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両ひざの変形性膝関節症の特徴|診断基準や進行を防ぐためのポイントとは?

※本記事は、整形外科専門医・イノルト整形外科 統括院長 渡邉順哉医師の監修のもと執筆しています。

立ち上がるときや歩き出すときに膝の痛みを感じる場合、その背景には「変形性膝関節症」などの疾患が隠れていることがあります。

初期であればセルフケアやストレッチで痛みを軽減できるケースもありますが、痛みが続く場合は医療機関を受診しなければなりません。

 

本記事では両ひざに起こる変形性膝関節症の特徴をはじめ、診断基準や進行を防ぐ方法についてご紹介します。

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両ひざに起こる変形性膝関節症の特徴

両ひざに起こる変形性膝関節症には、片ひざのみの場合と比べて特徴的な点が挙げられます。

原因

両ひざの変形性膝関節症の原因として考えられるものは以下の通りです。

  • 加齢による関節軟骨のすり減り
  • 肥満による膝への負担
  • 立ち仕事や重いものを持つといった日常生活に伴う負担
  • 遺伝的要因や骨格の特徴

特に症状が両ひざに出る場合、全身の加齢に伴う変化や生活習慣による影響が大きいと考えられます。

症状と影響

両ひざの変形性膝関節症では、以下のような症状が見られます。

  • 歩き始めや立ち上がり時の痛み
  • 正座や階段昇降がしにくくなる
  • 膝の腫れや熱感
  • 動かしにくさ

両ひざに症状がある場合、歩行や立位が不安定になりやすく、転倒リスクが高まります。

進行の特徴

変形性膝関節症は、進行するとともに関節の可動域が狭くなり、O脚(内反膝)や歩行障害が目立つようになります。

両ひざが同時に進行することで、日常生活の自立度が下がりやすいため、早めに対応することが大切です。

関連記事:変形性膝関節症の原因とは?初期症状や進行度についても解説

両ひざの変形性膝関節症の診断方法

両ひざの症状を適切に把握するためには、専門的な検査が欠かせません。

検査方法

  • レントゲン:関節の隙間や骨の変形を確認
  • エコー検査:炎症や関節液の貯留を確認
  • MRI:半月板や靭帯の損傷を確認

診断基準

変形性膝関節症の診断は、

  • 膝の痛みの持続
  • 関節の隙間や骨棘の形成度合い
  • 歩行や日常生活への支障

などを総合的に判断して行われます。

関連記事:立ち上がるときに膝が痛い原因とは?痛みの軽減方法と受診目安を解説

両ひざの変形性膝関節症の治療法

変形性膝関節症の治療は、症状の進行度によって選択されます。

両ひざに症状がある場合は、片ひざだけの場合に比べ、全身の生活習慣改善と並行して治療を進めることが大切です。

軽度の治療法

  • 内服薬や外用薬による痛みの緩和
  • 理学療法士による運動療法やストレッチ
  • 膝への負担を減らすための生活指導

中程度の治療法

  • 内服薬や外用薬による痛みの緩和
  • 理学療法士による運動療法やストレッチ
  • 体外衝撃波治療
  • 再生医療(幹細胞治療やPRPなど)
  • 手術(関節鏡手術や骨切り術)
  • サポーターや杖の使用

重度の治療法

  • 内服薬や外用薬による痛みの緩和
  • 理学療法士による運動療法やストレッチ
  • 体外衝撃波治療
  • 手術(人工関節置換術)

上記に加え、施術後のリハビリや生活動作への影響も考慮したうえで治療計画が立てられます。

両ひざの変形性膝関節症の進行を防ぐ方法

専門医による治療と並行し、日常生活におけるセルフケアが症状の進行を防ぐことにつながります。

膝への負担軽減

  • 体重管理で膝への負担を軽減する
  • 長時間の立ち仕事や重い荷物を持つ仕事を避ける
  • 歩行時は歩きやすい靴を選ぶ

運動とストレッチ

  • スクワットやランジなど、太ももを鍛えるトレーニングを行う
  • 水中歩行や自転車など膝に負担がかかりにくい運動を選ぶ
  • ストレッチを並行して行い関節の柔軟性を保つ

食事と生活習慣

  • バランスのよい食事で骨や筋肉のはたらきをサポート
  • 十分な睡眠をとる
  • 身体を冷やさず、膝周囲を温めて血行を促す

関連記事:変形性膝関節症の症状と対処法|進行を防ぐために知っておきたいこと

両ひざの変形性膝関節症でお悩みの方はイノルト整形外科まで

両ひざの痛みは、生活の質を大きく左右します。

イノルト整形外科では関節診療を行い、変形性膝関節症をはじめとする関節のトラブルに幅広く対応しています。

  • 最新の検査機器を用いた正確な診断
  • 理学療法士によるオーダーメイドのリハビリメニュー
  • 体外衝撃波や再生治療など先進的な治療法を完備
  • 症状やライフスタイルに合わせた治療計画の提案

特に両ひざの症状は、将来的な歩行や生活自立度に直結します。

早期からの専門的ケアを受けるためにも、お気軽にイノルト整形外科までご相談ください。

まとめ

両ひざに起こる変形性膝関節症は、片ひざの場合に比べて生活に大きな影響を及ぼします。

放置することで歩行が困難になるリスクもあるため、軽度の違和感や痛みを覚えた段階で整形外科専門医へ相談することが大切です。

この記事の監修医師

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長
渡邉 順哉

経歴

  • 平成16年 鎌倉学園高等学校卒
  • 平成23年 東邦大学 医学部卒
  • 平成23年 横浜医療センター 初期臨床研修
  • 平成25年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
  • 平成26年 神奈川県立汐見台病院 整形外科
  • 平成28年 平成横浜病院 整形外科医長
  • 平成30年 渡辺整形外科 副院長
  • 令和元年 藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
  • 令和6年  イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 統括院長