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外側型野球肘

疾患概念

特に野球で肘に負担のかかる投げ方や繰り返す投球動作などによって、前腕と上腕の関節面の軟骨に生じるが変性、壊死。

 

誘因・原因

投球動作時に、上腕骨小頭の軟骨下骨に圧迫と剪断力(平行に2つの力が逆に働くこと)が繰り返し加えられることで発症します。投球動作により肘に回旋ストレスが起き、尺側(小指側)は牽引される内側型、橈側(母指側)は圧迫される外側型とさまざまな障害が起こると考えられています。

症状・臨床所見

初期では症状に乏しいことがあります。進行すると投球時、投球後に肘外側に疼痛を自覚しますが、少し安静にすると症状は軽快します。さらに進行すると、可動域の制限や日常生活でも疼痛を自覚します。関節遊離体(骨折などによって骨が移動すること)がはまり込むと、ロッキング症状(関節が動かせない状態)が出現し、将来、変形性関節症をまねきます。

検査・診断・分類

単純X線検査

肘関節45°屈曲位正面像で評価します。透亮期は上腕骨小頭に骨透亮像(骨が薄く写る部分)を認め、分離期には、透亮像の中に少し転位のみられる骨軟骨片を認めます。遊離期には、骨軟骨片は完全に離れ遊離体となる。

 

MRI検査

X線より病期を正確に判断することができます。

 

治療

透亮期、分離期早期では保存的治療とし、投球動作を制限します。MRI検査で、骨片が分離し不安定になる分離期後期や遊離体としてみられる場合、鏡視下病巣切除や骨軟骨移植など種々の方法が試みられています。早期に発見するためメディカルチェックが重要となります。また、原因となる投球過多の制限や投球フォームの指導も大切です。

 

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