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首筋が痛いときはどうする?自分でできる対策と整形外科での治療方法を解説

スポーツや事故によるケガや寝違えなどにより、首筋に痛みを感じることがあります。

数日程度で症状が収まるケースも多いですが、痛みが慢性化したり、腕から手にかけてしびれを感じる場合には何らかの疾患のサインかもしれません。

そこで本記事では、首筋が痛いときの正しい対処法や病院を受診すべき目安、主な治療法について詳しく解説します。

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首筋が痛いときに考えられる主な原因

首筋の痛みはさまざまな原因によって起こり、何気ない生活習慣が起因していることも珍しくありません。

代表的な原因として考えられるものを4つご紹介しましょう。

寝違えや筋肉の炎症

朝起きたときに首筋が痛む場合には、寝違えの可能性が考えられます。

寝違えは睡眠時に無理な姿勢をとることで筋肉や靭帯が無理に引き伸ばされることで発症します。

窮屈な場所で寝ていたり、身体に合わないサイズの枕やクッションを使用したりすることも寝違えの原因になります。

また、日常生活での無理な動作やスポーツも首筋から肩にかけての筋肉に負担をかけ、痛みや炎症を起こすことがあります。

寝違えや筋肉の炎症は、軽度であれば数日で自然に回復するケースが多いです。

神経の圧迫や牽引

首筋の痛みが強く、肩から腕、手にかけてしびれを感じたり、力が入りにくい場合には頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症や胸郭出口症候群など神経の圧迫や牽引が関係している可能性があります。

頚椎椎間板ヘルニアでは、加齢や外傷などによって椎間板が変形すると、突出した頚椎の神経が圧迫されやすくなり、頚椎症性神経根症では加齢に伴い変形した頚椎が神経根という部分で神経を圧迫し、胸郭出口症候群では突っ張った斜角筋という頚部の筋肉の緊張によって神経が牽引されることで、腕や手の痺れや痛みが生じ、放置すると症状が悪化し日常生活に支障をきたすこともあるため、早期発見と適切な治療が不可欠です。

姿勢不良や負荷の蓄積

本来、頚椎は前に凸のゆるやかな弓状のカーブになっていますが、まっすぐに伸び切ったストレートネックになってしまい前傾姿勢になってしまうと首筋から肩にかけてストレスが次第に溜まり痛みを感じたり、肩こりや頭痛の原因になることもあります。

ストレートネックは前かがみの姿勢を長時間維持することで発症しやすく、特に昨今ではスマートフォンやパソコンの長時間使用が原因で起こるケースが珍しくありません。

猫背やうつむき姿勢が長時間続くと、首の後ろ側の筋肉が常に緊張した状態となり血流が悪化していきます。

首への負荷が少しずつ蓄積していくと、炎症や肩こりを引き起こし、徐々に首筋の痛みも強くなっていきます。

デスクワークが中心の方や、体を動かす機会が極端に少なく猫背の姿勢が癖になっている方は負荷が蓄積しやすいため、こまめにストレッチを行うなど健康管理を心がけましょう。

現代病のひとつともいえ、重症化を防ぐためにも早めの対策が求められます。

関連記事:ロキソプロフェンが効かない?痛み止めで腰痛や首の痛みが取れない原因

首筋の痛みを和らげるストレッチ方法

首筋に慢性的な痛みがある場合、日頃からストレッチを行うことで症状を緩和できるかもしれません。効果的なストレッチの方法をご紹介しましょう。

首筋の血行を改善するストレッチ

首筋から肩にかけてのこわばりやコリ、痛みが気になる場合には、首筋の血行を改善するストレッチがおすすめです。

強い痛みがある場合は無理をせず、心地よいと感じる程度で動かしてください。

  1. 頭を前方に倒し、ゆっくりと首を右方向に回す
  2. 1周回したら同様に左方向に回す
  3. 左右を交互に1〜2を10回繰り返す

 

デスクワーカーにおすすめのストレッチ

パソコンの前で長時間作業をしていたり、スマートフォンの操作に集中することが多い方は、ストレートネック対策として以下のストレッチがおすすめです。

  1. 立った状態で、左右に軽く足を開き、両手を後ろに回して組む
  2. 胸を前方に突き出し、両肘を伸ばしながら手を下げる
  3. 両手を後ろで組んだまま、できるだけ上に挙げる
  4. 3の姿勢を30秒程度キープする

 

首筋の痛みをセルフチェックで確認

頚椎には太い神経が通っており、万が一これらを損傷すると重症な症状を引き起こします。

そのような意味でも首筋の痛みを放置しておくことは危険であり、原因の特定と適切な治療が求められます。

首筋の痛みは専門医の検査によって正確な原因や状態を把握できますが、まずは自宅でも手軽にできるセルフチェックをしてみるのもおすすめです。

【頚椎の神経の損傷を簡易的に確認するチェック項目】

  • 首を前後左右に倒したときに、腕や手、肩甲骨周囲に痛みやしびれを感じる
  • 最近に手に力が入らない

上記いずれかに該当する場合、頚椎の内外の神経が圧迫されている可能性があります。

首筋の痛みは一時的に現れた後に症状が緩和されていくこともあるため、病院を受診すべきか迷ってしまうことも多いものです。

そこで、以下に示すいずれかの項目に該当する場合には受診を検討してみましょう。

【病院を受診すべき目安】

  • 痛みが数日続く
  • 安静にしても痛みが引かない
  • 首から肩、腕、手のしびれ・脱力感がある

関連記事:ぎっくり腰になる原因とは?症状のチェック項目と合わせて解説!

首筋が痛いときに行われる検査の内容

首筋に痛みがあり病院を受診した場合、どのような検査が行われるのでしょうか。

症状や医療機関の設備によっても異なりますが、代表的な検査方法を5つご紹介します。

問診・触診

必ず行われる基本的な検査方法として問診と触診があります。

問診では、痛みが出始めた時期や痛みの性質(鋭い痛み、鈍い痛みなど)、しびれの有無などを患者様から直接ヒアリングします。

触診では、医師が首筋や肩周辺に直接触れて、腫れや熱感、圧痛点(押して痛みを感じる部分)などをチェックします。

その他、頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症かどうかをチェックするために、首を後ろや斜め後ろに倒すことで神経痛を誘発させるジャクソンテストやスパーリングテストを行う場合もあります。

これらの情報をもとに、痛みの原因が筋肉、骨、神経のどれに関係しているかを見極め、必要な追加検査を判断していきます。

レントゲン検査

頚椎の変形や曲がり方、前傾姿勢など、頚椎に異常がないかを調べるために行われるのがレントゲン検査です。

首を痛みが出た場合、まずは骨の状態を正確に把握する必要があるためレントゲン検査は欠かせません。

逆にレントゲンでは骨の状態のみの把握になるために、骨以外の状態の確認には別の検査が必要になります。

MRI検査

レントゲン検査では骨の異常を見分けられますが、神経や椎間板など骨以外の部位については詳細を分析できません。

そこで、より詳細な検査を行うための手段としてMRIが用いられることもあります。

MRI検査では椎間板ヘルニア、それに伴う神経の圧迫、さらには炎症や腫瘍の有無なども確認できるため、原因の早期発見と適切な治療プランの策定に大いに役立ちます。

ただし、MRI検査が置いていないクリニックが多いため、検査を行う場合は、近隣の対応できる医療機関で受けることになります。

エコー検査

エコー検査は医療用の特殊な超音波を照射する検査方法で、筋肉や靭帯などの軟部組織の状態をリアルタイムで観察できます。

また、胸郭出口症候群の場合はエコーで前斜角筋と中斜角筋の間の神経叢を確認し、神経の圧痛や放散痛を確認することで簡易的な診断を付けることができ、さらにはそのままハイドロリリースを神経周囲に行うことで即座に症状を改善することもできる場合が多いです。

エコー検査は短時間で検査を受けることが可能ですが、検査する医師の技術による差は大きくなります。

首筋が痛いときに行われる治療の種類

検査によって首筋の痛みの原因が判明したら、それぞれに合わせた適切な治療を行っていきます。代表的な5つの治療法をご紹介しましょう。

理学療法士による施術・リハビリテーション

理学療法士による施術やリハビリテーションは、多くの整形外科のクリニックで用いられる最も重要なな治療法です。

具体的には動かすことにより痛みを改善させる治療法で、マッサージやストレッチの他、筋力トレーニングを行うことで、少しずつ筋肉をほぐしながら可動域を広げていきます。

また、首筋の痛みは日頃の生活習慣や姿勢が根本的な原因となっていることも多いため、正しい姿勢の指導や継続的なリハビリテーションも欠かせません。

物理療法

よくある整形外科クリニックで行われている、牽引やホットパック、マイクロ波といった機械を使った物理療法の多くはほとんど効果がないことが研究の結果報告されています。

その機械の治療法の中でも、低周波治療に関して一定の効果を期待することが可能です。

薬物療法

痛みが強く日常生活にも支障をきたしている場合には、症状を緩和するために薬物療法が用いられます。

痛み止めの飲み薬や湿布や塗り薬といった外用薬が処方されることが多いですが、首筋周辺の筋肉の緊張やこりが見られる場合には、筋弛緩薬の内服により症状が緩和するケースもあります。

ハイドロリリース治療

ハイドロリリース治療とは、患部に生理食塩水を注入し、癒着した筋膜や神経を剥がす治療法です。

超音波検査で筋膜などを確認しながらで治療は短時間で完了します。

即効性が高く、痛みの緩和だけでなく可動域の改善効果も期待できることから、最新の治療法として注目を集めています。

ただし、ハイドロリリース治療は専門的な施術のノウハウと経験が要求されるため、対応できる医療機関も限られています。

期待通りの効果を得るためには、信頼性が高く施術実績も豊富な医療機関を選ぶことが大切です。

体外衝撃波治療

体外衝撃波治療とは、医療用の特殊な衝撃波を患部に照射し、痛みの緩和や組織の修復再生を促す治療法です。

もともとは尿路結石の破砕に使われていましたが、整形外科領域でも応用されるようになりました。

首筋に限らず、肩や膝、肘などさまざまな部位の炎症・痛みを緩和する新たな治療法として注目されており、治療中は痛みがほとんどありません。

ただし、日本において体外衝撃波治療は特殊な疾患を除き健康保険の適用外となっており治療費がかかります。

場合によっては複数回の施術が必要なため、専門医と相談しながら検討してみましょう。

手術療法

手術療法は、保存療法では効果が期待できない重度の症状に対して行われます。

たとえば、重度の椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症などで神経の圧迫が強く、痛みやしびれの他、筋力低下が進行している場合には手術が必要になる場合があります。

入院はもちろん、退院後も継続的なリハビリが必要になります。

関連記事:関節痛の治し方|主な原因や自宅でできる対処方法とは?

首筋の痛みでお悩みの方はイノルト整形外科まで

首筋の痛みの治療法はさまざまで、今回ご紹介したハイドロリリース治療や体外衝撃波治療や理学療法士の施術が対応できる医療機関も限られています。

また、痛みの根本原因を解消し期待通りの結果を得るためにも、信頼性が高く治療実績が豊富なクリニックを選ぶことが大切です。

しかし、はじめて治療を受ける方にとって、そのようなクリニックを見極めることは簡単ではありません。

クリニック選びに迷ったら、まずはイノルト整形外科へお気軽にご相談ください。

イノルト整形外科では脊椎専門外来を設置しており、頚椎関係の痛みについて専門的な治療を行っています。

レントゲンや超音波といった検査機器を導入済みで、近隣でもMRI検査を最短即日で検査が受けられるほか、今回ご紹介したさまざまな治療法にも対応しています。

患者様の状態や希望に合わせて最適な治療法を提案させていただきます。

まとめ

首筋の痛みは数日程度で収まることもありますが、時間が経過しても症状が続いたり、腕や手のしびれを感じたりする場合には神経が圧迫されている可能性も考えられます。

治療をせず放置しておくと頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症神経根症といった神経性の疾患になってしまっていることもあるため、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。

クリニックによってはMRI検査に対応できなかったり、治療方法も限られているケースもあるため、多様な治療法に対応できる信頼性の高い医療機関を選ぶことも大切です。

クリニック選びに迷ったら、脊椎専門外来を設置しているイノルト整形外科までお気軽にご相談ください。