半月板損傷でやってはいけないこととは?早く治す方法も解説!
膝に強い痛みを感じたり、違和感を覚える場合には半月板損傷である可能性があります。
スポーツ選手などが発症するイメージの多い半月板損傷ですが、一般の人であってもリスクは潜んでいます。
半月板損傷が疑われる場合には、早急に医療機関で診てもらうことが大切です。
しかし、悪化を防ぐためにも治療中やリハビリ中にやってはいけないことがあります。
どのような点に注意すべきなのか、詳しく解説しましょう。
半月板損傷になったらやってはいけないこと
膝の痛みや違和感を覚え医療機関を受診すると、さまざまな検査が行われた後に「半月板損傷」と診断されることがあります。
また、膝に圧迫感を覚え曲げ伸ばしがしにくいなど、半月板損傷が疑われる症状が現れる場合もあるでしょう。
このようなとき、半月板損傷を悪化させないためにも、やってはいけないNG行動があります。
膝への過度な負荷
1つ目は、膝に過度な負荷をかけることです。
たとえば、痛みを我慢して激しい運動をする、重いものを持ち運ぶ、階段の登り降りを繰り返すなどの行為が挙げられます。
このような強い衝撃や圧力が加わると、半月板損傷がさらに悪化し歩行や膝の曲げ伸ばしそのものが困難になることもあります。
膝を無理に曲げる・伸ばす
膝に違和感を覚えると、少しでも症状を緩和しようとストレッチをする人もいます。
しかし、あまりにも強い力で無理に曲げたり伸ばしてしまうと、こちらも重症化することがあるのです。
関連記事:膝を曲げると突然痛い!原因と治し方を外側・内側別に徹底解説
半月板損傷は自然治癒する?
すり傷や軽度の外傷などは特別な治療をしなくても自然治癒することがあります。
しかし、半月板損傷の場合は自然治癒することはなく、適切な治療をしない限り一生治らない病気です。
治療をせずに長期間放置していると、変形性膝関節症とよばれる病気を発症し、状態がさらに悪化していくことも多くあります。
変形性膝関節症とは、膝関節にある軟骨が徐々にすり減っていき、関節そのものが変形する病気のことです。
一般的には肥満や激しい運動のしすぎ、加齢にともなう軟骨の老化などが原因となることが多いのですが、半月板損傷が引き金となって発症するケースも少なくありません。
さらに症状が進行していくと激しい痛みを伴うようになり、やがては歩行そのものが困難になることも考えられるでしょう。
最悪の場合、人工関節置換術といった手術をしなければならなくなります。
関連記事:膝の裏が歩くと痛いのはなぜ?痛みの目安やストレッチ方法も紹介
半月板損傷を放置する危険性
半月板損傷から変形性膝関節症へと進行しなかったとしても、治療をせずに放置しておくと症状は悪化していき、やがて重篤な状態に陥ります。
はじめのうちは軽い膝の痛みや腫れ、膝関節なズレるような感覚を覚えることが多く、日常生活に支障をきたすほどではありません。
しかし、徐々に痛みは強くなっていき、長時間の歩行やランニング、階段の登り降りができなくなります。
また、人によっては歩行そのものが難しくなり、やがては膝の曲げ伸ばしが不能になる「ロッキング」とよばれる状態に陥る場合もあります。
ここまで重症化すると手術のほかに治療手段が選択できなくなり、将来的に変形性膝関節症と同様に人工関節置換術の手術を受けなければならなくなることもあるのです。
そのため、少しでも膝に違和感や痛みを覚えたら、我慢したり整体や整骨院に行かず、まずは早めに整形外科で検査を受け、必要に応じて治療を始めることが大切です。
半月板損傷になったらサポーターをつけたほうが良い?
半月板損傷の治療にあたっては、症状が軽度の場合保存療法が用いられることがあります。
保存療法とは、患部に大きな負荷を与えずに安静を保つ治療法であり、これと並行して適切な理学療法士とのマンツーマンのリハビリテーションや投薬などが行われます。
日常生活で気をつけているつもりでも、何らかの拍子で膝関節に無理な力が加わってしまったり、関節を捻ったりすることもあると思います。
それらが原因で症状を悪化させないために、膝関節用のサポーターの装着を勧められる場合がありますが、基本的にはお勧めしていません。
強い伸縮性のバンドや金属が入っているような関節を固定する力が強いサポーターは一見安心感があり、靭帯損傷などの怪我の初期は必要です。
しかし、慢性化した半月板損傷の痛みに対してサポーターを長期間使えば使うほど、人間自身が持っている自然のサポーターである膝周囲の筋肉が必要なくなり衰えていってしまいます。
結果的に、サポーターを外すと膝が不安定になり一生サポーターが外せない膝になってしまう状態に繋がりかねません。
固定力の弱いサポーターは、長期間使用しても筋力低下を起こす危険性は少ないです。
しかし、そもそも温熱効果程度しかなく、半月板損傷の痛みについては気休め程度にしかならないため、急性期にも慢性期にも効果が乏しいため、お金を掛けるだけ無駄ということになります。
接骨院などでサポーターを勧められても安易に買わず、膝に詳しい整形外科専門医に相談してから買うか決めましょう。
関連記事:膝の痛みの場所別原因まとめ|突然ズキズキ痛むのは危険?
半月板損傷を早く治す方法
半月板損傷は基本的にMRI検査で確定診断をします。
一般的に自然治癒が難しいことから、正式な診断を受けた場合には速やかに適切な治療を始めることが必要です。
軽度の場合は保存療法が基本となることを紹介しましたが、これ以外にも有効な治療法は存在します。
再生医療
再生医療には、様々な治療法がありますが、最近徐々に認知度が高まっている2つの再生医療を紹介します。
患者自身の血液から組織を修復する物質を取り出し膝関節に注射する多血小板血漿療法という治療法と、脂肪などの一部の組織を取り出しそこに含まれる幹細胞を数千万倍に培養し、その幹細胞を膝関節に注射するというより効果的な再生医療です。
多血小板血漿や幹細胞治療によって損傷した半月板が修復されていき、痛みも緩和されます。
従来、半月板損傷の治療においてはリハビリやヒアルロン酸注射といった保存療法か手術の二択というケースが多かったのですが、再生医療の進歩によって、本来手術が必要であった状態であっても手術をしない治療法も選択できるようになりました。
集束型体外衝撃波治療
再生医療のほかにメスを入れない治療法として、集束型体外衝撃波治療があります。
これは超音波よりも強い振動エネルギーを膝関節に当てることで、痛みの伝達物質を減少させ症状を緩和するという治療法です。
一部の国では広く採用されていますが、新しい治療法ということもあり日本では対応できる医療機関が限られています。
日本では集束型体外衝撃波治療と似た、拡散型体外衝撃波治療というものがあり、機器の値段から拡散型の方がより普及していますが、拡散型は正しくは体外衝撃波ではなく圧力波と言われる衝撃波より弱い治療法になります。
当院では、体外衝撃波治療を集束型だけでなく拡散型の治療機器の両方とも治療の選択肢として選ぶことができますが、半月板損傷の痛みには拡散型ではなく集束型体外衝撃波でないと痛みを取る効果としては不十分です。
治療時間は3〜10分程度と短く、3〜5回程度の通院で治療は完了します。
あくまでも物理的な振動エネルギーを照射するため、放射線のように人体へ悪影響を及ぼす心配は無くとても安全性の高い治療法になります。
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手術療法
保存療法や再生医療、体外衝撃波治療などの治療法は万能ではなく、半月板損傷の状態や進行状況によっては改善が難しいケースもあります。
そのような場合、最終手段として用いられるのが外科手術です。
半月板損傷が著しい場合には、膝に小さな穴を開けて細い内視鏡を入れて行う関節鏡手術により半月板を縫合したり切除する手術が必要になります。
リハビリ
ご紹介した半月板損傷のいくつかの治療法を受けた終えただけでは完全に回復したとは言えません。
痛みによる運動不足からくる筋力の低下やこれまでの半月板損傷の原因になるような悪い動きの癖などが残り、膝関節に負担が生じて再び同様の症状を発症したり、痛みの改善が乏しくなることもあります。
これを防ぐために重要なのがリハビリテーションです。
半月板損傷に詳しい理学療法士の指導のもとで行われるマンツーマンのリハビリでは、筋力の回復や正しいの膝の使い方の習慣付けによって膝への負担を軽減し、より痛みが改善したり、痛みが再発する可能性を減らすことができます。
また、リハビリは基本的に保存療法の一環として行われますが、手術後にも行うのが一般的です。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは膝の痛みに特化した治療が可能
膝の痛みや違和感などの疑われる症状が見られたら半月板損傷を起こしていることは決して珍しいことではありません。
そのため、レントゲンや超音波検査だけでなく、MRI検査まで行って診断をしてくれる膝の専門外来のある整形外科に、痛みを我慢せず早めに受診することが大切です。
また、万が一半月板損傷と診断された場合には、即座に治療を開始する必要があるため、信頼性が高くさまざまな治療法に対応できるを選ぶ必要があるでしょう。
たとえば、今回紹介した集束型体外衝撃波治療や再生医療など、より幅広い治療選択肢を提案できる整形外科は国内を探してもまだまだかなり希少なのが現状です。
また、保存治療を提案できる選択肢が少ないだけに、すぐに手術を勧められ総合病院などを紹介せざるを得ない整形外科も少なくありません。
手術以外の方法で、少しでも早く膝の痛みを緩和したい方は、イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックに一度ご相談ください。
上記で紹介した幅広い治療法を個々の膝の状態に応じて適切にご提案させて頂いており、膝の痛みに特化した治療が可能です。
もちろん、検査・治療の結果、手術が必要な場合は技術・実績ともに信頼のできる提携病院を紹介させて頂くこともできます。
まとめ
半月板損傷は治療を放置しておいても自然治癒が見込めず、適切な治療を受けない限り一生治ることはありません。
そのため、過去に半月板損傷と診断された経験がある方はもちろん、少しでも膝に痛みや違和感がある方は、できるだけ早く膝専門外来のある整形外科を受診してMRI検査を受けたり、多角的な治療法を親身に提案してもらい、治療を実際に開始していくことが大切です。
半月板損傷の状態によっても最適な治療法は異なり、状態次第では手術をせずとも再生医療や集束型体外衝撃波治療などで十分痛みは取り除ける可能性が高くなります。
ただし、整形外科によっては治療法の選択肢がかなり限られてくる場合もあり、どのような治療法に対応しているのかを事前にホームページなどで調べておきましょう。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ
藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長 渡邉 順哉
経歴
●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長