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膝の内側が痛い原因を解説|考えられる疾患や病院での治療法は?

体重の増加や運動不足などによって、膝の内側に痛みを感じる方も少なくありません。

多少痛みはあるものの、歩行や階段の昇り降りといった日常生活に支障をきたさない限りは、あまり気に留めることなく過ごす方もいるでしょう。

しかし、治療をせずに放置しておくと重症化のおそれがあり、深刻な状態になるリスクもあります。

本記事では、なぜ膝の内側に痛みを感じるのか、考えられる原因について紹介するとともに、自宅でできるケアの方法、整形外科での治療法などもあわせて解説します。

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膝の内側に痛みを感じる原因

立ち上がったときや歩行中、部位を軽く押したときなどに、膝の内側に痛みを感じる原因はさまざまですが、特に多いのが関節内で生じる炎症です。

膝に限らず、足首や肩、腕、首などは骨の継ぎ目部分に軟骨や腱があり、骨同士の直接的な接触を防ぎクッションのような役割を果たしています。

また、関節をスムーズに動かせるのも軟骨や腱などが正常に機能しているおかげです。

しかし、何らかの理由によってこれらの組織に異常が生じると、関節内に炎症が起こり痛みを感じるようになります。

初期の段階は軽い炎症でも、状態が悪化していくと炎症の範囲が広がり重症化します。

さらにこれを放置しておくと、軟骨や骨そのものが摩耗・変形し、強烈な痛みが続くようになるのです。

関連記事:【膝の違和感】膝を伸ばしたときに出る痛み以外の症状と原因について解説

膝の内側と裏の痛みに違いはあるのか

そもそも膝の内側というのは、立ち上がったときに左右の膝が接する部分のことです。

これに対し、膝の裏側とは、ふくらはぎの上部に位置する部位を指し、膝を曲げたときに関節の裏にあたる部分です。

膝の内側の痛みは、立ち上がったときや歩行中、部位を軽く押したときはもちろん、安静にしている状態でも痛みを感じることがあります。

これに対し、膝の裏側に感じる痛みは、関節を伸ばしたときに痛みや圧迫感を覚えることが多く、症状が悪化していくと膝裏だけでなくふくらはぎや太ももまで範囲が拡大することもあるのです。

ちなみに、膝の外側や前側に痛みを感じるケースもあり、これらはランニングやウォーキングのしすぎによる関節の酷使、または筋力の低下によって症状が現れることが少なくありません。

膝の内側に痛みを感じたときに考えられる疾患や病気

膝の内側に痛みを感じる場合、さまざまな疾患や病気の可能性が考えられます。

具体的にどういった疾患があるのか、代表的なものをいくつか紹介しましょう。

変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、その名の通り膝関節に変形が生じ炎症や痛みを引き起こす疾患です。

膝の酷使や体重の増加、筋力の低下などによって膝に負担がかかり、軟骨が摩耗することによって膝関節の変形を生じさせます。

初期段階では立ち上がりや歩行の際に痛みを感じる程度ですが、重症化すると膝が曲がらなくなったり、歩行が困難になるほどの激痛を伴うこともあります。

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鷲足炎(がそくえん)

鵞足炎とは、太ももにある筋肉と脛骨をつなぐ鵞足という部位に炎症を引き起こす疾患です。

サッカーやバスケットボール、ランニングなどの激しい運動によって膝を酷使した際に発症するケースが多く、変形性膝関節症と併発することもあります。

半月板損傷

半月板とは、大腿骨と脛骨の間にあるC字の軟骨のことで、膝関節に加わる衝撃を緩和する役割を担っています。

激しいスポーツや加齢、体重の増加などによって半月板に負担がかかると、徐々に軟骨がすり減っていき炎症を引き起こします

関連記事:半月板損傷を早く治す方法や症状が改善するリハビリについて解説

大腿骨内顆骨壊死

大腿骨内顆骨壊死とは、脛骨と接する大腿骨の一部が壊死する疾患です。

特に50代、60代以上で発症リスクが高まるほか、体重の増加によっても関節に負担がかかり骨壊死を招くことがあります。

骨壊死の範囲が狭い初期の段階でMRIで診断ができれば、保存療法を用いることで自然に痛みが治ることも少なくありません。

骨挫傷

骨挫傷とは、外部から衝撃や圧力が加わることで骨が損傷する疾患です。

骨の損傷と聞くと骨折をイメージする方も多いですが、骨挫傷は骨折まで至る前の内出血を引き起こしている状態を指し、MRIでのみ診断ができます。

膠原病

膠原病とは、免疫機能が異常に働いてしまい自分の体を攻撃し、関節や筋肉、皮膚組織などに炎症を引き起こす疾患の総称です。

膠原病の中で、関節に炎症が現れる場合、関節リウマチが最も多い病気です。

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偽痛風

偽痛風とは、膝をはじめとしたさまざまな関節部位に激しい痛みと炎症、発熱、発疹などが起こる疾患です。

おもに60代以上の高齢者に発症することが多く、痛風と同じような症状を引き起こします。

ただし、痛風とは異なり尿酸が貯まるのではなく、ピロリン酸カルシウムが原因となります。

痛風と似た痛みを引き起こすため、偽痛風とよばれています。

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膝の内側に痛みを抱えやすい人の特徴

膝の内側に痛みを抱えやすい人は、共通の特徴が見られることもあります。

特に多い特徴として、以下の5点が挙げられます。

O脚

脚が外側に広がるO脚は、膝関節の内側にかかる負担が増大します。

正常な姿勢がキープできていれば、体重を膝の内側と外側とで適切なバランスで支えることができますが、O脚になっていると内側ばかり負担が集中してしまい、関節を痛める原因になります。

運動不足による筋肉の硬直・筋力不足

ウォーキングやランニングといった運動の習慣がないと、脚の筋力が低下するだけでなく、筋肉そのものが硬直してしまいます。

筋力の低下や筋肉の硬直が起こると、膝の曲げ伸ばしがしにくくなるケースがあります。

交通事故やスポーツによるケガの経験がある

交通事故やスポーツによるケガなど、過去に何らかの膝の外傷を負った経験がある場合、ケガの痛みが一旦完治しても、後遺症が残ることがあります。

後遺症が長年に渡り、歩行や走る際に膝関節への負担が蓄積されていき、痛みや炎症となって現れることも珍しくありません。

体重の増加

体重が増加すると、膝にかかる負担は増えた体重の数倍も増大します。

特に生活習慣の変化などで急激に体重が増加すると、下肢の筋力だけでは支えきれなくなり、膝に負担が生じやすくなります。

サイズの合わないシューズを履いている

足のサイズよりも大きい靴を履いていると、歩いたり走ったりする際に無意識のうちに足をかばうようになり、膝に大きな負担がかかります

また、姿勢そのものが不安定になり、膝に負担をかけてしまいます。

関連記事:【膝の違和感】膝を伸ばしたときに出る痛み以外の症状と原因について解説

自宅でできる膝の内側の痛みを和らげる方法

膝の内側が痛む場合、自宅でストレッチやテーピングなどをすることで症状を緩和できる可能性があります。

筋力トレーニング

椅子に座った状態で、片方の膝を真っすぐ伸ばし水平になるところまで上げて1分間その状態を保持します。

交互に両脚を行うようにします。1日1分間3回を3セット行うと良いでしょう。

慣れてきたら、足首に0.5~1kgの重り(砂糖や塩の袋でもOK)を付けて同じトレーニングを行います。

これにより大腿四頭筋が鍛えられ、膝が安定化するため、膝の内側の痛みが軽減しやすくなります。

ストレッチ

あぐらをかいた状態で床に座り、左右いずれかの脚を前方に伸ばします。

伸ばした脚のつま先を内側に倒すようにゆっくりと動かし、上半身は外側に倒していきます。

この動作を行うことで、膝の内側が伸びている感覚が得られるはずです。

毎日継続的に行うことで、徐々に膝の腱や筋肉の柔軟性が戻り、症状が緩和されます。

ただし、ストレッチの際に痛みや痺れなどを感じた場合には、無理に続けるのではなく整形外科を受診しましょう

テーピング

ふくらはぎのあたりから太ももにかけて、痛みを感じている部分の周囲をなぞるように、半円を描くようにテープを貼ります。

このとき、皮膚および筋肉を太ももにかけて引っ張るように意識しましょう。

次に、ふくらはぎの内側から外側の太ももにかけてテープを真っ直ぐに貼ります。

さらに、2本目に貼ったテープに対してV字になるように3本目のテープを貼って完成です。

関連記事:膝の裏が痛いのはなぜ?歩きすぎが原因?おすすめストレッチ方法を紹介

整形外科による検査と治療について

右足のみ立膝をつき前方に体重をかけた状態で、左の足を後方に伸ばし10秒ほどキープします。

その後、反対側の足に替えて同様に10秒キープします。

足を伸ばす際には深呼吸をしながらキープするのがポイントです。

なお、痛みを感じる場合は無理をせず、徐々に体重をかけていきましょう。

膝の内側に痛みを感じる場合、今回紹介した疾患以外にもさまざまな原因が考えられます。

早期に改善するためにはまず精密な検査が必要であり、検査の結果を受けて専門医による治療が不可欠です。

検査

膝の痛みに対して用いられる検査は、レントゲンやエコー、MRI検査などがあります。

特に激しい痛みがある場合には、レントゲンを撮影し骨に異常がないかを調べる必要があります。

もし骨に異常が認められなかった場合、エコーやMRI検査などを用いて、関節周辺のどこに炎症ができているのかを検査します。

最終的には、手術で実際に膝の中を覗く関節鏡検査を治療と同時に行う場合もあります。

治療

検査の結果、膝の痛みの原因が明確になったら、疾患や状態に合わせた治療方針を決めます。

多くの整形外科では、超音波治療やヒアルロン酸注射、保存療法などが用いられますが、それ以外にも脂肪幹細胞治療やPRP療法、PFC-FD療法といった再生医療、体外衝撃波治療、ハイドロリリース(筋膜リリース注射)などが用いられることもあります。

ただし、症状が進行している場合には、これらの治療法では効果が見込めない可能性もあることから、関節鏡手術や骨切り術や人工関節置換術などの手術が必要になるケースもあります。

▶︎ハイドロリリース(筋膜リリース注射)についてはこちら

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは患者に合わせたオーダーメイド治療を提供

膝関節の痛みを根本から改善するためには、注射や保存療法以外にも筋力強化や減量が必要になることがあります。

このような場合、病院での治療だけでなく、運動や食生活といった生活習慣の改善、そしてリハビリを継続していかなくてはなりません。

そこで重要なのが、理学療法士と管理栄養士が在籍している整形外科を受診することです。

膝の痛みや状態は人によって異なるため、オーダーメイドの治療やリハビリが求められますが、理学療法士が在籍している整形外科では体力に合わせたトレーニングやストレッチの方法、コツなども指導されます。

また、管理栄養士の適切な食事の指導により体重のコントロールや筋力増強に必要な栄養摂取の助言を得ることができます。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは、理学療法士と管理栄養士の両方が在籍している珍しい整形外科クリニックであり、注射や手術を含めた多様な治療はもちろん、リハビリや栄養指導も万全の体制でサポートします。

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まとめ

膝の内側に痛みが生じていても、初期の段階では症状が軽いことが多いため放置しがちです。

しかし、徐々に進行していくと痛みの強さや範囲が広がり、歩行や階段の昇り降りが困難になることも。

このような状態にならないよう、少しでも膝の異常を感じたら整形外科を受診するようにしましょう。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長