トミージョン手術について
※本記事は、整形外科専門医・イノルト整形外科 統括院長 渡邉順哉医師の監修のもと執筆しています。
こんにちは!イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックです。
いつも記事をご覧頂き、誠にありがとうございます。
藤沢のイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニックの野球好きなスタッフより野球にちなんだ情報をお届けいたします。
『トミー・ジョン手術』という言葉を耳にされたことのある方も多いのではないでしょうか。
大リーグのダルビッシュ選手や大谷選手がこの整形外科手術を受けたことで、注目を集めました。
まずなぜ『トミー・ジョン手術』という名前なんでしょうか。
・・・なんとその正体はかつて大リーグで活躍した投手だったのです!
損傷した肘の内側側副靭帯を作り直す整形外科手術を1974年に初めて受けた選手です。
トミー・ジョン投手は手術を受けた後もプレーを続行し、約14年のシーズンで164勝をあげ、46歳で引退するまでに通算288勝を記録しました。
次にその原因となる 肘の内側側副靭帯損傷 についてです。
投球動作の「牽引力」によって内側の靭帯が引っ張られることで損傷につながり、疲労が溜っていくことで徐々に傷んでくる場合と、急激に断裂する場合があります。
基本的にはフォームの改善を行い、靭帯を補強するために腕の筋肉(回内屈筋群)強化をするなどのリハビリ治療や、ニューヨークヤンキースの田中将大投手も行った「 P R P」という再生医療の一種を行うといった治療法があります。
それでも改善しない場合は、最終手段として整形外科手術を行う必要があります。
※この再生医療の最新鋭の治療法を当院は間もなく導入予定です。
『トミー・ジョン手術』の内容は肘より先の前腕にある長掌筋を採取し、上腕骨と尺骨に作った孔の中に通します。
そして両端を引っ張った状態で固定し、靭帯の代用となるようにします。
現在では、日本の病院でも手術を受けることができ、群馬県の慶友 整形外科 病院では多くの手術が行われているそうです。
日本では保険適用されるので約30万円でトミージョン手術を受けることができます。
手術後の入院期間は約1週間程度といわれていますが、最終的に故障前と同等のレベルに戻るには、1年半程度はかかると言われています。
手術後の安静機関は重症度により大きく変わりますが、再建した腱がなじむまでは長期間の整形外科でのリハビリが必要となります。
しかし、手術を経て復活した日本人投手はダルビッシュ選手や大谷選手以外にも、和田 毅投手(現:福岡ソフトバンクホークス)、昨年現役を引退した元阪神タイガースの藤川 球児投手、元東京ヤクルトスワローズの五十嵐 亮太 投手など、数多くの投手が手術を乗り越えて活躍しています。
今季も多くの選手が活躍する瞬間をテレビの前で応援していきたいです!!!
また整形外科に関係する野球の話ができればと思っておりますので野球好きの方は楽しみにして下さると幸いです。
藤沢のイノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック スタッフ K&N
この記事の監修医師

イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 院長
渡邉 順哉
経歴
- 平成16年 鎌倉学園高等学校卒
- 平成23年 東邦大学 医学部卒
- 平成23年 横浜医療センター 初期臨床研修
- 平成25年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
- 平成26年 神奈川県立汐見台病院 整形外科
- 平成28年 平成横浜病院 整形外科医長
- 平成30年 渡辺整形外科 副院長
- 令和元年 藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
- 令和6年 イノルト整形外科 痛みと骨粗鬆症クリニック 統括院長