股関節が外れるような感覚やずれる原因は?|直し方や治療法を解説
日常生活のなかで、不意に股関節が外れる、またはズレるような感覚に襲われることがあります。
筋肉の凝りによって起こる一時的な症状の場合もあれば、股関節の変形や歪みなどが原因の「変形性股関節症」という疾患を抱えている可能性もあります。
本記事では、股関節が外れる、ズレるような違和感を感じたとき、どのような治療法や治し方があるのか、症状が現れる原因についても解説します。
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股関節が外れるような感覚やずれる原因
股関節が外れる、またはズレるような感覚に陥ると、体に急に力が入らなくなり歩行が困難になることがあります。
痛みや痺れといった症状はないのに、股関節が外れるような独特の感覚に陥る原因は何なのでしょうか。
これにはさまざまな原因が考えられ、詳しい検査を行ってみないと正確な診断は難しいでしょう。
しかし、典型的な原因として考えられるのは、太ももからお尻にかけての筋肉が硬直し縮んでしまい、力が入らなくなってしまうことです。
本来、私たちが立ち上がったり歩いたりする際には、左右の太もも・お尻の筋肉がバランス良く伸縮しています。
しかし、何らかの理由によって左右のどちらかの筋肉が固まってしまうと、本来入るはずの力が抜けてしまい、股関節や骨盤そのものが外れたりズレたりする感覚に陥るのです。
このような症状は筋肉の一時的な疲労や凝りなどによって起こりますが、実際にはさまざまな疾患が隠れていることもあるため、異常が感じられた場合にはできるだけ早めに整形外科を受診することが重要です。
関連記事:股関節に痛みがおこる原因や場所を解説|右や左だけが痛むのはなぜ?
股関節のずれ・外れるような感覚で考えられる疾患
股関節が外れる、またはズレる感覚が頻繁に起こっている場合、どういった疾患が考えられるのでしょうか。
代表的な疾患を2つ紹介します。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎の椎間板が神経を圧迫し、下半身に痺れや痛みを生じさせたり、足に力が入りにくくなる疾患です。
そもそも腰椎の椎間板は、背骨から腰にかけての骨をつなぎ合わせると同時に、クッションのような役割も果たしています。
椎間板が神経を圧迫することで感覚の麻痺や痺れ、痛みなどの症状が現れます。
腰椎椎間板ヘルニアは日常的に悪い姿勢のまま長時間座ったり、負荷のかかる作業をしたりすることで発症リスクが高まります。
変形性股関節症
変形性股関節症とは、股関節を形成する骨や軟骨が何らの理由によって損傷することで、傷みや機能障害を引き起こす疾患です。
中高年の女性が発症する割合が高いですが、生活習慣や体重、成長期における股関節の形成状態によっては若年層でも発症することがあります。
足の付け根あたりが痛むことが多いですが、進行状態によっては下半身に違和感や痺れを感じたり、股関節が外れるような感覚を訴える患者も少なくありません。
股関節のずれ・外れるような感覚が女性に多い理由
股関節がズレる、外れるような違和感を訴える患者の割合は、特に女性に多い傾向にあります。
その理由ははっきりと分かっていないのが現状ですが、ひとつの可能性として考えられるのは男女の骨盤の違いがあります。
女性は男性に比べて骨盤が大きく、伸縮しやすい構造となっています。
子どもを出産するためこのような構造の違いが見られますが、骨盤が大きく伸縮しやすいということは歪みが生じやすいことも意味します。
股関節の歪みや変形は幼少期から現れることも多いですが、子どもは体重の負担も小さいため痛みや違和感を感じることが少ないです。
また、若年層の場合は軟骨が摩擦や衝撃を吸収してくれるため、違和感に気付かないことも多いようです。
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股関節のずれ・外れるような感覚を放置するリスク
股関節のズレや外れるような違和感が慢性的に続いていたとしても、痛みが伴わないと放置してしまうケースも少なくありません。
しかし、これによってさまざまなリスクが伴うこともあります。
特に多いのが、ズレや外れるような違和感から痛みに変わっていくことです。
はじめのうちは立ち上がったタイミングや歩行、階段の昇り降りなどの際に痛みを感じ、やがて進行していくと横になっているときでも常に激しい痛みを伴うようになります。
最悪の場合、股関節に重大な損傷を負ってしまうと再生不可能になり、人工関節への置換手術が必要になることもあるのです。
関連記事:変形性股関節症を悪化させないためにやってはいけないこととは?
自宅でできる股関節のずれ・外れるような感覚の直し方
上記で紹介した内容は、腰椎椎間板ヘルニアや変形性股関節症といった疾患にかかった場合のリスクですが、股関節のズレや外れるような感覚が一時的に現れた場合には自宅で簡単なエクササイズをすることで治ることもあります。
冒頭でも紹介した通り、一時的に股関節がズレたり外れるような感覚に陥るのは、太ももからお尻にかけての筋肉が硬直していることが原因として考えられます。
そのため、まずはストレッチをして筋肉をほぐすことが重要です。
股関節のストレッチ
- 1.床に座って両足を開き、左右の足の裏を合わせます。
- 2.深呼吸をしつつ、体を前に倒すような姿勢で20秒キープします。
- 3.背筋は曲げずにまっすぐ伸ばすことを意識しましょう。
股関節が固くなっている場合、座った状態で両足を無理に合わせようとすると筋肉や腱を痛める可能性もあるため、決して無理は禁物です。
スクワット
- 1.両足を肩幅に開き、つま先を正面に向けた状態で立ちます。
- 2.両手は頭の後ろで組み、視線は正面に向けます。
- 3.垂直に体重を下ろすイメージで、深呼吸をしながら3秒程度をかけて膝をゆっくりと曲げます。
- 4.膝を伸ばし、ゆっくりともとの姿勢に戻します。
上記の動作を20〜30回程度繰り返します。
関連記事:変形性股関節症は手術せずに治せる?|再生医療とはどんな治療なのか
整形外科での検査方法
股関節のズレや外れるような違和感が続く場合には、整形外科を受診し正確な検査を受けることが重要です。
医療機関では症状に合わせてさまざまな検査方法が用いられますが、今回はその中でも代表的な3つの方法を紹介しましょう。
レントゲン
レントゲンとはX線を用いた検査方法です。
骨に異常がないかを調べる際に用いられることが多いですが、放射線を使用するため検査の前には触診や問診によって患部を特定し、限られた範囲のみを撮影します。
エコー
超音波を照射し、内部の異常を調べる検査方法をエコー検査とよびます。
筋肉や靭帯の損傷を調べるときに用いられることが多く、放射線による被爆リスクもないため病室でも手軽に検査できます。
MRI
MRIとは、全身または体の一部を輪切りにしたような断面画像を撮影する検査方法です。
レントゲンやエコー検査では判別が困難な情報やデータも詳しく収集できるのがMRIの強みといえます。
整形外科での治療方法
股関節の治療には、症状や進行状況に応じてさまざまな方法があります。
整形外科で行われる代表的な治療法を紹介しましょう。
リハビリ・運動療法
股関節のズレや外れるような感覚は、日々の生活習慣や動きのクセ、体重増加などにより、骨盤の歪みが原因となっていることもあります。
このような初期段階の治療では、理学療法士の指導のもと適切なリハビリや生活習慣の改善指導などが行われます。
また、手術後もリハビリや運動療法は不可欠ですが、これらは回復状況に合わせて医師や理学療法士の判断のもとで治療が必要です。
超音波治療
専用の医療器具を使用し、患部に超音波を照射する治療法を超音波治療とよびます。
筋肉や靭帯の異常、炎症などが発生している際に超音波治療が用いられることが多く、組織の修復・回復に効果が見込める治療法です。
ヒアルロン酸注射
軟骨の損傷によって股関節の違和感や痛みが発生している場合、ヒアルロン酸注射による治療が選択されることがあります。
痛みも併発している場合には鎮痛薬と一緒に投与し、組織および股関節の機能を回復させます。
再生医療
股関節の骨や組織が損傷している場合、脂肪幹細胞治療やPRP療法、PFC-FD療法といった再生医療が用いられる場合もあります。
損傷した骨や組織を再生する治療法であり、自分自身の組織や血液を用いるため副作用のリスクを抑えられます。
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体外衝撃波治療
患部の皮膚の上から衝撃波を与え、患部の炎症を回復する治療法です。
複数回の通院が必要ですが、1回あたりの治療時間が短いため患者の負担も少ないことがメリットです。
初期段階の骨壊死が認められる場合、体外衝撃波治療によって改善することも期待されます。
関連記事:体外衝撃波治療の効果とデメリットは?|適応疾患や頻度についても解説
ハイドロリリース
一時的な筋肉の硬直や癒着などによって股関節のズレや外れるような感覚がある場合、ハイドロリリースが治療法として用いられることもあります。
筋膜リリース注射ともよばれ、その名の通り癒着した筋膜を剥離することで症状を緩和します。
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手術
股関節が外れるような違和感を放置したまま長期間経過した場合、上記で紹介したさまざまな治療法では改善が見込めないこともあります。
そのような場合には、最終的に手術が必要となる場合もあるでしょう。
変形性股関節症の治療にあたっては、主に「内反骨切り術」や「外板骨切り術」、「人工股関節置換術」などが選択されます。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは患者に合わせたオーダーメイド治療を提供
股関節が外れる・ズレるような違和感は患者にとっても表現が難しく、医師に自分自身の症状を正しく伝えられないこともあります。
そのため、このような症状を改善するためには、股関節の治療を多く手掛けた実績のある整形外科に頼るのがベストです。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、これまで多くの患者の治療を手掛けており、再生医療や体外衝撃波、ハイドロリリースといった最新鋭の治療法にも対応しています。
また、症状がうまく伝えられない場合でもレントゲンやエコー、MRIなどによって徹底的に検査を行い、その原因を特定、患者様に合わせた最適な治療法を提案します。
症状が軽い場合には、専門の理学療法士のもとでパーソナルリハビリも提供しています。
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まとめ
股関節がズレる、外れるような感覚の原因はさまざまで、自分自身の判断に頼るのは危険です。
まずは整形外科を受診し、精密検査などを受けて正確な診断をしてもらいましょう。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、患者様一人ひとりの症状に応じてきめ細かな検査と治療を提供しており、これまで多くの治療実績があります。
股関節の違和感に悩んでいる、または不安を感じている方はぜひ一度受診ください。
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藤沢駅前 藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長 渡邉 順哉
経歴
●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長