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骨粗鬆症の治療に使用される注射の一覧と効果・副作用について解説

骨の密度が低下し、内部がスカスカの状態になる骨粗鬆症。

治療をしないまま放置しておくと骨折リスクが高まるだけでなく、深刻な後遺症が残り日常生活に支障をきたす恐れもあります。

骨粗鬆症の治療は薬物療法がメインですが、特に注射は骨密度を向上させるために有効な方法のひとつです。

そこで本記事では、骨粗鬆症の治療にはどういった注射が用いられるのか、主な種類を紹介するとともに、期待される効果や副作用、注射を打つ頻度、治療にかかる費用なども詳しく解説します。

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骨粗鬆症の治療に使用される注射と頻度

骨粗鬆症の治療にはさまざまな薬が用いられます。

大きく分けると内服薬と注射製剤の2つが存在しますが、今回は代表的な注射製剤をいくつか紹介しましょう。

①ビスホスホネート製剤

ビスホスホネート製剤は骨粗鬆症に用いる治療薬のなかでも特にメジャーな存在であり、注射だけでなく内服薬としても処方されます。

アレンドロン酸やリセドロン酸、イバンドロン酸、ミノドロン酸、ゾレドロン酸などが代表的で、破骨細胞の働きを抑える高い効果が期待できます。

②デノスマブ製剤

デノスマブ製剤はビスホスホネート製剤よりもさらに強力な効果が期待できる注射製剤です。

1回あたりの注射で8,000円程度(保険適用3割負担の場合)と高価ですが、半年に1回程度の皮下注射で済みます。

③テリパラチド製剤

テリパラチド製剤は骨芽細胞の働きを促進させる効果のある注射製剤です。

特に骨折のリスクが高い場合に用いられることが多く、毎日または週に2回程度の皮下注射を行います。

④ロモソズマブ製剤

ロモソズマブ製剤は最新の注射製剤であり、骨粗鬆症に対してもっとも効果が期待できるとされています。

毎月1回、1年間にわたって皮下注射を行います。

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骨粗鬆症の治療に使用される注射の効果と副作用

骨粗鬆症の治療にあたっては、注射製剤の効果と副作用のリスクを十分に把握したうえで最適な方法を検討しなければなりません

上記で紹介した注射製剤は、それぞれどういった効果・副作用があるのか詳しく解説しましょう。

①ビスホスホネート製剤

【効果】

破骨細胞の働きを抑え、骨密度を上昇させ骨が破壊されるのを防ぐ

【副作用】

骨形成まで抑える働きがある

逆流性食道炎・胸焼け

ごく稀に顎骨壊死のリスクがある(0.001%) など

②デノスマブ製剤

【効果】

破骨細胞の働きを抑え、骨密度を上昇させ骨が破壊されるのを防ぐ

【副作用】

ごく稀に顎骨壊死のリスクがある(0.001%)

③テリパラチド製剤

【効果】

骨芽細胞の働きを促進させ、骨をつくる

【副作用】

吐き気

④ロモソズマブ製剤

【効果】

骨芽細胞の働きを促進させ、骨をつくる

【副作用】

心血管疾患の既往がある患者に使用した場合、稀に突然死のリスクがある

関連記事:骨粗鬆症(骨粗しょう症)はどんな検査をするの?検査方法や診断について

参考記事:骨粗鬆症の薬が危険といわれる理由|副作用や注射治療について解説|横浜内科・在宅クリニック

どんな人が骨粗鬆症の注射を受けるべきか

骨粗鬆症にはさまざまな治療法があり、内服薬を用いるケースも少なくありません。

では、どういった場合に注射製剤を選択したほうが良いのでしょうか。

代表的な2つのケースを紹介します。

①骨密度の低下が著しい

年齢を重ねていくと身体機能が衰えるばかりでなく、体内の細胞や組織、さらには骨の形成もされにくくなり、骨密度が低下しがちになります。

骨密度が下がるということは、わずかな衝撃や圧力が加わっただけで骨折をするリスクが高まり、治癒にも時間を要することになるのです。

骨密度の著しい低下が見られる場合、注射製剤を投与し骨密度の上昇および骨形成そのものをサポートする必要があります。

②内服を忘れることがある・煩わしい

骨粗鬆症に限らず、病気の治療にあたって処方される内服薬は毎日定期的に摂取することで効果が得られます

しかし、仕事が忙しく食生活が不規則になってしまったり、そもそも内服を忘れたりすることが多い方もいます。

そのような場合、定期的に通院し注射を打つ治療法が有効といえるでしょう。

関連記事:骨粗鬆症の初期症状は気づきにくい?|骨粗鬆症の原因も解説

骨粗鬆症の治療における注射の頻度について

骨粗鬆症の治療にあたっては、どの程度の頻度で通院しなければならないのかによっても内服・注射の選択の判断基準として重要です。

上記で紹介した注射の種類によっても通院頻度は異なるため、それぞれの違いを解説しましょう。

①ビスホスホネート製剤

ビスホスホネート製剤は内服薬として処方されるケースが多いですが、注射製剤を用いる場合には、薬剤の種類によっても1週間、4週間、1ヶ月と通院頻度は異なります。

また、点滴限定ではあるものの1年に1回で済む製剤も販売されました。

②デノスマブ製剤

デノスマブ製剤は半年に1回程度の皮下注射で済みます。

ただし、効果を持続するためには使用し続けることが前提であり、注射を中止してしまうと骨密度が極端に低下するリスクがあるため注意が必要です。

③テリパラチド製剤

テリパラチド製剤は、自己注射と通院での皮下注射から選ぶことができます。

自己注射の場合は、毎日または週に2回程度、通院の場合は週1回の皮下注射を行います。

④ロモソズマブ製剤

ロモソズマブ製剤は、毎月1回、1年間にわたって両肩に皮下注射を行います。

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骨粗鬆症の治療における注射の費用

骨粗鬆症の注射は定期的に行う必要があるため、治療にかかる費用も気になるところです。

注射製剤ごとの費用相場、および保険適用の可否についても解説しましょう。

ビスホスホネート製剤

骨粗鬆症の治療薬としてもっともメジャーなビスホスホネート製剤は、保険が適用される注射製剤です。

製品によっても多少価格は異なりますが、3割負担の場合で1回あたりおよそ1,000円程度の費用で済みます。

デノスマブ製剤

デノスマブ製剤も保険が適用される注射製剤ですが、ビスホスホネート製剤よりも効果が強力なため、3割負担の場合1回あたりの注射で8,000円程度の費用がかかります。

ただし、注射を打つ頻度は半年に1回程度と少ないため、トータルの費用として考えると安価といえるでしょう。

テリパラチド製剤

テリパラチド製剤は毎日または週に2回程度の自己注射、週1回の通院注射が選べます。

週2回の自己注射の場合、ひと月に換算すると3割負担で約15,000円程度の費用になります。

ロモソズマブ製剤

ロモソズマブ製剤の注射にかかる費用はテリパラチド製剤と同程度であり、3割負担の場合ひと月に換算すると15,000円程度となります。

関連記事:骨粗しょう症の骨密度検査部位や診断基準について

注射以外の骨粗鬆症の治療法は?

骨粗鬆症の治療は骨密度を上げることが目的のため、クリニックで行うのは注射や点滴、内服薬による薬物療法がメインとなります。

これらと並んで重要となるのが、日々の生活習慣の改善です。

特に、骨のもととなるカルシウムを積極的に摂取することはもちろん、カルシウムの吸収を助けるビタミンKビタミンB6、B12なども不可欠です。

さらに、ウォーキングなど適度な運動を継続することにより、骨に刺激が加わり骨密度が強化されていきます。

 

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは患者に合わせたオーダーメイド治療を提供

骨粗鬆症は特に中高年の女性に多く見られる疾患であり、40代を目安に定期的に検査を受けることが重要です

骨折をしたときに初めて、自身が骨粗鬆症であることを認識する患者様も少なくありません。

ただし、骨粗鬆症と一口にいっても、一人ひとりの骨密度は異なり症状の進行具合も同じではありません。

そのため、今回紹介したようにさまざまな注射製剤を比較しながら、最適なものを選ぶ必要があります。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、骨粗鬆症専門外来を設置しており、これまで多くの患者様の治療にあたってきました。

特に、これまで一度も骨粗鬆症の検査を受けたことがない、または数年以上検査をしていないという方は、ぜひ一度受診ください。

 

テレビ取材を受けた骨粗鬆症診療とは?

骨粗鬆症の診療でイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックがテレビによる取材を受けた時の動画です。

映像やナレーション、テロップ等を使ったわかりやすい解説となっておりますので、こちらもぜひご覧ください。

まとめ

骨粗鬆症は自覚症状がないまま進行するため、骨折をしたときに骨密度が大幅に減少していたことを初めて知る方も少なくありません。

骨粗鬆症を改善するためには、内服薬や注射による投薬治療がメインとなりますが、それ以外にも日々の生活習慣を見直し改善していくことが重要です。

中高年になると骨折をしてから回復するまで時間を要し、後遺症などによって日常生活に支障をきたすリスクも高まることから、定期的に骨粗鬆症の検査を行い必要に応じて治療をスタートさせましょう。

 

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この記事の監修医師


藤沢駅前 藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長