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テニス肘の治し方!自分で治す方法は?整形外科での治療法を解説

テニスプレーヤーが多く発症するテニス肘は、肘の内側または外側に痛みが生じ、ひどい場合には日常生活に支障をきたすこともあります。

症状の程度は人によって異なりますが、少しでも痛みを改善するために個人でできる対処法も存在します。

そこで本記事では、テニス肘を自分で治す方法や、整形外科ではどのような治療法が選択できるのかを詳しく解説します。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)とは

テニス肘とはその名の通りテニスプレイヤーが多く発症する疾患のひとつで、正式には「上腕骨外側上顆炎」とよばれます。

テニスラケットを振る利き手に発症し、プレイ中はもちろんのこと重いものを持ち上げるときや雑巾を絞るときなどに肘の外側部分に痛みを感じるのが特徴です。

中高年のテニス経験者が発症しやすい傾向があり、長年にわたって手首を酷使することで腱にストレスが加わり発症すると考えられています。

また、必ずしもテニス経験者のみが発症するものではなく、加齢や仕事による身体の酷使など、さまざまな要因によってテニス経験者以外にもテニス肘が発症することがあるのです。

肘の痛みはテニス肘以外にもさまざまな疾患が考えられますが、以下の3つの検査でいずれも肘の外側から前腕にわたって痛みが現れた場合、テニス肘と診断されます。

  1. Thomsenテスト
    検者は患者の手首を曲げて固定した状態で、患者は検者の力に抵抗し手首を伸ばす
  2. Chairテスト
    肘を伸ばした状態で椅子を持ち上げる
  3. 中指屈伸テスト
    検者は患者の中指を上から押さえた状態で、患者は検者の力に抵抗し中指を伸ばす

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は自然治癒するの?

テニス肘を発症すると腱が脆くなり、一時的に痛みを伴います。

しかし、時間の経過とともに痛みは徐々に引いていき、1年後には痛みを感じなくなる場合もあります。

しかし、痛みがなくなるとは断言できないのと、基本的に脆くなった腱が再生することはありません

また、なかには時間が経過しても痛みが引かないケースも見られ、これを放置しておくと慢性的な痛みに発展し治りにくくなることがあります。

そのため、テニス肘が疑われる場合には自然治癒を待つのではなく、できるだけ早めに治療することが大切です。

▶テニス肘の詳細はこちら

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)を自分で治す方法はある?

テニス肘が疑われる場合でも、痛みが軽度であったり頻繁に症状が現れない場合には病院を受診するか迷う方も多いでしょう。

また、痛みがあってもすぐに病院に行けない場合も少なくありません。

そのような場合に、ぜひ試していただきたいのが以下の方法です。

ストレッチ

テニス肘に有効なストレッチの方法は以下の通りです。

  1. 1.左右いずれかの腕を前方へ伸ばし、手首を下方向に曲げる
  2. 2.反対の手で人差し指と中指を引っ張る
  3. 3.手首を横方向に向け、同様に人差し指と中指を引っ張る

上記のストレッチを1回あたり30秒ずつ、1日3回を目安に行ってください。

マッサージ

ストレッチと同様に正しい方法でマッサージを行うこともテニス肘の症状緩和につながります。

  1. 1.前腕部の内側を指で揉みほぐす
  2. 2.親指と薬指に輪ゴムをかけ、2本の指をくっつけた後に離す動作を繰り返す

腕の内側に痛みがある場合には前腕部の内側を、外側が痛む場合には前腕部の外側を揉みほぐしてください。

また、2の輪ゴムを使用した動作は1日1分程度を繰り返すと徐々に効果が現れてくる場合が多いようです。

テーピング

日常生活でテニス肘を悪化させないためには、テーピングも効果的です。

  1. 1.親指の付け根部分から肘までテープを貼る
  2. 2.手首を一周するようにテープを巻く
  3. 3.肘関節にかからないよう、前腕部の付け根を一周するようにテープを巻く

テーピングは関節や腱に大きな負担がかからないように固定する必要がありますが、手首や前腕部を一周する際に圧迫が強すぎると血流が悪くなる可能性もあるため注意してください。

整形外科でのテニス肘(上腕骨外側上顆炎)の治療法

テニス肘は整形外科での治療が可能で、アスリートはもちろん一般の方が治療を受けるケースも珍しくありません。

整形外科におけるテニス肘の治療法は、基本的に保存療法が選択されます。

保存療法とは外科手術のようにメスを入れるのではなく、薬の投与や理学療法などによって身体を傷つけることなく行われる治療法全般を指します。

代表的な保存療法の種類と、それぞれの治療の概要を紹介しましょう。

リハビリテーション

リハビリテーションとは、いわゆる”リハビリ”のことで、身体に負担がかからない程度にトレーニングを繰り返し、本来の機能を取り戻す治療法のことです。

上記で紹介したストレッチやマッサージもリハビリの一種であり、テニス肘に限らず整形外科における基本的な治療法といえます。

理学療法士の指導やサポートを受けることで正しいリハビリができ、ケガのリスクや症状の悪化を防止します。

体外衝撃波

体外衝撃波とは、音波よりも高い周波数の圧力波(衝撃波)を皮膚の外側から照射する治療法です。

衝撃波を照射することにより、痛みを伝える物質を減少させたり、新生血管の再生を促す効果が期待でき、結果として痛みを軽減でき可能性があります。

もともとは腎臓結石や尿管結石などの治療に用いられてきましたが、それよりも低いエネルギー量の衝撃波を照射することで疼痛治療にも効果が認められています。

関連記事:体外衝撃波は治療効果がない人はいる?|適切な治療回数や痛みについて

PRP治療

PRPとは多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)ともよばれ、自身の血液から血小板とよばれる成分を抽出した後、それを再び体内に注入する治療法のことです。

血液中に含まれる血小板には体内の細胞や組織を修復する働きがあり、テニス肘をはじめとして腱や関節の損傷部位を再生する効果が期待できます。

また、患者自身の血液から血小板を抽出するため、安全性も高く副作用などのリスクも低いメリットがあります。

関連記事:PRP療法の注射が膝や股関節に効果的な理由とは?副作用はある?

物理療法

昔からリハビリといえば物理療法という時代がありました。

マイクロ波などの温熱療法は効果が乏しい場合が多いですが、超音波治療器や低周波治療器は一定の効果を得られる場合が多いです。

薬物療法

薬物療法は、主に痛み止め(鎮痛剤)や炎症を抑えるための薬を処方し、症状を緩和する治療法です。

特に痛みが強い場合に薬物療法は欠かせません。

一般的には錠剤などの飲み薬や湿布が処方されますが、特に痛みが酷く日常生活に支障をきたすような強い炎症を伴っている場合にはステロイド注射が選択されることもあります。

しかし、ステロイド注射は組織を脆くしてしまう副作用があり長期的には再発することも少なくないため、ステロイド以外の治療法も最近では用いられるようになってきています。

装具療法

装具とは、いわゆるサポーターのことであり、筋肉を適度な力で圧迫することで関節の動きを助ける役割があります

テニス肘を発症し痛みが続くと、日常生活のなかで腕の曲げ伸ばしに負荷がかかったり、曲げた際に痛みが再発しないかと心配になり本来の動作に恐怖心を覚えたりするようになります。

そこで、装具を装着することで肘のスムーズな曲げ伸ばしをサポートし、リハビリの大きな助けにもなるでしょう。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)が治らないときは


テニス肘は自然治癒する場合もありますが、我慢できないほどの強烈な痛みを伴う場合や2~4週間経過しても症状が改善するどころか悪化する方もいます。

そのような場合には、できるだけ早めに整形外科を受診してください。

また、整形外科によっても対応可能な治療法は異なります。

上記で紹介した治療法のうち、リハビリテーションや薬物療法、装具療法などはほとんどの整形外科で対応していますが、体外衝撃波やPRP治療などは自費診療ということもあり、対応できる整形外科が限られています。

そのため、たとえば「リハビリを続けているものの症状が緩和されない」、「ほかの治療法を試してみたい」と考える方は、現在通院中の整形外科からほかのクリニックへの変更も検討してみましょう。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)でお悩みの方はイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへご相談ください

テニス肘に悩まされている方は、ぜひ一度イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックを受診ください。

当院では上記で紹介した体外衝撃波やPRP治療といった最新の治療法にも対応しており、リハビリや薬物療法との組み合わせも可能です。

また、院長の渡邉順哉医師は現役の空手選手でもあり、世界大会などの救護ドクターとして活躍しています。

さまざまなアスリートが当院のスポーツ整形外科を受診しており、テニス肘以外にも頚椎椎間板ヘルニアや半月板損傷、ジャンパー膝、肉離れ、前十字靭帯損傷など多様な疾患の治療実績があります。

まとめ

テニス肘はアスリートを悩ませる代表的な疾患のひとつですが、自然治癒するケースも多く、気づいたら痛みがなくなっていたという方も少なくありません。

しかし、治療をせず放置しておくと症状が悪化したり、再発するケースもあることから、できるだけ早期の治療が求められます。

一般的にはリハビリテーションや薬物療法、装具療法などの治療法が一般的ですが、これらの治療を行っても改善が見られない場合、体外衝撃波やPRP治療といった治療法も視野に入れてみましょう。

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、テニス肘を改善するためのさまざまな治療法に対応しています。ぜひ一度ご相談ください。

関連記事:トミージョン手術について

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ

 

この記事の監修医師


藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長