サプリメントの飲み方(プロテイン編②)
こんにちは。藤沢の駅前にあります藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックです。
本日は以前に投稿したプロテインの飲み方の続編になります。
ホエイプロテイン
プロテインで広く認知されているのがホエイプロテインです。
ホエイプロテインはBCAA(分岐鎖アミノ酸)とグルタミン酸を多く含みます。
BCAAとグルタミン酸は筋の合成を助け、素早い回復を実現するため、トレーニング後に摂取する事が推奨されているアミノ酸です。
ホエイプロテインは血液中に素早く放出され、アミノ酸を筋まで届けます。
カゼインプロテイン
もう一つはカゼインプロテインです。
カゼインプロテインは大豆などに多く含まれ、血液中に放出されるのがホエイプロテインより遅い為、長時間一定のアミノ酸を届けることが可能です。
市販されているプロテインパウダーは、これらのホエイプロテインとカゼインプロテインをブレンドしたものが多く、ある報告ではホエイプロテインとカゼインプロテインをブレンドしたものがトレーニング後のタンパク質補給として最も効果的であるとされています。
トレーニング後にホエイプロテインを摂取して、就寝前にカゼインプロテインを摂取するというような使い方をするのも効果的です。
プロテイン(タンパク質)を構成しているのが20種類のアミノ酸です。
多くのアミノ酸は体内で酵素の作用によって合成されますが、9種類のアミノ酸については体内で合成されない為、食事から摂る必要があります。
この9種類のアミノ酸を【必須アミノ酸】と言います。
また、体内で合成できる11種類のアミノ酸を非必須アミノ酸と言います。
必須アミノ酸の中のバリン、ロイシン、イソロイシンの3つを総称してBCAA(分岐鎖アミノ酸)といいます。
BCAAは筋のエネルギー源となる唯一の必須アミノ酸であり、大切な栄養素です。
金を構成している必須アミノ酸の約30~40%がBCAAで、筋のタンパク質分解を抑制し、活動時に主に筋のエネルギー源となります。
つまり、運動時に効率よくエネルギー源として利用されるアミノ酸なのです。最近では筋タンパク質の合成を促進するなど、筋のコンディションには不可欠であるとも言われています。
運動前、および運動中のBCAA摂取により、摂取したBCAAがエネルギー源として利用されるので、筋をエネルギー源として使うことを防ぎ、筋のコンディションを維持できます。
結果として運動時のパフォーマンス低下を軽減し、リカバリーにも効果を発揮します。
続きは次回に引き続き記載をしていこうと思います。
藤沢の駅前 藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックスタッフ Y T
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ
頚椎椎間板ヘルニアについて
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの駿藤と野中です。
突然ですが、皆さん手の痺れや頚の痛みを感じたことはありますか?
その症状、頚椎椎間板ヘルニアかもしれません!
今回は頚椎椎間板ヘルニアについてお話させていただきます。
現代人は今、IT社会のためデスクワークや在宅ワークでパソコンを使用して仕事をすることが当たり前の社会になりました。
電車の中では皆うつむき一生懸命にスマホの画面を見ています。
そんな時注意してほしいのが頚の姿勢です。
成人の頭の重さは一般には体重の10%と言われています。
なんと約4~6㎏もあり、ボーリングの球の11~13ポンドの重さにあたります。
そんな重い頭を、頚椎を含む背骨と首や肩、背中の筋肉がこの重さを支えており、うつむくだけで頭の重さの数倍の負荷が首にかかっているのです!
電車の中でうつむいている方や、デスクワーク中に首が亀のように前に出ている方、頚椎の悲鳴が今にも聞こえてきそうです。
そしてそんな悪い姿勢が続いたある日、身体に異変が現れます。
あれ?なんか首が痛いな?肩も痛いし、腕が痺れる感覚があり、箸も使いづらい。
もっと症状が強いとボタンがかけづらくなったりするそう。
原因はなんでしょう。姿勢が悪いとなぜヘルニアになるのでしょうか。
それは、背骨をつなぐクッションの役割をしている椎間板が加齢変化や、悪い姿勢での仕事、スポーツなどが誘因となり後方に飛び出すことによって起きます。
でも、病院に行くのも面倒だなぁと思っている方、たくさんいらっしゃると思います。
ご自身でまず首を後方や斜め後ろにそらしてみてください。
腕や手に痛み、痺れが出現したり、痛みがもっと強くなることがあります。
そんな症状があったら頚椎椎間板ヘルニアを疑い、迷わず整形外科を受診してください。
強い痛みや痺れがなかったから大丈夫。と思っている方のなかにも、まだ症状が出ていないだけでヘルニアになっている方もいらっしゃいます。
違和感を感じたらまずは受診されることをお勧めします。
まず細かい話になりますが、運動・解剖学についてお話していきます。
椎間関節について
運動
屈曲伸展:下位頚椎は脊椎の中でも動きがもっとも多い部分である。
屈曲では骨性の制限はなく、椎間関節の関節包や後縦靭帯、黄靭帯および項靭帯などの制限が主となる。
そして、それぞれの関節面をお互いに滑動させ、後方の部分を最終的に棘間靭帯が最大新調されるまで挙上し屈曲は止まる。
伸展は前縦靭帯の緊張に加え、下方関節面の前角が上の椎骨にぶつかり骨性で止まる。
これらの動きを移動性滑動という。可動域としては下位頚椎では第4-6頚椎の運動性が高く、
この部位は静的頚椎前弯が大きく、過度のストレスを受けることから、椎間板ヘルニアや退行変性の起こりやすい部位であると言えます。
側屈と回旋
脊柱は屈曲と伸展、側屈、回旋などの運動に伴い三次元座標軸回りの回転、および三次元的変位の動きを生じる。
これをcoupling motionと呼ぶ。頚椎におけるこの運動は側屈に伴う同方向への回旋と回旋に伴う同方向への側屈としてよく知られている。
下位頚椎ではcoupling motionにおいて回旋運動の要素が大きくなる、さらに側屈・回旋のcoupling motionにおいて頚椎の伸展運動もみられる。
頚椎の捻転において C5-6、C6-7間は屈曲、C4-5間以上では反対に伸展のcoupling motionを示す。
すなわち、頚椎の捻転においてC5-6椎間以下では主に前方に、C4-5椎間以上では後方に負荷がかかる。
これは骨棘の好発部位と頚椎捻転時に負荷を受ける部位とが一致しておりcoupling motionが骨棘の発生に関与する可能性が示唆されている。
このように頚部の運動学、解剖学を理解していることで私たち理学療法士は日々の患者さんの治療に役立てております。
今後も有益な情報を発信していきたいと思います。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
藤沢 藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 駿藤 野中
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ
チーム医療を!
藤沢 駅前 藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックです。突然ですが皆さんPT•OT•STという言葉を聞いたことはありますか?
これは病院やクリニックでよく使われる言葉の略語になります。
- PT=Physical Therapist
- OT=Occupational Therapy
- ST=Speech Therapist
の頭文字をとって略したものになります。
英語に詳しい方ならなんのことかわかった方もいるでしょうか。
それぞれ
- PhysicaltTherapist=理学療法士
- Occupational Therapy=作業療法士
- Speech Therapist=言語聴覚士
のことを表しています。
病院やクリニックではスタッフ間でよくこの略した言い方で呼び合うこともあります。
ちなみに藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックにいるのはPhysical Therapy→略してPT→理学療法士になります。
それぞれ職業にどんな違いがあるのかは、長くなりますのでまた別のブログに掲載します。
ちなみに、皆さんご存知の通り
- 医師→Doctor
- 看護師→Nurse
はそのままの呼び方で呼ばれることが一般的だと思います。
それぞれ仕事内容は違いますが、最近ではそれぞれが専門職を生かして働くだけではなく、それぞれ意見を交え、医師、看護師、理学療法士など多くの医療に関わる職種が患者様の病状に合わせてチームを組み、意見交換しながら患者さまが心身ともに健やか生活が送れるよう、サポートしていきます。
これをチーム医療と言います。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックには医療スタッフは医師2名、理学療法士5名に4月より2名増員予定、看護師1名に4月より1名増員予定、放射線技師2名、管理栄養士4月より1名入職予定、医療事務9️名でチーム医療を行っています。
クリニックは病院と比較すると医療職種は少ないと思います。
特に藤沢藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは、整形外科に特化してるクリニックになりますので、大きな病院と比べると職種は少ないかなと思います。
しかし、我々、藤沢藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックも1人1人の患者さまを中心に、それぞれのスタッフが知識と技術を持ち寄り、それぞれの強みを発揮しながら皆様の悩みの解決をしていけたらと思っております。
どこかお体の痛みでお悩みの方は是非、イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックに受診にいらしてください。
本日もブログを読んでくださりありがとうございました。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック T&K
バランス機能について
こんにちは! 藤沢の駅前 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックです。
いつも記事をご覧頂き、誠にありがとうございます。
今回はバランス機能障害について紹介します。
バランス感覚が良いとか、悪いとか一度は聞いたことがあったり、もしくは他人から言われたことがある方もいらっしゃるかと思います。
ではそのバランスはどのように調整しているのか、バランスが悪いとどのようなことが生じるのかを整形外科の観点も交えながら紹介します。
バランスとは姿勢保持や動作時の安定性、不安定性を示しており、協調性や平衡機能にかかわる神経機能を中心にとして以下などを含む複合的な身体機能 (能力)であると言われています。
- 知覚
- 認知
- 骨
- 関節
整形外科疾患や骨変化や筋力低下等の姿勢の変化に起因するものや疼痛や筋出力低下に起因するもの、加齢による視力や固有感覚の知覚低下に起因するものなど紹介していきます。
①姿勢の変化によるバランス機能の低下
整形外科疾患や加齢に伴う脊柱の後弯、骨盤が後傾することで後方重心になってしまいます。
後方重心になることで前後のバランス機能が低下し、特に後方に転倒する可能性が高くなります。
また膝関節が伸びきらなかったり、手術や骨変形による脚長差がある場合は側方へのバランス機能が低下し側方への転倒リスクが高くなります。
②支持性の低下によるバランス機能の低下
抗重力伸展筋(脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングス、下腿三頭筋、ヒラメ筋、前脛骨筋)の筋力低下や脊柱や股関節が伸びきらなかったり(伸展制限)、足関節の可動域制限などが生じている場合があります。
また整形外科疾患の変形性膝関節症による大腿四頭筋の筋力低下に伴う疼痛によって支持性が低下している場合はバランス機能が低下しやすいと言えます。
③知覚の低下によるバランス機能低下
加齢による視覚や固有感覚の低下は段差や障害物の認識を遅れやバランス反応が遅れなどにより、段差の踏み外しなどによる転倒につながります。
バランストレーニングのポイント
バランス機能を高めるには脳の情報処理能力の向上やバランス機能を支える感覚器系(視覚や前庭系)や整形外科では欠かせない、筋力や関節可動域など全ての機能の向上が必要になります。
バランス機能の向上を図るトレーニングとして反復学習を行うことで運動学習を行います。
そのため難易度の調整が必要になります。
難易度も簡単過ぎず、難しすぎずが要求されるため、セラピストなどの整形外科でのセラピストの介入が必要になってきます。
藤沢のイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック スタッフ K&N
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ
サプリメントの飲み方(プロテイン編①)
こんにちは。藤沢の駅前にあります藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックです。
本日はスポーツ選手のサプリメントの飲み方についてお話をさせていただきます。
サプリメントには様々な種類がありますが、有効に使っていく為に気をつけなければならないのはドーピングです。様々な広告などを信用して気軽にサプリメントの摂取を始めるべきではありません。サプリメントや医薬品など、何らかの効果を求めて服用するものについては副作用やドーピング禁止物質が含まれている可能性があるので、専門家に相談してから使用を開始してください。
今回はサプリメントの中のプロテインについて記載をします。
プロテイン(タンパク質)は最も使用されているサプリメントであり、筋肉を作る原料です。さらに骨、皮膚、髪、爪などあらゆる部分の材料にもなります。練習やウェイトトレーニングで激しい運動を行うほど、筋肉がダメージを受けて、そのダメージを回復させ、より強く大きな筋肉を作る為に多くのたんぱく質が必要になります。
たんぱく質の1日の必要量は体重1kgあたり2~3gになります。必要なたんぱく質をすべて食事から摂ろうとすると、食事量がかなり多くなってしまいます。
また、タンパク質を多く含む食品は同時に脂肪も多い為、体脂肪量の増加に繋がってしまいます。そこでタンパク質を効率よく、手軽に補給できるように作られたのがプロテインです。
では、いつプロテインを飲んだらいいのかについてです。
タンパク質は一度に大量摂取しても、体内に蓄積されないので複数回に分けて摂取することが必要です。プロテインの最適な摂取のタイミングを考えると、トレーニング直後~30分以内がタンパク質が効率的に筋肉に届けられ、筋の再合成を助ける為良いと言われています。しかし、このタイミングでは糖質の補給も必要になります。糖質は筋中に蓄えられていますが、トレーニングの際にエネルギーとして使われます。糖質が無くなった状態では、代わりにタンパク質がエネルギーとして使われてしまい、タンパク質本来の目的を果たせなくなります。なので、激し運動後は炭水化物も一緒に摂取する事をお勧めします。
またどこかでプロテインの飲み方の続きを記載していこうと思いますので、よろしくお願いします。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック スタッフ
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ
どれくらい歩くと健康的なのか?
こんにちは!!
藤沢にあります藤沢にありますイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの駿藤と野中です。
近年健康ブーム、コロナ禍での運動の見直しなどで運動への関心が高まっているのではないでしょうか?
「歩くことは体によい」ということは誰しもが知っており、整形外科にいくとよくウォーキングをしたほうがよいと言われた経験が多いのではないでしょうか?
そこで今回は具体的に
- 「どれくらいの速度で」
- 「どれくらいの頻度で」
- 「どれくらいの時間行えば」
- 「どんな効果が得られるのか」
という疑問について、ご紹介していきたいと思います。
2005年、長野県松本市で中高年者を対象にウォーキング研究を行っている信州大学大学院スポーツ医科学教室の能勢博教授によると
「1日10,000歩、1年歩いても体力は向上しない」
ところが、「体力を向上させるウォーキング方法を発見した」というのです。
教授は10年あまりで7,000名以上の中高年者を対象にウォーキングの効果を検証したそうです。
その科学的エビデンスの蓄積に成功した「インターバル速歩」を紹介したいと思います。
その方法とは本人がややきついと感じる速歩(最高酸素消費量の70%以上)と、ゆっくり歩き(40%程度)を3分間ずつ交互に繰り返すという方法です。
それを1日5セット、週に4日以上繰り返すと、5か月で体力(下肢筋力・持久力)が最大20%向上し、また生活習慣病の症状が20%、うつや関節痛の症状も50%以上改善して、その結果、医療費も20%削減できることを明らかにしています。
なぜ、このような簡単な方法でこれほど顕著な効果があるのか、また、なぜこのことがこれまで広く知られていなかったのかと不思議に思われるかもしれません。
しかし、これこそが現場で活用できる最新の科学的エビデンスであり、「どれくらいの速度で」、「どれくらいの頻度で」、「どれくらいの時間行えば」、「どんな効果が得られるのか」という疑問についての明快な回答なのです。
水中歩行へと応用し、腰痛や膝痛を有する中高年者を対象に体力向上効果を明らかにしています。
さらに、理学療法士の研究報告などでは、人工股関節置換術後(杖使用もあり)や要介護者(歩行器使用や歩行介助もあり)を対象に体力向上効果を明らかにしています。
すなわち、歩くことが筋力増強運動になるのです。
能勢教授曰く、「歩くことで体力が15%向上すれば、10歳若返った体力が得られ、新たなチャレンジにつながる」と言われています。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックには理学療法士が5名在籍しており、痛みや体力を考慮しておひとりおひとりに合わせた運動療法を提供しております。
このブログを読んでくださっている皆様も運動をすることで10歳若返った体を手に入れてみてはいかがでしょうか。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック スタッフ
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ
骨密度が正常なのに骨粗鬆症ってどういうこと?
いつもご覧いただきありがとうございます。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック院長の渡邉順哉です。
こちらのページは沢山の方にアクセスを頂いており、ありがとうございます。
骨粗鬆症についてもう少し分かりやすく解説した「骨粗鬆症専門外来」のページもご用意しておりますので、こちらも合わせて是非ご覧ください。
▶︎イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの骨粗鬆症専門外来
骨粗鬆症をもっと詳しく知りたい方はこちら!毎日、骨粗鬆症マニアの院長が呟いています。
当院の骨粗鬆症撲滅にかける想い
今回は、骨密度が正常なのに骨粗鬆症と診断される方が増えてきています。
現在もイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックが最も力を入れて取り組んでいるのが骨粗鬆症診療ですが、
さらに今後一番力を入れていきたいと思っているのも骨粗鬆症です。
何故、私が骨粗鬆症にこだわるかというと、本気で骨粗鬆症を日本から撲滅したいと思っているためです。
実は、骨粗鬆症による大腿骨骨折が先進国で増えている国がひとつだけあって、その国は日本なんです。
日本人の死因はガンが断トツトップですが、このガンの検診率は世界的にみても先進国の半数くらいで40%程度とかなり酷いと言われています。
実は、99%以上が骨粗鬆症が原因である大腿骨骨折の死亡率もガンとほぼ一緒です。
しかし、骨粗鬆症の検診率はどうでしょう?
一番良い県でなんと15%。
神奈川県に関してはワースト3位の1%です。
骨粗鬆症は女性の場合、平均60代で、早い方だと40代からなってしまいます。
男性でも平均85歳頃には骨粗鬆症になります。
ガンと違い、誰でも年齢を重ねれば掛かってしまう病気、それが骨粗鬆症です。
こう聞くと、骨粗鬆症は加齢でしょ?なったもんは仕方ないんじゃないの?どうせ治せないんでしょ?
とおっしゃる意見を良く効きます。
これは、私は国や学会の啓蒙不足としか言いようがありません。
知らないものはしょうがない、そう思われるのも当然と思います。
しかし、骨粗鬆症は治療することで、十分骨折を予防することが出来ます。
特に骨粗鬆症になりそうな段階で見つけて、早期治療しておくことで、そんな大変な治療をせずに済むことが多いです。
例えば、ガンの場合、早期ガンであればその部分だけ内視鏡で小さく切り取って終わりですが、進行してから見つけても臓器丸ごと取り除く必要があったり、もう手遅れの場合があります。
骨粗鬆症も同じです。
よく背中が丸まってきて背が縮んできたら骨粗鬆症を調べましょうと啓蒙されていることがありますが、その時点では背骨が潰れ場合によっては重症な骨粗鬆症になっている状態です。
その状態から治療してもなかなか良くなりませんし、骨粗鬆症の治療にはかなり時間が掛かりますので、骨が強くなっていく過程でまた骨折を繰り返してしまい段々と動けなくなっていく方、全然珍しいことではありません。
こうなる方の多くは70代以降で、恐らく10年、20年前に何らかの兆候が認められるはずです。
例えば、血液検査では骨がどれだけ壊されやすい状態にある方、栄養状態が悪い方、卵巣や腎臓などの病気を患っている方など、これらは40~50代の頃にはすでに骨密度が下がり始めているケースが多いです。
そこで、精密検査さえしておけば、その時点で治療を開始していれば、背骨が潰れて背中が丸まったりせずに済むのです。
10年前に出会っていれば、今頃背骨はまっすぐのまま生活できていたのに、と悔やまれる方に大勢出会ってきました。
私は心の底から、こういった方を減らしていきたいと思っています。
▶︎イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの骨粗鬆症専門外来
骨粗鬆症治療に必要な3つのこと
では、ただただ骨粗鬆症の検査を受けておけばいいんでしょうか?
ここで、私は注意してもらいたことがあります。
私はよく患者さんに骨粗鬆症の検査はしていますか?と聞きます
すると下のような答えが返ってくる場合があります
「糖尿病で通院している内科でビタミンDは処方してもらっているが調べてはいない」
「足の骨を数年前に測って大丈夫でした」
「先日、手首で骨密度を調べて問題ありませんでした」
「毎年、腰と大腿骨の骨密度を調べてもらっていて、徐々に下がってきていますが、今のところ骨粗鬆症にはなっていないです」
骨粗鬆症を本気で取り組んでいる私からすると、どれも不十分です。
何が骨粗鬆症に本気で向合うために必要なのものは以下の3つ。
- 骨密度検査
- 骨折の確認
- 血液検査
これら3つについて解説します。
①骨密度検査
骨粗鬆症を診断するには、現在は腰の骨と大腿骨(股関節)の骨密度検査は必須です。
手首で調べる骨粗鬆症検査は腰の骨と大腿骨で調べる機械がない場合には手でも調べないよりは良いよというものです。
なぜ、手首ではなく、腰や大腿骨なのかというと、手首の骨折だけでは腰や大腿骨の骨折と比べると将来の寿命にはあまり大きな影響がないという統計データがあります。
より寿命に大きく影響する部位の骨密度を図りましょうというのが、骨粗鬆症の検査の大前提です。
ましてや、足で測る検査は、薬局などでお試し検査程度で調べるならまだしも、診断・治療には使わないようにと言われている検査になります。
(当院でも比較したところ、大腿骨・腰椎骨密度と足の数値は20-30%も違うケースも珍しくなく、当てにしてはいけないことが良く分かりました。)
未だに、検査機のコストなどの問題で、足や踵だけで検査する医療機関があることはとても残念に思います。
②骨折の確認
いいえ、待って下さい。
もう一つ、骨粗鬆症の診断に必要なものは、骨折の確認です。
あまり知られていませんが、骨密度が正常でも、今までに骨折があるかないかで診断される場合があります。
まさに骨密度が正常な骨粗鬆症というものです。
大人になってから例えば肋骨や手首の骨や足首や肩の骨を折ったとしましょう。
骨折の経験がなければ、腰や大腿骨のいずれかの骨密度が70%を下回った時点で骨粗鬆症という診断となります。
しかし、このような骨折を起こした場合、骨密度が80%を下回ると骨粗鬆症という診断に基準が厳しくなります。
では、骨折の経験がないし、骨密度が正常だから大丈夫かというとまだ早いです。
実は、いつの間にか骨折というものが残っています。
これは、ほとんどが背骨に起きてきます。
骨密度が正常でも、背骨が潰れている場合があり、潰れ方が軽い場合は特に痛みもなく自然と潰れていることがあります。これはレントゲンを必ず撮るようにしないと分かりません。
レントゲンで、背骨の厚みが最低20%以上潰れていればその背骨は圧迫骨折という診断になります。
実は、一つでも圧迫骨折があれば、いくら骨密度が正常でも、骨粗鬆症という診断になります。
本来はここまでしないと本当は骨粗鬆症なのに、骨密度は大丈夫ということで経過観察になってしまっている方がとても多いのです。
さて、ではなぜ骨密度が正常なのに骨が弱くなり、背骨が潰れるのでしょうか。
これには骨質が関係していると言われています。
骨密度は骨量と言われ骨に含まれるミネラルの量を示しています。
例えれば、鉄筋コンクリートの建物のコンクリート部分に当たります。
これらは骨の強度の70%分と言われています。
要するに骨密度は骨の強度の70%しか担保できていませんよということです。
では残りの30%は何か?
それは骨質と言われ、コラーゲンの部分と言われています。
先ほどの鉄筋コンクリートでいう鉄筋部分です。
ビル(骨)で考えれば、簡単ですが、コンクリート部分(骨密度)だけ大丈夫でも鉄筋(骨質)がもろくなっていればビル(骨)は簡単に崩れて(骨折)しまいますね?
実はここ10年ほど前から世界的にこの骨質がとても注目されています。
骨粗鬆症にも3つタイプがあります。
- A.骨密度低下・骨質正常型 50%
- B.骨密度正常・骨質劣化型 30%
- C.骨密度低下・骨質劣化型 20%
骨折しやすい順だとC⇨A⇨Bです。
骨粗鬆症の70%は骨密度が低下し、50%は骨質が劣化していることになります。
全体の30%は骨質だけ劣化し、骨密度は正常という、いわば骨密度正常の骨粗鬆症がなんと30%もあるのです。
実は大腿骨と腰の骨密度だけでは30%の骨粗鬆症の方を見逃していることが分かりました。
骨質劣化型の骨粗鬆症の方で、背骨の圧迫骨折に至っていれば骨粗鬆症と診断できますが、圧迫骨折になるまで骨質劣化型の骨粗鬆症を診断できないのは困りますよね?
そこで、開発されたのがTBS(海綿骨構造指標)という骨質を調べる解析ソフトです。
こちらの解析ソフトを現在の骨密度検査機に導入すると腰の骨の質を調べてくれます。
実はこのソフト数年前に発売されたのですが、導入に数百万円(大腿骨の骨密度検査機がもう一台買える費用)が掛かること。
保険適応になっていないため診療報酬が一切得られない。
といった理由で大腿骨の骨密度検査機を所有している医療機関でもほとんど導入していないのが現状のようです。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックは私が何とか骨質が劣化した方を背骨などの骨折を起こす前に救いたいという思いから、高額で赤字覚悟の上、2021年2月に導入しました。
※導入直前までは、ソフトの費用を回収する目的で患者様から追加で別途費用を頂くことも検討していました。
しかし、結果として希望者が減ることで骨質劣化型の骨粗鬆症の方を見逃すことは本望ではないと考え、現在のところ無償で検査結果を提供させて頂いております。(今後は変更になる可能性があります)
1カ月半以上に渡り、骨質を解析してきた結果、概ね骨密度と骨質は同じような結果になる方が多かったです。
肋骨骨折などを起こしたのに骨密度が正常のため骨粗鬆症と診断されていなかった患者様の中には、骨質だけが著しく劣化している結果を認める方も少なくありませんでした。
実は、今までビスホスホネート製剤で骨粗鬆症の治療を長年続けてきたのに、以外にもTBSの結果から骨質が悪いのが発覚し、ビスホスホネート製剤は骨密度の上昇効果は良いのですが骨質は変えないか場合によっては劣化させてしまうケースもありました。
SERM製剤やビタミンK製剤、場合によってはビタミンB6のサプリなど、骨質を改善しうる薬への変更する判断材料になりました。
今回、TBSソフトを導入することにより、治療方針を決定するための判断材料が増えて、より患者様に合ったオーダーメイドな骨粗鬆症治療を提供することができるようになってきました。
③血液検査
さて長くなりましたが、まだ骨粗鬆症治療に必要な3つ目をお伝えしていませんでした。
それは、血液検査(骨代謝マーカー・ビタミンD・ビタミンK、カルシウム)です
私はもうこれらを無くして、骨粗鬆症治療は語れないと思っているくらい、無くてはならない検査だと考えています。
特に大事だと思っているのは、骨代謝マーカーのうち、骨をどれだけ壊しやすいかが分かる血液の項目があります。
骨は常に作ったり壊したりを繰り返していますので、どれだけ速いペースで骨を壊すのかどうかというのはとても重要になってきます。
実は、60歳くらいで骨年齢が100歳のような骨密度が極端に低い方は、この骨を壊すという速度がかなり速くなってしまっているケースがとても多いのです。
その原因の多くは、性ホルモンです。
女性は閉経や卵巣の摘出手術により、女性ホルモンが大幅に減ります。
これには個人差が大きく、大幅に減ると、減る前までは女性ホルモンが抑えていた骨を壊す細胞が活発になってきてしまいます。
男性も男性ホルモンが減ると同じような現象が起こります。
実は、この骨を壊す速度というのは、生活習慣など自力での調整はほぼ難しいですが、女性ホルモンに似た薬や、骨を壊す細胞を抑える薬を使うことで、十分に抑えることが出来ます。
その薬により、骨を壊す速度は正常まで抑えることができ、僅かながら徐々に骨密度は改善しやすくなります。
しかし、女性の場合この骨を壊す速度が速まるのは50代前後で来ますから、私はこの時点で定期的にこの検査を受けることを強く推奨しています。
早期に破壊しやすい状態を見つけて抑えた方が、よっぽど簡単な治療薬で済むからです。
途中で治療を止めると、また骨を破壊しやすい状態に戻ってしまうので、一生治療は必要ですが、骨年齢が100歳になってから治療するよりは断然らくちんです。
それ以外にもビタミンDは私も含め足りない方の方が多いのでとても大事です。
腸で食べ物からカルシウムを体内に吸収するビタミンDが足りないと、骨は弱くなりますし、免疫力も低下するのでコロナに罹る心配もあります。
こちらは不足状態に合わせてビタミンDの補充により解決できます。
ビタミンKも体内のカルシウムを骨にくっつけるのに必要なビタミンなので、一度調べておくのは大事です。
ビタミンDと比べると不足している方は少ないですが、足りていない場合は処方薬により骨の質を改善できます。
それ以外にもビタミンDが不足しているのに、血液中のカルシウムがやけに多い場合があります。
その場合は、副甲状腺ホルモンを大量に作ってしまう腫瘍が副甲状腺に出来ている場合があり、それにより骨が弱くなるため、場合によっては副甲状腺の腫瘍を摘出する手術が必要になる場合があります。
まとめ
まだまだ、骨質を調べる血液検査もあり、今後の課題として考えています。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックを選んで来て頂ける方に、今後もより良い骨粗鬆症診療の提供を目指して参ります。
今回は今までで一番長い内容となりましたが、日本の骨粗鬆症診療を少しでも良くしていければと思い投稿してみました。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック院長 渡邉順哉
▶︎イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの骨粗鬆症専門外来
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックのアクセスマップ
痛くないけど肩が上がらないのはなんで?
いつもご覧いただきありがとうございます。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック院長の渡邉順哉です。
さて、今回は珍しい病気、キーガン型頚椎症(頚椎症性筋萎縮症)の症例に出会いましたのでお話しします。
肩が痛くないけれど、上がらなくなってしまった。
実は珍しいですが、こういった症状で受診される方はたまにいます。
良くあるのが、肩が痛くて上がらない。
こちらは、五十肩(肩関節周囲炎)が一番多く、次に多いのが肩を挙げる腱が切れる腱板損傷、あとは石灰が炎症を起こして激痛になる石灰沈着性腱板炎です。
私も含め整形外科医は、初診のお話しで、多い病気順にここまで病気を絞り込んでいると思います。
しかし、今回の中年の男性の患者様は
昨日朝起きたら、痛みはないけれど肩が上がらない。とお話しされました。
痛くないのですか??と聞き返してしまいました。
痛くないのに、肩が挙がらない。
これは整形外科医としては、日常診療でのイレギュラーなワードです。
腱板損傷か??
肩を挙げる腱板が切れると、上げようにも挙がらず、反対の手で支えながら上げれば上がりますが、降ろすときに痛みが出たり、夜間の痛みが出たりすることがあります。
高齢者だと、自然に切れて痛みがない場合もありますが、今回は中年だったため自然に切れるということは滅多にないため、何でだろ??となります。
レントゲンは予想通り、肩は異常なし。
超音波検査でも、やっぱり腱板は切れていませんでした。
何でなんだろう・・・・?
頚髄症?いや両側、下肢にもくるはず・・・
痺れや痛みがないのに、肩が動かない?
痺れや痛みは感覚神経、動かすのは運動神経と別の神経が働いています。
運動神経だけやられる病気って・・・?
あっ、キーガン型頚椎症では!!??
頚椎症の神経症状といえば、首の骨の変形で首の後ろの神経の出口で肩や腕に行く神経が圧迫されることで、肩甲骨から肩や手にかけての痛みや痺れを起こす病気で、中年の男女にとても多い病気です。
実はこの頚椎症にはとっっっっっっっっっっっっっっっっっっても珍しいキーガン型というタイプがあります。
多分、頚椎症の1000人に1人くらいじゃないかという感覚です。
脊椎専門の整形外科医であれば、何度か手術をしたことはあるかもしれませんが、脊椎以外を専門にしてきた例えば私のような膝の専門の整形外科医は数年に一度会うか会わないかという疾患です。
頚椎症による神経症状といえば、痺れ・痛みの病気で、進行し過ぎると力が入らないこともありますが、
痛みも痺れもないとなかなか疑えず、キーガン型頚椎症は整形外科医でも見逃すことが多い病気です。
この患者さんでは、肘を曲げる筋力も一緒に下がっていて、これはキーガン型頚椎症の特徴でもあります。
実は、肩に行く神経は首の骨に入って脊髄神経に繋がるのですが、その骨の入口に入った所では、痛みや痺れなどを伝える後ろ側の後根の神経と筋肉を動かす前側の前根の神経とに分かれます。
これらの神経の前には首の骨と骨の間にある椎間板というクッションがあり、その椎間板が圧が高まって弱い部分から後ろに飛び出ししまい、神経を押してしまう、頚椎椎間板ヘルニアという病気を起こすことがあります。
ヘルニアは神経の前から飛び出してくるので、当然前の前根の神経がやられそうですが、後根の神経は一部太くなっているからなのかこちらが先に影響を受け、痛みや痺れを起こします。
しかし、稀に前根の神経だけ圧迫されることがあり、肩を動かすための筋肉に動けという電気刺激を与えている神経がやられるため、痛みや痺れはなく肩が挙がらないという症状だけが出ます。
基本的には、頚椎のMRIを撮影して、神経の圧迫具合を確認して、確定診断となります。
さて、ここでさっさとヘルニアを手術をすれば良いという考えに行きつく方もいらっしゃるかと思いますが、
首の手術は、腰の手術とは比べ物にならないくらい、合併症のリスクがあがります。
実は、背骨の後ろにある神経が通るトンネルである脊柱管は、首では狭く、腰では太くなっています。
しかし、逆にその脊柱管を通る神経自体の太さは頭に近いほど太く、腰に近づくにつれて分岐して細くなります。
腰ではトンネルは広いのに、通る神経は細いので余裕ですが、首は狭いトンネルに太い神経が通るので、ちょっとでも狭さが悪化するとさまざまなトラブルを起こします。
例えば、首の手術で、神経が通る骨のトンネル内で、大出血が起こると血の塊である血腫ができ、狭いので簡単に神経を押して、両肩が挙がらなくなる麻痺という合併症を起こすことがあります。
腰の手術は神経が細く、骨のトンネルが広いためこのようなトラブルはほとんどありません。
こういったリスクから、腰と比べると首の手術はなるべく避けた方が良いと思っている整形外科医は私だけではないと思います。(もちろんそういったリスクを超える有益性が明らかな症例に関しては手術はすべきだと思います。)
さまざまな論文から、このキーガン型頚椎症ではいきなり手術でなくとも、リハビリを行いながら経過をみていくと数ヶ月から1年程度で大幅な改善を望めるようです。
ただ、それだけ長期に渡り肩を動かしていないと、肩が固くなっていまうため、理学療法士などのリハビリで固くならない予防を行う必要があります。
腰椎椎間板ヘルニアは、手術しなくとも、1年程度でヘルニアが自然と小さくなり、症状も手術しない場合と同じくらいまで改善するという研究結果もあります。
恐らく、頚椎ヘルニアも時間の経過とともに縮小し、圧迫が改善され、挙がらないという症状も徐々に改善してくるようです。
骨の変形による頚椎症性神経根症は、今回のキーガン型頚椎症よりも圧倒的に多く、10人に1人くらいはいるのではないかと思ってしまします。
これだけは覚えてもらいたいのですが、この頚椎症は骨の変形によるものであり、普段の首の姿勢や過去の頭部をよく動かして首に負担の掛かるスポーツをしていた方などは結構40代で首の骨の変形による神経痛を起こします。
これだけは覚えてもらいたいのですが、首の手術は合併症が多いので、スマホ首などにならないように、もう少し普段から首を大事にして生活して頂きたいなと、整形外科医は思っております。
最後まで、ご覧いただき誠にありがとうございました。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック院長 渡邉順哉
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3月15日は何の日?
こんにちは!
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックです。
今日は3月15日「オリーブの日」だそうです。
1950(昭和25)年3月15日に、昭和天皇が香川県・小豆島でオリーブの種をお手撒きされたことにちなんで、オリーブを守る会が記念日に制定しております。
普段の家庭では使ってもオリーブオイルだと思いますが、ピザやおしゃれなサラダとかに使われていて、食べる機会もなくはないオリーブ実は栄養が豊富で色々な健康への効果があると言われているそうです。
ちなみにオリーブが日本に渡ってきたのは安土桃山時代のみんなよく知っているポルトガルの宣教師 フランシスコ・ザビエルの一行が持ってきたと伝えられているそうです。
当時の日本人はオリーブオイルのことを「ポルトガルの油」と呼んでおり江戸時代になると西洋の学問や技術の学者たちが薬としてオリーブオイルを使っていたそうです。
こんな昔からオリーブは健康への効果があるとして活用されていたのだからオリーブってすごいんだなあって思いました。
オリーブの実には
- オリーブポリフェノール
- オレイン酸
- 食物繊維
- ビタミンE
- βカロチン
といった栄養成分が含まれており、その中でもオレイン酸はオメガ9系の不和脂肪酸です。
脂肪酸は体温を保ち、太陽光からビタミンDの合成、ビタミンA、E…
そしてイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックでは骨粗鬆症の治療も積極的に行っており骨粗鬆症対策で必要なビタミンDやビタミンKの吸収を助ける働きがあります。
そしてオリーブの実にはグリーンオリーブとブラックオリーブの2種類がありこれらの違いは熟成の度合いだそう。
またグリーンオリーブとブラックオリーブで含まれる栄養成分量が異なります。
- ポリフェノール: グリーン>ブラック
- オレイン酸: グリーン<ブラック
- 食物繊維: グリーン>ブラック
- ビタミンE: グリーン>ブラック
この栄養成分で便秘の解消、美容とダイエット、がん予防に効果があるので食べて損は無いですね!
ただし食べすぎると食物繊維が豊富なゆえ、お腹がゆるくなってしまうので1日5、6粒を目安に食べすぎないように気をつけて美味しく健康な身体つくりを目指しましょう!
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック
理学療法士のリハビリテーションの重要性
いつもご覧いただきありがとうございます。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック院長の渡邉順哉です。
今回は理学療法士のリハビリテーションについてお話します。
身をもって体感したことがあります。
3月13日の業務後、15時くらいまで私が職場に残っていると理学療法士のYさんが残っていました。
Yさんは日頃から熱心にエコーの勉強をしたりと勉強熱心で、ハイドロリリースも患者さんで必要な方がいれば相談しにきてくれます。
Yさんの知識と技術レベルは私も素晴らしいと思っていたので、一度自分の左膝のことで相談してみました。
ちなみに私の左膝は1年前くらいから徐々に痛くなってきていました。
最初は階段の登りで痛みを感じていましたが、徐々に空手の最中も痛みが出てきました。
大腿四頭筋の内側広筋の膝蓋骨に付着する部位だったので、大腿四頭筋のストレッチをしてから空手をやると痛みは軽減していました。
しかし、徐々に痛みが悪化してきて、ストレッチしても痛みが出るようになり、イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックで自ら体外衝撃波やハイドロリリースを試してみました。
どちらかというとハイドロリリースの方が効いて、しばらく痛みが引いていましたが、徐々にハイドロリリースをやっても痛みが出るようになってしまいました。
どちらかというと膝内部の痛みのような感じもしてきて、四頭筋のストレッチや体外衝撃波やハイドロリリース、湿布、PRPと色々やってみましたが、十分に痛みが引かず、空手のパフォーマンスがかなり落ちて困っていました。
痛くなる姿勢が決まっていて、左膝を90度近くまで曲げていったときに体重が半分くらい掛かると膝にズキっとした痛みがでます。
さて、Yさんのお手並み拝見ということで、今の状態を説明し、筋肉の固さなどを簡単にチェックしてもらいました。
左の大腿四頭筋の筋緊張は強くないが右より筋肥大している。というのです。
色々テストしてもらった結果、左はハムストリングスとヒラメ筋の出力を十分出せていないせいで、痛みが出ている可能性があるというのです。
膝を屈曲位で重心移動する動作で痛みが出るのであれば、その動作の際は大腿四頭筋だけでなく、ハムストリングスと下腿の筋も連動しているので、痛みが出る大腿四頭筋側と反対側にあるハムストリングスとヒラメ筋に十分出力を出してもらう必要があるようです。
そこで、ハムストリングスとヒラメ筋の出力アップのために、ハムストリングスとヒラメ筋を選択的に刺激する簡単な準備運動を教えてもらいました。
ものの数十秒、準備運動してから、さっきまで痛みが出ていた動作をもう一度してみるとさっきよりも楽に動けるようになりました。
痛みが出ている筋肉にずっと目が行っていましたが、まさか下肢の他の筋肉にサポートさせると負担が軽減して痛みが緩和するとは久しぶりにびっくりしました。
よく考えたら、腰痛でとっても多い脊柱起立筋の痛みは腹筋を締めてあげると脊柱起立筋の負担が軽減されて腰痛が楽になるというのと同じような考え方ですね。
なかなか、整形外科医は重大な病気の診断と治療法についての勉強、手術の勉強、薬の勉強ばかりで、専門医でもリハビリに関しては理学療法士に任せっきりなことが多く、私もその一人です。
MRIやレントゲンやエコーなど画像検査や血液検査で分からないような、筋肉の固さや筋力や姿勢など体の使い方によって引き起こされる痛みに関しては意外と無頓着で、痛み止めや注射、物理療法に頼りがちですが、ちゃんと理学療法士にチェックしてもらい、簡単なストレッチや体操をするだけで薬や注射や機械に頼らずとも痛みは楽になることが身をもって体験しました。
なかなか理学療法士のリハビリは受けたことがない方が多いと思いますが、接骨院や整体でのマッサージとは全く効果も違いますし、健康保険も使えて財布にもかなり優しいです。
何よりもマッサージのように揉まれて一時的に痛みが取れても、自分で自宅で再現して痛みを取れるオーダーメイドの体操の指導などは、今回のようにしっかり評価できる理学療法士でないと難しいです。
改めて、整形外科のクリニックには理学療法士は必要不可欠な存在だと再認識しました。
なかなか、予約が取りにくい理学療法士のリハビリですが、4月からまたさらに2名増員が決まっています。
藤沢で、最大規模のリハビリ施設を有した整形外科を目指し今後も進化を続けて参ります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長 渡邉順哉