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脚の付け根が痛い!原因は何?おすすめのストレッチも紹介

太ももから股関節にかけて、脚の付け根部分に痛みがあり、日常生活にさまざまな支障をきたしている方も少なくありません。

一口に痛みといっても症状の程度は異なり、脚の付け根の内側、外側、前側などの部位によっても考えられる原因や疾患はさまざまです。

そこで本記事では脚の付け根に痛みが現れる原因や代表的な疾患、痛みを緩和するための方法やストレッチの一例もご紹介します。

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脚の付け根が痛い場合に考えられる原因とは

脚の付け根に痛みが感じられるのはどういった原因が考えられるのでしょうか。代表的な原因をいくつかご紹介します。

関節軟骨の摩耗

太ももと骨盤の接続部分である股関節の軟骨がすり減ると、炎症が起こることで痛みを引き起こすことがあります。

安静時には痛みが感じられなくても、脚を動かしたり立ち上がったときに痛みを感じることが多く、変形性股関節症を発症している可能性が高くなります。

股関節の不安定性

関節を支える筋肉が弱くなることで、股関節が不安定になり痛みを引き起こすことがあります。

極端な運動不足や先天性の問題によって引き起こされるケースが多く、ある決まった動作をしたときや体重をかけたときに関節の不安定感や痛みを生じさせます。

筋肉の硬直や緊張

大腿四頭筋や腸腰筋、内転筋といった股関節周辺の筋肉が硬直または緊張することで、筋肉に過度な負担がかかり痛みを生じさせることがあります。

初期の段階では脚を動かすときに違和感を覚える程度ですが、症状が悪化していくと激しい痛みや筋肉のこわばりなどが感じられるようになります。

腱の炎症

運動のしすぎや過度の負荷がかかることによって、股関節周辺の筋肉と骨をつなぐ腱が炎症し痛みを引き起こすことがあります。

特にアスリートや同じ動作を繰り返す現場作業員などの発症リスクが高く、安静時にはほとんど痛みが感じられないものの特定の動きをしたときに痛みを感じやすくなります。

関節包・滑液包の炎症

関節包とは、関節を保護している膜のような組織であり、その内部はクッションの役割を果たす滑液で満たされています。

感染症や外傷、免疫疾患などが原因で関節包が炎症を引き起こすことがあり、これによって激しい痛みを感じます。

股関節自体の変形

先天性による股関節の形状異常や、ケガの後遺症などが原因で股関節そのものが変形し、正常な動作が困難となり痛みを引き起こすこともあります。変形性股関節症の原因にもなりやすくなります。

関連記事:歩くと股関節が痛いときの原因は?股関節をほぐすストレッチを紹介

脚の付け根が痛い時に疑うべき病気・疾患

脚の付け根の痛みは、部位によって疑うべき病気や疾患が異なります。

外側が痛い場合

脚の付け根の外側に痛みを感じる場合には、主に関節の歪みや筋力の低下などによって身体のバランスが崩れていることが考えられます。

考えられる疾患としては以下の通りです。

  • 変形性股関節症
  • 股関節臼蓋形成不全
  • 大腿骨近位部骨折 など

運動不足などによって体重が急激に増加すると筋力で体重を支えきれなくなり、関節に大きな負担がかかり症状を悪化させることが少なくありません。

内側が痛い場合

内側に痛みを感じる場合には、急な動きや過度の運動、筋肉の疲労などによって関節・腱に炎症が起こり痛みとなる可能性が考えられます。

  • 坐骨神経痛
  • グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群) など

上記のうち、坐骨神経痛は治療をせず放置しておくと椎間板ヘルニアなどの疾患につながるリスクもあります。

前側が痛い場合

前側に痛みを感じる場合には、主に股関節の変形や歪みなどが原因として考えられ、特に長時間のデスクワークを行っている人ほどリスクが高まります。

  • 鼠径ヘルニア
  • 股関節唇損傷 など

上記のうち、鼠径ヘルニアは関節の痛みだけでなく、脚の付け根の部分に小さな盛り上がり(しこり)が現れることも少なくありません。

股関節が右だけあるいは左だけ痛む原因は?

股関節の痛みは左右対照的に症状が現れることもあれば、どちらか一方のみに症状が現れることもあります。

左右いずれかのみに痛みが現れるのはどういった原因が考えられるのでしょうか。

片側への過剰な負担

日常生活やスポーツにおいて、一方の脚に過度の負担がかかることが1つ目の原因として考えられます。

片足に重心をかける姿勢が癖になっていると、一方の股関節に過度のストレスがかかり炎症や痛みを引き起こしやすくなります。

関節臼の形成不全

先天的に股関節の関節臼が正常に形成されていない場合、股関節が不安定になりやすく片側の関節に過度の負荷がかかることがあります。

その結果、軟骨がすり減ったり、炎症や痛みを引き起こすことがあります。

左右で脚の長さが違う

生まれつき、あるいは外傷や手術の後遺症などにより、脚の長さが左右で異なるケースがあります。

このような場合、長い方の脚に体重の負荷が集中し股関節に痛みを生じさせることがあります。

坐骨神経痛

長時間のデスクワークや運動などによって坐骨神経が圧迫されると、坐骨神経痛を発症し片側の臀部から脚の付け根にかけて痛みが生じることがあります。

坐骨神経痛は片側のみに症状が現れることが多く、股関節から太ももにかけて鋭い痛みやしびれを引き起こします。

ケガ・損傷

スポーツや事故、転倒などが原因で股関節の周囲の筋肉、腱が損傷すると、片側にのみ痛みが生じることがあります。

関連記事:変形性股関節症の治し方はある?やってはいけないことや負担をかけない寝方を紹介

脚の付け根が急に痛くなった時の治し方

脚の付け根に痛みを感じる場合、誤った対処をしてしまうと症状を悪化させる可能性もあります。

早期に症状を緩和するために、正しい対処法を覚えておきましょう。

安静にする

痛みが生じた場合は運動を控え、痛みのある脚を安静に保つことが大切です。

無理に動かすことで痛みが悪化する可能性があるため、痛みが和らぐまでは脚を休めておきましょう。

冷やす

事故やスポーツによってケガをして急な痛みが生じた場合は、患部を冷やすことも大切です。

氷嚢を痛みのある箇所に当て患部を冷却することで、血管が収縮し腫れや炎症を抑え重症化を防げる可能性があります。

痛み止めの使用

激しい痛みが感じられる場合、市販の痛み止めを服用することで一時的に痛みを抑えることができます。

ただし、痛みを感じないからといって無理に身体を動かすと症状を悪化させる危険もあるため、あくまでも安静を心がけましょう。

ストレッチや軽い運動

痛みがある程度引いてきたら、ストレッチや軽い運動を行うことで筋肉の緊張を和らげ、柔軟性を高めることができます。

この場合も無理は禁物で、痛みを感じるようであれば無理に動かさず徐々に可動域や負荷を上げていくことが大切です。

整形外科の受診

数日経っても痛みが改善しない場合や、腫れが悪化しているような場合には速やかに整形外科を受診しましょう。

専門医による診断を受けることで、正確な原因を特定し適切な治療を受けることができます。

また、ストレッチや軽い運動を行う場合、症状を悪化させないためにも専門の理学療法士のアドバイスや指導を受けることが理想的です。

脚の付け根の痛みに効果的なストレッチと注意点

脚の付け根を改善するために、自宅でできるストレッチや軽い運動をご紹介しましょう。

効果的なストレッチ

  1. 仰向けに寝た状態で左右の膝を90度程度曲げる
  2. 両手を腰の下に入れる
  3. 左脚を外側に倒し、もとの位置に戻す
  4. 3を10回程度繰り返す
  5. 右脚も同様の動作を行う

1の膝を曲げる際には、左右の足をくっつけることを意識しましょう。

また、3の脚を外側に倒す際には、片方の膝は立てた状態をキープすることと、かかとからつま先もできるだけ片方の足にくっつけた状態で膝を倒すことが大切です。

注意すべきストレッチ

一見すると股関節に効きそうなストレッチも、実は痛みがあるときには避けたほうが良い場合があります。

特に注意すべきなのが、上半身と下半身を捻ったり大きく反らしたりするストレッチです。

ヨガなどで多く見かけるポーズですが、これらは股関節に大きな負荷がかかることから、炎症や痛みがある状態で無理な姿勢をとってしまうと症状を悪化させるリスクがあります。

関連記事:再生医療とは?適応となる整形疾患や費用について

脚の付け根が痛い場合はイノルト整形外科まで

脚の付け根の痛みはさまざまな原因が考えられ、それに対応した適切な治療を行わなければなりません。

慢性的な痛みを放置しておくと関節そのものが変形し、日常生活にもさまざまな支障をきたす可能性も考えられるため、できるだけ早めに整形外科を受診することがおすすめです。

イノルト整形外科では、股関節をはじめとしたさまざまな部位の痛みを治療できる関節専門外来や、スポーツを起因としたケガや不調に対応できるスポーツ整形外科、さらには最新の治療法である再生医療を専門とした外来も設置しています。

専門医による丁寧なカウンセリングと検査を実施し、患者様に適した治療プランを提示させていただきます。

一般的な整形外科では対応が難しい再生医療や体外衝撃波治療、ハイドロリリース治療などにも対応しているため、「他院で診療を受けたものの期待通りの効果が得られなかった」という方もぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

脚の付け根に痛みがある場合、股関節の疾患や筋肉、腱の炎症などさまざまな原因が考えられ、それぞれに対応した治療を行わなくてはなりません。

痛みがある程度引いてきたらストレッチを行ってみるのもひとつの手ではありますが、正しい方法を理解していないと症状を悪化させるリスクもあります。

そのため、脚の付け根の痛みを早期に治療するためには信頼性の高い整形外科を受診することが何よりも大切です。

イノルト整形外科ではリハビリテーションや保存療法といった基本的な治療法はもちろんのこと、体外衝撃波やハイドロリリース、再生医療といった最新の治療法も選択でき、患者様の状態に合わせて最適な治療法をご提案しています。

慢性的な痛みに悩まされている、他院で治療しているものの期待通りの効果が得られないという方は、ぜひ一度イノルト整形外科へご相談ください。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長