骨粗鬆症の薬を飲まないとどうなる?放置リスクや続け方を解説
※本記事は、整形外科専門医・イノルト整形外科 統括院長 渡邉順哉医師の監修のもと執筆しています。

骨粗鬆症の薬を飲み続けることに、「いつまで続くのだろう」「副作用が心配」と不安を感じていませんか?
自覚症状が乏しい病気のため、飲む意味が実感しにくく、やめたい気持ちが芽生えることもあります。
しかし、薬を飲まない、あるいは自己判断で中断すると、思わぬリスクにつながることがあります。
この記事では、骨粗鬆症の薬を飲まないとどうなるのか、その放置リスクと薬を続ける期間の目安、やめたい場合の注意点を解説します。
なお症状や経過には個人差があり、治療の判断には医師の診察が必要です。
Contents
骨粗鬆症の薬を「飲まない」「やめる」とどうなる?3つの放置リスク
骨粗鬆症の薬を飲まなかったり中断したりすると、どのようなことが起こるのでしょうか。
ここでは主な3つのリスクを順に見ていきます。
自覚症状がないまま骨密度が低下し骨折リスクが高まる
私たちの骨では、古い骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」が常に繰り返されていますが、このバランスが崩れて骨吸収が優勢になると、骨密度が少しずつ低下してしまいます。
薬物治療は、このバランスに働きかけて骨密度を維持するためのものであり、治療中にも関わらず飲まない状態が続くと、軽い転倒や衝撃でも骨折のリスクが高まります。
なお、骨密度の変化の程度には個人差があり、年齢・体質・生活習慣などによって異なります。
軽い衝撃でも骨折しやすくなる(骨折の連鎖)
骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状が乏しく、進行に気づきにくいため、骨折して初めて判明するケースも多く見られます。
注意したいのは、自覚症状がないからといって、骨に問題がないとは言い切れない点です。
痛みがないからといって治療をやめてしまうと、気づかないうちに骨がもろくなっており、新たな骨折を招くことも十分考えられます。
だからこそ、骨密度の状態を定期的に確認しながら治療を続けることが大切です。
骨折が引き金となり「寝たきり(要介護)」につながる
骨がもろくなると、わずかな衝撃でも骨折するリスクが高まり、その骨折が引き金となって寝たきりにつながる可能性があります。
特に大腿骨の付け根や背骨の骨折は、手術や長期の安静が必要となるため、筋力が低下して歩行困難になったり、寝たきりや要介護の状態につながったりするリスクが高くなります。
骨密度や骨折のリスクは一人ひとり異なるため、気になる場合は早めに整形外科でご相談ください。
関連記事:骨粗鬆症の原因|骨がもろくなる理由となりやすい人の特徴を解説
骨粗鬆症の薬はいつまで飲む?継続する期間の目安
骨粗鬆症は基本的に完治する病気ではないため、生涯にわたって治療を継続していくことが必要です。
ただし、薬の種類によっては治療期間の制限や休薬期間が決められているものもあり、医師と相談しながら決定することが大切です。
以下では、薬の種類ごとに、継続する期間の目安について表にまとめました。
| 薬の種類 | 続ける目安 | 継続/見直しのポイント |
| ビスホスホネート製剤(飲み薬・注射) | 数年は継続することが一般的 | 3〜5年程度を目安に、骨折リスクや骨密度、副作用の有無を確認する。状態によっては、医師の判断で一定期間休薬する「ドラッグホリデー」を検討する場合がある。 |
| 骨形成促進薬(注射薬) | 薬ごとに投与できる期間が決まっている | 骨を作る力を高める薬。テリパラチド(最大24ヶ月)などすべて投与期間に上限があるため、終了後は別の骨粗鬆症薬へ切り替える必要がある。 |
| その他の薬(SERM、活性型ビタミンD製剤、カルシウム製剤 など) | 骨折リスクを見ながら数年〜継続することが多い | 骨密度や骨折歴、副作用、年齢などを確認しながら、治療を続けるか、薬を変更するかを判断する。 |
自分の薬がどこに当てはまるか、いつまで続ける必要があるかといった詳しい内容は、主治医に確認しましょう。
骨粗鬆症の薬をやめたい場合の注意点
副作用や通院の負担から、薬をやめたいと感じる方もいらっしゃいます。
ここでは、やめたいと考えたときに知っておきたい注意点についてご紹介します。
副作用が心配でも自己判断で服薬を止めない
副作用は薬の種類によって異なり、定期的な検査によって管理されています。
たとえば、一部の薬では血液中のカルシウム値の変化に伴い、高カルシウム血症や低カルシウム血症が起こることがあるため、検査による確認が必須です。
副作用が気になる場合も、自己判断でやめてしまう前に、骨粗鬆症に詳しい整形外科医へ相談することが大切です。
症状や状態によっては、薬の種類や使い方を調整できる場合もあるため、まずはお気軽にご相談ください。
骨粗鬆症の治療については、以下の記事でもご紹介しています。
関連記事:骨粗鬆症の治療は何をする?注射や薬の種類や治療期間を解説
「続けやすい方法」を提案してもらう
服薬や通院の負担が理由で継続が難しいときは、薬の種類や頻度を見直すことで負担を軽くできる場合もあります。
飲み薬には毎日飲むものや週1回、月1回のものがあり、注射には毎日から年1回のものまでさまざまなタイプがあります。
生活スタイルに合わせて続けやすい方法を選ぶことが、治療の継続につながるでしょう。
飲み忘れが多い、続けるのが難しいと感じるときは、我慢せずに専門医へご相談ください。
骨粗鬆症でお悩みならイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックまでご相談ください
骨粗鬆症でお悩みの方は、イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックにご相談ください。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは、その名のとおり痛みと骨粗鬆症に特化した整形外科クリニックです。
骨密度の検査をもとに一人ひとりの状態を確認し、副作用や通院の負担にも配慮しながら、続けやすい治療方法をご提案しております。
「薬をやめたい」「別の方法はないか」という段階でも問題ありません。
不安を抱えたまま自己判断で中断してしまう前に、まずは一度ご相談ください。
LINEやお問い合わせから、気軽にご連絡いただけます。
まとめ
骨粗鬆症の薬を飲まない、あるいは自己判断でやめてしまうと、自覚症状がないまま骨密度が低下し、軽い衝撃でも骨折しやすくなります。
特に高齢の方では、その骨折が寝たきりや要介護につながるリスクもあるため、注意が必要です。
骨粗鬆症は根本的に治りにくい病気のため、薬の種類に応じて継続や見直しを行いながら、長く付き合っていくことになります。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、骨粗鬆症の治療について、一人ひとりの状態や生活に合わせた提案を行っております。
薬の継続や副作用に不安のある方は、まずはお気軽にご相談ください。
この記事の監修医師
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長
渡邉 順哉
経歴
- 平成16年 鎌倉学園高等学校卒
- 平成23年 東邦大学 医学部卒
- 平成23年 横浜医療センター 初期臨床研修
- 平成25年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
- 平成26年 神奈川県立汐見台病院 整形外科
- 平成28年 平成横浜病院 整形外科医長
- 平成30年 渡辺整形外科 副院長
- 令和元年 藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
- 令和6年 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 統括院長
