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変形性膝関節症の主な原因は?女性に多い理由や若年層の発症についても解説

加齢や体重の増加などによって膝に痛みが現れた場合、変形性膝関節症を発症している可能性が考えられます。

一般的に変形性膝関節症は高齢者に多い疾患といわれていますが、20代や30代といった若年層も発症するケースはあります。

また、男性に比べて女性の発症割合も高く、気になる症状が現れた場合には早めに治療をスタートさせることも大切です。

本記事では、変形性膝関節症の主な発症原因について詳しく解説していきます。

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変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで関節内に炎症や痛みが現れる疾患です。

ヒトの関節内部には滑膜とよばれる組織があり、関節のスムーズな動きをサポートしています。

しかし、軟骨がすり減ると、その破片の一部が滑膜を刺激し、これが原因で滑膜が炎症を起こし、その結果を引き起こします。

また、炎症が長期化すると骨に骨棘(こつきょく)という棘(とげ)が徐々にできてきて、これらがまた滑膜を刺激することで炎症が悪化するという負のスパイラルが起きやすくなります。

ただし、変形性膝関節症ははじめから激しい痛みを伴うとは限らず、特に初期段階では軽い違和感を覚える程度というケースも少なくありません。

しかし、正しい治療を行うことなく長期間放置しておくと、歩行が困難になるほど激しい痛みが生じたり、膝関節の形が変形し曲げ伸ばしが困難になることもあるのです。

関連記事:変形性膝関節症の治し方とは|痛いのに放っておくとどうなる?

変形性膝関節症の主な原因

変形性膝関節症が発症する直接的な原因は膝関節の軟骨がすり減ることですが、その引き金となる要因は何なのでしょうか。代表的な原因をご紹介します。

加齢

年齢を重ねていくと、長い歳月をかけて関節にかかる負担が徐々に蓄積されていき、軟骨もすり減っていきます。

その結果、激しいスポーツや重労働をしていなかったとしても変形性膝関節症を発症するリスクが自然と高まっていくのです。

筋力の低下

加齢はもちろんのこと、運動の習慣がなかったり、長期の入院などで体を動かす機会が極端に減ってしまうと筋力が低下していきます。

その結果、膝関節の安定を保てなくなり、関節に無理な力が加わることで軟骨が摩耗し変形性膝関節症を発症しやすくなります。

体重過多

体重が増加すると膝にかかる負担も増大し、体重を支えきれなくなります。

また、運動不足が続くと体重は増加しているのに筋力は低下し、膝関節にかかる負担はさらに大きくなります。

このような理由から、肥満体型の人ほど変形性膝関節症の発症リスクは高い傾向にあります。

O脚・X脚

直立の姿勢をとったとき、通常であれば太ももから膝、つま先にかけて僅かにX脚になっているのが正常になります。

しかし、生まれつきの骨格や筋力低下、ケガの後遺症など、さまざまな原因によってO脚やX脚になることもあります。

その結果、膝関節の一部に負荷が偏ってしまい内側もしくは外側の変形性膝関節症の発症原因となります。

日本人の場合ほとんどのケースで、O脚になりがちなので内側の変形性膝関節症に悩まされることになります。

事故やスポーツによる損傷

交通事故やスポーツなどによって外傷を負った場合、膝関節の靱帯や半月板や軟骨が損傷され、若くして変形性膝関節症を発症してしまうことがあります。

また、ケガを治療し一時的に痛みはなくなったとしても、軟骨や半月板や靱帯の損傷は修復しておらず、しばらく期間が経過した後に変形性膝関節症を発症するケースも少なくありません。

変形性膝関節症の患者数に女性が多い理由

変形性膝関節症は男性に比べて女性が発症する傾向が見られますが、それはなぜなのでしょうか。考えられる2つの原因について解説します。

女性ホルモンの影響

女性の場合、エストロゲンとよばれる女性ホルモンの一種が軟骨の保護に重要な役割を果たしています。

しかし、閉経を迎える50代頃になるとエストロゲンの分泌量は大幅に減少します。

それに伴い関節軟骨などの保護機能の低下が要因の一つで、これにより膝関節の機能が低下し変形性膝関節症を発症しやすくなると考えられています。

筋肉量

筋肉は関節の安定性を高める重要な役割を果たしていますが、もともと女性は男性にくらべて筋肉量が少ない傾向にあります。

筋力がさらに低下することにより膝関節の安定性が失われ、変形性膝関節症を発症しやすくなるのです。

変形性膝関節症は若い人でも発症する?原因は?

変形性膝関節症は若年層よりも中高年者の発症割合が高いですが、20代や30代でも発症するケースはゼロではありません。

たとえば、発症原因としてご紹介したスポーツや事故によるケガに加え、体重過多に陥ると、膝関節が体重を支えきれなくなり変形性膝関節症を発症するリスクが急激に高まります。

また、遺伝的なO脚やX脚が原因となり、それが変形性膝関節症を発症する引き金になることもあるでしょう。

この他にも、激しいスポーツや肉体労働など膝にかかる大きな負担が原因になることも少なくありません。

関連記事:変形性股関節症の治し方はある?やってはいけないことや負担をかけない寝方を紹介

変形性膝関節症の症状

一口に変形性膝関節症といっても、疾患の進行度によっても現れる症状はわずかに異なります。

今回は、初期段階に見られる症状から末期に至るまでの症状に分けてご紹介しましょう。

初期症状

変形性膝関節症の発症間もない初期段階では、以下のような症状が多く見られます。

  • 膝の違和感(突っかかり感・突っ張り感)
  • 立ち上がったときの軽い痛み など

 

一時的な痛みを感じたとしても時間が経過すれば症状が緩和されるため、初期段階では日常生活に支障をきたすほどではありません。

また、特に痛みは感じず膝の違和感が現れるというケースも多くあります。

中期症状

初期症状が現れた後、特に治療をせずに放置しておくと、以下のような中期症状が現れることがあります。

  • しゃがんだり、立ったりする時に膝が痛む
  • 階段の上り下りで明らかに痛い
  • 正座が痛みでしにくい など

 

さまざまな動作に痛みを伴うようになり、日常生活にも少しずつ影響が出始めるのが中期段階です。

また、関節内に水が溜まることで膝を曲げたときに強いハリを感じるようになります。

その結果、可動域が制限され正座ができなかったり、足の曲げ伸ばしが辛く感じるようになります。

末期症状

自覚症状があるにもかかわらず、長期間にわたって変形性膝関節症の治療をせず放置しておくと以下のような末期症状が現れることもあります。

  • 通常の歩行や階段の上り下りができない
  • 膝関節の変形(顕著なO脚またはX脚)
  • 膝を伸ばせない、曲げられない

 

末期の状態になると、自力での歩行が困難になるなど日常生活がままならないことも少なくありません。

変形性膝関節症の治療方法

変形性膝関節症を発症した場合、症状の程度や進行状況によってさまざまな治療法が選択されます。代表的な治療法をいくつかご紹介しましょう。

薬物療法

強い痛みや炎症が見られる場合には、症状を軽減するために痛み止めの飲み薬や湿布などの外用薬やステロイド注射などが使用されます。

ただし、最近ではステロイドは長期的なデメリットや糖尿病などの副作用の問題であまり膝関節には打つことは推奨されていません。

また、比較的軽い症状であれば、膝関節内にヒアルロン酸を注入することで関節の滑らかな動きをサポートし、症状を緩和できる場合もあります。

理学療法士によるリハビリテーション

多くの場合、筋力や柔軟性の低下、姿勢の悪化を伴う関節の機能の低下を認めるため、理学療法士によるリハビリテーションを行うことで筋力を強化し、関節の安定性を取り戻すことができます。

特に膝に強い痛みがあると、自然と膝をかばうような動作をとるため筋力が低下したり姿勢が悪くなったりしやすくなります。

膝関節へ無理な負担をかけずに筋力をつけるためにも、リハビリテーションは基本的な治療法のひとつといえます。

体外衝撃波治療

体外衝撃波治療とは、衝撃波というエネルギー波を患部に照射することで、損傷した組織の修復を促し痛みや炎症を強力に改善しやすい治療法です。

手術のように入院やリハビリの必要がなく、施術時間も短いため患者様の身体的負担は少なくて済みます。

本来の体外衝撃波治療とは集束型の治療器をいい、比較的普及している拡散型の治療器は正式には圧力波治療器といい、正確には体外衝撃波治療とは異なります。

集束型も拡散型も、整形外科における治療法としては比較的新しく、専用の治療機器や設備も必要なため対応できるクリニックはごく一部に限られています。

モヤモヤ血管治療

モヤモヤ血管治療とは、変形性膝関節症により炎症が起きている炎症由来の細い動脈に薬剤を流すことで炎症を起こしている血管を詰まらせ、炎症に伴う痛みの大幅な緩和を期待できます。

血管の選定や細い血管内へのエコーを見ながらの注射は整形外科医でもごく一部の医師しかできない技術になりますので、医療機関の選択はとても重要なものになります。

ハイドロリリース治療

ハイドロリリースとは筋膜リリースともよばれ、薬液を注入し癒着した筋膜を剥がす治療法です。

痛みやコリなどを緩和する治療法として注目されており、変形性膝関節症においては筋筋膜性の痛みが見られる場合に顕著な改善効果が期待できます。

なお、ハイドロリリース治療はエコー画像を確認しながら筋膜の癒着部位を見極める必要があるため、治療実績やノウハウが豊富なクリニックを選ぶことが大切です。

再生医療

最新の治療法として近年注目されているのが再生医療です。

患者様から取り出した血液や脂肪に含まれる組織を培養する幹細胞治療、もしくは血液中の組織を修復させる物質を抽出するPRP療法・成長因子療法、それを患部に注入することで損傷した部位の再生を図る治療法です。

幹細胞治療やPRP療法などさまざまな治療法があり、いずれも最小限の通院で済むため日常生活への影響もほとんどありません。

ただし、再生医療には専門的な知見とノウハウが求められることもあり、対応できるクリニックも一部に限られています。

また、基本的には再生医療は自由診療となるため健康保険が適用されず、治療費も保険診療と比べると高額になります。

手術療法

変形性膝関節症が重症化し軟骨が著しく損傷している場合や、他の治療方法で満足のいく結果が得られない場合には手術が選択されることがあります。

変形性膝関節症の程度や年齢に合わせて、骨切り術もしくは人工膝関節置換術などの方法があり、入院やリハビリ期間は必要であるものの優れた治療効果が期待できます。

関連記事:PRP療法の注射が膝や股関節に効果的な理由とは?副作用はある?

変形性膝関節症でお悩みの方はイノルト整形外科まで

変形性膝関節症の原因や症状の程度はさまざまで、早期回復を図るためには信頼性が高く様々な治療法に対応できるクリニックを選ぶことが大切です。

今回ご紹介したような自覚症状があり、変形性膝関節症かもしれないと感じる方は、ぜひ一度イノルト整形外科までご相談ください。

イノルト整形外科では関節専門外来を設置しており、レントゲンはもちろんのことエコー検査やMRI検査(外部委託)などの高度な検査機器も用意し迅速かつ正確な診断が可能です。

また、上記でご紹介した体外衝撃波やハイドロリリース、再生医療といった最新の治療法にも対応しているため、初期から末期までさまざまな状態に合わせて最適な治療法をご提案させていただきます。

まとめ

膝の痛みはさまざまな原因によって現れることがありますが、中でも変形性膝関節症は代表的な疾患のひとつです。

初期段階では膝の違和感を覚える程度ですが、進行していくと徐々に痛みが強くなり、やがては歩行が困難になるほど重症化するおそれもあります。

日常生活に支障をきたさないようにするためにも、変形性膝関節症が疑われる症状が現れた場合にはできるだけ早めに治療をスタートさせることが大切です。

信頼性が高く多様な治療法に対応した整形外科クリニックをお探しの方は、ぜひ一度イノルト整形外科へご相談ください。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長