back pain背中・胸の疾患について
TREATMENT METHOD背中・胸の代表的な疾患・治療法
胸椎椎体骨折
胸椎椎体骨折は、胸椎(胸部の脊椎)の椎体(脊椎の骨)が骨折する状態を指します。胸椎骨折は、外傷や骨粗鬆症などの要因によって引き起こされます。
症状
胸椎椎体骨折の症状には、次のようなものがあります
- 痛み
- 胸椎骨折の最も一般的な症状であり、椎体骨折の場所や程度によって痛みの程度が異なります。痛みは患部の動かすことや圧迫することで悪化することがあります。
- 背中の圧痛
- 椎体骨折が背中に圧迫感や痛みを引き起こすことがあります。
- しびれや麻痺
- 椎体骨折が脊髄や神経に圧迫を及ぼすことで、周囲の筋肉や皮膚に異常感覚や麻痺を引き起こすことがあります。
- 姿勢の変化
- 胸椎骨折が背中や胸郭の形状に変化をもたらすことがあります。
胸椎椎体骨折は、外傷や骨粗鬆症などのリスク因子がある場合に注意が必要です。治療は、骨折の程度や患者の状態によって異なりますが、一般的には安静や装具、理学療法、または手術などが行われることがあります。早期の診断と適切な治療が重要です。
肋骨骨折
肋骨骨折は、胸郭(胸部の骨格)にある肋骨(胸部の骨)が骨折する状態を指します。肋骨は胸郭を形成し、内臓を保護する役割を果たしています。肋骨骨折は通常、外傷や急激な圧迫、転倒などの力が加わることによって引き起こされます。
症状
肋骨骨折の主な症状には以下が含まれます
- 痛み
- 骨折した部位の強い痛みが特徴的です。特に深呼吸や咳、くしゃみなどの胸郭の動きを伴う動作時に痛みが強くなることがあります。
- 呼吸困難
- 肋骨の骨折により、呼吸運動が制限されるため、深い呼吸や胸郭の拡張が困難になることがあります。
- 腫れや内出血
- 骨折した部位に腫れや内出血が現れることがあります。
- 圧痛
- 骨折した部位を触ると圧痛が生じることがあります。
- 気蓋下出血
- 重症の肋骨骨折では、気蓋(胸郭の内側にある膜)下に血液がたまることがあり、これが気蓋下出血として現れます。
肋骨骨折の治療は、骨折の程度や患者の症状に応じて異なります。一般的には、安静や痛みの管理、呼吸を助けるための姿勢の工夫、場合によっては装具の使用が行われます。重度の骨折や合併症のある場合には、手術が必要なこともあります。早期の診断と適切な治療が重要です。
肋間神経痛
肋間神経痛は、肋間神経が圧迫されたり刺激されたりすることによって生じる痛みを指します。通常、胸郭内の筋肉や組織の炎症、外傷、姿勢の問題、神経の圧迫などが原因となります。肋間神経は胸郭内を走行する神経であり、胸郭の側面に沿って肋骨の間を通っています。
症状
肋間神経痛の主な特徴と症状には次のようなものがあります
- 突然の鋭い痛み
- 肋間神経痛はしばしば突然の鋭い痛みとして現れます。この痛みは胸郭の側面や背中に沿って広がることがあります。
- 痛みの増悪
- 深呼吸、くしゃみ、咳、動作などの胸郭の動きによって痛みが増悪することがあります。
- 拡散性の痛み
- 肋間神経痛はしばしば広範囲にわたる痛みを引き起こします。胸郭の側面や背中、肩、腕にまで痛みが放散することがあります。
- しびれや痺れ
- 痛みとともに、しびれや痺れを感じることがあります。
- 圧痛
- 痛みがある部位を触ると圧痛が生じることがあります。
肋間神経痛の治療には、安静、痛みの管理、適切な姿勢の維持、筋肉の強化やストレッチ、または薬物療法(非ステロイド性抗炎症薬など)が含まれることがあります。場合によっては、神経ブロック注射や物理療法も行われることがあります。痛みが慢性的で重度の場合は、手術が必要なこともありますが、一般的には保守的な治療が優先されます。
胸鎖関節炎
胸鎖関節炎は、胸郭の中央に位置する胸鎖関節の炎症や損傷を指します。胸鎖関節は、鎖骨(胸鎖骨)と胸骨(胸鎖突起)が接する部位であり、肩関節や上腕二頭筋とともに肩関節の安定性を保つ重要な構造の一部です。
症状
胸鎖関節炎の症状は、胸鎖関節周囲に痛みが生じ、肩や首の動きや圧迫によって増悪します。関節を圧迫すると痛みが生じ、肩関節や首の動きに制限が現れます。また、関節周囲に腫れや熱感があり、関節部分が赤くなることがあります。
変形性胸椎症
変形性胸椎症は、胸椎の変性や退行性変化によって生じる疾患です。通常、歳を重ねると、背骨の椎間板や関節が摩耗し、骨棘が形成されることがあります。この摩耗や変形によって、胸椎の構造や機能が損なわれ、痛みや運動制限が生じることが特徴です。変形性胸椎症は、加齢や姿勢の悪化、遺伝的要因、外傷などが原因となります。
症状
変形性胸椎症の症状は、背中や胸部に鈍痛や圧迫感を感じることがあります。また、筋肉のこわばりや緊張、さらには神経圧迫による手のしびれや痛みも現れることがあります。患者は体の前屈や後屈、横方向の動作で痛みを感じることがあり、長時間同じ姿勢を維持することが難しくなる場合もあります。また、重度の場合には、脊椎の変形によって脊髄や神経根が圧迫され、下肢の痺れや筋力低下、排尿障害などの症状が生じることがあります。