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理学療法士 肩関節 勉強会

肩関節の疼痛が長引く場合は神経的な要素も含まれていることが多い。筋肉は神経に支配されているため、神経の滑走障害などで疼痛が長引いてしまうことがある。

疼痛が強い場合は服薬などで調整していくのが望ましいが、服薬の種類によっては眠気を催すものもあるため車の運転がある方は注意が必要である。

そのため、疼痛が強い場合は運動療法だけに頼らずに服薬も行った方が良い場合もある。

肩関節周囲の筋が硬い場合は、ストレッチだけでなく、筋がしっかりとスムーズに伸び縮みしやすいようにすることも大切である。

 

筋の伸び縮みをスムーズに行うことで神経や血管への負担が少なくなり、疼痛が減ることもある。

 

肩関節周囲炎では結帯動作が制限されることが多い。

結帯動作は肩関節の伸展、内転、内旋の複合運動である

そのなかで棘上筋は肩関節の内転の制限を生じさせる。

棘上筋は肩甲骨に付着しているため、肩甲骨周囲の筋と連結している。

そのため、肩関節の可動域訓練だけでなく、肩甲骨の可動域訓練も必要である。

棘上筋による可動域制限では肩峰下滑液包の滑走性の低下によるものもある。

そのため、肩関節の内転可動域を向上させるためには棘上筋の柔軟性の向上、肩甲骨周囲の筋の柔軟性の向上、肩峰下滑液包の滑走性の向上が必要である。

 

結帯動作は内旋の制限では棘下筋の硬さの影響が考えられる。

棘下筋も肩甲骨周囲の筋と連結をしているため肩甲骨周囲の柔軟性の向上が必要である。

内旋の制限では棘下筋以外にも烏口腕筋の硬さも影響を与える

烏口腕筋は烏口突起から付着しており、内旋以外にも、外旋にも制限が生じます

また烏口腕筋は筋皮神経が通過しているため、烏口腕筋の疼痛は神経による疼痛も生じる可能性がある。

烏口腕筋以外にも肩関節周囲の筋から神経が通過するため、疼痛が神経によるものか、筋によるものかは判断する必要がある。ストレッチだけで改善する場合もあるが、筋の柔軟性の向上、神経の滑走性の向上が必要な場合はストレッチだけでは改善しないことも多い。

特にQLSでの腋窩神経の絞扼による症状もよくみられる。

その場合は、大円筋、上腕三頭筋、小円筋の柔軟性の向上、滑走性の向上を促す必要がある。

肩関節の疼痛が強い場合は神経の経路の配慮して施術を行う必要があり、肩関節の肢位にっよって神経に牽引、負荷がかかってしまい疼痛をい増強をさせてしまい、肩関節の可動域制限を助長してしまうため注意が必要である。

 

また神経は頸椎から伸び、斜角筋、肋鎖関節、小胸筋下を通過しているため、肩関節のみのアプローチのみでなく、頸椎、胸郭周囲のアプローチも必要であり、そのアプローチで改善することも多くある。

 

筋は神経の支配を受けて収縮し、血管から栄養を受けている。

肩関節の可動域制限が強い(凍結肩)の場合は栄養を与える血管が入り込みにくいため、症状の改善、関節可動域の向上には時間を要する。

 

凍結肩では痛みを感知しやすい物質が多くあり、どの方向で痛みが出現するのかを評価する必要がある。概ね、どの方向の可動域にも制限が生じるが、どの方向で、どこの箇所に疼痛が生じるのかを評価する必要がある。どの方向にも同じ箇所に疼痛が出現する場合は、疼痛を発生させている組織は同一であると考えられるため、注射をすれば、どの方向の可動域も改善傾向はみられる可能性が高い。しかし、疼痛の部位がそれぞれ異なる場合は、評価を行い、それぞれアプローチする必要がある.

 

肩関節周囲炎では結滞動作以外にも結髪動作にも制限を及ぼす。

結髪動作は肩関節外転、外旋の可動域が必要である

また、肩甲骨の可動域も必要になる。そのため肩関節の前方突出のようなアライメントであると結髪動作の制限が生じる。

また鎖骨の影響も受けるため、胸鎖関節、肩鎖関節の要素も考慮していく必要がある。

 

肩関節の外転、外旋は結滞動作の肩関節内転、内旋と真逆の動きになるが、筋の滑走性による要素を考慮すれば、両方の可動域をスムーズに獲得する必要がある。

筋の硬さだけでなく、筋がスムーズに動くようにアプローチすることが必要である。

 

外転、外旋位は肩甲下筋の伸張性が必要である。

肩甲下筋は烏口腕筋と滑走するため、両方の筋を考慮してアプローチをしていく。

烏口腕筋は先述したように、内旋、外旋ともに制限になる筋である。

そのため、結滞動作と結髪動作で同一の部位(上腕部)に疼痛がある場合は、烏口腕筋のアプローチが必要である。

 

上腕二頭筋短頭も烏口腕筋と同様に烏口突起から付着するため上腕二頭筋のアプローチも必要である。また共同腱の付近から筋皮神経が走行し、上腕二頭筋を支配する。

 

大胸筋も肩関節の外転、外旋の制限を生じてしまう。

大胸筋の深層には小胸筋が走行しており、小胸筋の下部を神経、血管が走行しているため、外転、外旋制限以外にも神経障害などを生じる可能性もある。

胸郭出口症候群も同様である