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骨粗鬆症(骨粗しょう症)はどんな検査をするの?検査方法や診断について

加齢とともに骨の強度が低下し、骨折リスクが高まる骨粗鬆症。

自覚症状がほとんどないまま進行する特徴があることから、骨折をして初めて骨粗鬆症であることが判明するケースが少なくありません。

このような事態を防ぐために、定期的に骨粗鬆症の検査を受けることが重要といえます。

そこで本記事では、骨粗鬆症の検査方法にはどういった種類があるのか、診断基準や治療法などもあわせて解説します。

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なぜ骨粗鬆症の検査は必要なのか?

骨粗鬆症は特に中高年の女性に多く見られる老化現象のひとつです。

骨の量が減り、強度が弱くなることで骨折しやすくなりますが、自覚症状がほとんどなく骨折をしたときに初めて骨粗鬆症であることが判明するケースが少なくありません。

年齢を重ねると骨折の回復にも時間を要することから、日常生活で骨折に注意し予防するためにも、定期的に骨粗鬆症の検査を行うことが重要といえます。

関連記事:骨粗鬆症の初期症状は気づきにくい?|骨粗鬆症の原因も解説

骨粗鬆症の検査方法の種類

骨粗鬆症は、骨の量や強度、密度を検査し診断を行います。

では、これらの検査は具体的にどのようにして行われるのでしょうか。検査方法の主な種類を紹介します。

一般的な骨粗鬆症の検査方法

多くの病院や検査機関で行われる骨粗鬆症の検査方法には、以下の3つがあります。

骨密度検査・海綿骨構造指標検査

骨密度検査および海綿骨構造指標検査は、超音波やX線を用いて骨の密度および構造を調べる検査方法です。

骨密度検査には、腰椎や大腿骨の骨密度を正確に計測できるDXA法があります。

また、海綿骨構造指標検査は、骨密度だけでは判断が難しい骨の構造を調べるのに適した方法であり、正確な骨粗鬆症の検査に欠かせません。

レントゲン検査

レントゲン検査は、背骨全体をX線で撮影する方法です。

骨密度検査との違いは、骨がスカスカになっていないかを検査するとともに、骨の変形や骨折がないかを確認し、骨粗鬆症とその他の病気を判別します。

血液検査

血液検査は、骨の質を判断するためのホモシステインやペントシジンといった物質を調べると同時に、続発性骨粗鬆症の原因精査にも用いられる検査方法です。

その他骨粗鬆症に関連する検査

上記で挙げた骨粗鬆症の検査方法は、いずれも専門的かつ精度が高いものばかりですが、これ以外にも手軽にできる検査方法もあります。

骨密度測定

手のひらをかざすだけで診断可能なMD法や、かかとに超音波を当てるだけで計測可能な超音波法などがあります。

腰椎や大腿骨の骨密度検査に比べると検査の精度は高いとはいえませんが、簡易的な方法であることからさまざまな場所で普及しています。

骨代謝マーカー

骨代謝の際に生成される物質を調べることで、骨代謝がどの程度活発に行われているかを把握し、骨粗鬆症のリスクを計測する検査方法を骨代謝マーカーとよびます。

骨芽細胞が生成する物質であるP1NPを計測する骨形成マーカーや、破骨細胞が生成する物質TRACP-5bを計測する骨吸収マーカーなどがあります。

骨関連ビタミン

骨代謝は骨粗鬆症を予防するために重要な働きをしますが、この際に不可欠なのが骨関連ビタミンとよばれるビタミンD、K、Bなどです。そこで、骨代謝マーカーのひとつとして、骨質に悪影響を及ぼすucOCを計測する骨質マーカーを計測する方法もあります。

骨粗鬆症の診断基準

骨粗鬆症であるかどうかを診断する際には、「原発性骨粗鬆症の診断基準(2012 年度改訂版)」に沿って判断されます。

このなかでは、骨密度を検査しただけでは骨折リスクを判断することは難しいとしており、大きな危険因子として既存骨折の有無が挙げられています。

特に、椎体または大腿骨近位部に脆弱性骨折がある場合には、骨密度の計測値にかかわらず骨粗鬆症と診断されます

また、上記の部位以外で脆弱性骨折があり、なおかつ骨密度がYAM(若年成人平均値)の80%未満であった場合でも骨粗鬆症と診断されます。

さらに、既存骨折がない場合には、骨密度がYAM(若年成人平均値)の70%以下または-2.5SD以下の場合に骨粗鬆症と診断されます。

◆骨粗鬆症診療ガイドライン

骨密度が正常でも骨折のリスクがある人がいる?

従来、骨粗鬆症は骨密度の高さが影響していると考えられてきました。

しかし、実際にさまざまな骨折の症例を見てみると、骨密度が高いにもかかわらず骨折リスクが高い患者が一定数存在することが判明しました。

そこで注目されるようになったのが、骨質とよばれる概念です。

骨質とは、骨内部の構造や石灰化の密度、骨代謝のスピード、微小骨折の有無などによって変化するものです。

現在では、骨粗鬆症は骨密度が70%、骨質が30%程度の割合で関係しているとされており、必ずしも骨密度の測定だけで診断することは適切ではないのです。

関連記事:骨粗鬆症の予防対策|食べ物・運動・サプリ・薬などにわけて紹介

骨粗鬆症の検査は何歳から受けるべき?

骨粗鬆症の検査は、女性の場合は40歳から、男性の場合は50歳からを目安に、4〜12か月に1回程度のペースで定期的に受診することが理想といえます。

特に女性は、40代半ばに閉経後、骨密度が急激に減少しやすいことから、男性に比べて骨粗鬆症の発症リスクが高いです。

また、運動不足や無理なダイエットをしている方も、性別を問わず骨粗鬆症の発症リスクが高いことからこまめな検査を受ける必要があります。

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骨粗鬆症の検査にかかる費用

骨粗鬆症の検査にかかる費用は、部位や検査方法によっても変わってきます。

たとえば、X線で腰椎および大腿骨の骨密度を正確に測る場合には、保険適用(3割負担)で1回あたり1,000〜1,500円程度の費用となっています。

さらに、前腕など簡易的な検査であれば、1回あたりの検査費用は数百円程度に抑えられる場合もあります。

骨粗鬆症の検査はどこで受けられる?

骨粗鬆症の検査は定期的に行う必要があることから、できるだけ近場で手軽に通えるところが理想的です。

検査自体はさまざまな医療機関で行われており、整形外科外科内科婦人科などを受診するケースが一般的です。

公的施設でも検査は行われていますが、確実なのはまず所管の保健所に問い合わせてみることです。

自宅の付近で骨粗鬆症の検査を行っている医療機関を紹介してくれるほか、自治体が行っている無料の検査を紹介してくれることもあります。

なお、骨粗鬆症の検査でX線撮影をする場合には、専用の検査着を医療機関側で用意してくれるため、それに着替えます。

ただし、ブラジャーの金具やボタンといった金属が検査に影響を与えることがあるほか、湿布やエレキバンなどを体に貼り付けている場合も悪影響を及ぼす可能性があるため、事前に取り外しておくことが重要です。

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骨粗鬆症と診断された後の治療

骨粗鬆症と診断された場合、骨の強度を高めるために食事療法や運動と並行して薬物治療が選択されることが多いです。

たとえば、破骨細胞の活性化を抑えるビスホスホネートや、骨の代謝を促す副甲状腺ホルモン薬や抗スクレロスチン抗体などが代表的ですが、これらは飲み薬として摂取する場合もあれば月1回程度の注射によって投薬する場合もあります。

また、骨の代謝を促進するカルシウムやビタミン類などを補給するために、飲み薬が処方されることも少なくありません。

症状が軽い場合や初期の治療段階では飲み薬が選択されることが多いですが、症状が重く骨折リスクが特に高い場合などでは注射へと移行していく場合もあります。

関連記事:骨粗鬆症の治療に使用される注射の一覧と効果・副作用について解説

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは最新鋭の骨密度検査の機械を導入

骨粗鬆症の検査や治療にあたっては、特に整形外科を受診する患者が多い傾向にあります。

ここで重要なのは、より専門的で多様な検査に対応できる整形外科を受診することです。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは骨粗鬆症専門外来を設けており、骨密度はもちろん、骨質の検査・治療についても力を入れています。

年間約5,000件の検査実績があり、患者さま一人ひとりに寄り添った治療を提案していることが大きな強みといえます。

さらに、腰椎と大腿骨の骨密度検査をわずか5分程度で計測できる最新鋭の機器も導入済みで、定期的に検査を受けても放射線による健康リスクはほとんどありません。

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テレビ取材を受けた骨粗鬆症診療とは?

骨粗鬆症の診療でイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックがテレビによる取材を受けた時の動画です。

映像やナレーション、テロップ等を使ったわかりやすい解説となっておりますので、こちらもぜひご覧ください。

まとめ

閉経後にホルモンバランスが崩れ、骨密度が低下する傾向が見られることから、骨粗鬆症は特に中高年の女性に多いものです。

また、運動の習慣がなかったり、寝たきりの生活が長く続いている方も骨粗鬆症のリスクは高まります。

検査方法にはさまざまな種類があり、短時間で手軽に測定できるものもありますが、より精度の高い検査を行うためには最新の機器を使用したX線撮影がおすすめです。

精度の高い検査と骨粗鬆症の治療実績が豊富な整形外科をお探しの方は、ぜひ一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックを受診ください。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長