膝の痛みは自分で治せる?膝が痛む原因とセルフケア方法を解説
さまざまな関節の中でも膝関節は特に負担がかかりやすく、痛みを感じることが多い部位のひとつです。
しかし、痛みの原因はさまざまであり、症状の現れ方も個人差があります。
整形外科を受診したほうが良いか分からない、あるいは仕事が忙しく通院の時間が確保できないという方も多いでしょう。
そのような場合、膝の痛みは自分で治せるものなのでしょうか。
本記事では、膝の痛みに効くセルフケアの一例や、整形外科を受診すべき目安などを詳しくご紹介します。
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膝が痛む原因
膝に痛みが生じるのはさまざまな原因が考えられます。代表的な7つの原因をご紹介しましょう。
加齢
年齢を重ねると膝関節の軟骨が徐々に摩耗していきます。
軟骨はクッションの役割を果たしており、これが摩耗すると関節内で骨同士がこすれ、痛みや炎症が生じやすくなります。
また、加齢とともに筋力も低下しやすくなりますが、これによって膝関節を安定的に支えることが難しくなり、膝への負担が増大し痛みにつながることもあります。
膝の酷使
スポーツや力仕事で日常的に膝を酷使していると、関節に負担がかかり炎症や損傷が起こりやすくなります。
特に、ジャンプや階段の上り下りなどのように同じ動作を繰り返していると、軟骨や靭帯などの特定の部位にのみダメージが蓄積され、痛みが慢性化することもあります。
運動不足
運動のしすぎだけでなく、極端な運動不足も膝を痛める原因になることがあります。
膝を動かす頻度が少ないと、膝関節周辺の筋力が低下し関節への負担が増えていきます。
その結果、歩行や階段の上り下り、しゃがむといった日常の動作でも膝への負担が大きくなり、痛みを引き起こしやすくなります。
肥満
膝関節に過度な負担がかかる原因になりがちなのが、体重の増加です。
膝関節は体重を支える重要な役割を果たしており、特に歩行や階段の上り下りなどの際に負担がかかります。
体重が増えるほど膝関節にかかる負担も大きくなり、同じ運動量でも早いペースで軟骨がすり減っていき、痛みを感じやすくなるのです。
O脚やX脚
O脚やX脚といった脚の変形は、膝関節に不均等な負担をかける原因になります。
その結果、O脚なら膝の内側、X脚なら膝の外側の軟骨が磨耗しやすくなり、痛みはもちろんのこと関節そのものが変形が進行するリスクも高まります。
合わない靴の着用
足の形やサイズに合わない靴を履いていると、無意識のうちに膝関節をかばうような歩き方になります。
これが長期間続くと、膝関節の一部分にのみ負担が集中し痛みが生じやすくなります。
変形性膝関節症・半月板損傷
膝の違和感や痛みを放置しておくと、半月板損傷や軟骨損傷から変形性膝関節症を発症しさらに強い痛みを引き起こしたり、最悪の場合歩行が困難になるほど重症化するおそれもあります。
また、スポーツや事故などによって膝に外傷を負うと、それが原因で半月板が損傷し強い膝の痛みを引き起こすこともあります。
膝の痛みは自分で治せる?セルフケア方法
膝の痛みが軽度であれば、適切な処置を施すことで症状を緩和できる可能性もあります。代表的なセルフケアの方法をご紹介しましょう。
安静にする
膝に違和感や痛みがある場合には、無理に動かさず痛みが引くまで安静にすることが大切です。
痛みを我慢して激しい運動や力仕事をすると、膝にさらなる負担がかかり症状を悪化させる可能性があります。
日常生活の範囲内での歩行程度であれば問題ありませんが、長時間のウォーキングや体重を掛ける筋力トレーニング、力仕事などは避けましょう。
ただし、下肢の筋力は落とさない方が良いので、体重を掛けないで行う筋力トレーニングは必要です。
ストレッチ
膝関節の安定感を保つために、重要な役割を果たしているのが太ももの筋肉です。
ストレッチを行うことで太ももから膝にかけての筋肉が伸ばされ、膝関節に掛かる負担を軽減し痛みの改善に役立ちます。
マッサージ
ストレッチと合わせてマッサージも行うことで筋肉が柔らかくなり、膝関節の安定感を保てるようになります。
- 床に座った状態で足を伸ばす
- 膝関節から太ももにかけて、手のひらで押し込むようにマッサージをする
- 痛みを感じる場所は力を入れすぎず、心地よいと感じる程度に押す
筋トレ
安静にしている時間が長いと膝まわりの筋力が低下し、体重を支えきれなくなることもあります。
痛みが引いてきたら少しずつトレーニングを行い、筋力アップを目指しましょう。
膝の痛みは自分で治せる?おすすめの運動
膝の痛みを軽減するためにはセルフケアが有効ですが、基本として押さえておきたい運動やストレッチの手順をご紹介しましょう。
太ももの筋力を鍛える運動
先述の通り、膝関節は太ももの筋肉によって支えられているため、痛みの予防・軽減には大腿四頭筋や中殿筋を鍛えるトレーニングが効果的です。
大腿四頭筋のトレーニング
- 仰向けになる
- 膝の下に枕を置く
- 膝の裏側を下に押し込むように力を入れる
中殿筋のトレーニング
- 横向きに寝る
- 上の足(右方向に寝た場合は左足)を伸ばした状態でゆっくり上げる
- ゆっくり下ろす
いずれのトレーニングも横になった状態で行えるため、体重によって膝に過度な負担をかけることなく筋力アップが可能です。
膝の曲げ伸ばしのストレッチ
筋肉が低下したり柔軟性が失われたりすると、膝関節の安定性が失われ痛みが悪化します。
そこで、膝のストレッチを習慣づけることも痛みの軽減につながります。
膝のストレッチ
- 床に座る
- 片側の足を伸ばした状態で反対側の足は曲げる
- 曲げた足を両手で抱え、手前にゆっくりと引き寄せる
- 左右の足を替えて同様に行う
お皿のストレッチ
運動の習慣がない方が急に運動を始めると、膝の靭帯や筋肉を痛める原因になります。そこで、膝の皿とよばれる膝蓋骨周辺のストレッチも効果的です。
- 椅子に座った状態で足を伸ばし、足の力を抜く
- 両手の親指で膝の皿周辺を上下左右に動かす
- 左右の足を替えて同様に行う
日常でできる膝の痛みを予防する方法
普段の何気ない生活習慣が膝の痛みを悪化させる原因になっていることも少なくありません。日常生活のなかでできる対策をいくつかご紹介しましょう。
歩き方を見直す
人によっては歩き方の癖がついていることもありますが、たとえば猫背や前かがみの姿勢になりすぎているとバランスが崩れ、膝にも大きな負担がかかります。
そのため、まずは正しい歩き方を意識してみましょう。
正しい歩き方のポイント
- 背筋を伸ばし、あごを引いて歩く
- 視線は5m先の地面を見るイメージ
- 適度な歩幅を維持する(着地時に膝が軽く曲がる程度)
- かかと→親指の付け根→つま先 の順番で体重を移動させるよう意識する
- 足の動きに合わせて腕を振る
肥満を予防
体重が増加することで膝にかかる負担が増大し、関節を痛める直接的な原因になり得ます。
また、体重が増加すると体が重く感じ、徒歩や階段の上り下りなどの日常的な運動も敬遠しがちになります。
その結果、さらなる体重の増加を招き膝への負担も増大するという悪循環に陥ってしまいます。
このような事態を防ぐためにも、摂取カロリーを考えた食事を心がけるなどして肥満を予防しましょう。
適度な運動
運動不足に陥ると筋力が低下し、膝関節の安定性が失われます。また、先述した肥満にも直結し、膝への負担が増大する原因にもなりかねません。
運動の習慣がない方の場合、いきなり長距離のウォーキングやジョギングは辛く感じてしまうものです。
そのため、まずは無理のない範囲でスタートし、少しずつ距離を伸ばしていきましょう。
また、膝の痛みで歩いたり走ったりが難しい場合には、水泳や自転車をこぐマシーンのように膝に負担がかからない運動を試してみるのもおすすめです。
過度な運動は避ける
運動によって筋力を維持することは重要ですが、ハードなトレーニングは膝への負担が増大し逆効果になる危険もあります。
特に、重いものを持った状態での膝の曲げ伸ばしや、ジャンプ動作の繰り返しなどは膝への負担が大きいため注意しましょう。
関連記事:膝の痛みの場所別原因まとめ|突然ズキズキ痛むのは危険?
膝の痛みで整形外科を受診する目安
一口に膝の痛みといっても、症状の程度や状態はさまざまです。
たとえば、一時的な痛みや軽度の痛み、膝の違和感などが見られる場合には、今回ご紹介したセルフケアで改善できる可能性もあるでしょう。
しかし、外傷によって膝に強い痛みを感じる場合や、セルフケアをしても痛みが緩和せず悪化している場合などは、変形性膝関節症や半月板損傷などを発症している可能性もあるため、早急に整形外科を受診することがおすすめです。
また、セルフケアによって一時的に症状は改善したものの、日数が経過すると再び症状が現れるような場合においても、整形外科を受診することで再発を防げるようになります。
膝の痛みでお悩みの方はイノルト整形外科まで
膝関節の痛みはさまざまな原因が考えられるため、高度な検査機器や設備が充実した信頼できる整形外科を選ぶことが大切です。
膝関節の治療といえば、従来は薬物療法や物理療法、装具療法などが定番でしたが、近年では医療技術の発達により再生医療や体外衝撃波治療といった新しい治療法も登場しています。
幅広い選択肢の中から自分に合った治療法を選ぶという意味でも、これらに対応できる整形外科が理想的といえるでしょう。
イノルト整形外科では関節専門外来を設置しており、患者様の状態や要望に応じて上記でご紹介した幅広い治療法の中から最適なプランをご提案させていただきます。
「他院で治療を受けたものの、痛みが引かない」「早期回復が期待できる治療法を選択したい」とお考えの方は、まずはイノルト整形外科までお気軽にご相談ください。
関連記事:膝の裏が痛い!「ピキッ」という鋭い痛みの原因や治し方を解説
まとめ
膝の痛みの現れ方はさまざまで、特に症状が軽度の場合自分で治したいと考える方も多いでしょう。
ストレッチやマッサージなどさまざまなセルフケアの方法はありますが、これらを行っても症状が改善しない場合には早めに整形外科を受診することがおすすめです。
治療の開始が遅れると重症化していき、変形性膝関節症や半月板損傷といった疾患につながる可能性もあるため、信頼できる整形外科クリニックに診てもらいましょう。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ
藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長 渡邉 順哉
経歴
●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長