膝の上が痛い人必見!原因や対処法・効果的なストレッチ方法を解説
ふとしたときに感じる膝の痛みに悩まされていませんか?
膝関節は日々の動作の中で移動の際に必ず使う人体でも特に重要な関節です。
今回は特に、膝の上の痛みの原因や痛みを和らげる運動やストレッチ方法について解説します。
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膝上に痛みが発生する原因
膝の上の方に痛みが発生する原因を主に以下になります。
加齢
加齢に伴い、膝周囲の骨や軟骨がすり減ると「膝蓋大腿関節症」になることがあります。
これは膝蓋骨、つまり、「お皿」と大腿骨が頻繁にこすれることで炎症を起こして、膝のお皿の上の方に痛みが発生する疾患です。
膝には、下記の2つの関節があります。
- 大腿骨と脛骨でつくられる脛骨大腿関節(いわゆる膝関節)
- 大腿骨と膝のお皿(膝蓋骨)でつくられる膝蓋大腿関節
膝蓋骨と大腿骨が接触している部分の表面には軟骨があり、摩擦を低減しています。
膝を屈伸する際には膝蓋骨は軟骨のおかげで上下左右に動きます。
疲労やストレスの蓄積
膝周囲の疲労や物理的なストレスが蓄積すると、「滑液包水腫」や「滑液包炎」になることもあります。
滑液包は、腱または筋が骨のすぐ上を通るとき、運動の摩擦を少なくするために、 その間にあるうすくねばりのある滑液を含んだふくろ(嚢)です。
滑液包は下記の部位の周囲にたくさんあります。
- 肩
- 肘
- 股
- 膝
- かかと
- 足の指
外傷やリウマチでも滑液包に炎症がおこりますが、過剰な運動や圧迫によってこの滑液包部に摩擦が何度も過剰に加わると、滑液包に炎症が生じて、水がたまり、滑液包水腫となります。
やがて滑液包の壁が厚くなり、痛みが出たものを、滑液包炎といいます。
運動による負荷
運動による過剰な負荷で膝上に痛みがある場合は、大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝、もしくはジャンパーズニー)の可能性があります。
膝のお皿(膝蓋骨)に付着する腱のオーバーユース(使いすぎ)による炎症であるジャンパー膝は、その炎症部位により以下の2つに分類されます。
- 大腿四頭筋腱の膝蓋骨付着部=膝蓋骨の上に付着する腱の炎症
- 膝蓋腱の膝蓋骨付着部または脛骨粗面付着部=膝蓋骨の下に付着する腱の炎症
ジャンパーズニーは、スポーツを日常的に行い、継続的に膝に大きな負担がかかる人が起こりうる病気で、いろいろなスポーツが原因で起こります。
例えば、ジャンプしたり着地したりの動きを多く繰り返すスポーツ(バレーボールやバスケットボール、走り高飛びなどの陸上競技など)で多く起こります。
また、突然走ったり止まったりを繰り返すスポーツ(サッカー、ラグビー、アメフトなど)でも起こりやすいです。
走ったり、ジャンプしたりをたくさんするスポーツならどのようなスポーツでも発症する可能性があります。
膝の上部に継続的な痛みがある場合、それは関節に潜む症状かも?
40~50代になると、脚の付け根(股関節)に痛みを感じる方が増えてきますが、多くが変形性股関節症の発症によるものだといわれています。
変形性股関節症とは、股関節でクッションの役割を果たしている関節軟骨がすり減ることによって関節に炎症が起きる病気です。
悪化すれば股関節が変形してゆき、股関節痛や機能障害を引き起こしたりすることもあります。
また股関節の関節に変形があると、人体の構造上、連結している膝関節や足関節の動き方や配列(アライメント)に変化が生じ、股関節だけでなく膝や足首が痛くなったりすることもあります。
膝が痛いから、と膝だけに注意していると変形性股関節症による膝の痛みがある場合は見逃してしまうこともあるため、総合的に判断し、膝の痛みを観察することも重要です。
関連記事:膝の裏が痛いのはなぜ?歩きすぎが原因?おすすめストレッチ方法を紹介
膝上の痛みの正しい軽減、防止方法
日々蓄積される膝関節のメカニカルストレス(物理的なストレス)を軽減することで、膝関節を保護し、痛みを防止することができます。
膝上に痛みがある時に試したい簡単なテーピング
テープを膝下の脛(すね)の外側に貼り、膝の内側を通し、ふとももの外側の方へ少し引っ張りながら貼っていきます。
その後、ふとももの外側でテープを止めます。
2枚目は逆に、膝下の脛の内側から貼り、膝の外側を通り、ふとももの内側の方へ少し引っ張りながら貼っていきます。
1本目のテープより少し上に重ねて外側から膝(ひざ)の内側を通り、そのままふとももの内側の方へ少し引っ張りながら貼ります。
膝上の痛みを和らげる簡単ストレッチ
膝上の痛みを和らげるストレッチとして、大腿四頭筋(ふともも)のストレッチがあります。
転倒を予防し、ストレッチしやすい姿勢を作るため、壁や机、イスなど、手をついてバランスをとれる状態にします。
次にストレッチする足の膝を曲げて足の甲を持ち、ゆっくりとかかとをお尻に近づけましょう。
このとき、ふとももの前面、大腿四頭筋が伸びているのを意識します。
腰が反らないように気をつけてください。
手で足首を持つ姿勢がつらい場合は、タオルを足首に引っ掛け、それを引き上げる方法でも行えます。
整体や鍼灸を利用してみる
整体や鍼灸を利用し、疼痛を緩和することもできます。
整体ではマッサージやストレッチを行い、鍼灸では鍼や灸によって症状の緩和を促します。
しかし、根本的な治療にはなりません。
対症療法であることと、自分で施術することができないため、通い続ける必要があります。
膝上に痛みに対する治療法
炎症により痛みが出る場合が多いので、まずは炎症を抑えるアイシングや消炎鎮痛剤、痛み止めの内服を併用しながら、該当部位の原因となっている筋肉のストレッチや筋力増強運動などで痛みが出にくい状態の膝関節にしていきます。
また、体重や生活習慣も膝関節の痛みに大きく影響しているため、必要であれば改善し、ダイエットや運動習慣の見直しを行っていきます。
ふとももにある筋肉である大腿四頭筋のストレッチと適切な筋力増強運動を習慣的に行うことも有効です。
ストレッチや筋力増強運動は、柔軟性を向上させ膝関節の耐久性が向上します。
関連記事:膝の内側が痛い原因を解説|考えられる疾患や病院での治療法は?
膝上の痛みが消えない時には病院を受診しましょう
膝上の痛みを感じたら医師に相談しましょう。
上述のように、膝関節周囲で炎症を起こし、膝蓋大腿関節症やジャンパーズニー、滑液包炎を発症している場合、無理にストレッチをしたり、動かすことで炎症が増悪することもあります。
炎症の程度をみながら適切な治療を行う必要があるため、医師による診断が大切です。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは患者に合わせたオーダーメイド治療を提供
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、専門の「関節外来」を設け、患者様の関節に関するご相談に真摯に向き合っています。
膝の痛みの原因を丁寧な診察で解説し、その人に合った最適なオーダーメイド治療を提供させて頂きます。
ぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
膝上が痛い場合、加齢やストレス、過剰な運動負荷股によって、関節や大腿四頭筋、お皿(膝蓋骨)、その周囲の軟部組織に問題がある可能性が考えられます。
具体的な病名でいうと下記の疾患などです。
- 膝蓋大腿関節症
- 滑液包炎
- ジャンパーズニー
- 変形性股関節症による膝関節の負担増大
多くが炎症により痛みを生じるので、まずは炎症の程度を把握し、アイシングや消炎鎮痛剤などを併用しながらストレッチや筋力増強運動などで痛みが出にくいように膝関節の状態を整えていく必要があります。
膝関節周囲の痛みは体重や生活習慣(運動量や食事量など)などとも密接に関わっています。
病院を受診し、適切な治療方法を医師と相談しながら進めていくことが大切です。
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藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長 渡邉 順哉
経歴
●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長