【専門医監修】膝の軟骨がすり減る原因とは?病名と治療法・予防策も解説
※本記事は、整形外科専門医・イノルト整形外科 統括院長 渡邉順哉医師の監修のもと執筆しています。

「最近、階段の昇り降りで膝がパキパキ鳴る」
「立ち上がるときに膝に違和感がある」
こうした症状がある場合、膝の内部では軟骨がすり減り始めているかもしれません。
軟骨は膝のスムーズな動きを支える大切な役割を担っていますが、一度すり減ってしまうと自然に元に戻ることはないため、大切にしなければならない組織の一つです。
この記事では、なぜ膝の軟骨がすり減ってしまうのかといった原因から、悪化を防ぐための予防策、そして最新の治療まで詳しく解説します。
Contents
膝の軟骨がすり減る主な原因
膝の軟骨は、日常生活に隠れたさまざまな要因によって少しずつすり減ってしまうことがあります。
加齢による軟骨の経年劣化
年齢を重ねると、軟骨に含まれる水分や弾力性が少しずつ失われ、硬くなっていきます。
硬くなった軟骨は衝撃を吸収しにくく、摩擦によって摩耗しやすくなります。
特に40代後半からそのリスクが高まり、50~60代の方は特に注意が必要です。
肥満・重労働による膝への負荷
歩くとき、膝には体重の約3~4倍の負荷がかかるといわれています。
体重が増加すると、その分だけ軟骨は物理的に押しつぶされるような負担を受けています。
BMIが高い方や、仕事で重い荷物を持つ機会の多い方は、軟骨の摩耗スピードも速まりやすいでしょう。
過去の怪我による関節への影響
過去にスポーツなどで膝の軟骨損傷や靭帯損傷や半月板損傷などを経験したことのある方は要注意です。
怪我によって、このような関節の内部が損傷すると、数年~数十年後に軟骨のすり減りが進行する原因になります。
O脚・X脚など骨格の歪み
O脚やX脚など脚の骨格によって荷重のバランスが崩れると、膝の内側だけ、あるいは外側だけに負担が集中してしまい、その結果負担が集中した側の軟骨がすり減ります。
靴の底のすり減り方が内側と外側とで極端に偏っている方は、内外どちらかの軟骨が局所的にすり減っている可能性があります。
筋力の低下と生活習慣
膝関節と密接な関係がある「大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)」が衰えると、歩行時の衝撃を筋肉が吸収できず、ダイレクトに軟骨へと伝わってしまいます。
運動習慣がない方や、日常的に高いヒールを履く方なども、膝への負担が蓄積しやすい傾向にあります。
膝の軟骨のすり減りを放置するとどうなる?
軟骨がすり減り、関節内で炎症が起きて痛みを生じる状態を「変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)」と呼びます。
放置すると、症状は以下のように進行していきます。
- 初期:起床時や立ち上がりなど「動き始め」にだけ膝が痛む
- 中期:階段の上り下りがつらくなり、膝に水が溜まる、音が鳴る
- 末期:安静にしていても痛み、軟骨が消失して骨同士がぶつかり合う
関連記事:変形性膝関節症の症状|痛みの特徴など初期症状のセルフチェック
関連記事:両ひざの変形性膝関節症の特徴|診断基準や進行を防ぐためのポイントとは?
すり減った軟骨は元通りに治る?
一度すり減ってしまった軟骨は、自然に元通りになったり再生したりすることはありません。
これは、軟骨には神経や血管がほとんど通っておらず、自己修復機能が極めて低い組織のためです。
「グルコサミンやコンドロイチンを飲めば軟骨が増える」と期待される方も多いですが、サプリメントの摂取だけで軟骨が再生するという医学的根拠は現時点では存在しません。
自己判断で放置せず、膝や関節の専門医のもとで「進行を食い止める治療」を始めることが重要です。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、今残っている軟骨を守り、膝の寿命を延ばしていく治療を行っております。
「もう元に戻らないなら仕方ない」と諦める前に、進行を食い止め、痛みのない生活を取り戻すことが大事になります。
関連記事:膝の痛みで病院に行くタイミングとは?治療と再発予防のポイントを解説
軟骨のすり減りを予防する方法
これ以上軟骨が摩耗するのを防ぎ、今の状態を長持ちさせるためには、日々のセルフケアも重要です。
- 適正体重の維持:
膝への物理的な負荷を減らすことが、もっとも直接的な予防策になります。 - 大腿四頭筋のトレーニング:
無理のない運動で膝周辺の筋肉を鍛えることで軟骨への直接的な負担を減らします。 - ストレッチ:
- 関節周辺や膝を支える筋肉を柔軟に保つことで、負荷が膝の一部に集中しないようにします。
関連記事:【簡単】変形性膝関節症の運動療法|自宅でできる筋トレメニューを紹介
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックによる膝の痛みに対する治療法
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、自身の細胞や組織を活用して自然な治癒力を引き出す「再生医療」や「集束型体外衝撃波治療」および「理学療法士によるパーソナル治療」を提供しています。
手術を避けたい方にとって、再生医療は安全性が高く、長期的かつ効果的な改善が期待できる画期的な治療の選択肢となります。
関連記事:変形性膝関節症に効く再生医療はどれ?費用や保険適用についても解説
再生医療および類似治療
①幹細胞治療
患者様ご自身の脂肪組織から採取した「幹細胞」を専用の培養施設で約1か月培養し幹細胞を数個から1億個程度まで増やし、関節内に戻す再生医療の一種です。
注入された大量の幹細胞は、数か月かけてさまざまな成長因子を放出し続け、損傷した軟骨などの組織修復を促します。
費用が高くなりやすい傾向にありますが、痛みの大幅な改善と高い治療効果、そして将来の人工関節手術を防ぐなどの効果が期待できます。
②成長因子療法
ご自身の血液から、組織修復や抗炎症作用のある「成長因子」のみを抽出・濃縮する治療で、再生医療類似治療になります。
従来のPRP(多血小板血漿)療法を進化させたもので、副作用の原因となる血小板の殻を取り除き、高濃度の成長因子をフリーズドライ化して使用します。
従来の方法よりも痛みや腫れといった副作用が少なく、フリーズドライ化することで長期保存も可能なため、体調の良いタイミングを待って治療できる点がメリットです。
③幹細胞上清液(エクソソーム)
幹細胞を培養する際にできる「上澄み(上清液)」を活用した治療法で、こちらも再生医療の類似治療です。
幹細胞治療の最大のデメリットである「費用の高さ」を抑えつつ、成長因子療法に引けを取らない関節痛の改善効果が期待されています。
他人の臍帯血(赤ちゃんのへその緒)や骨髄(骨の内部の組織)などから作られ、近年世界中で普及しているコストパフォーマンスに優れた方法です。
集束型体外衝撃波治療
こちらは再生医療ではありませんが、膝の痛みや炎症に対して用いることの多い治療として近年注目されている方法です。
高エネルギーの衝撃波を外部から膝に当てることで、組織や細胞に刺激を与え、疼痛や炎症を強力に取り除く効果が期待できます。
再生医療と同時期に併用することで、より効果の向上が期待できることから、当院でも積極的に導入しております。
理学療法士のパーソナル治療
再生医療や集束型体外衝撃波治療といった新しい医療を行っても、膝を悪くしてしまう根本原因が残っているままのことがほとんどです。
根本的に痛みを取り除くことはできず、治療の効果が不十分であったり、また短期間で痛みが再発してしまう可能性が高くなります。
したがって、理学療法士の個別的な治療を受けて膝を傷めてしまう原因を改善していくことがとても重要になってきます。
具体的には、固くなってしまっている筋肉をほぐしたり、悪くなった姿勢を正したり、弱くなってしまっている筋力を取り戻したりすることで、膝を傷めにくい身体に変えていきます。
軟骨がすり減って痛むときはイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックまでご相談ください
「もう歳だから仕方ない」「サプリメントを飲んでいるから大丈夫」といった諦めや過信は、将来膝の状態や痛みを悪化させてしまうことになりかねません。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、現在の膝の状態を正確に診断し、問診・触診およびレントゲン・エコー・MRI検査などを行い正確に診断に診断し、患者様一人ひとりに合ったより良い治療法をご提案しております。
何歳になっても自分の足で歩き続けるために、まずは一度イノルト整形外科痛みと骨粗鬆症クリニックを受診してみませんか?
ご相談やご予約は、オンラインでも承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
膝の軟骨がすり減る原因は、加齢・肥満・筋力低下など多岐にわたります。
一度失われた軟骨は元に戻ることはありませんが、新しい治療法、特に再生医療の分野では「進行を遅らせて痛みをコントロールする」ための選択肢が多数用意されています。
大切なのは、軟骨の擦り減りが末期になる前に、適切な治療を始めることです。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックを一度受診して、何歳になっても歩き続けることのできる膝を取り戻しませんか。
この記事の監修医師
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長
渡邉 順哉
経歴
- 平成16年 鎌倉学園高等学校卒
- 平成23年 東邦大学 医学部卒
- 平成23年 横浜医療センター 初期臨床研修
- 平成25年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
- 平成26年 神奈川県立汐見台病院 整形外科
- 平成28年 平成横浜病院 整形外科医長
- 平成30年 渡辺整形外科 副院長
- 令和元年 藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
- 令和6年 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 統括院長
