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立ち上がるときに膝が痛い原因とは?痛みの軽減方法と受診目安を解説

※本記事は、整形外科専門医・イノルト整形外科 統括院長 渡邉順哉医師の監修のもと執筆しています。

床や椅子から立ち上がるときに膝が痛くなるのは、単なる老化ではなく疾患が隠れている可能性があります。

セルフケアやストレッチで痛みを軽減できることもありますが、症状が続く場合は専門医へ相談することが大切です。

 

本記事では立ち上がるときに膝が痛む原因をはじめ、日常生活の中でできる痛みの軽減方法や、受診すべき症状の判断方法まで解説します。

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立ち上がる時に膝が痛い原因となる疾患

立ち上がるときに膝が痛む背景には、膝関節に負担がかかる疾患が隠れていることがあります。

変形性膝関節症

中高年に多い疾患であり、膝の軟骨がすり減って関節が変形し、痛みや腫れが生じるものです。

立ち上がりや歩き始めに強い痛みを感じやすく、進行すると階段の昇降や長時間の歩行が困難になります

半月板損傷

半月板は膝への圧力を分散させるクッションの役割を担う組織です。

スポーツや転倒などで半月板が損傷すると、立ち上がるときやしゃがんだときに鋭い痛みが生じます。

場合によっては、膝が「ロッキング」し、思うように動かなくなる可能性もあります。

膝蓋腱炎

膝のお皿部分(膝蓋骨)とすねの骨をつなぐ腱が、炎症を起こして痛みを生じさせる疾患です。

ジャンプや屈伸動作を繰り返すスポーツ選手の他、年齢とともに身体が固くなってくるとよく見られ、日常生活でも痛みが出る場合があります。

関節リウマチ

免疫の異常によって関節に炎症が起こる疾患です。

朝起きると関節がこわばったり腫れたりすることが多く、立ち上がるときに強い痛みを生じます。

進行すると関節そのものが破壊されてしまうため、早期の診断と治療が必要です。

筋力低下や加齢性変化

太ももやお尻の筋肉が弱まることで、膝への負担が増し、立ち上がり時の痛みにつながることがあります。

特に太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)の衰えは、膝の不安定感につながり、関節の炎症を引き起こします。

関連記事:膝の痛みで病院に行くタイミングとは?治療と再発予防のポイントを解説

立ち上がる時の膝の痛みを軽減する方法

痛みが軽度であれば、日常生活の工夫やセルフケアによって改善を目指せます。

  • 太もも周りの筋トレ:スクワットやレッグエクステンションなど
  • ストレッチ:太もも前後の筋肉をほぐす
  • 温熱療法:入浴やマッサージで血流を促進し痛みを和らげる
  • 体重管理:身長と体重から計算される「適正体重」を目指す
  • サポーターの使用:立ち上がりや歩行を補助し、関節への負担を軽減

特に体重管理は、膝の痛みはもちろん、さまざまな疾患を防ぐことにつながります。

体重が1kg増えると膝への負担が3kg増えるといわれているため、運動量や食事内容を見直すことが大切です。

立ち上がるときの膝の痛みで受診すべき目安の症状

次のような症状がある場合は、整形外科の受診を検討しましょう。

  • 膝の痛みが2週間以上続く
  • 膝が腫れて熱をもっている
  • 動かすとゴリゴリといった音が鳴る
  • 膝がひっかかって動かしにくい(ロッキング)
  • 夜間も痛みで眠れない
  • 階段の昇降や立ち上がり動作が困難

早めに整形外科専門医へ相談することで、進行を抑え、適切な治療を受けられる可能性が高まります。

関連記事:膝が痛い時の対処法は?やってはいけないことや受診のポイントを解説

膝の痛みを軽減するための治療法

膝の痛みを軽減するためには、状態に合った治療法を選択することが重要です。

薬物療法

鎮痛薬や消炎鎮痛剤で炎症・痛みを抑えます。湿布や塗り薬といった外用薬も併用されることがあります。

注射療法

関節の潤滑を改善したり炎症を抑えたりする目的で、ヒアルロン酸注射やステロイド注射が用いられます。

理学療法士の施術

リハビリの専門家の指導のもと、筋力トレーニングや関節可動域の訓練を行うことで、膝関節の安定性が高まります。

ハイドロリリース

生理食塩水などを注射して筋膜や靭帯の癒着を剥がし、痛みを和らげる治療法です。

体外衝撃波治療

衝撃波を患部に与え、血流改善や組織修復を促す治療法です。スポーツ障害や慢性的な膝痛に有効とされています。

再生医療

自己由来の培養した幹細胞や血液中の血小板を利用し、損傷した組織の修復を促す治療です。

従来の治療で効果が不十分な場合の新たな選択肢として注目されています。

手術療法

保存療法で改善が見込めない場合は、関節鏡手術や骨切り術・人工膝関節置換術が検討されます。

近年は最小限の切開に留める「低侵襲手術」に対応する医療機関も増えています。

関連記事:年代別に膝の痛みの症状をチェック|考えられる疾患や受診の目安は?

変形性膝関節症でお悩みの方はイノルト整形外科まで

膝の痛みの原因として多くの方がお悩みの変形性膝関節症。

イノルト整形外科では関節診療を行っており、患者様一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた治療を行っています。

薬物療法や注射だけでなく、理学療法士による運動指導・再生医療など幅広い選択肢が揃っています。

 

また、最新の医療機器を用いた診断により、症状の原因を正確に把握し、オーダーメイドの治療計画を提案してくれる点も大きな特徴です。

保存療法も多く取り入れており、手術を避けたい方にも安心です。

 

膝の痛みは生活に大きな支障をきたす疾患です。

決して我慢することなく、まずはイノルト整形外科で専門医の診断を受けましょう。

まとめ

立ち上がるときの膝の痛みは、放置すると進行し、手術が必要となる場合もあります。

気になる痛みや違和感がある方は、早めの対応で快適な生活を維持することが重要です。

この記事の監修医師

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長
渡邉 順哉

経歴

  • 平成16年 鎌倉学園高等学校卒
  • 平成23年 東邦大学 医学部卒
  • 平成23年 横浜医療センター 初期臨床研修
  • 平成25年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
  • 平成26年 神奈川県立汐見台病院 整形外科
  • 平成28年 平成横浜病院 整形外科医長
  • 平成30年 渡辺整形外科 副院長
  • 令和元年 藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
  • 令和6年  イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 統括院長