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肩の痛みの原因とは?自宅でできるセルフケアや受診の目安

※本記事は、整形外科専門医・イノルト整形外科 統括院長 渡邉順哉医師の監修のもと執筆しています。

肩の痛みは、誰にでも起こりうる症状です。ただのこりだと思って放置してしまうと、症状が悪化し日常生活に支障が出ることもあります。

本記事では、肩の痛みの原因やセルフケアの方法・受診の目安などを分かりやすくご紹介します。

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肩の痛みの主な原因

肩の痛みにはさまざまな要因があり、加齢や生活習慣も深く関係しています。

加齢

年齢を重ねると、肩の関節を支える筋肉や腱・靭帯が少しずつ衰えていきます。

特に「腱板(けんばん)」と呼ばれる筋肉の損傷は、50代以降に良く見られる原因の一つです。

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)と呼ばれる状態も、この影響によるものです。

 運動不足

身体を動かす機会が減ると、肩周りの筋肉が硬くなり、柔軟性の低下や血流の悪化につながります。

筋肉がこわばると肩関節の動きが悪くなり、ちょっとした動きでも痛みが出やすくなります。

姿勢の乱れ

長時間のデスクワークやスマホ操作により猫背の姿勢が定着すると、肩甲骨周りのバランスが崩れます。

その結果、筋肉に偏った負担がかかり、肩こりや痛みを引き起こしやすくなります。

 肩の酷使

スポーツや日常動作で肩を使いすぎると、炎症が起きやすくなります。野球やテニスなど肩を大きく動かす競技では、「腱板損傷」や「インピンジメント症候群」などの発症リスクが上がります。

 血行不良

冷えや長時間同じ姿勢をとったり、身体が冷えていたりすることで、血流が悪くなり肩周辺の組織に酸素や栄養が届きにくくなります。

これにより、慢性的な肩こりや痛みにつながることもあります。

関連記事:再生医療とは?適応となる整形適応の疾患や費用について

肩の痛みで支障が出る日常生活の動作

日常生活の動作が肩の痛みにつながることも多く、痛みが強くなれば動作が制限されやすくなります。

  • 腕を上にあげると痛む(洗濯物を干す、髪を結ぶなど)
  • 上着を脱ぎ着するときに痛む
  • 背中に手を回すと痛む
  • 横向きに寝ると肩が痛くて眠れない
  • 重い荷物を持ち上げると肩が痛む

関連記事:首の痛みでよくみられる症状は?考えられる原因や注意すべきケースを解説

肩の痛みを予防する自宅でできるストレッチ方法

肩の痛みは、毎日のストレッチで予防・緩和できる場合があります。

小胸筋のストレッチ

 

小胸筋は肩甲骨の動きに関わる筋肉であり、ここが固まると肩こりや痛みにつながります。

以下のストレッチで筋肉のこわばりをほぐしましょう。

  • 1. 壁に対し横向きに立ち、右手と右肘を壁につける
  • 2. 腕を動かさずに身体を前に出し、背中の筋肉を伸ばす
  • 3. 10秒から20秒を1サイクルとし、1日に5回から10回ほど行う(左も同様)

 

三角筋のストレッチ

 

三角筋は肩を覆うように存在する筋肉で、日々酷使されやすい部分です。

ストレッチでこわばりを予防し、痛みの軽減を目指しましょう。

  • 1. 身体の前に向かって肘を突き出し、手のひらで肩に触れる
  • 2. もう片方の手で肘を持ち、胸へ近づける

 

大円筋・広背筋のストレッチ

 

大円筋や広背筋は、肩甲骨と連動して動く背中の筋肉です。

痛みの出ない程度にストレッチを行い、こわばりを予防しましょう。

  • 1. 右手首を左手で掴み、頭の上で腕をまっすぐに伸ばす
  • 2. 右腕を伸ばすように、身体を左斜め前へ倒す(左も同様)

肩の痛みで病院に行くべき症状セルフチェック

一時的な痛みであれば様子を見ることも可能ですが、以下のような症状がある場合は、早めの段階で医療機関を受診する必要があります。

  • 夜間のに痛みが増す
  • 肩だけでなく腕や手にもしびれがある
  • 動かしていなくてもズキズキと痛む
  • 関節が腫れ、熱感がある
  • 肩が動かしにくく、服の着脱にも支障がある
  • 2週間以上痛みが続いている

これらに当てはまる場合、関節の炎症や神経の圧迫などの疾患が隠れている可能性があります。

肩の痛みに対する治療法

肩の痛みで医療機関を受診する場合、原因や症状に合わせて以下のような治療が検討されます。

保存療法

痛みが軽度であれば、安静や薬物治療・物理療法(温熱・電気治療など)を組み合わせて経過を見ることが一般的です。

 注射療法

ステロイドやヒアルロン酸の注射により、炎症を抑えて痛みを軽減します。特に肩関節周囲炎の肩に効果的です。

 ハイドロリリース

筋膜や筋肉の癒着を剥がす注射治療です。痛みの原因が筋肉によるものの場合に有効です。

体外衝撃波療法

音波を患部に照射することで、組織の再生を促す治療法です。肩の痛みが慢性化している場合に用いられます。

 再生医療

自己の血液から抽出したPRPなどの成分を注射することで、炎症や痛みを緩和したり、組織の回復を図ったりするための施術です。

 手術療法

腱板の断裂や関節の変性が進んでいる場合などは、内視鏡や人工関節を用いた手術が検討されます。

関連記事:首筋が痛いときはどうする?自分でできる対策と整形外科での治療方法を解説

肩の痛みでお悩みの方はイノルト整形外科まで

肩の痛みでお悩みの方は、関節の専門医による診断・治療が可能な「イノルト整形外科」へご相談ください。

関節専門外来を設け、画像検査を含む的確な診断の元、一人ひとりに合った最先端治療に対応しています。

また、保存療法の選択肢も多岐にわたるため、手術を避けながら痛みを回避したい方にも適しています。

肩の痛みによって日常生活に支障が出ないよう、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

肩の痛みは、加齢・姿勢の悪さ・筋肉の使い方などさまざまな要因から生じます。

痛みが長引いたり悪化したりした場合は、イノルト整形外科の関節専門外来までご相談ください。

早めの対処で、快適な日常を取り戻しましょう。

この記事の監修医師

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長
渡邉 順哉

経歴

  • 平成16年 鎌倉学園高等学校卒
  • 平成23年 東邦大学 医学部卒
  • 平成23年 横浜医療センター 初期臨床研修
  • 平成25年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
  • 平成26年 神奈川県立汐見台病院 整形外科
  • 平成28年 平成横浜病院 整形外科医長
  • 平成30年 渡辺整形外科 副院長
  • 令和元年 藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
  • 令和6年  イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 統括院長