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股関節の痛みで悩んでいる人必見|変形性股関節症の注意点を解説

股関節の痛みや症状で悩んでいる人へ、はじめにお伝えしたいことがあります。

股関節は、大腿骨と骨盤のつなぎ目の関節で、歩く・走る・座るなどの動作に欠かせない大切な関節です。

しかし、股関節は年齢や運動不足、怪我などによって痛みや違和感を感じることがあります。

痛みが出ると、日常生活が制限されたり、ストレスがたまったりすることもあります。

そのため、痛みが出ている場合は、適切な対処が必要です。

本稿では、股関節の痛みの原因や対処法について解説していきます。

まずは、自分の症状をしっかりと把握し、正しい対処を行いましょう。

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股関節に痛みが起きてしまう原因

股関節の痛みは、様々な原因によって引き起こされます。

最も一般的な原因は変形性関節症関節唇損傷です。

これらは生まれつき、遺伝的に股関節の屋根に当たる部分が小さい臼蓋形成不全や、大腿骨の形の異常によって引き起こされる場合もあります。

また、股関節の痛みは、外傷やスポーツや肥満による過度の負荷によっても引き起こされることがあります。

特に、長時間の座り仕事や運動不足などが原因で、股関節の筋肉が弱くなり、負荷に対して十分に耐えられなくなることがあるのです。

股関節の痛みを引き起こす原因には、さまざまな要素が関与しています。

したがって、痛みを軽減するためには、原因に合わせた治療法を選択することが重要です。

薬物療法、物理療法、手術などの治療法があり、医師に相談することが必要となります。

また、股関節の健康を保つためには、適切な運動やストレッチ、バランスの良い食事などが重要です。

股関節の痛みは、適切な治療法を選択することで改善することができます。

ただし、放置しておくと痛みが悪化することもあるため、早めに整形外科専門医に相談することが大切です。

関連記事:股関節の左や右だけが痛むのはなぜ?痛みがおこる場所と原因を解説

股関節が外れる・ずれる理由

股関節が外れる(脱臼する)原因は、大きく分けて以下の2つに分類されます。

  • 外傷性
  • 非外傷性

 

外傷性の場合は、交通事故やスポーツの怪我などの強い力が加わって股関節が脱臼することがあります。

非外傷性の場合は、生まれつきの臼蓋形成不全により引き起こされる先天性股関節脱臼になります。

 

股関節は、球状の大腿骨頭と骨盤の凹み(臼蓋)で形成されていて、この大腿骨頭は、臼蓋に深く収まり、靭帯や筋肉によって支えられています。

しかし、これらの組織が弱まったり、損傷した場合には、股関節が外れる可能性があるのです。

股関節が外れた場合、股関節脱臼と呼ばれますが、ほとんどのケースは交通事故に伴う強いエネルギーによる怪我により引き起こされます。

治療法には、非外傷性の先天性の原因がある場合は装具療法などがありますが、外傷性の場合は、多くの外科手術が必要になります。

参考文献:

UpToDate. (2021). Hip dislocation in adults. Retrieved from https://www.uptodate.com/contents/hip-dislocation-in-adults

American Academy of Orthopaedic Surgeons. (2019). Hip dislocation. Retrieved from https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/hip-dislocation/

股関節に問題を抱えやすい人の特徴

運動不足や過剰な運動

股関節は、運動不足によって筋肉が弱くなったり、過剰な運動によって股関節に負担がかかりやすくなったりすることがあります。

運動不足や過剰にならないよう適度な運動が重要です。

肥満

肥満は、股関節に負担がかかりやすく、関節の変形や痛みを引き起こすことがあります。

健康的な体重を維持することが大切です。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は、骨密度の低下によって骨が弱くなり、転倒により大腿骨頚部骨折を引き起こすことがあります。

遺伝的要因

股関節に問題を抱えやすい人には、遺伝的な要因が関与していることがあります。

 

以上のように、股関節に問題を抱えやすい人には、様々な要因があることが分かります。

健康的な生活習慣を維持し、適切な運動や栄養管理を行うことが、股関節の健康を維持するために重要です。

参考文献:

National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases. (2016). Osteoporosis and Related Bone Diseases National Resource Center. Retrieved from https://www.bones.nih.gov/health-info/bone/osteoporosis/conditions-behaviors/osteoporosis-risk-factors

Mayo Clinic. (2021). Hip pain. Retrieved from https://www.mayoclinic.org/symptoms/hip-pain/basics/causes/sym-20050684

▶股関節の疾患一覧はこちら

変形性股関節症になったときの注意点

変形性股関節症は、股関節の骨や軟骨が損傷し、炎症を起こす病気です。

この病気は、股関節の痛みや可動域の制限を引き起こすことがあります。

変形性股関節症になった場合、以下の注意点が必要です。

運動療法

運動療法は、変形性股関節症の痛みを軽減し、関節の動きを改善するために重要です。

しかし、適切な運動を行うことが大切で、激しい運動や無理な運動は避ける必要があります。

減量

肥満は、股関節に負担をかけ、関節軟骨の摩耗を引き起こす要因となります。

減量によって体重を減らすことで、痛みの緩和や将来の手術予防になります。

栄養管理

栄養バランスの良い食事を心がけることで、症状の改善につながることがあります。

薬物療法

医師の指示に従って、痛みを軽減するための薬を使用することがあります。

手術

症状が重い場合、陣股関節置換術といった手術が必要となる場合があります。

手術は、股関節の痛みや可動域の制限を改善することができます。

 

以上のように、変形性股関節症になった場合には、運動療法や減量、栄養管理、薬物療法、手術など、様々な方法があります。

しかし、医師の指示に従い、正しい治療法を選択することが大切です。

参考文献:

National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases. (2020). Osteoarthritis. Retrieved from https://www.niams.nih.gov/health-topics/osteoarthritis

Mayo Clinic. (2021). Osteoarthritis. Retrieved from https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/osteoarthritis/symptoms-causes/syc-20351925

関連記事:変形性股関節症を悪化させないためにやってはいけないこととは?

変形性股関節症の治療について

変形性股関節症の治療には、手術をしない保存治療手術治療の2つの方法があります。

保存治療には、以下などが含まれます。

  • 運動量の制限減量
  • 理学療法士による運動器リハビリテーション
  • 薬物療法
  • 再生医療

運動量の制限や減量は、痛みを緩和し、関節の負担を軽減するために重要です。

さらに、理学療法士による運動器リハビリテーションによって、筋肉の強化や関節可動域の改善、運動機能の改善が可能です。

薬物療法には、鎮痛剤や抗炎症薬の内服や外用、関節内注射薬などが含まれます。

再生医療は、自己血を用いた多血小板血漿療法(PRP)や成長因子療法の他、脂肪から採取した幹細胞を培養して股関節に注射する幹細胞治療も痛みや軟骨損傷に対する治療として注目されています。

また、手術治療には人工股関節置換術があります。

これは、痛みを伴う変形性股関節症において、関節を取り除き、合金やセラミック、ポリエチレンでできた股関節を埋め込む手術です。

これにより、股関節の痛みや動きの悪さが大幅に改善されます。

ただし、手術には合併症やリスクがあるため、慎重に検討する必要があります。

変形性股関節症の治療には、症状や程度に応じた適切な治療法が必要です。

参考文献:

Centers for Disease Control and Prevention. Arthritis. https://www.cdc.gov/arthritis/basics/osteoarthritis.htm. Accessed March 28, 2023.

National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases. Osteoarthritis. https://www.niams.nih.gov/health-topics/osteoarthritis. Accessed March 28, 2023.

American Academy of Orthopaedic Surgeons. Treatment of Osteoarthritis of the Hip. https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/osteoarthritis-of-the-hip-treatment/. Accessed March 28, 2023.

関連記事:変形性股関節症は手術せずに治せる?再生医療とはどんな治療なのか

股関節のストレッチ・マッサージ・筋力トレーニング方法

股関節のストレッチやマッサージ、筋力トレーニングは、股関節痛や違和感を緩和し、さらに痛めないようにするために必要になります。

以下では、股関節のストレッチとマッサージ、筋力トレーニングの方法について説明します。

股関節のストレッチ方法

骨盤体操

年齢とともに腹筋や腰の筋肉が固くなってくると腰の動きが悪くなり、股関節が腰の代わりに動かないといけなくなり股関節に異常な負荷が掛かり痛みやすくなってしまいます。

骨盤体操は腰の動きを改善させ股関節の負担を減らすために大事なストレッチです。

椅子に座った状態で、腰の両サイドに手を当てて、上半身は動かさずに腰を丸めたり沿ったりを繰り返すことで、骨盤も前後に倒れるように一緒に動きます。

ゆっくりとした動作で前後の動きを5秒くらいで1分間行い、毎日3セット繰り返しましょう。

腸腰筋ストレッチ

腸腰筋は股関節を動かす重要な筋肉で、加齢とともに固くなりやすい筋肉の一つです。

股関節の可動域を作るために有効なストレッチになります。

立った状態から上体は変えずに、伸ばしたい方の脚は膝を伸ばしたままを後ろに引き、反対の脚を前に出して膝を深く曲げていきます。

より床に近づくほど、前膝を曲げていくとより腸腰筋はストレッチされます。

軽く伸ばされ突っ張る抵抗を感じるところで1分程度キープ。

これを左右とも、毎日3セット行うようにしましょう。

ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスは太ももの裏にある筋肉の総称ですが、股関節を後ろに引く筋肉として重要で、これも加齢とともに固くなりやすい筋肉です。

椅子に座った状態で、伸ばした方の足を別の椅子に乗せ膝を伸ばします。

このまま、上体を伸ばした方の足に向かって倒して、足を掴めるように倒した側の手を伸ばします。

太ももの裏が伸ばされる状態をキープしたまま左右1分間ずつ、1日3セットを行いましょう。

殿筋のストレッチ

大殿筋や中殿筋も加齢とともに固くなり、股関節の動きを悪くしてしまいます。

椅子に座った状態でストレッチしたい側の足首の外くるぶしあたりを反対の膝に乗せます。

そのまま上体を前に倒していき、お尻の部分が伸ばされている状態をキープしたまま左右1分間ずつ、1日3セット行いましょう。

股関節のマッサージ方法

固くなった筋肉はストレッチだけでなくマッサージも合わせて行うことでより柔らかくすることができます。

ボールを使ったマッサージ

ボールを使ったマッサージ、硬いテニスボールやゴルフボールなどを使い、股関節の周辺を固くなっている筋肉に沿って、痛みがでない程度の強さでなぞるようにマッサージします。

筋膜ローラーを使ったマッサージ

100円均一でも売っていることがありますが、手持ちの凹凸のローラー付きのマッサージ器具です。

固くなった筋肉に当てながら強めにコロコロ転がすことで筋肉が緩みます。

マッサージガン

最近流行ってきましたが、パワーのあるマッサージガンとストレッチを合わせて行うことで短時間で簡単に固くなった筋肉を緩めることが可能です。

ストレッチした状態のまま、目的の筋肉にマッサージガンを当てるだけです。

筋力トレーニング

股関節を痛みなく生活するためには筋力も大事になってきます。

中殿筋の筋トレ

中殿筋は股関節の外側にあり、股関節の安定感を作るためにとても重要な筋肉です。

床に横向きで横になった状態で、上になっている脚を床から30㎝ほど上げて浮かした状態で1分間キープします。

左右とも1日3セット行い、慣れてきたら市販のゴムチューブやゴムバンドを両足首に巻きつけ抵抗を与えながら行うとより効果的です。

大殿筋とハムストリングスの筋トレ

大殿筋とハムストリングスは股関節を後ろに引いてくる筋肉として大事になります。

仰向けで床に寝た状態で両膝を曲げ床に脚の裏を付いた状態で、背中と太ももが一直線になるところまでお尻を地面から浮かしていきます。

このまま1分間をキープ、これを1日3回行いましょう。

内転筋のトレーニング

椅子に座った状態で、直径20~30cmのゴムボールを内股に挟み、両太ももでボールが潰れるように力強く挟み、力を抜きます。

この動作を20回、1日3セット行いましょう。

以上のストレッチとマッサージ、筋力トレーニングの方法は、股関節の痛みや違和感を緩和し、再発を予防するために有効な方法です。

しかし、強い痛みがある場合や、症状が悪化している場合は、整形外科専門医に相談することが重要です。

股関節に痛みや違和感を感じたら整形外科に行くべき理由

股関節に痛みや違和感を感じた場合、その原因はさまざまなものが考えられます。

股関節は身体を支える重要な関節であり、加齢や過剰な負荷などの影響で痛みや違和感が発生することがあります。

しかし、これらの症状を軽視して放置すると、痛みが悪化して生活の質を低下させることもあるのです。

生活の質を低下させないためにも整形外科を受診することが重要と言えるでしょう。

当院の整形外科専門医は、股関節痛や違和感の原因を正確に診断し、治療法を提供することが可能です。

痛みの原因には、股関節唇損傷や変形性股関節症や大腿骨頚部骨折、筋肉の痛みの他、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症なども考えられます。

さまざまな原因を考え必要に応じてレントゲンやMRIなどの画像診断を行い、適切な治療法を提案。

治療法は、症状の原因や程度に応じて痛みの軽減や身体機能の回復を目的としたリハビリや運動療法、薬物療法、再生医療、手術などを提案し、患者様と一緒に選択していきます。

痛みや違和感を放置すると症状が悪化することがああります。

股関節に痛みや違和感を感じたら、適切な治療法を提供できる整形外科を受診することが重要です。

早期に受診することで、適切な治療を受け、痛みや不快感の軽減につながります。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックはオーダーメイド治療の提供が可能

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、患者さん1人1人に合わせたオーダーメイド治療を提供。

医師と理学療法士、作業療法士、リハビリスタッフが協力して、症状や身体の状態に応じた最適な治療を行います。

治療内容は、理学療法士による運動リハビリテーション、物理療法、薬物療法、再生医療の他、手術の提案・連携病院への紹介など多岐にわたります。

また、体外衝撃波など最新の医療機器や再生医療を導入しているため、痛みや不調を根本的に改善するための治療が可能です。

さらに、医療だけでなく、栄養指導といったサポートなど、患者様が健康的に生活するためのトータルサポートも行っています。

オーダーメイド治療を提供することで、患者さんの症状や状態に合わせた最適な治療を行い、治療効果の向上につながっています。

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 まとめ

股関節の痛みや違和感を感じた場合、整形外科を受診することが重要です。

変形性股関節症は老化や遺伝、肥満、外傷などの要因で起こる可能性があり、早期発見・治療が必要です。

治療方法には、保存的療法、手術療法などがありますが、イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは患者一人ひとりの症状や状況に応じたオーダーメイド治療を行えます。

ストレッチやマッサージ、筋力トレーニングなどの自宅でできるケアも効果的ですが、症状が長引いている場合は早めに股関節に詳しい整形外科専門医に相談することをおすすめします。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長