 骨粗鬆症による骨折
- 半月板損傷
- 鵞足炎
- 筋肉由来の痛み
受診や治療のポイント
- 理学療法士の施術
- 薬物療法(内服、外用、ヒアルロン酸注射)
- ハイドロリリース
- 体外衝撃波治療(拡散型、集束型)
- 再生医療(幹細胞治療、成長因子療法、幹細胞上清液療法)
- 手術療法(関節鏡手術、人工関節置換術、骨切り術)
膝の痛みでお悩みの方はイノルト整形外科まで
膝の痛みにお悩みの方は、イノルト整形外科の受診をご検討ください。
当院は関節外来にて、患者様の状態に合わせた検査・治療が可能です。
レントゲンや超音波・MRIを用いた正確な診断を経た後、再生医療や体外衝撃波、ハイドロリリース、理学療法士の施術など幅広い保存療法から合うものを選択し、手術を受けずとも痛みの改善を目指します。
さらに、必要に応じて専門手術が得意な医療機関と連携しながら、患者様が快適に日常を過ごすためのサポートを行います。まずはお近くの整形外科へご相談ください。
関連記事:膝が痛い時の対処法は?やってはいけないことや受診のポイントを解説
まとめ
膝の痛みは年代ごとに原因が異なり、いずれも早期の対処が将来的な悪化を防ぐポイントとなります。
気になる症状がある方は、年齢や生活背景に合った対処を心掛けるとともに、必要に応じて整形外科を受診しましょう。
膝の痛みに悩んでいる方や、医療機関への受診に不安がある方は、イノルト整形外科へお気軽にお越しください。
首の痛みでよくみられる症状は?考えられる原因や注意すべきケースを解説

首の痛みは、ストレートネックや頚椎症・ヘルニア・むちうちなどさまざまな原因が考えられます。
日常の習慣が影響している場合も多く、進行すると日常生活が不便になることも。
本記事では首の痛みに良く見られる症状や原因・注意すべきケースなどを詳しく解説します。
◆イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの関節専門外来はこちら◆
首の痛みでよくみられる症状

一言で首の痛みといっても、その症状はさまざまです。
朝起きたときに首が動かない
寝違えたときの代表的な症状であり、首の筋肉が一時的に炎症を起こしている状態です。
寝返りがうまくできなかったり、枕の位置が合わなかったりといった原因で起こります。
デスクワーク後に首が重だるい
長時間のパソコン作業やスマホ操作により、首の後ろから肩にかけての筋肉が緊張することがあります。
これにより「締め付けられているような痛み」や「だるさ」が現れるほか、目の疲れや頭痛を併発することもあります。
後ろを振り向くと痛みが出る
首の可動域が狭くなり、動かす際に関節や筋肉がひっかかるように感じる場合もあります。
これらは頸椎周辺の関節に問題がある場合が多く、症状が悪化すると痛みにつながります。
関連記事:首筋が痛いときはどうする?自分でできる対策と整形外科での治療方法を解説
首の痛みの原因として考えられる疾患
首の痛みには、さまざまな疾患が隠れている場合があります。
医療機関を受診しなければならないものもあるため、自分の症状と照らし合わせて確認しましょう。
首こり、肩こり
多くの日本人が経験する症状であり、筋肉の緊張によって起こります。
長時間のデスクワークやストレスによって起こりやすい疾患です。
ストレートネック
頸椎は普段自然なカーブを描いていますが、このカーブが失われてまっすぐになると、首への負担が増えて痛みや違和感を引き起こします。
スマホやパソコンの使用時に前かがみになることが原因です。
頚椎症
加齢によって頸椎の椎間板がすり減り、「骨棘(こつきょく)」ができて神経を圧迫します。
首や肩の痛み・しびれ・可動域の制限が見られます。
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアは、椎間板が突出して神経を圧迫することで、首の痛みや腕のしびれ・筋力低下などの症状が現れます。
放置すると症状が悪化する可能性があるため、早期の診断と治療が必要です。
むちうち
交通事故やスポーツなど首に急激な衝撃が加わることで、筋肉や靭帯が損傷する外傷性の疾患です。
首の痛みのほか、可動域の制限や頭痛・めまいが起こる場合もあります。
首の痛みを引き起こす日常生活の習慣

首の痛みは日常的な習慣によっても起こりやすいため、下記に当てはまる場合は注意が必要です。
長時間のスマホ・パソコン作業
スマホやパソコンを長時間使用することにより、首が前傾し、筋肉に負担がかかります。
定期的な休憩や姿勢の見直しが重要です。
不良姿勢や猫背
猫背など前かがみの姿勢は、首や肩の筋肉に負担をかけ、痛みやこりの原因となります。
正しい姿勢を意識し、背筋が伸びた状態を保ちましょう。
枕が合っていない
枕の高さや硬さが合っていないと、首に不自然な力が加わり、痛みの原因となります。
自分の高さに合う枕を選ぶことはもちろん、寝返りのしやすさなどを実際に使って確かめてみることが大切です。
ストレスや緊張による筋肉のこわばり
ストレスや不安によって筋肉が硬直すると、首や肩の痛みを誘発します。
ストレスフルな環境では、積極的にリラクゼーションやストレス発散法を取り入れましょう。
関連記事:関節痛の治し方|主な原因や自宅でできる対処方法とは?
首の痛みをやわらげるセルフケア
首の痛みが軽度な場合や、セルフケアによって回復の手助けをしてあげることも有効です。
短時間の休憩と姿勢の見直し
長時間同じ姿勢を続けることは避け、1時間に1回は立ち上がって軽いストレッチを行いましょう。
正しい姿勢を心掛け、筋肉や靭帯が不自然な形で固まらないように注意が必要です。
湯船に浸かって首を温める
入浴時はできるだけ湯船にお湯をはり、首や肩を温めます。
血行が促進され、筋肉の緊張が緩和しやすくなります。
ストレッチで筋肉をほぐす
首や肩のストレッチを行うことで、筋肉の柔軟性が向上し、痛みやこりの予防・改善につながります。
枕を見直してみる
枕の高さや硬さを調整し、自分に合った枕を使用することが大切です。
店頭で実際の枕に触れてみたり、専門店でアドバイスを受けたりすることもおすすめです。
首の痛みで注意すべきケース

下記のようなケースは、セルフケアでの改善が期待できず、放置するとさらに症状が悪化する危険性があります。
早い段階で整形外科などの専門医へ相談しましょう。
しびれや感覚異常がある
首の痛みに加え、腕や手のしびれ・感覚異常がある場合は、神経の圧迫が疑われます。
痛みが広がる・悪化する
痛みや首から肩・腕へと広がったり、日々悪化したりする場合は、胸郭出口症候群や頚椎症性神経根症、椎間板ヘルニアなどの疾患が進行している可能性があります。
長引いて日常生活に支障が出ている
首の痛みが数週間異常続き、日常生活に支障をきたす場合、専門医の診察にて原因や適切な治療を判断してもらう必要があります。
関連記事:ロキソプロフェンが効かない?痛み止めで腰痛や首の痛みが取れない原因
首の痛みでお悩みの方はイノルト整形外科まで

イノルト整形外科では、首の痛みに関する専門的な治療を行っています。
脊椎外来では、最新の医療機器を用いた診断と、患者様一人ひとりに合わせた治療プランを提供可能です。
首の痛みはもちろん、腰痛や側弯症・椎間板ヘルニアなどさまざまな疾患に対応でき、原因に即した治療を行います。
どんな疾患においても、まずは専門医の診察を受け、正しい原因を探ることが大切です。
首の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
首の痛みは、日常生活の習慣や姿勢・ストレスなどさまざまな要因によって引き起こされます。
セルフケアで対処ができない場合も多いため、適切な治療法を探るためにも、早めの段階でイノルト整形外科までご相談ください。
半月板損傷の症状チェック|初期症状や変形性膝関節症との違いは?
今回ご紹介した症状や受診目安を参考に、該当する項目があった場合には早めに整形外科を受診し適切な治療を受けましょう。

スポーツの際に膝を強く打ったり、ひねる動作が加わった後に痛みが現れた場合、半月板損傷の可能性が考えられます。
しかし、痛みの程度もさまざまで、病院を受診すべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、半月板損傷の典型的な症状や、病院を受診すべき目安やチェック項目について詳しく解説します。
◆イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの関節専門外来はこちら◆
半月板損傷の症状チェック

半月板損傷を発症した場合、どういった症状が現れるのでしょうか。簡易的にチェックするために代表的な症状をご紹介します。
以下の症状に該当した場合には早めに整形外科を受診しましょう。
膝に引っかかりを感じる
膝の曲げ伸ばしの際にスムーズに動かず、途中で引っかかるような違和感がある場合、半月板損傷が疑われます。
症状としては軽度で初期段階にあたるため、早めに治療をすることで早期に回復できる可能性があります。
膝が安定しない
膝がぐらついたり、踏ん張れない、あるいは体重をかけた際に不安定感を覚える場合は、半月板の損傷によって膝関節のバランスが崩れている可能性があります。
特に、歩行時や階段の上り下りの際に膝に力が入らず、崩れ落ちるような感覚は半月板損傷で現れることのある症状です。
歩行時の膝の痛み
歩行時に膝の内側や外側に鋭い痛みを感じる場合、半月板が損傷している可能性があります。
特に、歩行後や運動後に痛みが増す場合は半月板損傷が疑われますが、ほかの疾患も考えられるため整形外科でのレントゲンやMRI検査が必要です。
膝の曲げ伸ばしができない
膝に引っ掛かりや違和感があるものの、治療をせず放置しておくと、やがてロッキングとよばれる状態に陥ることがあります。
ロッキングとは膝の曲げ伸ばしができなくなる状態のことで、安静時にも強い痛みを感じるケースが少なくありません。
膝が腫れている
半月板が損傷すると、関節内に炎症が起こり膝が腫れることがあります。
膝関節には関節の動きをスムーズにする関節液が溜まっていますが、炎症が起こると関節液が過剰に分泌されます。
これは、いわゆる”膝に水が溜まった状態”で、膝が大きく腫れ曲げ伸ばしがしづらくなることがあります。
膝を負傷するとたびたび水が溜まりやすくなるため、頻繁に腫れる場合には放置せずに医師の診察を受けましょう。
関連記事:半月板損傷の軽度な場合について治療について解説|手術しないで治すことは可能か?
半月板損傷とは?

半月板損傷とは、膝関節にある半月板という組織が損傷し、痛みや炎症を伴う疾患です。
そもそも、半月板はどういった役割を果たしているのか、半月板が損傷する主な原因についても解説しましょう。
半月板の役割
半月板は、膝関節の内側と外側に1つずつ存在するC字型の軟骨組織です。
歩行やジャンプ動作などの際に、膝関節にかかる衝撃を吸収するクッションのような役割を果たしています。
また、半月板が存在することで膝にかかる体重が適度に分散され、膝関節の安定性を保ちスムーズな曲げ伸ばしもサポートできるのです。
半月板損傷の原因
半月板損傷は、大きく分けて外傷性と変性(加齢)の2つのタイプに分類されます。
1.外傷性
外傷性の半月板損傷は、スポーツや事故による膝への強い衝撃や、急激なねじれ動作などが原因で発症します。
典型的な例は以下の通りです。
- ジャンプの着地や、ダッシュからの急停止など(バスケットボール・バレーボール など)
- 急な方向転換や足の回転動作(サッカー・テニス・スキー など)
- タックルや転倒による強い衝撃(ラグビー・柔道・相撲 など)
外傷性の半月板損傷は、前十字靭帯(ACL)損傷と同時に発生するケースも多く、損傷度合いによっては手術が必要になることもあります。
2.変性
変性の半月板損傷は、加齢に伴い半月板の弾力性が低下し、しゃがむ・立ち上がるといった日常生活の動作が原因で発症します。
主に40代以上に発症しやすく、外傷がないにもかかわらず膝に違和感や痛みを感じるようになります。
初期段階では、膝を曲げたり伸ばしたりした際に引っかかる感覚が特徴的です。
また、若年層であっても急激な体重増加によって膝に大きな負担がかかり、半月板の形が徐々に変性していくこともあります。
変性の半月板損傷は変形性膝関節症の前兆となることも多いため、早めの治療が重要です。
半月板損傷の初期症状と経過

半月板損傷はどのように進行していくのか、初期から進行期にかけての主な症状を解説しましょう。
初期の主な症状
初期段階に現れる代表的な症状は以下の通りです。
- 膝の痛み
- 膝の引っかかり感
- 膝の腫れ・圧迫感
初期段階の痛みは一時的なもので、1週間程度が経過すると徐々に治まっていくことも多いです。
しかし、その後膝関節の引っ掛かり感や違和感を覚えるようになり、徐々に腫れてくるケースも少なくありません。
安静時には痛みが落ち着くことが多いため、治療を放置し状態が悪化する患者様も少なくありません。
中期の主な症状
治療が遅れると徐々に症状が進行していき、以下のような状態になります。
- 痛みが強くなり、歩行や運動に支障をきたす
- 階段の下りや坂道で痛みが悪化
- 膝のロッキングが起こり曲げ伸ばしができなくなる
- 膝に水が溜まり、しゃがむ姿勢や正座が困難になる
- 膝のぐらつきや不安定感が強くなる
初期段階から進行していくと、徐々に痛みが強くなります。
特に下り坂や階段を下りる際に強い痛みを感じ、関節も不安定になり力が入らなくなります。
進行期の主な症状
痛みが強まっているにもかかわらず治療をせず放置しておくと、重症化し以下のような症状が現れます。
- 慢性的な膝の痛みで日常生活が困難になる
- 膝の可動域が極端に狭くなり、こわばりが生じる
- 軟骨が摩耗し変形性膝関節症を発症する
- 人工関節置換術などの手術が必要になるケースもある
進行期では強い痛みによって日常生活にもさまざまな支障をきたします。
関節のバランスが崩れることで軟骨が摩耗し、変形性膝関節症につながるケースも少なくありません。
関連記事:半月板損傷でやってはいけないこととは?早く治す方法も解説!
半月板損傷と変形性膝関節症の違い

半月板損傷と並び、膝の痛みの原因になる疾患として多いのが変形性膝関節症です。
両者はどういった違いがあるのか、原因や痛みの出方、治療方法などを解説しましょう。
原因
半月板損傷は加齢に伴う変性だけでなく、スポーツや交通事故などの外傷によっても発症することが多いため、若年層から中高年層まで年齢を問わず発症リスクがあります。
一方、変形性膝関節症は半月板損傷に引き続いて起こることが多く、軟骨の摩耗が起こり痛みが悪化します。
特に中高年層のリスクが高い傾向にあります。
ただし、体重過多によって膝関節に大きな負担がかかると、若年層でも発症する可能性があるため適正体重を維持することが重要です。
| 半月板損傷 | 変形性膝関節症 | |
| 主な原因 | スポーツや事故による外傷・膝のねじれ加齢・体重過多による変性 | 加齢による軟骨の摩耗体重過多による膝関節への負担 |
| 発症年齢 | 若年層~中高年(スポーツや事故による損傷が多い) | 中高年以降(40代以降から発症しやすい) |
痛みの出方
外傷性の半月板損傷の場合、急な痛みが現れるのが特徴です。
損傷の程度が軽度であったり変性の半月板損傷では膝の違和感や引っ掛かりを感じるようになり、徐々に痛みが悪化していきます。
変形性膝関節症も、変性の半月板損傷と症状は似ていますが、持続的な鈍い痛みが続いたり、歩き始めや長時間の歩行、立ち仕事によって痛みが強くなっていく特徴が見られます。
| 半月板損傷 | 変形性膝関節症 | |
|---|---|---|
| 痛みの特徴 | 急な痛み膝の引っかかり感・ロッキング | 持続的な鈍い痛み動き始めや長時間の動作で悪化 |
| 痛みが強くなる動作 | 階段の上り下りしゃがむ・膝を捻る動作 | 立ち上がり歩行時長時間の立ち仕事 |
治療方法
治療方法は主に初期段階では保存療法、中期以降で状態が悪化している場合には手術療法が検討されます。
半月板損傷の手術には部分切除という方法もありますが、組織の一部を切除することで関節のバランスが崩れ、変形性膝関節症のリスクを高めるおそれがあります。
そのため、切除術ではなく縫合術が推奨されます。
しかし、変性断裂の場合は縫合術の適応になりにくく、部分切除術を選択することになる場合が多いため、保存療法になる場合が多いです。
| 半月板損傷 | 変形性膝関節症 | |
|---|---|---|
| 初期段階または軽度の場合の治療法 | 保存療法薬物療法理学療法士の施術体外衝撃波(集束型)再生医療(PRP・幹細胞治療・成長因子療法) など | 保存療法薬物療法理学療法士の施術ヒアルロン酸注射体外衝撃波(集束型)再生医療(PRP・幹細胞治療・成長因子療法) など |
| 中期以降または重度の場合の治療法 | 保存療法理学療法士の施術体外衝撃波(集束型)再生医療(PRP・幹細胞治療・成長因子療法) 手術療法関節鏡下半月板縫合術 |
保存療法理学療法士の施術体外衝撃波(集束型)再生医療(PRP・幹細胞治療・成長因子療法) 手術療法骨切り術人工関節置換術 |
半月板損傷の受診目安

半月板損傷は早期に治療を開始することで重症化を防げますが、病院を受診すべきか判断に迷うことも多いでしょう。
ひとつの目安として、以下の症状が見られる場合には半月板損傷の可能性が考えられるため、痛みが軽度であっても早めに整形外科を受診することがおすすめです。
- 膝に強い力が加わったり、ひねる動作の後に痛みを感じるようになった
- スポーツのときや階段を下りるときに膝が痛む
- 膝を動かしたときに引っかかる感覚がある
- 定期的に膝が腫れたり、圧迫感がある
関連記事:半月板損傷とはどんな状態?原因や症状、治療について詳しく解説!
半月板損傷でお悩みの方はイノルト整形外科まで
半月板損傷の程度はさまざまで、進行度合いや損傷の程度によっても最適な治療法は異なります。
また、そもそも膝の痛みを引き起こす疾患は半月板損傷以外にも存在するため、正確な診断には適切な検査が不可欠です。
イノルト整形外科では関節専門外来とスポーツ整形外科を設置しており、レントゲンやMRI(外部医療機関へ依頼)といった検査で正確な診断を行います。
また、近年注目されている再生医療や体外衝撃波、ハイドロリリースといった最新鋭の治療法にも対応しているため、患者様の状態に合わせた最適な治療法をご提案できます。
さらに半月板損傷はスポーツ中の事故によって起こるケースも多いため、再発を防ぐための専門的なケアや膝への負担が少ないフォームのアドバイスなども可能です。
まとめ
半月板損傷は年齢を問わず誰にでも起こり得る疾患ですが、軽度の場合は痛みも強くないため放置する患者様が少なくありません。
しかし、治療を後回しにしていると重症化し、日常生活に支障をきたすケースも出てくるでしょう。
今回ご紹介した症状や受診目安を参考に、該当する項目があった場合には早めに整形外科を受診し適切な治療を受けましょう。
股関節唇損傷とは?やってはいけないことやおすすめストレッチを紹介
日常生活における何気ない動作の中で、股関節に痛みや違和感を感じた経験はないでしょうか。
このような症状が続いている場合、股関節に何らかの異常が発生している可能性が考えられるため、なるべく早めに検査と治療を受ける必要があります。
本記事では、股関節疾患のひとつである股関節唇損傷の治療法や重症化を防ぐための注意点、治療に要する期間をご紹介します。
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股関節唇損傷とは?
股関節唇損傷とは、股関節の骨頭を覆う関節唇(かんせつしん)が傷ついたり破れたりする疾患です。
関節唇は軟骨組織でできており、股関節の安定性を保つとともに、衝撃を吸収し滑らかな動きをサポートする重要な役割を果たします。
しかし、何らかの要因によって股関節に過度な力が加わると、軟骨組織が損傷し痛みを生じることがあります。
股関節唇損傷の程度はさまざまで、初期の段階では股関節の引っ掛かり感や不安定感、違和感などを覚えることが多く、やがて痛みが生じてきます。
治療をせずに放置しておくと激しい痛みを感じるようになり、やがて股関節の動きが制限され日常生活にも支障をきたすことも少なくありません。
股関節唇損傷の原因
股関節唇損傷はどういった原因で発症するのでしょうか。代表的な要因を4つご紹介します。
加齢
加齢に伴い、関節唇を構成する軟骨組織が劣化しやすくなり、その結果として股関節唇損傷につながります。
本来、軟骨組織は弾力性がありクッションの役割を果たしていますが、年齢とともに弾力性が低下していき損傷しやすくなります。
また、長年にわたって股関節に負担がかかり続けた結果、徐々に関節唇の損傷につながります。
構造上の問題
股関節の形状や構造に問題がある場合、関節唇に過剰な負荷がかかり、損傷のリスクが高まります。
股関節インピンジメント(FAI:Femoroacetabular Impingement)といわれるもので、FAIは股関節の構造異常により、大腿骨頭と寛骨臼(骨盤側の受け皿部分)が正常に動かず、関節内で衝突が生じる状態です。
この衝突が原因で、股関節唇や軟骨に損傷が起き、痛みや可動域の制限を引き起こします。
スポーツ
加齢と並んで多い要因が激しいスポーツや運動によるものです。
特に、サッカーやバスケットボールなどの激しい動きが多いスポーツでは、急な方向転換やジャンプによって股関節に衝撃が加わりやすく、関節唇を損傷する要因になりがちです。
また、野球、水泳、ダンス、バドミントン、格闘技など、股関節を繰り返し深く曲げ伸ばししたりひねる動作が多いスポーツも股関節への負担がかかりやすくリスクが大きいといわれています。
外傷
稀ですが転倒や交通事故などによって、外部から大きな衝撃が加わることも股関節唇損傷の要因となります。
加齢やスポーツによる損傷は徐々に痛みが増してくることが多いですが、外傷が原因の場合には直後に強い痛みを伴うことが多くなります。
関連記事:膝関節の痛みの原因|痛みを和らげるセルフケアや病院の受診目安
股関節唇損傷でやってはいけないこと
股関節唇損傷を悪化させないためには、日常生活の何気ない動作にも注意が必要です。特に、以下の動きは避けるよう心がけましょう。
繰り返すしゃがみ込み
深くしゃがむ行動は、股関節に負担をかけ、関節唇の損傷を悪化させる可能性があります。
特に繰り返し長期間続けることで症状を悪化させるリスクが高まるため、痛みを感じるようであれば無理をせずしゃがむ動作を減らしましょう。
無理なジャンプや急なダッシュ
高い場所からのジャンプや急なダッシュは、股関節に強い衝撃を与え損傷を悪化させる恐れがあります。
特に、準備運動を怠ったり運動の習慣がない人ほどリスクが高まるため注意が必要です。
股関節をねじる動作
水泳の平泳ぎやテニスの回転動作など、股関節を強くねじる動きは関節唇に負担をかけやすいため注意が必要です。
これらの動作を行う場合は、はじめから思いっきり行わず、まずはゆっくりと動かしながら痛みが出ないように関節に負担がかかりにくい正しいフォームを身につけていきましょう。
深いスクワットや負荷の高い筋トレ
深くしゃがむスクワットや重いウエイトを持ち上げる筋力トレーニングは、股関節唇に過剰な負担をかける可能性があります。
そのため、まずは軽めのトレーニングからスタートし、徐々に負荷を上げていきましょう。
無理な可動域を求めるストレッチ
開脚や大きく足を広げる動作など、関節の限界を超えたストレッチは損傷を悪化させるリスクがあります。
ストレッチを行う際には心地よいと感じる範囲内に収め、痛みを感じた場合には無理に動かさないことが大切です。
片足に重心をかけた姿勢
片足に体重をかけ続ける立ち方や歩き方は、股関節にアンバランスな負担をかけます。
日常生活における直立の姿勢や歩行では、体重を均等に分散させることを意識しましょう。
関連記事:変形性膝関節症の主な原因は?女性に多い理由や若年層の発症についても解説
股関節唇損傷におすすめストレッチ
股関節唇損傷の予防やリハビリにおいては、股関節周囲の筋肉を無理のない範囲でほぐすストレッチが効果的です。
腸腰筋のストレッチ
腸腰筋は股関節のスムーズな動きに重要な役割を果たしているため、この筋肉を柔らかくすることで股関節の負担軽減が期待できます。
- 床に片膝立ちの姿勢を取る(前脚は90度に曲げる)
- 後ろ側の脚を後方に伸ばし、骨盤を前に押し出す
- 股関節の前側が伸びているのを感じながら、20~30秒間キープ
- 左右の脚を替えて1〜3を繰り返す
ポイントとしては、2の段階で脚を後方に伸ばす際に、骨盤を捻ったり横に向いたりするのではなく、真っ直ぐ前方に押し出すことを意識しましょう。
おしりのストレッチ
お尻には太ももから伸びる大きな筋肉が集中しており、股関節を安定的に支える役割があることから、定期的にストレッチを行うことで股関節の機能改善が期待できます。
- 仰向けの状態で左足を伸ばし、右膝を立ててクロスさせる(足を組むような姿勢)
- 右足を左側にゆっくり倒す
- お尻や太ももの付け根が伸びるのを感じながら、20~30秒間キープ
- 左右の脚を替えて1〜3を繰り返す
足を倒す際に体を捻る姿勢になるため、無理をせずゆっくりと行いましょう。痛みを感じた場合は無理をせず、心地よいと感じる範囲に留めておきます。
股関節唇損傷の治療方法
股関節唇損傷の治療は保存療法から外科的な治療、再生医療などさまざまな選択肢があります。
薬物療法
日常生活へ支障をきたさないよう、痛みや炎症を抑えるために行われるのが薬物療法です。
主にロキソニンなどの痛み止めや湿布が処方されることが多く、理学療法士の施術などを併用するケースが一般的です。
理学療法士の施術
ストレッチや筋力トレーニングなどの理学療法士の施術も代表的な治療方法のひとつです。
股関節周囲の筋力バランスを整えることで症状の改善が期待されますが、誤った運動は股関節への負担を増大させ症状の悪化を招くリスクもあるため、理学療法士の指導を受けながら行う必要があります。
この治療法を行うことで痛みは改善するケースが多いです。
ヒアルロン酸注入
股関節の変形によって摩擦が生じ、それが原因で炎症や痛みを発症している場合にはヒアルロン酸を注入し潤滑性を高め、症状を緩和することができます。
ただし、ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されていくため定期的な注入が必要であるほか、根本的な治療法ともいえません。
体外衝撃波治療
体外衝撃波治療とは、関節部位に特殊な衝撃波を照射し自然治癒力を高める治療法です。
衝撃波には痛みを軽減する効果があるほか、複数の成長因子を産出し損傷した組織の修復を促す効果もあります。
体外衝撃波治療には広範囲に照射する拡散型と、ピンポイントに照射する集束型の2タイプがあり、股関節唇損傷の治療には集束型が用いられることが多いです。
手術療法
損傷の程度が大きく、上記でご紹介した治療法で回復が見込めない場合には、手術療法が選択されるケースもあります。
損傷や関節唇を縫合したり、せり出して関節唇損傷の原因となっている骨の一部を削る手術を行います。
ただし、手術療法は患者様への負担が大きく、入院やリハビリにも時間を要するため、最終的な治療の選択肢として提示されるケースがほとんどです。
再生医療
手術療法に換わる新たな治療法として注目されているのが再生医療です。
患者様自身の脂肪や骨髄から採取した幹細胞を使用し、損傷部位の再生を図る幹細胞治療や、血液から抽出した成分を再び体内に注入し組織修復を促す成長因子療法などがあります。
自己治癒力を高め関節唇の修復を促進する革新的な治療法ではありますが、保険適用外となるため治療費が保険診療と比べると高額になります。
また、関節の損傷度合いによっては再生医療でも回復が難しいケースもあり、そのような場合には手術療法が選択されることもあります。
手術で関節唇を縫合した場合は、術後に再生医療を行うことでより手術の治療効果が高まることが期待できます。
股関節唇損傷はどのくらいで治る?
股関節唇を損傷した場合、治療が完了し日常生活に戻るまではどの程度の期間を要するのでしょうか。
損傷の程度や治療法、患者様の年齢や体質などによっても治療期間は変わってきますが、軽症の場合は数週間から数ヶ月程度の保存療法を行いながら徐々に日常生活に復帰していきます。
一方、重度の損傷で手術療法が必要な場合には、1~2週間程度の入院の後、少なくとも数カ月のリハビリを継続する必要があります。
また、股関節の機能が回復し通常の生活に戻るためには、数ヶ月から1年程度のリハビリやトレーニング期間を要することもあります。
股関節の痛みでお悩みの方はイノルト整形外科まで
股関節に違和感や痛みがある場合、今回ご紹介した股関節唇損傷の可能性が考えられます。
しかし、これ以外にもさまざまな股関節の疾患があり、正確な診断を行うためには医療機関で精密検査を受ける必要があります。
また、症状や関節の状態によっても適切な治療法は異なり、特に今回ご紹介した体外衝撃波治療や再生医療、手術療法などは対応できる医療機関も限られています。
股関節の状態を正確に把握し、幅広い選択肢の中から自分に合った治療法を選びたいという場合には、イノルト整形外科へお気軽にご相談ください。
イノルト整形外科では関節専門外来を設置しており、痛みの原因を正確に診断し最適な治療法を提案させていただきます。
最新の検査機器や医療設備も完備しており、体外衝撃波治療や再生医療などにも対応できます。
関連記事:体外衝撃波治療の効果とデメリットは?|適応疾患や頻度についても解説
まとめ
股関節唇損傷は加齢や激しい運動、外傷などが原因で発症することが多く、痛みを放置しておくと関節が変形し可動域が制限される可能性もあります。
重症化を防ぐためにも、股関節に痛みや違和感がある場合には信頼できる医療機関を受診し早めに治療をスタートすることが大切です。
股関節唇損傷の治療法は理学療法士の施術や薬物療法、手術療法などが一般的ですが、近年では体外衝撃波治療や再生医療といった新たな治療法も確立されています。
幅広い選択肢の中から自分に合った治療法を選びたいという場合には、ぜひイノルト整形外科へご相談ください。
膝が痛い時の対処法は?やってはいけないことや受診のポイントを解説
膝の痛みは多くの人が抱える悩みであり、年齢や生活習慣、疾患などさまざまな原因が考えられます。
痛みがあるのに治療をせず放置しておくと重症化し、日常生活にさまざまな支障をきたす可能性も出てきます。
そこで本記事では、膝が痛い時にどういった対処をすれば良いのか、日常生活で注意すべき動作やセルフケア方法について詳しく解説します。
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膝が痛い時の対処法
膝に痛みがある場合、症状や膝の状態に合わせて正しい対処をとらないと悪化するおそれがあります。
対処法の見極めにあたって重要なのが、膝が熱をもっていたり腫れていないかという点です。
膝が熱を持っている・腫れている場合
スポーツや事故などによってケガをすると、膝の周辺を触ったときに熱っぽく感じたり、腫れたりすることがあります。
このような症状が見られる場合、炎症を起こしている可能性が高いため、まずは患部を安静にして冷やして炎症を鎮めることが重要です。
氷のうやアイスパックなどをタオルで包み、患部に当てて熱や腫れが引くまで様子を見ましょう。
ちなみに、氷のうやアイスパックを患部に直接長時間当ててしまうと凍傷の危険性があるため、必ずタオルなどに包んで使用してください。
膝に熱も腫れもない場合
膝に熱や腫れが見られず、慢性的な痛みが現れることもあります。このような場合には、膝の血行を高める必要があるため、患部を温めることが大切です。
膝を温めるためにはさまざまな方法がありますが、中でも効果的なのが入浴です。
局所的に膝を温めるよりも全身の血行が良くなり、痛みを緩和しやすくなります。
また、入浴しながら患部をマッサージすることで、筋肉がほぐれ、さらなる血行改善効果が期待できます。
関連記事:膝の痛みは自分で治せる?膝が痛む原因とセルフケア方法を解説
膝が痛む原因となる疾患
膝に激しい痛みが現れたり、慢性的な痛みが続く場合には、以下のような疾患の可能性も考えられます。
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減り、末期になると骨同士が直接接触するようになることで痛みや腫れが生じる疾患です。
加齢とともに膝関節への負担が徐々に蓄積していくことで発症するケースもあれば、運動のしすぎや体重の増加が原因で発症するケースもあります。
初期の段階では膝の違和感や軽い痛みが現れ、安静時には症状が収まることが多いですが、進行すると安静時にも痛みを感じるようになり、日常生活にも支障をきたすリスクがあります。
半月板損傷
半月板損傷とは、膝関節のクッションの役割を果たしている半月板という組織が損傷する疾患のことです。
スポーツや激しい動作によって、急な方向転換や転倒の際に発症することもありますが、中高年ではしゃがんだ立ったりくらいこ軽微な動作でも簡単に損傷してしまうことが多く、強い痛みを生じます。
軽度の半月板損傷であれば膝の軽い痛みや引っかかる感じやわずかな腫れを伴うことが多いですが、治療をせず放置しておくと重症化し激しい痛みを伴うこともあります。
関節リウマチ
関節リウマチとは、原因不明の免疫系の異常により関節の炎症が慢性的に続く自己免疫疾患です。
膝に限らず全身のさまざまな関節が炎症を起こしますが多くは手の指や手首に痛みや腫れ、こわばりなどの症状が見られます。
関節リウマチが発症する明確な原因は分かっていませんが、男性よりも女性の発症リスクが高いほか、遺伝的要因や喫煙や飲酒などの生活習慣も可能性のひとつとして考えられます。
なお、関節リウマチは進行すると関節が変形するリスクもあるため、早期の治療が大切です。
鵞足炎
鵞足炎(がそくえん)とは、膝の内側にある「鵞足」という組織に炎症が生じる疾患です。
ランニングやジャンプなど過度に負荷がかかることで発症することが多く、膝の内側に痛みや腫れが生じます。
また、安静時には痛みを感じなくても、歩行や膝の曲げ伸ばしなどの際に痛みが強くなるのも特徴です。
半月板損傷や変形性関節症と症状が似ているのでしばしば間違って診断されていることもあります。
その他の疾患
上記以外にも、外傷や膝の酷使によって滑液包が炎症を起こす滑液包炎や、尿酸値が高まることで発症する痛風、ピロリン酸カルシウムなどの結晶が原因で発症する偽痛風などの疾患も可能性として考えられます。
膝が痛い時にやってはいけないこと
膝に痛みが現れたとき、何気ない日常生活の動作が原因で重症化する可能性があります。どういったことに注意すべきなのでしょうか。
激しい運動・トレーニング
膝が痛い時に激しい運動やハードなトレーニングを行うと、症状が悪化する恐れがあるため安静を心がけることが大切です。
たとえば、長距離のジョギングやスクワットなど、ジャンプ動作の多いバスケットボールやバレーボールなどは膝への負担が大きいため避けましょう。
筋力を維持するためには適度な運動も必要ですが、医師や理学療法士の指導のもと安全にリハビリを行うことが重要です。
サイズの合わない靴を履く
サイズの合わない靴は無意識のうちに不自然な姿勢になり、膝に過度な負担がかかり痛みを悪化させる要因となります。
また、クッション性がない靴やヒールの高い靴も膝に衝撃がかかりやすいため、できるだけ避けましょう。
和式での生活環境
和式トイレの使用や正座など、和式の生活環境は膝にかかる負担が大きくなりがちで、痛みを悪化させる原因になります。
外出先では洋式トイレを使用したり、自宅の中では畳の上に正座ではなくテーブルと椅子を使用するなど、膝に無理な負担をかけない生活を心がけましょう。
重い物の上げ下げ
過度な負荷をかけた筋力トレーニングや力仕事など、重い物を持ち上げる動作は膝にかかる負担も大きく、無理をすると痛みが増すことがあります。
膝の痛みが落ち着くまではこのような動作は避け、トレーニングや仕事を再開する際においても、膝に負担をかけずに持ち上げるフォームを意識することが重要です。
具体的には、重量物を持ち上げる際には膝ではなく腰を中心に動かすよう意識し、無理な姿勢は避けるようにしましょう。
体を冷やす
慢性的な膝の痛みがある場合には、体を冷やすことで血行が悪くなり、症状が悪化することがあります。
そのため、できるだけ毎日湯船につかって体を温め、膝を重点的にマッサージして血行を改善するように心がけましょう。
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膝が痛い時に病院受診は必要?受診の目安とは
膝が痛いといっても症状には個人差があり、病院を受診すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
入浴で体を温めたり、マッサージをすることで一時的に症状を緩和することもできますが、根本的な治療をせずに放置しておくと状態が悪化し、変形性膝関節症などの疾患につながる可能性もあります。
このようなリスクを低減するためにも、以下のような症状・状態の方は早めに病院を受診することがおすすめです。
膝に熱や腫れが見られる
スポーツや事故な怪我によって膝を負傷し、熱や腫れが見られる場合、まずは応急処置として患部を冷やすことが大切です。
ただし、一時的に炎症は収まったとしても靭帯や骨などを負傷している可能性もあるため、できるだけ早めに病院を受診し精密検査を受ける必要があります。
慢性的に膝が痛い
慢性的な膝の痛みが現れる場合、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチ、痛風といった疾患の可能性もあります。
痛みの原因をはっきりさせないと治療法も疾患ごとに全く異なるため、まずは病院を受診し検査を受けることが大切です。
立ち上がるときや歩行時に膝が痛い
安静時には痛みを感じないものの、椅子から立ち上がるときや歩いているときに膝が痛い場合には、変形性膝関節症や滑液包炎などの初期症状が疑われます。
特に変形性膝関節症の場合、治療を放置しておくと関節そのものが変形し本来の機能を果たせなくなる可能性もあるため、早めに病院を受診し検査と治療をスタートする必要があるでしょう。
膝の痛みでお悩みの方はイノルト整形外科まで
上記の「膝が痛む原因となる疾患」でご紹介した疾患はあくまでも一例であり、これ以外にもさまざまな疾患が存在します。
膝の痛みを根本から解決するためには、精度の高い検査と専門医による正確な診断が不可欠です。
また、膝の状態や疾患によっても治療法は異なり、近年では痛みの少ない新たな治療法も確立されていますが、全ての整形外科クリニックが対応できるとは限りません。
イノルト整形外科では関節専門外来を設置しており、レントゲンや超音波、MRIといった高度な機器による精密検査が可能です。
また、多くの整形外科クリニックで用いられている薬物療法や装具療法のほか、理学療法士のリハビリ、再生医療や体外衝撃波治療といった最新の治療法にも対応。
患者様の状態や要望に応じて最適な治療方針を提案させていただきます。
まとめ
膝の痛みはさまざまな原因が考えられ、治療をせずに放置すると症状が悪化し日常生活にも支障をきたす可能性があります。
そのため、膝が痛い時には過度な負担をかける動作を避け、正しいケアや生活習慣の改善が必要です。
セルフケアとしては入浴やマッサージなどが効果的ですが、痛みが続く場合には早めに病院を受診し適切な治療を受けることも大切です。
膝の痛みは自分で治せる?膝が痛む原因とセルフケア方法を解説
治療の開始が遅れると重症化していき、変形性膝関節症や半月板損傷といった疾患につながる可能性もあるため、信頼できる整形外科クリニックに診てもらいましょう。
さまざまな関節の中でも膝関節は特に負担がかかりやすく、痛みを感じることが多い部位のひとつです。
しかし、痛みの原因はさまざまであり、症状の現れ方も個人差があります。
整形外科を受診したほうが良いか分からない、あるいは仕事が忙しく通院の時間が確保できないという方も多いでしょう。
そのような場合、膝の痛みは自分で治せるものなのでしょうか。
本記事では、膝の痛みに効くセルフケアの一例や、整形外科を受診すべき目安などを詳しくご紹介します。
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膝が痛む原因
膝に痛みが生じるのはさまざまな原因が考えられます。代表的な7つの原因をご紹介しましょう。
加齢
年齢を重ねると膝関節の軟骨が徐々に摩耗していきます。
軟骨はクッションの役割を果たしており、これが摩耗すると関節内で骨同士がこすれ、痛みや炎症が生じやすくなります。
また、加齢とともに筋力も低下しやすくなりますが、これによって膝関節を安定的に支えることが難しくなり、膝への負担が増大し痛みにつながることもあります。
膝の酷使
スポーツや力仕事で日常的に膝を酷使していると、関節に負担がかかり炎症や損傷が起こりやすくなります。
特に、ジャンプや階段の上り下りなどのように同じ動作を繰り返していると、軟骨や靭帯などの特定の部位にのみダメージが蓄積され、痛みが慢性化することもあります。
運動不足
運動のしすぎだけでなく、極端な運動不足も膝を痛める原因になることがあります。
膝を動かす頻度が少ないと、膝関節周辺の筋力が低下し関節への負担が増えていきます。
その結果、歩行や階段の上り下り、しゃがむといった日常の動作でも膝への負担が大きくなり、痛みを引き起こしやすくなります。
肥満
膝関節に過度な負担がかかる原因になりがちなのが、体重の増加です。
膝関節は体重を支える重要な役割を果たしており、特に歩行や階段の上り下りなどの際に負担がかかります。
体重が増えるほど膝関節にかかる負担も大きくなり、同じ運動量でも早いペースで軟骨がすり減っていき、痛みを感じやすくなるのです。
O脚やX脚
O脚やX脚といった脚の変形は、膝関節に不均等な負担をかける原因になります。
その結果、O脚なら膝の内側、X脚なら膝の外側の軟骨が磨耗しやすくなり、痛みはもちろんのこと関節そのものが変形が進行するリスクも高まります。
合わない靴の着用
足の形やサイズに合わない靴を履いていると、無意識のうちに膝関節をかばうような歩き方になります。
これが長期間続くと、膝関節の一部分にのみ負担が集中し痛みが生じやすくなります。
変形性膝関節症・半月板損傷
膝の違和感や痛みを放置しておくと、半月板損傷や軟骨損傷から変形性膝関節症を発症しさらに強い痛みを引き起こしたり、最悪の場合歩行が困難になるほど重症化するおそれもあります。
また、スポーツや事故などによって膝に外傷を負うと、それが原因で半月板が損傷し強い膝の痛みを引き起こすこともあります。
膝の痛みは自分で治せる?セルフケア方法
膝の痛みが軽度であれば、適切な処置を施すことで症状を緩和できる可能性もあります。代表的なセルフケアの方法をご紹介しましょう。
安静にする
膝に違和感や痛みがある場合には、無理に動かさず痛みが引くまで安静にすることが大切です。
痛みを我慢して激しい運動や力仕事をすると、膝にさらなる負担がかかり症状を悪化させる可能性があります。
日常生活の範囲内での歩行程度であれば問題ありませんが、長時間のウォーキングや体重を掛ける筋力トレーニング、力仕事などは避けましょう。
ただし、下肢の筋力は落とさない方が良いので、体重を掛けないで行う筋力トレーニングは必要です。
ストレッチ
膝関節の安定感を保つために、重要な役割を果たしているのが太ももの筋肉です。
ストレッチを行うことで太ももから膝にかけての筋肉が伸ばされ、膝関節に掛かる負担を軽減し痛みの改善に役立ちます。
マッサージ
ストレッチと合わせてマッサージも行うことで筋肉が柔らかくなり、膝関節の安定感を保てるようになります。
- 床に座った状態で足を伸ばす
- 膝関節から太ももにかけて、手のひらで押し込むようにマッサージをする
- 痛みを感じる場所は力を入れすぎず、心地よいと感じる程度に押す
筋トレ
安静にしている時間が長いと膝まわりの筋力が低下し、体重を支えきれなくなることもあります。
痛みが引いてきたら少しずつトレーニングを行い、筋力アップを目指しましょう。
膝の痛みは自分で治せる?おすすめの運動
膝の痛みを軽減するためにはセルフケアが有効ですが、基本として押さえておきたい運動やストレッチの手順をご紹介しましょう。
太ももの筋力を鍛える運動
先述の通り、膝関節は太ももの筋肉によって支えられているため、痛みの予防・軽減には大腿四頭筋や中殿筋を鍛えるトレーニングが効果的です。
大腿四頭筋のトレーニング
- 仰向けになる
- 膝の下に枕を置く
- 膝の裏側を下に押し込むように力を入れる
中殿筋のトレーニング
- 横向きに寝る
- 上の足(右方向に寝た場合は左足)を伸ばした状態でゆっくり上げる
- ゆっくり下ろす
いずれのトレーニングも横になった状態で行えるため、体重によって膝に過度な負担をかけることなく筋力アップが可能です。
膝の曲げ伸ばしのストレッチ
筋肉が低下したり柔軟性が失われたりすると、膝関節の安定性が失われ痛みが悪化します。
そこで、膝のストレッチを習慣づけることも痛みの軽減につながります。
膝のストレッチ
- 床に座る
- 片側の足を伸ばした状態で反対側の足は曲げる
- 曲げた足を両手で抱え、手前にゆっくりと引き寄せる
- 左右の足を替えて同様に行う
お皿のストレッチ
運動の習慣がない方が急に運動を始めると、膝の靭帯や筋肉を痛める原因になります。そこで、膝の皿とよばれる膝蓋骨周辺のストレッチも効果的です。
- 椅子に座った状態で足を伸ばし、足の力を抜く
- 両手の親指で膝の皿周辺を上下左右に動かす
- 左右の足を替えて同様に行う
日常でできる膝の痛みを予防する方法
普段の何気ない生活習慣が膝の痛みを悪化させる原因になっていることも少なくありません。日常生活のなかでできる対策をいくつかご紹介しましょう。
歩き方を見直す
人によっては歩き方の癖がついていることもありますが、たとえば猫背や前かがみの姿勢になりすぎているとバランスが崩れ、膝にも大きな負担がかかります。
そのため、まずは正しい歩き方を意識してみましょう。
正しい歩き方のポイント
- 背筋を伸ばし、あごを引いて歩く
- 視線は5m先の地面を見るイメージ
- 適度な歩幅を維持する(着地時に膝が軽く曲がる程度)
- かかと→親指の付け根→つま先 の順番で体重を移動させるよう意識する
- 足の動きに合わせて腕を振る
肥満を予防
体重が増加することで膝にかかる負担が増大し、関節を痛める直接的な原因になり得ます。
また、体重が増加すると体が重く感じ、徒歩や階段の上り下りなどの日常的な運動も敬遠しがちになります。
その結果、さらなる体重の増加を招き膝への負担も増大するという悪循環に陥ってしまいます。
このような事態を防ぐためにも、摂取カロリーを考えた食事を心がけるなどして肥満を予防しましょう。
適度な運動
運動不足に陥ると筋力が低下し、膝関節の安定性が失われます。また、先述した肥満にも直結し、膝への負担が増大する原因にもなりかねません。
運動の習慣がない方の場合、いきなり長距離のウォーキングやジョギングは辛く感じてしまうものです。
そのため、まずは無理のない範囲でスタートし、少しずつ距離を伸ばしていきましょう。
また、膝の痛みで歩いたり走ったりが難しい場合には、水泳や自転車をこぐマシーンのように膝に負担がかからない運動を試してみるのもおすすめです。
過度な運動は避ける
運動によって筋力を維持することは重要ですが、ハードなトレーニングは膝への負担が増大し逆効果になる危険もあります。
特に、重いものを持った状態での膝の曲げ伸ばしや、ジャンプ動作の繰り返しなどは膝への負担が大きいため注意しましょう。
関連記事:膝の痛みの場所別原因まとめ|突然ズキズキ痛むのは危険?
膝の痛みで整形外科を受診する目安
一口に膝の痛みといっても、症状の程度や状態はさまざまです。
たとえば、一時的な痛みや軽度の痛み、膝の違和感などが見られる場合には、今回ご紹介したセルフケアで改善できる可能性もあるでしょう。
しかし、外傷によって膝に強い痛みを感じる場合や、セルフケアをしても痛みが緩和せず悪化している場合などは、変形性膝関節症や半月板損傷などを発症している可能性もあるため、早急に整形外科を受診することがおすすめです。
また、セルフケアによって一時的に症状は改善したものの、日数が経過すると再び症状が現れるような場合においても、整形外科を受診することで再発を防げるようになります。
膝の痛みでお悩みの方はイノルト整形外科まで
膝関節の痛みはさまざまな原因が考えられるため、高度な検査機器や設備が充実した信頼できる整形外科を選ぶことが大切です。
膝関節の治療といえば、従来は薬物療法や物理療法、装具療法などが定番でしたが、近年では医療技術の発達により再生医療や体外衝撃波治療といった新しい治療法も登場しています。
幅広い選択肢の中から自分に合った治療法を選ぶという意味でも、これらに対応できる整形外科が理想的といえるでしょう。
イノルト整形外科では関節専門外来を設置しており、患者様の状態や要望に応じて上記でご紹介した幅広い治療法の中から最適なプランをご提案させていただきます。
「他院で治療を受けたものの、痛みが引かない」「早期回復が期待できる治療法を選択したい」とお考えの方は、まずはイノルト整形外科までお気軽にご相談ください。
関連記事:膝の裏が痛い!「ピキッ」という鋭い痛みの原因や治し方を解説
まとめ
膝の痛みの現れ方はさまざまで、特に症状が軽度の場合自分で治したいと考える方も多いでしょう。
ストレッチやマッサージなどさまざまなセルフケアの方法はありますが、これらを行っても症状が改善しない場合には早めに整形外科を受診することがおすすめです。
治療の開始が遅れると重症化していき、変形性膝関節症や半月板損傷といった疾患につながる可能性もあるため、信頼できる整形外科クリニックに診てもらいましょう。
