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腰が痛い女性に多い病気とは?整形外科で診るべき症状と治療法を解説

腰痛は加齢とともに現れることの多い症状ですが、「昼夜を問わず腰が痛い」「腰の痛みだけでなくしびれや熱感もある」という場合、何らかの疾患のサインかもしれません。

特に女性の場合、婦人科系の疾患の症状として腰痛が現れるケースも多いため注意が必要です。

本記事では、腰が痛い女性に多く見られる疾患や整形外科を受診したほうが良い症状、主な治療法について詳しく解説します。

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腰が痛い女性に多い原因と整形外科で扱う病気

腰痛は性別を問わず多くの人にみられる症状ですが、その原因はさまざまです。

特に女性の場合、仕事や家事、生活習慣が原因となって一時的に痛みを発症するケースもあれば、深刻な疾患が隠されているケースも少なくありません。

筋肉疲労や姿勢不良による一時的な腰痛

比較的軽度な症状として多いのが、筋肉疲労や無理な姿勢によって起こる一時的な腰痛です。

たとえば、長時間同じ姿勢でのデスクワークや、子育て・家事での中腰の作業、運動不足による筋力低下などが主な要因となり、腰に負担がかかって痛みが生じることがあります。

このタイプの腰痛は、こまめなストレッチや休息、姿勢改善などを心がけることで症状が改善することが多いのが特徴です。

整形外科で診るべき腰痛の種類

時間が経過しても症状が改善せず、慢性的な腰痛に悩んでいる場合、何らかの疾患が隠されているケースもあります。

特に代表的なのが腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症です。

腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板という軟骨組織が飛び出し、神経を圧迫する病気です。

腰の痛みに加えて、お尻や足にかけてのしびれや、歩行時の違和感が現れることもあります。

腰部脊柱管狭窄症は、背骨の中を通る脊柱管とよばれる神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで腰の痛みや下半身のしびれが生じる病気です。

中高年女性に発症しやすく、長時間歩くと足がしびれたり、激しい痛みによって歩行そのものが困難になることもあります。

このように、慢性的な痛みに加えてしびれや何らかの違和感も現れた場合には、医療機関を受診し検査を受けることが大切です。

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婦人科の病気と整形外科で扱う腰の痛みの違い

女性の場合、腰の周辺に痛みを感じると婦人科の病気なのではないかと不安に感じ、整形外科と産婦人科のどちらを受診すべきか悩むことも多いでしょう。

たとえば、腰痛を引き起こす婦人科の病気には子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮がんなどがありますが、これらは痛みが現れる位置や症状もわずかに異なります。

以下の表を参考に、整形外科と産婦人科のどちらを受診すべきかを見極めましょう。

【整形外科で扱う疾患と腰痛の特徴】

痛みの現れる位置 腰の痛み方 腰痛以外の症状
腰椎椎間板ヘルニア 腰・尻・太ももの裏・足 時間の経過とともに痛みが強くなり慢性化

背中を伸ばしたときや横になったときに痛みが緩和する

下半身のしびれ
腰部脊柱管狭窄症 腰・尻・足 歩行時に痛みが現れ、安静時に緩和する 下半身のしびれ・熱感・つっぱり感

排泄の異常(残尿感・頻尿・失禁)

【産婦人科で扱う疾患と腰痛の特徴】

痛みの現れる位置 腰の痛み方 腰痛以外の症状
子宮内膜症 腰・下腹部 排便・性交時の痛み

重症化すると痛みが慢性化

激しい月経痛・不妊
子宮筋腫 腰・下腹部 個人差があり痛みを感じないこともある 月経血の量が多い

長期にわたって月経が続く

貧血

排泄の異常(残尿感・頻尿・失禁)

卵巣嚢腫 腰・下腹部 初期段階は無症状

進行すると鈍い痛みを発症

下腹部の膨張感

便秘・頻尿

子宮がん 腰・下腹部 初期段階は無症状

進行すると鈍い痛みを発症

月経時以外の出血

性交痛

血便・血尿

腰が痛いときに行われる診察・検査

腰に痛みがある場合、適切な治療を行うためには検査によって状態や原因を明確にすることが重要です。

医療機関ではどのような診察・検査が行われるのかを詳しく解説しましょう。

問診・診察

腰の痛みで医療機関を訪れた際、必ず行われるのが医師による問診と診察です。

痛みを感じる部位や痛みの現れ方、症状が現れた時期や心当たりのある原因やきっかけなどを詳しくヒアリングします。

また、ほかの疾患との関連性を考えるうえで、発熱の有無や下痢・便秘、足のしびれなど、腰痛以外に症状がないかも患者様から聞き出します。

その後、痛みを訴える部位を医師が確認し、腫れや熱感の有無、特定の動作の際に腰に痛みが現れないかも確認します。

レントゲン検査

骨盤の骨折など、骨の損傷が腰痛の原因となっている可能性も考えられるため、問診と診察が終わったらレントゲン検査で骨の状態を確認します。

レントゲン検査は骨折だけでなく、骨盤の変形や歪みなどの異常も確認できます。

エコー検査

整形外科においてレントゲン検査と合わせて用いられることの多いのがエコー検査です。

エコー検査は筋肉などの柔らかい組織の状態を確認できるため、筋肉疲労や無理な姿勢によって起こる一時的な腰痛の診断に役立ちます。

MRI検査

レントゲン検査やエコー検査で異常が確認できなかったり、痛みとともにしびれの症状も見られる場合には、MRI検査が行われることもあります。

MRIでは脊髄や神経、関節などの状態を詳細に可視化でき、さまざまな疾患の早期発見に役立てられています。

関連記事:ぎっくり腰になる原因とは?症状のチェック項目と合わせて解説!

整形外科で受けられる腰痛治療

整形外科では、腰痛の原因や症状に応じてさまざまな治療法を検討し、患者様へ説明を行ったうえで治療方針を決定しています。

クリニックによっても対応できる治療法は異なりますが、代表的な腰痛の治療法を6つご紹介しましょう。

保存療法

軽度の腰痛や、一時的な腰痛に対し選択されることが多いのが保存療法です。

痛み止めや炎症を抑える薬で症状を緩和しながら、理学療法士の指導のもとストレッチや筋力トレーニングを組み合わせたリハビリテーションと日常生活指導(姿勢改善や体の使い方の指導)などを組み合わせ、手術をせずに症状の改善を目指します。

注射療法

特に強い痛みが現れている場合には、注射療法が行われることもあります。

代表的なのは神経ブロック注射とよばれる治療法で、痛みの原因となっている神経周辺に麻酔薬や抗炎症薬を注入することで炎症や痛みを抑えられます。

物理療法

物理療法とは、熱や電気、超音波などを患部に照射する治療法です。

温熱療法、電気刺激療法、超音波療法ともよばれ、血流を改善し痛みや筋肉のこわばりを緩和します。

物理療法は理学療法士の指導のもと、リハビリテーションと合わせて施術されることも多く、特に慢性的な腰痛に効果が期待できます。

ハイドロリリース

ハイドロリリースは近年注目されている新たな治療法です。

エコーを照射しながら患部の状態を確認し、筋膜や神経周囲に生理食塩水を注射することで癒着した筋膜を剥がしていきます。

慢性的な腰の痛みや可動域制限の改善に役立つとされており、即効性も期待できますが、対応できるクリニックは限られています。

体外衝撃波治療

体外衝撃波治療もハイドロリリースと同様、近年注目されている治療法です。

音速以上の速さで伝わる衝撃波を患部に照射し、組織の修復を促すことで痛みの緩和が期待できます。

もともとは尿路結石の破砕に用いられてきた治療法ですが、関節部をはじめとした痛みの緩和にも効果があることが分かり、近年では整形外科領域でも続々と導入されています。

慢性的な腰痛に対して使用されることが多いですが、対応できるクリニックは限られていたり、ほとんどのケースが保険適用外のため高額な治療費を要します。

手術療法

手術療法は保存的な治療で効果が得られない重度の症状・疾患に対して行われることが多くあります。

たとえば、腰椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などで強く神経が圧迫され、痛みやしびれ、運動障害が進行している場合には手術以外の選択肢がないケースも少なくありません。

入院はもちろんのこと、退院後も長期間にわたるリハビリが必要になるケースがほとんどですが、腰の痛みを根本から改善できる可能性は高いでしょう。

当然のことながら、保存療法に比べると手術はリスクも高いため、専門医との十分な相談が不可欠です。

腰が痛い女性が整形外科を受診すべきタイミング

腰痛は多くの人が悩む症状であるため、病院を受診すべきか悩むこともあるでしょう。

一方で、適切な処置が遅れてしまうと重症化し危険な状態に陥るリスクもあります。

以下の項目に該当する場合には、早めに整形外科を受診しましょう。

  • 痛みが強く日常生活に支障をきたしている
  • 痛みが慢性的に続いている
  • 痛み以外の症状も見られる(しびれ、腫れ、熱感、腹痛、発熱 など)

軽度の腰痛であったとしても痛みが慢性的に続いたり、痛みが緩和したり悪化したりを繰り返している場合には、何らかの疾患が隠されているかもしれません。

また、腰の痛み以外にもしびれや腫れ、熱感などの症状が見られる場合、内臓疾患のサインである可能性も考えられます。

整形外科を受診することでレントゲンやMRIによって詳しい検査ができ、必要に応じてほかの診療科を紹介してもらえます。

関連記事:ロキソプロフェンが効かない?痛み止めで腰痛や首の痛みが取れない原因

腰痛でお悩みの方はイノルト整形外科まで

整形外科によっても対応できる検査や治療法は異なり、MRI検査や体外衝撃波治療、手術療法などは対応できるクリニックが限られています。

また、最新の治療法には高度な知見と技術も求められるため、信頼性が高く治療実績も豊富なクリニックを選ぶことが重要です。

特に体外衝撃波治療は健康保険の適用外で高額な治療費がかかるため、本当に治療効果が見込めるかを医師と相談しながら慎重に見極めなければなりません。

信頼できるクリニックが近所に見つからなかったり、どのクリニックを選べばよいかわからないという方は、イノルト整形外科へご相談ください。

イノルト整形外科では脊椎専門外来を設置しており、腰椎間板ヘルニアや脊柱菅狭窄症などの治療実績が豊富です。

また、患者様の状態に合わせたオーダーメイドの治療を提案しており、体外衝撃波治療やハイドロリリースなど多様な治療法にも対応しています。

「慢性的な腰痛に悩んでいる」「他のクリニックで治療を受けたものの、痛みが改善しなかった」という女性の方は、まずは一度イノルト整形外科を受診ください。

まとめ

腰痛は加齢や運動のしすぎなどによって起こる一般的な症状であるため、「わざわざ病院で診てもらうほどではない」と軽く考えがちです。

しかし、痛みが慢性化していたり、しびれや腫れ、熱感なども見られる場合、何らかの疾患を抱えている可能性もあります。

治療が遅れると重篤化し、日常生活に支障をきたすケースもあることから、気になる症状があれば早めに病院を受診しましょう。

女性の場合、子宮内膜症や子宮筋腫など婦人科系の疾患の症状として腰痛が見られることも多いため、今回ご紹介したポイントを参考に自覚症状があれば整形外科とあわせて産婦人科でも検査を受けてみることが大切です。