整形外科手術とリハビリテーション
※本記事は、整形外科専門医・イノルト整形外科 統括院長 渡邉順哉医師の監修のもと執筆しています。
前にすべきことは何でしょうか?
PTの関わり方次第で、予後が良くもなれば悪くもなるので手術に対する深い洞察はとても重要です。
深部静脈血栓症 (DVT) の成因は「血液のうっ滞 ・血管内膜の損傷・血液凝固能の亢進」の 3原則が知られております。
整形外科疾患術後においても下肢静脈の直接的損傷に加え、臥床による血液うっ滞から静脈血栓塞栓症(VTE )の発生頻度がきわめて高いため予防が必要です。
下肢手術後のリハビリを担当する機会の多いPTは血栓症に十分な理解をしておく必要があるのです。
整形外科疾患の中でもDVTを生じやすい手術として、下肢の人工関節手術が知られておりTHA 後 で22% ,TKA後で50%とされています。
DVT予防として理学療法的手段には、術前からの足関節底背屈運動。術後早期からの関節可動域運動や筋力増強運動、早期離床などがあるのです。
整形外科術後のリスク管理には合併症に注意しながらの早期介人がすすめられる。
よりよいアプローチを行うためには、常にリスクを理解し対応しなければいけないのです。
運動機能ばかりに目を向けず,起こりうるリスク を理解し対処法を習得しておくことで、安全で安心な医療の提供に繋がるのです。
この記事の監修医師

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長
渡邉 順哉
経歴
- 平成16年 鎌倉学園高等学校卒
- 平成23年 東邦大学 医学部卒
- 平成23年 横浜医療センター 初期臨床研修
- 平成25年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
- 平成26年 神奈川県立汐見台病院 整形外科
- 平成28年 平成横浜病院 整形外科医長
- 平成30年 渡辺整形外科 副院長
- 令和元年 藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
- 令和6年 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 統括院長