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膝関節のMRI検査でわかること|所要時間や痛みから診断される病気を解説

※本記事は、整形外科専門医・イノルト整形外科 統括院長 渡邉順哉医師の監修のもと執筆しています。

膝関節のMRI検査でわかること|所要時間や痛みから診断される病気を解説

「膝が痛くてレントゲンを撮ったけれど、異常なしと言われた」

「ずっと痛みが引かないので、詳しく調べたい」

そんなとき、医師から提案される検査の一つが「MRI検査」です。

MRI検査は膝の状態を正確に調べることのできる優れた検査機器ですが、レントゲンとの違いや、どのような病気に適しているのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、膝関節のMRI検査の役割から、診断される病気、検査の流れまでをわかりやすく解説します。

膝関節へのMRI検査の役割

MRIは、強力な磁石と電波を利用して、身体の断面を画像化する検査です。

最大の特徴は、レントゲンでは写し出すことが難しい「骨以外の柔らかい組織」も鮮明に捉えられる点にあります。

膝関節のMRI検査でわかること

MRI検査を行うと、以下のような状態を詳しく把握できます。

  • 軟部組織の損傷:
    レントゲンでは写らない「半月板」「靭帯」「軟骨」「筋肉」の状態がわかる
  • 炎症や水腫:
    関節内にどれくらい水(関節液)が溜まっているか、どこで炎症が起きているかを可視化できる
  • 骨の内部状態:
    骨の表面だけでなく、内部の「骨挫傷(骨のむくみ)」や「壊死」など、微細な変化も捉えられる

「レントゲン検査」との違い

レントゲン検査は、主に「骨の形や並び、隙間の広さ」を確認するのに適しており、どこの整形外科でも低い検査費用で簡易的に検査ができ、即結果が出るのがメリットです。

一方で、MRIはレントゲンでは判断できない「骨以外の組織」の損傷を詳細に見ることに長けています

診断の精度がレントゲン検査のみの場合と比べると大幅に高まるため、多くの場合は、両方の検査を組み合わせて総合的に診断することが重要です。

MRI検査で診断される主な膝の病気

MRIの検査をすることで、理学療法士の施術や再生医療手術や手術など、今後の治療方針が明確になります。

半月板損傷

膝のクッションの役割を果たす「半月板」の亀裂や断裂を診断します。

放置すると関節軟骨を傷める原因になるため、MRIによる早期発見が非常に重要です。

関連記事:半月板損傷の軽度な場合について治療について解説|手術しないで治すことは可能か?

膝靭帯損傷

関節を支える「靭帯」が損傷していないかを調べます。

膝の代表的な靭帯損傷は、前十字靭帯、内側側副靭帯損傷、外側側副靭帯損傷、後十字靭帯損傷、膝蓋靭帯損傷、内側膝蓋大腿靭帯損傷が挙げられます。

MRI検査では損傷しているのか診断し、手術治療もしくは手術以外の保存治療など最適な治療法を決定します。

変形性膝関節症(軟骨損傷)

レントゲンでは変形性膝関節症はあまり疑えないでも、MRI検査では、軟骨が剥がれたり欠けたりした範囲や深さをミリ単位で特定可能なため、部分的な軟骨の損傷を診断することが可能です。

軟骨は一度失われると自然再生が難しいため、欠損が広がる前に再生医療や理学療法士の治療を検討することが大切です。

早期に発見して再生医療や理学療法士による治療を始めることで、変形性膝関節症の進行予防が期待できます。 

関連記事:変形性膝関節症の治し方|手術や薬と筋力トレーニング・再生医療も解説

関連記事:【医師監修】膝の軟骨がすり減る原因とは?病名と治療法・予防策も解説

特発性大腿骨顆部壊死

膝の骨の一部に血が通わなくなることで、腐って膝痛を引き起こす病気です。

レントゲンに写らないごく初期の壊死を発見できる唯一の手段がMRIであり、早期発見できれば手術を回避できる可能性が高まります。

骨挫傷

膝の軟骨損傷から軟骨が膝に掛かる負担を吸収できなくなると、骨が浮腫んで傷んだ状態になり、MRIで明確に骨に異常を認められる、MRI検査なくしては診断は付かない病気です。

変形性膝関節症や半月板損傷、靭帯損傷に伴い骨挫傷を併発することが多く、骨挫傷があり痛みが強い場合は変形性膝関節症は休息に進行しやすい場合があります。

理学療法士の治療により骨挫傷の部位に負担を掛けないような身体の使い方に変えること、さらには集束型体外衝撃波治療や再生医療が骨挫傷には有効となります。

軟骨下骨折

MRI検査の結果は骨挫傷に似ていますが、こちらは原因の一つに骨が脆くなる病気である骨粗鬆症があることで、しゃがんだり、階段の上り下りの日常動作程度で膝の骨の一部が潰れる病気になり、MRIでしか見つけることができません。

腰椎と大腿骨の骨密度検査など骨粗鬆症の検査、および治療が必要になることに加え、理学療法士の治療により軟骨下骨折の部分に負担を掛けないように、膝の使い方や筋力や柔軟性などの調整も大事になります。

膝関節のMRI検査までの流れ

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、段階的な検査を行い、より高度な診断が必要な場合にはスムーズにMRIへの案内を行っております。

基本検査(レントゲン検査 + エコー検査)

まずはイノルト整形外科では、通常のレントゲン検査を行い、大まかな骨の状態に異常がないかを診断します。

必要に応じて、筋肉などの異常や炎症などで膝に液体が溜まっていることが疑われる場合は、超音波(エコー)検査も行います。

MRI検査の必要性の判断

レントゲンや超音波(エコー)検査において、上記2で解説した病気ではないと否定できる場合を除き、MRI検査にて詳細に調べることが大事になります。

医師から提案を受けなかった場合も、膝関節内の病気が疑われる場合は、積極的に検査を希望しましょう。

専門機関への予約

当院を含め多くの整形外科クリニックでは、理学療法士などのリハビリ治療のスペース確保を優先するため、MRI検査機を設置していません。

MRI検査が必要なときは、初診当日でもMRI検査が可能な患者様が受診しやすい立地、かつ早期検査が可能な医療機関へ紹介します。

先方の空き状況にもよりますが、最短で当日中に撮影を行うことが可能です。

※総合病院や一部のクリニックなどMRI検査機を設置している医療機関の場合、保険診療の制度により原則初診日はMRI検査を受けることができず、2回目以降の受診時での検査になります。

※通常のMRI検査機は、閉所恐怖症の方の場合は検査を受けるのが難しいことが多く、閉所恐怖症の方でも検査可能なオープン型MRI検査機での検査を受けることができる医療機関への紹介を希望する必要があります。

MRI室での撮影

提携施設にて、全所要時間1時間程度で、撮影時間は20~30分ほど横になって撮影を行います。

痛みはありませんが、撮影中は大きな音がするため耳栓などを着用することが多いです。

費用は検査機によりますが、3割負担で1万円程度です。

整形外科での結果説明

撮影データは速やかに読影され、当院の医師がMRI結果も含め現在の膝の状況と今後の最適な治療計画について解説いたします。

膝関節の詳しい診断ならイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックまでご相談ください

「他院では異常なしと言われたけれど、まだ膝が痛む」「自分の膝がどうなっているのか詳しく知りたい」という方は、ぜひイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックまでご相談ください。

当院では、MRI検査のデータに基づいた精密な診断はもちろん、その後の理学療法士の施術や再生医療など、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療をご提案しております。

オンラインでのご予約やご相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

膝関節のMRI検査は、レントゲンやエコー検査では診断できない「痛みの正体」を明らかにするための大切な検査です。

膝の半月板・靭帯・軟骨・骨の損傷を早期に見つけて、適切な治療を選んでいくことが、今後の膝の痛みに悩まされない日々を守ることにつながります。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、提携機関と連携しながらスピーディなMRI検査とより正確な診断を目指しております。

一人で痛みを悩み我慢することなく、整形外科専門医と一緒に原因を突き止め、最適な治療を始めていきましょう。

この記事の監修医師

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長
渡邉 順哉

経歴

  • 平成16年 鎌倉学園高等学校卒
  • 平成23年 東邦大学 医学部卒
  • 平成23年 横浜医療センター 初期臨床研修
  • 平成25年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
  • 平成26年 神奈川県立汐見台病院 整形外科
  • 平成28年 平成横浜病院 整形外科医長
  • 平成30年 渡辺整形外科 副院長
  • 令和元年 藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
  • 令和6年  イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 統括院長