年代別に膝の痛みの症状をチェック|考えられる疾患や受診の目安は?
※本記事は、整形外科専門医・イノルト整形外科 統括院長 渡邉順哉医師の監修のもと執筆しています。
膝の痛みは、年齢によって原因や症状の出方が異なります。
正しい対処をするためには、自分の年代に合った特徴や疾患を知ることが大切です。
本記事では膝が痛むときのチェックポイントから考えられる原因、受診の目安まで分かりやすく解説します。
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Contents
膝が痛いと感じたとき最初にチェックしたいポイント
まずは自身の膝の状態を把握し、痛みの原因を正しく探ることが大切です。
膝のどこが痛いか
内側・外側・前面・裏面など、痛みの部位によって原因となる疾患が異なります。
動かしたときに痛みが生じる場合は、少し指で押したり、ゆっくりと曲げ伸ばしをしたりしながら確認しましょう。
痛みが出るタイミング
歩き始めや階段の昇り降り・長時間座った後など、痛みが現れるタイミングも重要な判断材料となります。
違和感・腫れ・不安定さ
見た目には何の変わりもない場合もあれば、腫れや熱感・ぐらつきが見られる場合もあります。
症状が日を追うごとに変化するときは、こうした症状をメモにとっておき、診察の際に医師へ伝えると安心です。
関連記事:膝の痛みで病院に行くタイミングとは?治療と再発予防のポイントを解説
10〜30代に多い膝の痛みをチェック
若年層では、スポーツや怪我による膝の痛みが多く見られます。
次の症状のうち、当てはまるものがないかチェックしましょう。
症状チェック
- スポーツや転倒などで膝をひねった経験がある
- ジャンプや急停止のあと、膝がズレた・抜けたように感じた
- 膝の中でカクッと引っかかるような違和感がある
- 屈伸動作で膝に痛みや不快感がある
- 運動後に膝が腫れたり熱を持つことがある
- 膝のお皿が外れるような不安定感がある
- 膝の下(脛の上部)が出っ張っていて押すと痛い
考えられる主な疾患
- 半月板損傷
- 有痛性分裂膝蓋骨
- 離断性骨軟骨炎
- 関節リウマチ
- 前十字靭帯損傷
- 膝蓋骨亜脱臼
- オスグッド病
- 関節内の炎症
- 捻挫
- 疲労骨折
受診や対処のポイント
- スポーツによる怪我に強い整形外科の受診を検討
- MRIなどの精密検査を積極的に受ける
- まずは安静を心掛け、アイシングやサポーターを使用
- 理学療法士のアドバイスを受けながらリハビリで筋力バランスを整える
関連記事:膝の痛みは自分で治せる?膝が痛む原因とセルフケア方法を解説
40〜50代に多い膝の痛みをチェック
中年以降は、軟骨のすり減りや姿勢の癖による慢性的な痛みが増えてきます。
症状チェック
- 階段を下りるときに膝が痛む
- 動き始めに膝がこわばる・違和感があるが、動かすと和らぐ
- 膝を曲げるときに突っ張るような感覚がある
- 膝の内側や前側がじわじわ痛む
- 膝の曲げ伸ばしでポキポキ音がする
- 座ってから立ち上がるときに痛みや不安定感がある
- 体重増加や加齢により膝に痛みを感じるようになった
考えられる主な疾患
- 変形性膝関節症
- 関節リウマチ
- 半月板損傷
- 滑膜ひだ症候群
- 鵞足炎
- 痛風
- 筋肉由来の痛み
受診や対処のポイント
- 整形外科でレントゲンやMRIを受け正しい原因を特定する
- ストレッチや筋トレで膝周りの筋肉を強化する
- 早めの治療によって進行を防ぐことが重要
60代以降に多い膝の痛みをチェック
高齢層では関節の変形や軟骨の摩耗が進行し、日常生活に支障をきたすことがあります。
症状チェック
- 膝の内側や外側に慢性的な痛みがある
- 歩くだけで膝がズキズキ痛む
- 膝が腫れていたり、水がたまっていると感じる
- 正座やしゃがむのが難しくなってきた
- 夜間や安静時にも膝が痛むことがある
- 膝の変形(O脚・X脚)が気になっている
- 体重をかけると膝がグラつく、不安定に感じる
考えられる主な疾患
- 変形性膝関節症
- 関節リウマチ
- 大腿骨内顆骨壊死
- 骨粗鬆症による骨折
- 半月板損傷
- 鵞足炎
- 筋肉由来の痛み
受診や治療のポイント
- 理学療法士の施術
- 薬物療法(内服、外用、ヒアルロン酸注射)
- ハイドロリリース
- 体外衝撃波治療(拡散型、集束型)
- 再生医療(幹細胞治療、成長因子療法、幹細胞上清液療法)
- 手術療法(関節鏡手術、人工関節置換術、骨切り術)
膝の痛みでお悩みの方はイノルト整形外科まで
膝の痛みにお悩みの方は、イノルト整形外科の受診をご検討ください。
当院は関節外来にて、患者様の状態に合わせた検査・治療が可能です。
レントゲンや超音波・MRIを用いた正確な診断を経た後、再生医療や体外衝撃波、ハイドロリリース、理学療法士の施術など幅広い保存療法から合うものを選択し、手術を受けずとも痛みの改善を目指します。
さらに、必要に応じて専門手術が得意な医療機関と連携しながら、患者様が快適に日常を過ごすためのサポートを行います。まずはお近くの整形外科へご相談ください。
関連記事:膝が痛い時の対処法は?やってはいけないことや受診のポイントを解説
まとめ
膝の痛みは年代ごとに原因が異なり、いずれも早期の対処が将来的な悪化を防ぐポイントとなります。
気になる症状がある方は、年齢や生活背景に合った対処を心掛けるとともに、必要に応じて整形外科を受診しましょう。
膝の痛みに悩んでいる方や、医療機関への受診に不安がある方は、イノルト整形外科へお気軽にお越しください。
この記事の監修医師

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長
渡邉 順哉
経歴
- 平成16年 鎌倉学園高等学校卒
- 平成23年 東邦大学 医学部卒
- 平成23年 横浜医療センター 初期臨床研修
- 平成25年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
- 平成26年 神奈川県立汐見台病院 整形外科
- 平成28年 平成横浜病院 整形外科医長
- 平成30年 渡辺整形外科 副院長
- 令和元年 藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
- 令和6年 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 統括院長