膝の再生医療にかかる費用や名医の探し方|保険適用はされる?
膝の痛みや違和感を解消するためにはさまざまな治療法が存在しますが、なかでも副作用のリスクが低く安全性の高い治療法に再生医療があります。
しかし、再生医療とはどういった治療法なのか分からなかったり、治療受けようか悩んでいる方も少なくありません。
本記事では、再生医療にかかる治療費や名医の探し方について詳しく解説します。
▶︎イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの再生医療外来はこちら
膝の治療で行われる再生医療の種類
一口に再生医療といってもさまざまな種類があります。
膝関節の治療においては、具体的にどういった治療法が用いられることが多いのか、代表的なものを4つ紹介しましょう。
集束型体外衝撃波治療
体外衝撃波は超音波の数十倍の高いエネルギー波を損傷部位に当てることで、修復を促す治療です。
拡散型(正確には体外衝撃波ではなく圧力波)と集束型の2種類があり、十分な組織修復効果を得るためには集束型を選択することが必要です。
集束型体外衝撃波治療は骨や靱帯など損傷した部分を修復する効果を持っています。
再生医療という扱いありませんが、他の再生医療の治療と組み合わせることでより再生医療の効果を向上し長期持続が期待されます。
多血小板血漿(PRP)治療
PRP治療とは、患者様自身の血液を採取し血小板を抽出した後に患部へ注入する治療法です。
血小板が放出する物質の中には傷ついた組織の修復を助ける働きがある成長因子という物質があり、これによって組織の自己修復を促します。
再生医療のなかでもPRP治療は副作用が少ない安全な治療法であり、特に関節軟骨の損傷や靭帯、腱の損傷などの治療に用いられます。
日帰りでできる簡便な治療法で、最近ではPRPに含まれる血小板の殻を取り払って、成長因子だけを注射する治療が少しずつ普及してきました。
保険適応外の治療で、費用は数万~数十万円と幅が広く、様々な種類が出ています。
培養幹細胞治療
体の中には数えきれないほどの細胞がありますが、全ての細胞は元々は幹細胞という赤ちゃん細胞で、それが成熟して現在の細胞になっています。
数多の細胞の中にも一部、まだこれから色々な細胞に成熟することができる赤ちゃん細胞が存在しており、それが幹細胞です。
幹細胞は骨髄や脂肪組織から採取するケースが一般的で、適切な方法で幹細胞を数個から1億個以上まで増殖(培養)させることができます。
幹細胞は損傷した組織の修復を促し、軟骨や骨の再生を助ける効果が期待できます。
脂肪幹細胞治療とは、患者自身の脂肪組織から採取した幹細胞を用いる治療法です。
脂肪幹細胞は再生能力が高いことから、特に膝関節の軟骨損傷や変形性関節症の治療に用いられることが多いです。
患部に注入することで、損傷した組織の修復や新たな軟骨組織の形成を促すことが期待されます。
保険適応外の治療では、最も高い部類に入ります。
◆マイクロフラクチャー法
関節鏡という内視鏡で行う手術で、削れた軟骨と骨に細かい穴を空け、骨髄液を穴から漏出させることで、軟骨を再生させます。
数日程度ですが入院して、手術室で全身麻酔で行うのが通常です。健康保険が適応されます。
◆骨軟骨柱移植術
関節の軟骨のうち体重が掛からない部分を円柱状にくり抜いて、軟骨の欠損した部分に移植する手術です。
入院手術で、入院期間も長くなります。
手術後の体重を掛けない制限が一定期間必要です。
国内でも行っている病院はとても少ないのが現状です。
健康保険が適応されます。
自家培養軟骨移植術
自家培養軟骨移植術とは、主に軟骨の欠損に対して用いられる治療法です。
関節の軟骨細胞を採取し、シート状に増殖させた後に患部に移植します。
自己の細胞を用いるため副反応のリスクも少なく、新たな軟骨組織の形成を促すことが可能です。
全身麻酔の入院手術で、入院も長期間になります。国内ではごく一部の大学病院で行われており、健康保険が適応されます。
関連記事:体外衝撃波治療の効果とデメリットは?|適応疾患や頻度についても解説
膝の再生医療を行うメリット・デメリット
膝関節の最終的な治療と聞くと、人工関節手術をイメージする方も少なくないのではないでしょうか。
複数の治療の選択肢があるなかで、再生医療を選ぶことでどのようなメリットがあるのでしょうか。
また、反対にデメリットとして考えられるポイントも紹介します。
メリット
再生医療の最大のメリットは安全性と他の保存療法にはない治療効果です。
自分自身の血液や脂肪組織などから修復を促してくれる物質や細胞を抽出するため、それを体内に注入したとしても副反応のリスクは限りなく低いということです。
ステロイドなどの薬の注射や人工関節などの手術に比べて人体に対するリスクは極めて低く、安全性を第一に優先したいと考える方にとっては有力な選択肢となるでしょう。
また、保存治療の中で他の治療法と比べても痛みなどに対する効果はとても高いと評価されています。
デメリット
唯一デメリットとして考えられているのは、再生医療の多くは保険適用外であり自由診療となる点です。
保険が適用できないということは、治療にかかる費用を全額負担しなければならず、1回の注射で数万円、数十万円といったコストがかかるケースも珍しくありません。
関連記事:PRP療法の注射が膝や股関節に効果的な理由とは?副作用はある?
どんな人に膝の再生医療はおすすめ?
メリットとデメリットを踏まえて考えたとき、再生医療はどのような人に適した治療法なのでしょうか。
保存療法や薬物療法で効果が現れなかった人
リハビリやダイエットなどの保存療法や、ヒアルロン酸などの注射やロコアテープなど外用薬など薬物の投与による治療法も存在します。
しかし、膝の状態によっては十分な効果が現れないケースや、効果が長続きしないケースもあります。
さらに、MRIで半月板損傷や軟骨損傷などのMRIで膝関節内に異常が認められる場合は、再生医療は有効な選択肢となるでしょう。
人工関節を入れるのに抵抗がある
人工関節による治療は整形外科手術の中でも大掛かりな手術に当たり、比較的安全性が高いものの、数%は再手術など重大な合併症のリスクは避けられません。
万が一失敗したときのリスクを考えると不安に感じてしまうものです。
そのような方にとって、再生医療は自分自身の組織を利用し、注射のみで治療が終わるため安心して治療を受けられます。
入院が難しい
人工関節手術や骨切り術などの整形外科手術は、2週間以上など長期間にわたる入院が必要であるほか、術後は日常生活に戻るためのリハビリも行わなくてはなりません。
日帰りでできる再生医療であれば注射後の痛みはあるものの、日常生活に支障をきたすことがほとんどなく、長期休暇がとれない人であっても選択しやすい治療法といえるでしょう。
膝の再生医療で効果がなかった原因とは
膝の再生医療はあらゆる人にとって効果が見込める治療法ではありません。
なぜ効果が現れないことがあるのか、代表的な原因を紹介しましょう。
年齢の問題
80歳以上の高齢者は、再生医療の注射をしても治療満足度が高くないケースもあります。
加齢に伴い細胞の修復能力が落ちてくることや、筋力低下に伴う関節の不安定化なども要因と考えられます。
従って、若ければ若いほど治療効果は高いと言えるでしょう。
体重が重い
膝の再生医療では、注射をしてすぐに効果が現れることはなく、細胞が回復するまでに一定の期間を要します。
体重過多の人の場合、日常生活においても膝に大きな負担がかかることから、細胞が回復する前に軟骨や半月板の損傷が重なり炎症が再燃し、十分に再生医療の効果が得られないケースがあります。
重症度
膝の状態があまりにも悪いと、再生医療の注射をしても完全な回復ができず、症状があまり変わらないというケースもあります。
重症度が高くなるほど回復に時間を要し、患者さんによっては効果を実感できない人も少なくありません。
関連記事:体外衝撃波は治療効果がない人はいる?|適切な治療回数や痛みについて
膝の再生医療における名医の基準とは
膝の再生医療は自費診療で高額な治療費がかかることから、多くの患者さんは優秀な医師に診てもらいたいと考えるものです。
どのような基準で医師を選べば良いのか、いわゆる名医とよばれる医師の基準やポイントなどを紹介しましょう。
自費治療にこだわらない
自費治療ばかり勧めて、健康保険でできる理学療法士のリハビリや鎮痛薬を勧めてこない医師は整形外科系の自費専門クリニックの医師は比較的多いようです。
リハビリをせず再生医療のみを行う場合は、十分に効果を発揮できず治療が長引く可能性があります。
逆に再生医療だけにこだわらず、リハビリや炎症を抑えることができる保険治療も同時に勧めてくれる医師は信頼できると思います。
病気や治療についての知識が豊富
どのような治療であっても、患者さんにとっては不安を感じるものです。
特に再生医療は自由診療ということもあり、「万が一効かなかったらどうしよう」、「効果が十分得られる可能性はどれくらいあるのか?」など、医師に質問したいことは多くあるはずです。
そのような質問を投げかけたとき、はぐらかさずに真摯に対応してくれる医師は信頼性が高く安心して任せられるでしょう。
アフターフォローの充実度
再生医療は手術に比べて副反応のリスクが低く、安全性の高い治療法といえますが、完全にリスクがないともいえません。
万が一、帰宅してから異常が見られたときでも、すぐに診察してもらえるかどうか、アフターフォローも含めて確認しておくことが大切です。
▶︎イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの再生医療外来はこちら
膝の再生医療にかかる費用
上記でも説明してきたように、膝の再生医療は保険適用外であり、原則として自費診療となります。
クリニックによっても治療費は異なりますが、膝の再生医療には30万円や50万円、場合によってはそれ以上の費用がかかるケースもあります。
1回あたりの注射の費用は数万円程度に抑えられているクリニックもありますが、複数回の注射をすることが前提となっているケースもあるため、総額でどの程度の費用がかかるのかをしっかりと確認しておきましょう。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの再生医療専門外来の特徴
膝の再生医療を受けたいと考えているものの、信頼できるクリニックがなかなか見つからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そのような場合には、イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックへお気軽にお問い合わせください。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは、再生医療の他、体外衝撃波治療やハイドロリリース、理学療法士による保存療法(リハビリテーション)から難しい場合は提携している総合病院へ手術目的での紹介まで幅広く対応しています。
院長の渡邉 順哉医師は、これまで多くの医療機関で整形外科医として活躍してきた経歴をもち、再生医療の分野でも豊富な実績と経験をもっています。
膝の痛みや違和感に悩む患者さんのために、再生医療を含むさまざまな選択肢の中から、最適な治療法を提案し改善していきます。
まとめ
膝の痛みは加齢やスポーツ、体重過多などさまざまな原因によって引き起こされます。
一般的には痛み止めの薬やヒアルロン酸注射、リハビリなどの治療で痛み良くならない場合、人工関節置換術などの外科手術などを行う場合が多いですが、手術をできる限りせずに痛みのない生活を目指したい方には再生医療はとても有効な選択肢となるでしょう。
早期治療を目指すためにも、信頼できるクリニックに相談し最適な治療法を選択しましょう。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ
藤沢駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長 渡邉 順哉
経歴
●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長